#155 雲の上の話

今そこにある危機

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銀の網亭・隣りの個室
隣りの部屋に移ってから、レイス達はキューレ少年に優しく話しかけた。

しかし、フェザーフォルクの少年キューレは、レイスの言葉に強く反応した。
興奮して半身を起こすが、激痛で再びベッドに倒れ込む。
■キューレ To:ALL
『オラン』!、ここオランって言うの?
大変だ!、「やつ」らは祭器を使って『オラン』を「何もかも無くす」って言ってた!。

■リフィル To:キューレ&ALL
事の次第は判ったが、生憎、其処まで広大な話しになると俺達の様な一介の冒険者には対処のしようがないな
お前の話の真偽を確かめる時間も無い、が、もし本当だとすると洒落にならない事も判るから、此処のオヤジを通して魔術師ギルドなり神殿に話しを付けた方が良くないか?

■ジン To:リフィル、ALL
まあ広大な話とも限らんさ。
弱い「やつ」が、たまたま「何もかも無くす」祭器を持っているのかもしれんよ。

■アール To:ジン
問題はそれが「どこ」で起こっているかってとこにもね。
強い弱いよりも、本当に空からくるのなら手が出せないよ…。

■ジン To:アール、ALL
まあ、彼の村が「空」にある可能性は否定せんがね。
彼が戻れるのに俺たちが辿り着けないという道理はないさ。
あらゆる可能性を考えないとな。

■キューレ To:リフィル、ALL
そうか、『オヤジ』と言う人がこの村の長老なんだね。
すぐ会いたい、一刻も早くオラン村を捨てて逃げるべきだよ。

「やつ」らは僕たちの村に伝わる「にんげんの祭器」を使って、この「オラン」村を焼くつもりみたいだけど、焼いて気が収まるなら、家や倉庫の20軒や30軒くらい焼かせてやればいい。
大きな村みたいだから大変だと思うけど、人さえ無事なら、また建て直せるよ。「にんげんの祭器」から身を隠すべきだよ。

僕も痛みが引いたら、村に戻るつもりだ。祭器は動かしてはいけないことになってるから。
ところで、「ぼうけんしゃ」ってなに? 僕は村の戦士だ……なりたてだけど。

■リフィル To:キューレ
オヤジが長老か……そう、言えなくもないが、違うぞ。
詳しい説明は周りのヤツに聞いてくれ(笑)

■ジン To:キューレ
「ぼうけんしゃ」ってのは君の村の戦士みたいなもんだよ。
その「祭器」ってのは何なんだ?「やつ」が君の村から盗み出したのか?
君の村はどこにあって、「やつ」とは何者なのかを聞きたいな。
どうやら君は非常に困っているようだし、俺たちの頼みを聞いてくれれば、力を貸してもいい。
オランが焼かれるのは、俺たちにとっても穏やかではないからな。

■ゼファルディート To:ジン&ALL
力を貸すのは僕も構わないケド、ネイサンさんの依頼の方もあるから、現実問題、なかなか難しいんじゃあ……。

そう、言ってからキューレに対してあわてて、取り繕うように言葉を発する。
■ゼファルディート To:キューレ
ええと、協力できることは協力したいと思うんだ僕も。
でも、僕らも別の仕事を請け負っているから、その依頼者の意向を無視して君に全面的に協力は出来ない……と思うんだ。
それに僕も君と一緒で「ぼうけんしゃ」になりたてだから、一度に複数の仕事をこなす自信がないんだ(苦笑)
あ、えと、自己紹介がまだだった。
僕はゼファルディート、見たとおりエルフだよ。

■キューレ To:ジン>ゼファルディート
そうか、きみ達も困ってるんだ。僕は早く村に帰らなければいけないけど、助けてもらった恩もある。できることなら、やってみるよ。
あとゼファルディートさん、僕は困ってるけど、僕の後始末は僕がするから心配しないで。
だから、助ける余裕が自分に無いことを、そんなにけなさないでほしいんだ。

■ゼファルディート To:キューレ
そういってもらえると、コッチも気が楽になるよ。
ありがとう。

■ジン To:ゼファルディート、ALL
俺は「頼みを聞いてくれれば、力を貸してもいい」と言ったはずだぜ。
依頼人のことは忘れちゃいないさ。
考えてみてくれ、彼は空を飛べる種族だ。
時には大型の有翼動物を飼いならしていることだってある。
急ぎの馬車で往復8日の距離だって、空を飛べば文字通りひとっ飛びさ。
まあ、少々都合のいい話ではあるがね。

■ゼファルディート To:ジン&ALL
そうか! ニジイロワカメを代わりに運んでもらえばいいのか。
さすがベテランの冒険者は頭の回転が速いな〜、見習わなくっちゃ。

■ジン To:キューレ
君の村では、人を乗せられるような大型の有翼動物は飼いならしていないのか?

■キューレ To:ジン
重い怪我で1時間くらいしか飛べないクリフォンなら飼ってるよ。

■ジン To:キューレ
そうか・・・ふむ。しかし飛行運搬力としては貴重だな。

■ゼファルディート To:ALL
その、"ぐりふぉん"ってどんな動物かは知らないケド、レイスの癒しの魔法でケガを治してあげればいいんじゃないの?

■ジン To:ゼファルディート
いいね、それで治るならそれに越したことは無い。
願わくば、レイスが休息できる状態でその時がくること、かな。

■アール To:キューレ
どちらにしても残念ながら、その祭器から身を隠すのは間に合わないだろう。
君が思うより「オラン村」は大きいからね。
問題はその「やつ」らが何故オランを狙うのか?だけど。
「やつ」らは君と同じ空の種族なのか?

■キューレ To:ALL
「やつ」は「にんげんの祭器」の一部で、鎧の化物なんだ。
僕達の船でできた村の中に、ずっと昔からあったんだけど、動いたところなんて見たことなかった。
………
でも、その鎧の化物には「昔から」杭が刺さっていた。おじいさんは『抜くと世界に災いが降りかかる』って言ってた。

でもなぜか杭を「どうしても」抜きたくなってしまったんだ。

どうしてそう思ったのか、今でも分からない。
抜いたら鎧の化物が動き出して、突然翼を切られた。しかも更に鎧の化物はおじいさんの巣に入り込んで、暴れたんだ。

でも、その後ろにはグリュネおじさんがいて、鎧の化物に命令してたんだ!
この目で見た今でも信じられない。
グリュネおじさんは、一日に一回「自由だ────!」って叫ぶだけで、里に下りられず村で生きるのが精一杯な優しい人だったのに。

怪我を我慢して止めようとしたけど、反対に石柱ごと外に放り出された。……翼が切られていたので飛べずに落ちた。しかもそこから先は何も覚えてない、気が付いたらここにいたんだ。

■リフィル To:キューレ
お前、そのグリュネおじさんとか言うヤツ嫌いなのか?
(村で生きるのが精一杯って、何気に毒吐いてるし…)
おもいっきり操られてる気がするが、黒幕が鎧か、それ以外か、まぁ行ってみない判断できないがな

俺としても、殺され掛けた訳だから帳尻は合わせたいんだが…如何せん今回は、先約が有るからな…

■キューレ To:リフィル
えっ、どうしてそうなるの?
村のみんなは、みんな大好きだよ。力のある大人達はみんな用心棒の出稼ぎに出ちゃうから、村には助け合わないと生きていけない人しかいないんだ、僕も大人じゃないからそうだよ。

■リフィル To:キューレ
 そうか、そいつは失言だった、謝るから忘れてくれ
用心棒の出稼ぎ…傭兵家業な羽付のヤツなんか見た事がないが…世界は広いんだな全く
 ところで、参考までに聞くが、その【鎧に昔から刺さっていた杭】ってのは特別なモノだったのか?
それに、その抜けた杭は今どこにあるか知ってるのか?

■キューレ To:リフィル、ALL
用心棒は傭兵とは違うよ。
いろんなところの山に僕たちのなかまの「里」があって、そこの「里」の戦士になるんだ。

どこにいったかわからないけど……、杭は銀色で虹みたいにきらきらしてた、杭のてっぺんには赤い宝石みたいだったよ。大きさはこれくらい。

そう言うと、キューレは両方の手のひらで、30cmくらいの幅を作って見せた。
■リフィル To:キューレ、ALL
 為る程確かに、それだと、滅多に逢う事はないか(笑)
それにしても……
ニジイロワカメと良い、その虹みたいに輝く杭と良い、よくよく【虹】って言葉に縁があるな

まぁ、その杭が特殊なモノって判っただけでも儲けモノか、つまり樫の木の杭打ち込んでも無駄って訳だ

その鎧を鎮める為の杭探しか…余計な仕事がまた一つ増えたな…ヤレヤレ

さも、めんどくせぇ、といった感じで。死守してたワイン(瓶事)をあおる。
■ジン To:キューレ
まだ答えてもらっていないことがあるな。
君の村はどこにある?翼の無い俺たちでもそこへ行くことはできるのか?

■キューレ To:ジン
村は風に流されているから、分からない。
でも乗っ取られてなければ、あと3〜4日後には「壊れた港」に着くはずだったから………。

■アール To:キューレ
すまないが、「翼」以外に君たちの村に行く方法はないか聞いてるのだけど。
もし「壊れた港」から行けるというのなら話しは分かる。
できればどの辺りか教えてもらいたいな。詳しくでなくとも方角でもいい。

■キューレ To:アール
「壊れた港」は、村では「壊れた港」と呼んでいたんだ。
ほんとに、これで分からないの?
……どこかの山にあるんだけど、もしかしたら着けないかも。

村は、僕が落ちるまでは「東」に向かってたよ。

■アール To:ジン
東といえば、こないだみた書物にそれらしき遺跡の話がのってたな。
これで彼の村が空にあることは間違いないわけだけど…。
都市が浮くくらいだから「空を飛ぶ船」があってもおかしくないよな。
「くもふね村」って名前も気になる…。
(心なしか、さっき一瞬だけ曇ったような気もしたけど…)「壊れた港」の方角さえ合ってれば、さっきのジンさんの方針も悪くないんだけど…。

■ジン To:アール、ALL
そうだな。何か手がかりが無いか、学院で調べてみるのも手かもしれん。
「船」と付くんだ、もし「操船」できるなら、オラン−カゾフ間を一気に駆け抜けられるかもな。
確かに方角が同じなら、少なくとも行きの馬車は一緒に行ける。
オランとカゾフ周辺の地図が入手できればな・・・。
できれば山や湖とかの地形が書き込まれたものがいいんだが

■レイス To:ジン
該当のものが学院で見つけられれば模写はできるでしょうね。

■ジン To:レイス、ALL
うむ。どのみち学院には、オランの危機だという報告に行かなきゃならん。
信じてもらえれば、色々と手助けしてもらえるかもしれんしな。

■アール To:ジン
そうそう、学院の書にあったんだよ!。
『浮遊船』とかって。たしか雲といっしょに移動するから、天候を予測して風向きを調べれば行き先もわかるかも。
ただ、操船ができるか…次第で…カゾフに行けるか…。(ちらりとネイサンに目をやる。)

■ジン To:アール
俺も落ちてきた石柱を検分してその可能性を考えた。
確かにカストゥール時代にはそうゆう浮遊する船が存在したからな。

■ネイサン To:アール
『船』を操るのですか……、上手く行けば文句はありませんが、運を天に任せるってのは困りますよ。今のところ、訳の分からないものに、店の運命を委ねるつもりはありませんから。

■ジン To:ネイサン
まあまあ。まだ情報が足りない状態ではこう言わざるを得んのさ。
もしこの少年の言うことが本当なら、あんただって店の運命どうのとは言っていられないはずだせ。
俺たちは今夜中に裏を取る。話はそれからだ。

■リフィル To:ネイサン
話しは聞いただろう?
取り敢えず、今回は先約がアンタだ、ニジイロワカメとやら輸送は一家の命も掛かってる訳だから、破棄は出来ないんだろが、どうしたい?

ネイサンは、あまりの話に呆然としていた。リフィルに話しかけられて、はたと我を取り戻す。
■ネイサン To:ALL
オランに災い……。
冗談じゃない………、商会の皆はどうなる………、中には食うに困って丁稚に出された子供もいるんだ。

わ……私は知らない、何も聞いてない!

自分の大声に驚き、ネイサンは我に返った。
ばつが悪そうに、言い直す。
■ネイサン To:ALL
……依頼を、契約をどうするのか、明日聞く。回答はその時でいい。オラン東門で待つ、……武器も準備しておく。

■レイス To:ネイサン
…そうですね。
お互いにとって何が最善か考えるほうがいいでしょう。


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GM:支倉真琴