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SW-PBM Scenario#150
Three? materials

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迷子のアリエラをさがして


 市場

衝撃の事実発覚により、やみくもに逃げてきてしまったアリエラ。
どこをどう走ってきただろうか?
足元でノームがうごめいたり、ウィップがしなる音が聞こえたりしたのは気のせいだったのだろうか?
とにかく気付いた時には、市場の混雑の中にいた。
■アリエラ To:
……はぁ、はぁ……。
……あれ? ここ…どこだろう……?

あたりはどこを見ても似たようなテントの露天、出店でいっぱいだ。
これから夜になろうというのに、まだまだ活気はおさまらないらしい。
■アリエラ To:
こんな時間でも、お店、開いてるんだ…。

■刈り上げの店員 To:アリエラ
おや、お嬢さん。
そんなずぶぬれじゃ〜風邪をひくよ。
どうだいこれ! トールクーベ独特の刺繍を施した織物だ。
試着もできるから、合わせてみないかい??

およそ女性の衣類を扱っているとは思えない激しい刈り上げの男が、手触りのよさそうな織物の服を並べたテントの下から声をかけた。
■アリエラ To:刈り上げの店員
(確かに、ちょっと寒いかも…)
えっ…おいくらぐらいですか?
あと、何か拭くもの、貸していただけます?

物珍しい織物に興味津々。
誘われるまま、テントの中に入り、さっそく好みの物をチェック(笑)
ついでに、刺繍の文様に見覚えのものがあるかどうかを見てみる。
誰でも知っている草花や動物をあしらったものを除けば、とくに知っている柄は無いようだった。
■刈り上げの店員 To:アリエラ
おっと、これは気が利かなくて悪かった。
ささ、これを使ってくれ。
値段はモノによって違うからね、とりあえず気に入ったのあったら言ってくれ。

素早く大判のタオルをアリエラに差し出す。
■アリエラ To:刈り上げの店員
ありがとうございます。

商品を濡らさないように、髪や服の水滴を受け取ったタオルで抑えながら品物を見ていく。
テントの中には、ひらひらのワンピースや、皮のタイトスカート、そして見たこともないような変わった衣装などがところ狭しとぶら下げられている。
袖の下が長くなったつくりの、やたら長い布のようなものもある。
■アリエラ To:刈り上げの店員
なんか見たことのない服がイロイロあるんですけど…。
トールクーベ風の服っていうのはどれになるんですか?
あと、そっちの服、見せてもらってもいいですか?

店員の真後ろにある服を指差す。
■刈り上げの店員 To:アリエラ
そうだなぁ、トールクーベの自慢はなんと言っても、さらっとして手触りの良い布の品質と、刺繍の美しさかな?
細かくて丁寧な仕事をする職人が多いのさ。

おっと、こっちだね、ちょっと待ってな。

店員がさっと後ろを向いた隙に、アリエラは首筋へと視線を集中させた。
刈り上げの店員の首は丸見えだ。例のアザは見当たらない。

店員はぶら下がっている胸元の大きく空いたぴちぴちワンピースを手に取って、アリエラに手渡した。
■アリエラ To:刈り上げの店員
(うっっ! あ、でもこれって……)
あ、じゃあ、これ試着してもいいですか?

■刈り上げの店員 To:アリエラ
どうぞどうぞ〜。そこ、カーテンで仕切ってあるから。

一瞬言葉に詰まったものの、何か考え直しワンピースを受け取る。
そして、ふと何かを探すように寂しげな視線を外の通りにむける。
■アリエラ To:心の声
(キュラスさん…こんなところにいるわけないよね。
私、自分で逃げてきちゃったんだもん、仕方ないよね…)

何かを諦めたように首を振ると、試着室に入った。
■アリエラ To:独り言
……ふぅ…。

雨でずぶぬれになったマントを脱ぎ、そして水を吸って重くなったハードレザーを外すと、身軽になった分、少し心も軽くなる。
濡れて肌に張り付いていた鎧下の衣服も脱ぎ、タオルで水気をふき取る。
そして覚悟を決めて、ワンピースを身に纏う。
普段は鎧に隠されている女性らしく膨らんだ胸元、そして細い腰が露わになる。
さらに濡れた三つ編みの髪も解いてタオルで乾かすと、ゆるやかにウェーブを描く栗色の髪が広がった。
仕上げにと顔に着いたススを水気を吸ったタオルでふき取るとそのままタオルに顔をうずめて呟いた。
■アリエラ To:独り言
……ね、ね、むい…、いっそこのまま…ねちゃいたい〜…。
って、ダメダメ、まだやること、残ってるし…。

慌てて首を振ると、濡れたハードレザーと服を荷物にしまい、試着室を出た。
■アリエラ To:刈り上げの店員
あの、これ、このまま戴いて行きます。
あと、タオルも売っていただけますか?
あわせておいくらになりますか?

■刈り上げの店員 To:アリエラ
おっ。お嬢さん似合うねぇ。
ワンピースは80ガメル、タオルはサービスにしとくよ!

■アリエラ To:刈り上げの店員
ありがとうございます。
それと、これにあいそうな石や木の素朴な感じのアクセサリー扱っているお店ってご存知ありませんか?

代金を手渡しながらたずねる。
■刈り上げの店員 To:アリエラ
アクセサリーかい? それなら、俺の弟がやってる店があるから、良かったら見てみてくれよ。
この通りをずっとまっすぐ入った、左の角にあるよ。

■アリエラ To:刈り上げの店員
まっすぐ入って左ですね、ありがとうございます。

丁寧に礼をして、店を出る。
通りに出ると、また、何かを探すようにキョロキョロとあたりを見回す。そして寂しげに溜息をつくと、重みを増した荷物を右手に持ち、フラフラと教えられた店に向かった。
一方そのころ、表通りでは。
■キュラス To:アリエラ
リエラ〜!
どこいっちゃったのかな……。

アリエラを追いかけて走ってきてしまった者がここにもひとり。
そしてそれを追いかけて地面を走ってきたチャイロン。
人の波に踏まれそうになりつつも、何とかキュラスのブーツを見つけた。
キュラスは、道ばたで立ち止まり、息ひとつ切らさずに辺りを見回している。
■キュラス To:チャイロン
わっ。な、なんだ。お前か……。

自分の体をよじのぼるチャイロンに気付いて、ひとつ息を吐いた。
しかしチャイロンが首筋に鼻先を近づけた瞬間、
■キュラス To:チャイロン
こ、こら!

素早い動きでチャイロンの鼻先を手のひらで制した。
■キュラス To:チャイロン(&ミリィ)
いたずらするなよ(苦笑)
リエラを探しに来たんじゃないのか?

■チャイロン To:キュラス
…………きゅきゅ。

キュラスの反応に怪訝な顔(?)をしたものの、おとなしく鼻先をひっこめる。
今はアリエラを探すため、共闘することを選んだようだ。
チャイロンはキュラスの首筋を離れ、さらに上へとよじのぼりはじめた。
■キュラス To:ひとりごと
…ま、そこなら許してやるか(苦笑)

■チャイロン To:キュラス
きゅ〜っ、きゅっきゅきゅ〜?

キュラスの頭の上にぽてりんと乗っかったチャイロンが、あちこちをキョロキョロしながらアリエラを探す。
いつもよりも遙かに高くて安定性もいい視界に、かなりご機嫌の様子。
■キュラス To:チャイロン
リエラを見つけたら教えてくれよ。
さて…。
リエラの行きそうなところ…。

想い人の姿を心に描きながら、歩く速度を速めた。
 市場・アクセサリー屋

アリエラは、教えてもらった狭い通りを歩く。
やや坂道になった通りの角に、小さなテントがあり、手作り感あふれる素朴なアクセサリーが並べられていた。
さきほどの店員とよく似たぼうずの店員が、鼻歌を歌いながら商品を整理している。
■アリエラ To:独り言
あ、ここのお店かな?

店に近づいて商品をチェックしようとしたその時。
ふいに後ろから声がかかった。
■キュラス To:アリエラ
り、リエラ?

確かめるような声。頭の上にチャイロンを乗せたキュラスが、目を丸くしてアリエラの姿を見ている。
■アリエラ To:キュラス
あ…キュラスさん……。

なんとなく後ろめたいような、でもほっとしたような複雑な気持ちを抱きながら、キュラスを見つめる。
■キュラス To:アリエラ
ど、どうしたの、その格好……。

■アリエラ To:キュラス
え、あ、こ、これは…ずぶぬれで歩いてたら、そのままじゃ風邪引くってお洋服屋さんに声をかけられて…。
色々事情があって、この服を買ってそのまま着てきたんですけど……や、やっぱり変ですよね?
似合わないですよね?

恥ずかしそうに身をよじり、キュラスに背を向ける。
すると下ろされた長い髪の間から大きく開かれた肩と背中の白い肌が覗いた。
■キュラス To:アリエラ
そんなことないよ。
…えっと…

目のやり場に困ったのか、指で頬を掻きながら視線を逸らせた。
■キュラス To:アリエラ
可愛いよ、すごく。
髪、おろしたのも似合うね。

照れながらも、微笑んでリエラを見つめた。
■アリエラ To:キュラス
そ、そうですか。(照)

恥ずかしそうにしながらもキュラスの方を向き、少し近寄る。
そして、キュラスが未だずぶぬれなのに気がついた。
■アリエラ To:キュラス
キュラスさん…髪から水が…。
拭くひまがなかったんですね、ごめんなさい。

■キュラス To:アリエラ
あ、そういえば……
でも、気にしな……

言うが早いか、先ほどもらったタオルを取り出し、キュラスの髪を拭きにかかる。
■キュラス To:アリエラ
あ、ありがと……
……。

拭きやすいように身を屈めたキュラスだったが、ふと何かに気付いたように顔を赤らめて、困ったように目線だけ外に逸らした。
■アリエラ To:チャイロン
チャイロン、ちょっと邪魔だから、キュラスさんからおりててね。

そのとき急に、チャイロンが小動物らしい無邪気な表情(?)になった。
不安定なキュラスの頭から飛び降り、地面に降り立つ。
■アリエラ To:キュラス
あの、後ろの方も拭くので、ちょっとしゃがんでくださいね?

■キュラス To:アリエラ
え、いいよ、自分で……

自分だけがこざっぱりとした罪悪感からか、どうしても自分の手で拭きたいのだろう。
アリエラはキュラスの後ろに回りこみ、丁寧に髪を拭き始めた。キュラスは戸惑ったような表情を浮かべつつも、おとなしくしゃがみこむ。
■アリエラ To:心の声
(そういえば…キュラスさんが風織りさんの可能性ってあるのかな?
だ、大丈夫だよね?)

何か言いようの無い不安が頭をよぎる。
頭に思い浮かぶのは頬をかくキュラスの姿…。
その姿にふと違和感を覚える。
■アリエラ To:心の声
(あれ? キュラスさんのクセって……。
頭を掻く事じゃなかったっけ……?
いやでも…まだ会ったばかりだし…引っ掻く場所は色々なトコとか……。)

■アリエラ To:キュラス
あの、ちょっと拭きにくいので、マント、緩めてもらってもいいですか?

不安と緊張のため、声が少し震える。
■キュラス To:アリエラ
あ、うん。……そんなに丁寧にしなくてもいいよ。

照れているのか困っているのか、留め具を外し、マントを緩めた。

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