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SW-PBM Scenario#150 Three? materials |
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見張りの塔・地上 |
暗い空へ、思い切って足を踏み出したアリエラ。
自在に落下速度をコントロールできる魔法の恩恵のおかげで、怖くない速度でゆっくり降りて行くことができた。
■アリエラ To: |
こ、こわくない…こわくない…。 ……こ、この辺までくれば、本当に怖くない…。 きれ〜い……。 |
降りしきる雨のせいで視界は暗いが、トールクーベの町を一望できる高さだ。
ぽつぽつ、家々に明かりが灯って、さながら地上の星空のよう。
遠くで空が弱く光った。雷はもう過ぎたらしい。
■アリエラ To: |
…やっと…ついた。 |
マントをふわりとはためかせて、ようやく地上に足がついた。
軒下で雨宿り中の野次馬が、興奮してわぁっと歓声を上げながら、盛大な拍手を送っている。すっかり注目の的である。
すぐそばに、雨でずぶぬれになったミリィがいた。
見覚えの無い旅装の女性もいる。
■アリエラ To:ミリィ |
あ、ミリィ、た、大変なの! 急いで神官さんを探すか、キルリックさんを呼びに行かないと! |
■ミリスレスカ To:アリエラ |
キルリックさんを!? じゃあリュントさんか、ウラヴィーさんに何か?! |
ミリィはアリエラの様子と言葉から、こう推測していた。
登っていったメンバーで「フォーリング・コントロール」を行使できそうなのはナッシェレだけであり、リエラが「フォーリング・コントロール」で降りてきた以上、ナッシェレも無事なのだろう(少なくとも、古代語魔法の詠唱ができる程度には)。
自力で立って歩いているアリエラ自身は問題ないだろうし、キュラスになにかあったらもっと取り乱しているだろう。
それでもなお、回復にある程度の時間が必要な治療師のたぐいではなく神官が必要だと言っている以上、消去法で考えて、リュントかウラヴィーに緊急事態が起きたのだろう、と。
■トゥルエノ(ベテラン衛視) To:アリエラ&ミリィ |
大丈夫ですか!? わ、私の息子は? 他の皆さんは…… |
アリエラの姿を見つけ、血相を変えて走り寄って来るトゥルエノ。
■アリエラ To:ミリィ&トゥエルノ |
あ、衛視さん。 ウラヴィーさんはちょっとケガをしていますが、無事です。 もちろん、他の人も。 ただ…、最上階で屋根が崩落して…、階段と非常口が塞がってしまっておりられなくなってしまったんです。 今、私が掛けてもらった「落下制御」の魔法をかければ安全に降りられるのですが…、上に残っている魔法使いの精神力が足りません。 でも、この魔法使いの使い魔の猫ちゃんに神官に頼んで精神力を付与してもらえれば、なんとかなるんです。 |
グリをマントの間から覗かせて説明。
雨にぬれるとかわいそうなので、外には出しません。
■トゥルエノ To:アリエラ |
そ、そうか……最上階の崩壊はここからも見えておりました。 魔法のことは全くわからないが、とにかく何とかなりそうなんですな……。 すみません、私は中を調べている部下の指揮をしないといけないので…… 頼みましたぞ! |
一瞬安堵の表情を見せてから、すぐに厳しい顔つきに戻り、正面階段へと走り去っていった。
■ミリスレスカ To:リエラ>アーシリー |
リエラ、このひとはアーシリーさんと言って、マーファの神官さまなの。 おねがいします、アーシリーさん! この子に、魔力を分けてあげてれませんか!? |
潤んだ瞳でアーシリーを見つめ、祈るように手を合わせる。
雨に濡れているせいもあって、ちょっと見には「そのテの人」には堪らない場面のようにも見える(男の子だけどね!)。
■アーシリー To:ミリスレスカ |
わかりました。人命がかかっているとあらば、協力は惜しみません。 これもマーファ様のお導き…… わたくしの持てる力を、できる限りお分けいたしましょう。 ……男の子は、そんなふうに泣いていてはいけませんよ(にこ) |
肩に手を置いて、やさしく微笑みかけた。
■ミリスレスカ To:アーシリー |
あ…………はい♪ |
はにゃ〜ん♪ となりながら、こくんと頷くミリィ。胸の奥底で、なにかが「ときゅん♪」と鳴っていたり、いなかったりする(笑)
■アリエラ To:アーシリー |
あ、ありがとうございます。 |
小声は聞こえなかったらしい(笑)
■アーシリー To:ALL>グリ |
礼には及びませんわ(にこ) では…… 慈悲深きマーファよ、この者に我が精神を分け与えよ…… |
アリエラのマントの中のグリに手をかざし、詠唱を行うアーシリー。
グリはまんたんになった!
■グリ To:ALL |
んにゃん♪ |
■アリエラ To:グリ(ナッシェレ) |
ナッシェレさん、お願いします。 呪文かけ終わったら、「にゃん、にゃん」と二回鳴いて貰ってください。 |
■グリ To:ALL |
みゃ〜 |
前足で顔をかいかいしながら頷く。
■アリエラ To:アーシリー |
あの、合図があったら、もう一回、お願いしてもいいですか? |
■アーシリー To:アリエラ |
わかりました。お任せください。 |
■アリエラ To:アーシリー |
もし、もしも呪文に失敗した場合、さらにかけていただくことはできますか? |
■アーシリー To:アリエラ |
ええ、わたくしの精神力が続く限り。 この子猫ちゃんだけなら、まだ大丈夫ですわ。 |
その時、アリエラとミリィは背後に人の気配を感じた。
音も無く、いつのまにかぴったりと忍び寄っていた人影。
頭からフードをすっぽりとかぶり、体もマントに覆われている。
■アリエラ To: |
っっ! |
驚きのあまりグリを抱く体がビクッと震える。
そしてそのまま不安げにグリを強張った腕で抱きしめた。
■フードの人物 To:アリエラ&ミリィ |
静かに。 あなたたち、リュントとミァの仲間ね? あたしは“蛇使いの”ヘルドラ。この名前は、明日になったら忘れてくれると嬉しいわ。 訳あって一部始終を見ていたの……ここに衛視が来ないうちに、上にいるリュントと話がしたいんだけど、できるかしら? |
フードの奥から覗く顔は、流れるようなブロンドの美女。
しかし年齢は良くわからなかった(笑)
■ミリスレスカ To:ヘルドラ |
あ、ええと確か……バイパーさん、おひさしぶりです……。 この街にいらしてたんですね? リュントさんだったら無事ですよ、浮気なんてしてませんし……。 |
■ヘルドラ To:ミリィ |
当たり前よ。浮気なんかしたらヘビの毒をエールに盛ってやるわ(笑) |
アーシリーに背を向けるように振り返ってから、わざと彼女にも聞こえるように、少し大きな声でヘルドラに応じるミリィ。
雨を嫌うように髪を撫で上げ、フードをかぶりなおしながらヘルドラに近づきつつ、可能な限り静かな声でヘルドラと話しはじめた。
にっこり笑ってそれに答えるヘルドラ。
■アーシリー To:ひとりごと |
込み入った話のようですね… |
何となく遠慮がちに、ミリィたちからそっと離れた。
ミリィは緊張に震えがちだったが、それでもアーシリーとナッシェレを巻きこまないよう、せいいっぱいの知略と度胸を駆使して言葉を続ける。
■ミリスレスカ To:ヘルドラ |
ヘルドラ、さん……『組合』の方、ですね? 今日リュントさんとミァさんに教えてもらった「噂話」では、そう聞きました……でも、明日には忘れてしまう「噂話」ですけど……。 リュントさんが降りてこられる前に、直接、上で話をしていただいたほうが安全で、確実だと思います。 |
■アリエラ To: |
(み、ミリィ……一体何を……?) |
下手に会話に口を出すと、ミリィの思惑を崩しそうで何もいえない。
アリエラはただ、グリを抱きしめ、心配げに塔の上部を見上げた。
■ミリスレスカ To:ヘルドラ |
でも、あそこにある……地下から塔に至る通路の扉が「何者か」の手によって、開けられていました。 「何者か」が複数犯で、その仲間に精霊使いがいたとしたら、リエラの「ウィンドボイス」も秘匿性は確保しきれないと思います。 |
ヘルドラは腕組みをし、黙って聞いている。
■ミリスレスカ To:ヘルドラ |
裏口からも、衛視の方たちが何人か入って行かれていますけど……探索の類には、慣れておられなかったみたいです。 貴女が今日聞いた「噂話」どおりの方でしたら、衛視さんたちを「説得」して追いかえしながら、塔を上りきってしまうこともできるでしょう? |
そしてミリィは、イェズニカ薬舗で受け取った鑑札を胸元から取り出すと、ヘルドラに差し出した。
■ミリスレスカ To:ヘルドラ |
衛視の方たちは、ボクたちがイェズニカ薬舗からの依頼を受けて調査している冒険者だと知っています……これを持っていけば、貴女がボクたちの仲間だと「説得」しやすくなるはずです。 最上階に直接至る階段は、埋まってしまったようですけれど……まだ、窓から出入りはできますし、上にいるリュントさんがロープも持っています。 現場を指揮しているトゥルエノさんは、魔法には詳しくないと言っておられました……。 もし貴女が地下通路から行かれるのであれば、ボクがトゥルエノさんを「説得」して、正面と裏口の衛視の方たちが、最上階に到着するのを遅らせてみます。 ……ボクの提案に、なにか重大な欠陥はありますか? |
■ヘルドラ To:ミリィ |
あるわ。 あたしは高いところが嫌いなの。 |
ミリィをやさしく睨んだ。
■ヘルドラ To:ミリィ |
っていうのは冗談で、欠陥は時間がかかりすぎること。 あたしは言ったわ。「衛視が来ないうちに」── 内部に異常がないことを確かめたら、彼らは出てきてしまうわ。 |
ちらと横目で正面階段を確認してから、小さくなっているアリエラの方も見据え、言葉を続ける。
■ヘルドラ To:ミリィ&アリエラ |
内部に入り込んだのは一人よ。そこまでは把握してるの。 そいつの処遇のことで話があるのよ。 いい? もう一度言うわね。 ここに衛視が来ないうちに、上にいるリュントと話がしたいんだけど、できるかしら? できないならあきらめて、あたしは巣に帰るわ。 |
実力のあるヘルドラを塔に向かわせ、まだ潜んでいるかもしれない侵入者を抑えさせるという思惑が外れたミリィだったが、もともと「叶えば僥倖」程度に考えていたこともあり、表情に表れるほどの落胆は感じていなかった。
ざっと状況を考えたあと、塔の上をいちど見上げてから、アリエラの様子を横目に見つつヘルドラに向き直る。
■ミリスレスカ To:ヘルドラ>アリエラ |
……そうですか。 それだと精霊魔法の「ウィンドボイス」を向こうからかけてもって、観衆の目につかないところで話してもらうのという手があるとは思いますけど……。 精霊魔法は専門外なので、リュントさんが直接ヘルドラさんとだけ話せるのかどうかは、精霊使いに聞いてみる方がいいですよね? リエラ、ちょっと…… |
アリエラを呼ぶと、ヘルドラがリュントとだけ話したがっていること、それが精霊魔法の「ウィンドボイス」で可能かどうかをざっと伝えた。
■アリエラ To:ヘルドラ |
あ、あの…、では、リュントさんに「風の声」の魔法で連絡してくれるように頼んでみましょうか? |
ヘルドラに見据えられたアリエラは、ビクビクしながらもヘルドラの顔を見つめ返した。
■ヘルドラ To:アリエラ |
そうね、お願い。 |
もう一度正面階段のほうへ視線を走らせたあと、厳しい顔つきのまま頷いた。
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GM:ともまり |