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SW-PBM Scenario#150 Three? materials |
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トールクーベ中央公園・池の岸 |
一方、2本のロープを岸の立ち木に括りつけ、その木のそばでリュントとミァを待つ仲間たち。
空を見上げれば、だいぶ太陽が傾いてきた。
立ち木の影も長くのびている。
あたりを散歩する町民たちは、池に決死の覚悟で潜っている冒険者がいることなどつゆ知らず、のんびりと午後の時間を満喫中である。
シーフコンビが池の中に姿を消してから数分後。
二人の衛視が、遠目から立ち木に括りつけられたロープを見つけたらしく、首を傾げていた。
衛視たちはいぶかしげに何かを話し合いながら、こちらに歩み寄ってきた。
ベテランおやじと若い新人青年の組み合わせらしい。
■ベテラン衛視 To:ALL |
うぉっほん。君たち、公共の場所で何をやっているのかね。 |
■ミリスレスカ To:ベテラン衛視 |
え? ボクたちですか? |
■ベテラン衛視 To:ミリスレスカ |
うむ。他に誰がいるのかね、お嬢ちゃん。 |
当たり前のよーに誤認。
■新人衛視 To:ベテラン衛視 |
先輩っ! しょっぴくであります! |
■ベテラン衛視 To:新人衛視 |
……早すぎだ。まずは職務質問をしてからだ。 |
■新人衛視 To:ベテラン衛視 |
はっ! |
じろりと冒険者たちを見据える衛視コンビ。
そんな中、立ち木に括りつけられた2本のロープが緩んだり、引っ張られたり、なにやら動いているようだ。
■キルリック To:衛視 |
お疲れ様です。 私達は、依頼を受けまして、この町の史跡の調査をしております。 非常に目障りかとは思いますが、このすばらしい公園で、のんびりと時間を過ごす皆様の、ご迷惑にならないように致します。 どうぞ、その広い心で、寛大なるご配慮をお願い致します。 |
衛視に頭を下げ、あくまでも低姿勢でお願いをする。
そんなキルリックの様子をよそに、ミリィはロープと、その先にいるであろう仲間達を気にしていた。
■ミリスレスカ To:ALL |
う〜ん……ひっぱる回数とかで『緊急事態発生、至急引き上げを乞う』とかくらいは決めておいた方がよかったかも? |
■キルリック To:ミリスレスカ |
そうですね、でも、戻って来るときは、強く引っ張られるでしょうから、多分、分かりますよ。 |
ベテラン衛視は、キルリックとミリィを交互に見て、いぶかしげな表情。
■ベテラン衛視 To:キルリック |
史跡調査ですと? 遺跡の調査は領主様指導のもと、見識者と正式に募集された人員にしか行えないことになっておりますが。 いったいどなたのご依頼で? |
■新人衛視 To:ベテラン衛視 |
先輩っ! 怪しいであります! |
■ベテラン衛視 To:新人衛視 |
……言わんでもわかっとる。 |
■新人衛視 To:ベテラン衛視 |
はっ! |
一歩下がって一礼する新人君。しかし目線はぴくぴく動くロープに釘付け(笑)
ゆっくりと、言葉を選び、相手の表情を伺いながら応答を始める。
■キルリック To:衛視 |
すいません、言葉が足りませんでした。 史跡自体の調査では無く、史跡付近にある薬の材料の調査です。 持っている情報が余りにも少なく、その中で集めた情報の結果、この史跡付近を調べさせて頂こうと思いまして。 無許可であることには、何とも言い訳のしようが無いのですが、そういった場合、領主様にお願いをして許可を頂くことが必要である、という認識でよろしいのでしょうか? 依頼主は、領主様御用達のイェズニカ薬舗です。 |
イェズニカ薬舗の札を見せた。
■ベテラン衛視 To:新人衛視 |
ほっほぅ。イェズニカ薬舗の。 |
■新人衛視 To:ベテラン衛視 |
先輩っ! えずにかやくほとは何でありますかっ!? |
■ベテラン衛視 To:新人衛視 |
……あそこの胃薬はよく効くのだ。 |
■新人衛視 To:ベテラン衛視 |
はっ! 参考にするであります! |
胃痛とは無縁そうな、つやつやした表情で言った。
■アリエラ To:衛視 |
あの、それで、お薬の材料を探しに、今、仲間が池に潜っていて…。 このロープは命綱なんです。 あの、なにかいけないことをしてしまったのでしょうか? |
木の近くに立ち、不安げな表情で見上げる。
■ベテラン衛視 To:キルリック&アリエラ |
ふぅむ。そういうことでしたか。 遺跡調査は、そもそも領主様から号令がかからない限り、勝手に行えないのですよ。 まぁ、イェズニカ薬舗関連の調査ならば、すでに領主様の了解があるのでしょうな。 |
あっさり信用。
■ベテラン衛視 To:冒険者たち |
この池はかなり深いそうですからな、気をつけてくださいよ。 それと、念のためですが、池に沈んでいる銀貨には手を付けないように。 迷信とは言え、町民の願いが込められていますからな。 |
■キルリック To:ベテラン衛視 |
大丈夫です、ご安心ください。 神の名に誓って、そんな輩は、私が自ら成敗致します。 |
■ベテラン衛視 To:冒険者たち |
ふむ、それを聞いて安心しました。 では、あなたがたの探索が無事に終わるよう、ここで見守るとしましょう。 |
■キルリック To:衛視 |
はい、お願いします。 万が一のときは、お手伝いもお願いします。 |
■新人衛視 To:ベテラン衛視 |
先輩っ! さすがであります! |
感動する新人君の後ろから、ぬっと現れる4足歩行の影。
大型で目つきの悪い雑種犬だった。
■野良犬 To:ろーぷ |
ウ〜〜〜 |
■ミリスレスカ To:のらいぬ君 |
……あっ!? |
立ち木に括りつけられたロープに興味を引かれたのか、前足と牙でじゃれつきはじめる。
■アリエラ To:野良犬 |
い、いや〜。 そのロープはダメ〜。 |
そんなことを言っても、犬には通じない。
■野良犬 To:ありえら |
バゥッ! |
野良犬は邪魔されたと思ったのか、じろりとアリエラを睨み、彼女の巻きスカートの裾にかみつこうと──
■アリエラ To:野良犬 |
あ、コラ! |
犬の鼻先からスカートを翻し、避けようとする。
すんでのところでさらりとかわした。犬はかぷっと空気を噛む。
■ミリスレスカ To:のらいぬ君 |
……あっ! こっ、こらワンワン、メ〜ですっ!! |
袖口から取り出したウィップを、渾身の力で振り下ろす。
ただし野良犬ではなく、そのすぐ近くの地面を狙った威嚇だ。
バシィッ! とかなり良い音を立てて、地面の石ころが飛んだ。
■野良犬 To:みりすれすか |
ワゥッ! |
びくっと身を引いて、二・三歩後ずさるが、今度はもっと歯を剥き出しにしてミリィのほうへ睨みをきかせた。
どうやらターゲットが移ったらしい。
■アリエラ To:衛視 |
あの、この犬って、どっかで飼われている犬じゃ…ないですよね? |
■ベテラン衛視 To:アリエラ |
いや、この公園でよく見かける野良犬だよ。 じゃれているだけだから、あんまりいじめちゃいかんよ。 |
■新人衛視 To:ベテラン衛視 |
先輩っ! 自分は、この犬にお尻を噛まれて酷い目にあったでありますっ! |
■ベテラン衛視 To:新人衛視 |
…………たまたまだ。 |
■キルリック To:衛視 |
野良犬とかは、基本的に放置なんですか? |
■ベテラン衛視 To:キルリック |
こんな可愛いワンちゃんを、とっつかまえる事などできませんよ。 特に悪さもしていないし、みんなで可愛がればいいのではないですかね。 |
目尻を下げて野良犬を見つめる。どうやらかなりの犬好きらしい(笑)
■アリエラ To:ベテラン衛視 |
か、可愛い…ですか…。 それなら衛視さんが飼ってあげることは出来ないんですか? 野良犬しているよりもやさしい、いい人に飼ってもらえたほうが、この犬にとっても幸せだと思うのですが。 |
■ベテラン衛視 To:アリエラ |
うちにはもう子犬が一匹おりますのでね。 息子が拾ってきたんですが。 残念ながら、二匹は飼えませんなぁ。 お嬢さんが旅のお供にするというのはどうですかな? |
にこにこと提案。
そのとき、2本のロープのうち1本が明らかに緩んだ。
「S」の石を結んでいるほうのロープだ。
引っ張る力が完全に無くなっているように見える。
■キルリック To:ALL |
ん?、ロープの様子がおかしくないですか? |
■オルフェ To:キルリック |
おや、本当だね。 底に着いたかな? |
■野良犬 To:みりすれすか |
バゥワゥッ! |
前傾姿勢。やる気満々。
■キルリック To:ALL |
こっち(野良犬)の対策が先みたいですね。 |
■ミリスレスカ To:のらいぬ君 |
や、やっぱり言っても聞かないんでしょうか……だったら、カラダで覚えてもらったほうが……! |
鞭を構え直すミリスレスカ。それなりに戦いの腕を磨いてきただけあって、構えは堂に入っている。
■オルフェ To:ミリスレスカ |
覚えてもらうだけならいいけど、当たり所が悪いと死んでしまうかもしれないよ。 |
■キルリック To:ミリスレスカ |
殺してしまうのは後味が悪すぎますね。 まぁ、そんなにお互い殺気立ったら、収まりのつくものもつかなくなりますから。 あと、ベテラン風の衛視の方は犬好きなようなので下手に武器を使って怪我でも負わせようものなら、後々の行動に支障がでかねません。 ここは、穏便にいきましょう。 |
キルリックは、ミリスレスカと野良犬の間に歩み入り。
■キルリック To:野良犬 |
言っても分からないかもしれませんが、敵を増やすと生活し難くなりますよ。 悪い事は言いませんから、どこか他の場所に言ったほうが良いですよ。 |
説得する言葉とは裏腹に、緊張感を持って、野良犬に歩み寄る。
■野良犬 To:きるりっく |
ウ〜〜〜 |
さっくりとターゲットを変更し、キルリックの足に噛みつこうとする。
しかし、またもさらりと避けられた。
■キルリック To:野良犬 |
かまって欲しいのかもしれませんが、度が過ぎるのは良くないですねぇ。 |
■野良犬 To:きるりっく |
ウ〜〜〜ッ。 …… クゥ〜ン。 |
急にしっぽと耳を下げて哀しげな声をあげる野良犬。
■ベテラン衛視 To:ALL |
腹が減っているようですなぁ。 |
■アリエラ To:ミリィ |
ミリィ、何か食べ物持ってない? |
■野良犬 To:おおる |
ヘッヘッヘッ |
期待のまなざしで一行を見つめる(笑)
■ミリスレスカ To:アリエラ |
いやです! まんまるカステラは犬なんかにあげるの、もったいないもん! あとクリームチーズパイも、もちもちパンもダメ! あとでみんなで食べるの〜!! |
公園に来るまでにちゃっかり買い込んでいたおやつを、とっさに手で庇う。
■野良犬 To:みりすれすか |
バゥッ。 |
おやつの存在がわかったのか、しっぽをぱたぱたと左右に振ってミリィにすり寄ってくる。
■キルリック To:ALL |
人の言葉が、なんとなく分かるみたいですね。 もともとは、誰かに飼われていたのかもしれませんね。 しかし、ミリィが買ってきたおやつは、犬にはあまり良くないです。 糖分が多すぎます。 持ち合わせも無いですし、どうしましょう? |
周りのお店を、もう一度確認してみる。
しかし、明らかに糖分の固まりである「コペット」の屋台以外、お店は見当たらないのだった。
■オルフェ To:ALL |
ははは、仕方がないな。 このままだと、どちらのかはわからないけど血を見そうだし……。 |
■オルフェ To:新人衛視 |
ほら、そこの君。 このお金で、この犬に骨付き肉でも買ってあげてよ。 余ったら、おやつ代にでもしてくれていいからさ。 |
ベルトポーチから何枚かの銀貨を適当に掴み取り、新人衛視に差し出す。
8ガメルほど有るようだ。
■新人衛視 To:オルフェ |
じ、自分でありますかっ!? |
両手でガメルを受け取りつつ、動揺する新人君。
■オルフェ To:野良犬 |
いい子だから、この人について行くんだ。 何か食べるものを買ってもらうといい。 私達は今取り込んでいる最中でね、君と遊んでいる暇は残念ながら無いんだよ。 |
新人衛視のほうを指差しながら、野良犬に向かって言う。
■野良犬 To:おるふぇ>しんじん |
ク〜ン。 ヘッヘッヘッヘッ(かぷ) |
野良犬は嬉しそうに新人君の足(ブーツ)にかぶりついた。
■キルリック To:ALL |
やっぱり賢い犬ですねぇ。 |
■ベテラン衛視 To:オルフェ |
いやはや、これはどうもすみませんでしたな。 ご厚意に甘えて、新人教育の一環ということで彼に面倒を見てもらうことにしますよ。 |
■新人衛視 To:オルフェ&ベテラン衛視 |
りょ、了解であります。 が、頑張るであります! |
ひきつった笑みで、敬礼。
■アリエラ To:新人衛視 |
うわぁ、ありがとうございます。 可愛がってあげてくださいね。 |
手を胸の前で組み、感謝の気持ちを表す。
と、そのとき池の中央から、ざばぁっと豪快な水しぶきが上がった!
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GM:ともまり |