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SW-PBM Scenario#150 Three? materials |
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五大神の礼拝所 |
キルリックは住宅地からほど近い礼拝所へとやってきた。
雑多な街並に現れたひらけた広場。
美しい街路樹に彩られた道をゆくと、ちいさな礼拝所が5つ、見えてきた。
広場の中央にマーファ、北にラーダ、東にファリス、南東にマイリー、南西にはチャ・ザ。
石を積み上げて作られた質素なものだったが、きちんと清掃されていて気持ちがいい。
朝の礼拝は済んだ頃らしく、訪れる人はまばらだ。
ラーダの礼拝所には人影がほとんどなかった。
ひとり、若い女性神官がほうきでお掃除をしている。
■女性神官 To: |
♪おんっせん〜、おんっせん〜 ひっみつの〜、たっまご〜♪ |
人気がないせいか、かなり堂々とした鼻歌。
■キルリック To:女性神官 |
御勤めご苦労様です。 楽しそうな歌ですねぇ、是非私にも教えてもらえませんか? |
微笑みと共に、労いの言葉をかけた。
■女性神官 To:キルリック |
へっ? |
間の抜けた声を出して振り返る。
栗色の巻き毛に、長いまつげに縁取られた大きな瞳。
■女性神官 To:キルリック |
……それって、新手のなんぱですか? |
ほうきの先端を地面に突き立てて、ぐっと前に押し出す。
■キルリック To:女性神官 |
ラーダ神へのお勤めをしている、同門のあなたを労ったのですが・・・ お気に召しませんでしたか? しかし、なんぱですか・・・何事も、人生とは紙一重なんですねぇ |
感心したように、うなづく。
■女性神官 To:キルリック |
いきなり鼻歌を教えてくれって人はあんまりいないです。 ん〜、ありがとうございます。 |
憮然とした表情でキルリックを見てる。
鼻歌を聞かれた恥ずかしさもあるのかも。
■キルリック To:女性神官 |
確かに、いきなりそんな事言われたら身構えますね(苦笑) 私、キルリックと申します。 ラーダ神の信者で、冒険者を生業とし、日々修行をしております。 あなたのお名前をお伺いしても良いですか? |
結局、なんぱみたいだし・・・
■女性神官 To:キルリック |
ラルカルナカヤナです。…舌噛まないで言えます? |
試すような表情。
■キルリック To:ラルカルナカヤナ |
ラルカルナカカ・・・ラルカルカル・・・ ラ・ル・カ・ル・ナ・カ・ヤ・ナ。 ですね?、何度も間違えてすいません。 ラルカルナカヤナ、こっちなら問題ないんですが(苦笑) 過去にも、仲間の名前を間違えまして、大分機嫌を損ねた覚えがありまして。 これ以上あなたの気分を害してはいけませんので、『ラルカ』とお呼びしても良いですか? |
■ラルカ To:キルリック |
…ひとしきり舌を噛んでるのを楽しんでから、ラルカでいいですよって言おうと思ってたのに。 |
妙に悔しそうだった。
■キルリック To:ラルカ |
それは、失礼しました。 せめて、舌を噛むまで続けるべきでしたか・・・ 舌を噛むまでトライしますか? |
■ラルカ To:キルリック |
いいです。 もう興味を失いました。 |
憮然。
■キルリック To:ラルカ |
今度からは気をつけます。(何を?) それから、先ほどの鼻歌なのですが、はじめから最後まで歌って頂けませんか? ちょっと、気になる歌詞だったので、しっかりと聴いてみたいのですが、いかがでしょう? |
■ラルカ To:キルリック |
どうして気になったんです? |
首を傾げて尋ねてくる。知りたがりは、ラーダ神官の性?
■キルリック To:ラルカ |
この町の名物が、『温泉卵』だとは伺っていたのですが、あなたの歌の中では、『ひみつの卵』と歌っていらっしゃいましたね? もしかしたら、普通ではお目にかかれない珍しい物の事かと思いまして。 それから、伝承の継承は我々ラーダ信者の本分ですから。 |
興味半分、仕事半分。
■ラルカ To:キルリック |
私が良く行く温泉宿のテーマソングですよ。 ♪おんっせん〜、おんっせん〜 ひっみつの〜、たっまご〜♪ ♪おんっせん〜、おんっせん〜 おっいしっい〜、たっまご〜♪ …これで全部です。 |
勢い全部歌ってしまってから、恥ずかしそうにほうきの柄で地面をつっつく。
■キルリック To:ラルカ |
ありがとうございます(微笑) とても楽しい歌ですね。 (激・音痴で) ♪おんっせん〜、おんっせん〜 ひっみつの〜、たっまご〜♪ ♪おんっせん〜、おんっせん〜 おっいしっい〜、たっまご〜♪ ・・・私が歌うと違う歌に聞こえますが、間違っていませんよね? |
ばつが悪そうに、照れ笑いをしつつ頭をかきながら、ラルカに意見を求めた。
■ラルカ To:キルリック |
全然違います。 |
あまりの音痴っぷりに目を見開いて驚いていた。
■ラルカ To:キルリック |
歌詞は合ってますけど。 |
■キルリック To:ラルカ |
はっは、やっぱりこっちの分野の才能はありませんか(苦笑) 吟遊詩人としての能力はラーダの信者としては魅力的なんですが・・・残念です。 ちなみに、歌は誰が作ったのかご存知ですか? |
■ラルカ To:キルリック |
昔からある、ということしか知らないです。 ……歌が下手でも、楽器を弾ける人はいますよ。 |
最後にぽつりと。なぐさめのつもり?
■キルリック To:ラルカ |
ありがとうございます。 でも、まぁ、人には、向き不向きがあると言うことで良いかと思っていますから。 |
『気を使わせてすいません。』という微妙な微笑み。
■キルリック To:ラルカ |
その温泉宿と言うのは古いんですか? |
■ラルカ To:キルリック |
それなりに古いです。確か今のおかみさんで5代目くらいです。 |
■キルリック To:ラルカ |
5代目ですか。 良い感じで寂びれた風格とかありそうですね。 初代の事とかお伺いしたことはありますか? |
■ラルカ To:キルリック |
ん〜、今のおかみさんもよく知らないそうです。 |
■キルリック To:ラルカ |
おかみさんよりも、古株の従業員さんとかはいらっしゃいます? |
■ラルカ To:キルリック |
いないと思います。わりと若いひとたちばかりです。 |
■キルリック To:ラルカ |
そうですか、では、昔の事はあまり期待できないわけですね。 |
■ラルカ To:キルリック |
そうなりますね。 |
■キルリック To:ラルカ |
ラルカは、『ひみつの卵』を食べた事がありますか? |
■ラルカ To:キルリック |
その宿で売られてる、普通の温泉たまごならあります。 |
■キルリック To:ラルカ |
『ひみつの卵』について聞いてみたことは? |
■ラルカ To:キルリック |
聞いてみたことはないです。 歌詞としての言葉遊びだと思いますけど。 ほら、『ひみつ』というだけで興味を惹かれて買ってしまうことってありません? |
■キルリック To:ラルカ |
確かにありますねぇ(笑) でも・・・やっぱり気になります。 |
■キルリック To:ラルカ |
この町の特産物とか名物、有名なものは、温泉、温泉卵、以外に何かありますか? |
■ラルカ To:キルリック |
砂時計、でしょうか? 勝手に回転する変な時計です。 あとはトーベルクーベルとか、「リスリス」さんの帽子とか。 |
■キルリック To:ラルカ |
砂時計、トーベルクーベル、「リスリス」さんの帽子・・・ 砂時計以外は、比較的最近の名物っぽいですね・・・ |
■キルリック To:ラルカ |
よろしければ、この町の言い伝えや伝承、昔の事とか、をお伺いしても良いですか? |
■ラルカ To:キルリック |
私、この町で生まれ育ったわけじゃないので、昔のことは詳しくないです。 |
■キルリック To:ラルカ |
この街に着任してどのくらいになるんですか? |
■ラルカ To:キルリック |
まだ1年くらいですね。生まれはリファールなんです。 |
■キルリック To:ラルカ |
西方の国ですね。 行った事の無い都市の事を聞くと、自分の目でみたくなりますね。 良いところですか? |
■ラルカ To:キルリック |
──離れてみて、良いところにいろいろ気付かされました。 遠くから懐かしく思うことで得られる知識もあるのだと。 |
ほうきの穂先で顔を隠す。ちょっと嬉しそうだった。
■キルリック To:ラルカ |
故郷を懐かしく思う、と言うのも、心穏やかになり良いもののようですね。 今後、訪れる事があったら、是非案内して頂けませんか? |
やはり、人が嬉しそうに語ってくれる事と言うのは、特別に興味を惹かれるものである。
■ラルカ To:キルリック |
はい、いいですよ。 私が案内すると趣向が偏りますけど。 |
釘を刺しつつ承諾。
■キルリック To:ラルカ |
構いませんよ、偏りこそが、面白さでもありますから(笑) なんだか、とても楽しみですねぇ。 |
いつ果たされるとも分からない約束を、とても楽しそうに語っている。
■キルリック To:ラルカ |
言い伝えられている過去の特産物とかご存知ですか? |
■ラルカ To:キルリック |
──さぁ、知りません。 |
■キルリック To:ラルカ |
この街に来て、何か興味を引かれた事とか、違和感を感じた事とかありませんか? |
■ラルカ To:キルリック |
ん〜、町中心部の雑多な感じには最初辟易しましたけど。 温泉が気に入ったので今はそれなりに馴染んでいます。 慣れれば良い町ですよ。 |
まんざらでもない表情をする。
■キルリック To:ラルカ |
はいはい、確かに雑多ですね。 お気に入りの温泉宿は、余程つぼにはまったんですね(笑) |
■ラルカ To:キルリック |
お肌の張りが違います。(きっぱり) |
■キルリック To:ラルカ |
それはやはり、体験してみる価値、アリですね? |
■ラルカ To:キルリック |
……お肌をつるつるすべすべにしたいならですが。 |
怪訝そうな顔でキルリックを見ている。
■キルリック To:ラルカ |
あぁ、私の場合は、他の効果(疲労回復等)を期待してですよ(苦笑) |
お肌の事なんか気にするわけ無いじゃないですか〜、と言わんばかりの苦笑い。
■ラルカ To:キルリック |
それもそうですね。 |
瞬時に納得。
■ラルカ To:キルリック |
質問は以上ですか? 今度はこっちからいきますよ。 |
ほうきの柄を掴んで、びしっと前に突き出す。
■キルリック To:ラルカ |
はい、受けてたちましょう。 |
姿勢をただし、ラルカに相対する。
■ラルカ To:キルリック |
あなたはどちらの町から来た冒険者ですか? |
■キルリック To:ラルカ |
オランから参りました。 オランの銀の網亭で仕事の仲介をして頂いています。 もし、お仕事のご依頼が出来た場合は、お声をかけて頂ければ、力になれると思います。 |
■ラルカ To:キルリック |
オランですか。都会ですね…… |
何か悔しそうだった。
■キルリック To:ラルカ |
付け加えるなら、今の拠点がオランなだけで、もともとは根無し草です。 故郷と呼べるものはありません。 |
■ラルカ To:キルリック |
──そうなんですか。 では、どんな仕事でこの町に来たんですか? |
■キルリック To:ラルカ |
私の事でしたら、あらかたの事をお話しする事はできますが、こと依頼に関してだけは私達の信用問題に関わってしまいますので多くを語る事はできません。 ただ、困っている方の手助けをしている、と言った回答で許していただけませんか? |
■ラルカ To:キルリック |
守秘義務ということですね。わかりました。 他にもお仲間がいらっしゃるんですか? |
■キルリック To:ラルカ |
はい、私を含めて6人で仕事にあたっています。 皆、なかなかの冒険者ですよ。 |
■ラルカ To:キルリック |
けっこう大所帯なんですね…… |
■キルリック To:ラルカ |
ええ、これだけの人数がいれば、あらかたの仕事はこなせますから。 その代わり、どうしても大きい仕事とかがメインになりがちですが(苦笑) |
■ラルカ To:キルリック |
なるほど。 では最後の質問です。 特技はなんですか? |
■キルリック To:ラルカ |
特技ですか!? ・・・困った事に、人より秀でたるモノが無いのです。 何か、こう、突出した能力があればそれを生かしたいと思うのですが・・・ その為、日々鍛錬を怠らない、こつこつ進む事が特技でしょうか?(苦笑) そう言う、ラルカの特技は何ですか? |
■ラルカ To:キルリック |
私はもちろん、お掃除です。 『汝清めたる場所に、知識の泉湧く』──私の受けた啓示です。 |
ほうきを持ち直し、さっさか動かす。
■キルリック To:ラルカ |
すばらしい、清浄なる場所にこそ、知識の、ラーダの恩恵を受けることができる。 と言う事ですね? 環境が整えられてこそ、落ち着いて考えられる。 真理ですね。 |
■ラルカ To:キルリック |
そのとおりです。 |
めでたく意見の一致をみたらしい。
■キルリック To:ラルカ |
ラルカとは、有意義(?)な話がたくさん出来そうですね。 |
非常に嬉しそうである。
■ラルカ To:キルリック |
はい、有意義(?)に──お勤めを中断してしまいました。 |
思い出したように一生懸命ほうきで掃き出す。
■キルリック To:ラルカ |
はっは、思いっきり邪魔しちゃいましたね。 しかし、おかげさまで仕事の足がかりになりそうです。 ありがとうございました。 |
深々と、ラルカに頭を下げた。
■ラルカ To:キルリック |
いえいえ。 |
ラルカもぺこりとお辞儀を返す。
■キルリック To:ラルカ |
あっ。 |
頭を上げようとした時に、ラルカの下がっている頭が目に入り、再度、頭を下げ直す(笑)
奇妙な一問一答?を終えた頃には、ますます辺りに人気が無くなっていた。
■キルリック To:ラルカ |
ラーダ神へのお祈りをしたいので、礼拝堂をお借りします。 |
■ラルカ To:キルリック |
はい、どうぞ。 |
礼拝堂の中はひんやりと心地よい。
集中力も高まりそうだ。
■キルリック |
気持ちの良い礼拝堂ですね。 ラルカが、日々、ここを清めて下さっているおかげですね。 (それから、礼拝堂に違和感もありませんね、もしかしたら暗号の印がどこかにあるかとも思ったのですが・・・) 偉大なる知識の神ラーダよ、過去の暗号に秘められた謎を解き、この世界に新たな知識をもたらす事をここに誓います。 どうぞ、そのお力の片鱗を我に貸し与え給え。 |
キルリックの神への誓い(ボウ)が神聖なる言葉で、静かな礼拝堂に響いた。
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GM:ともまり |