#149 月夜に吠える

6-5a オラン衛視隊取調室

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オラン衛視隊取調室
冒険者達はアンナの両親が事情聴取を受けている取調室に案内された。
二人は特に詰問されている様子もなく、ごく紳士的に事情聴取が行われているようだ。
担当官は冒険者達が入ってきたのを見ると、空いた椅子に座るよう促した。
■取調担当官 To:ALL
それじゃあ、皆さんが来られたので、交代しますか。
ある程度の事はお二人から聞いていますが、聞きたいことがあれば改めて質問して下さい。

■ウリディケ To:取調担当官
改めて質問? ( 調書は、部外者には見せられないってことかしら? )

■カロン To:取調担当官
えぇと、今までの調書は見せていただくことはできないんですか?
再度質問するのもなんですし。

■取調担当官 To:ALL
いやまあ、たいしたことは聞いていないんですよ。
ちょうどさっき始めたばかりでしてね。
お名前と、住所・職業を伺った所でした。

■カロン To:取調担当官
そうでしたか。

■ウリディケ To:取調担当官
分かりました、終わり次第お呼びすると言う事でよろしかったですか?

■取調担当官 To:ウリディケ&ALL
いや、一応横の机で記録しながら話を聞いていますよ。
その方が手間が省けるでしょう。

そう言うと、取り調べ担当官は脇に備え付けてある机に座り、羊皮紙とインク、羽根ペンを取り出して記録の準備を始めた。

ウリディケは、取調担当官の促されるがままに椅子に座ると、兜を脱いだ。女性騎士の褒賞として製作された300年前の古典調『婦人用甲冑』の為か、フェイスガードを上げると(顔の下半分は下がる!)顔のほとんどが露出したり、兜の前や後ろから髪を出せる仕掛けが施されていて、脱いでもあまり違和感はなかった。
アンナの両親にぺこりと頭を下げる。
■ウリディケ To:アンナの両親
今の会話を聞かれていたと思いますので、ご理解いただけると思いますが、失礼は承知でアンナさんの事を質問させて頂きます。

私、ラーダ司祭のウリディケ・フェニールと申します。
今回の「オオカミ騒ぎ」を調査・解決するよう依頼された者です。

■カロン To:アンナの両親
俺は、カロン・ラウリです。
そちらのウリディケさんと一緒に依頼を受けた者です。

■ウリディケ To:アンナの両親
分からないことがありましたら、何時でも質問していただいて構いません。身の危険を感じるようでしたら、衛視隊に助けを求めて頂いて結構です。
話したくないことは……説得はさせていただきますが……無理に話す必要はありません。
……
それでは、最初の質問なんですが、アンナさんのことは何時からご存知だったのですか?

■アンナの父親 To:ALL
ええ、あれは二日ほど前のことでしょうか……。
朝になると、娘が血塗れで部屋に倒れてまして……。
自分に傷はないし、何が起こったかと思いまして、夜のことを聞くと口を閉ざして語りませんでした。
翌日も夜になると、こっそり部屋を抜け出していた様でして……。
それで、今夜は部屋に外からつっかい棒をして、ドアを開けられないようにしていたのですが……。
月が高くなる頃に、ドアをものすごい勢いで叩き初めまして……、ええ、それで様子を見ようとつっかい棒を外したら、娘が狼に変身していまして……。
あとは、皆さんが見られたとおりです。

■アンナの母親 To:ALL
狼騒ぎの事は知っていました……。
でも、「娘が犯人かもしれない」と衛視隊に言ったら、殺されるかもしれないと思いまして。
だから二人して匿っていたのです。
閉じこめておけば何とかなると思って……。
本当に娘が狼に変身しているのを知ったのは今夜です。

それで……娘は一体どうなるのですか!

■カロン To:アンナの両親
すいません、先にお話しておくべきでしたね。
アンナさんは大丈夫ですよ、先ほど司祭の方が治療をしてくれました。
今はここの別室で眠っていると思いまけど、あとで会えるように衛視隊の責任者に話しておきますよ。

■ウリディケ To:アンナの両親
ですが、同時にアンナさんは誰かに毒を盛られて、あのような姿になってしまったことも判明してます。
そのような機会がアンナさんにあったのでしょうか?

■アンナの父親 To:ALL
いや……私どもは普通の市民ですし、誰かに恨まれるとかそんなことは無いです。
娘も真面目に働いていましたので、そんな事はあり得ないと思います。

■カロン To:アンナの両親
う〜ん、そうですか。
それでは、先ほど仰っていた二日前以前からアンナさんに変わった様子や行動などなかったですか?
気になることが少しでもあれば仰っていただけますか。

と質問しつつ胸中では「これで特になければ次はアンナさんに直接確認するしかないかな・・・?」と考えていた。
■アンナの母親 To:カロン
いえ、特には。
毎日ちゃんと奉公先には行っていましたし、体調を崩したこともありませんでした。

■ウリディケ To:アンナの両親
なるほど……、
それでは、3日前の深夜に『血塗れで部屋に倒れてしまう』何かあったのでしょうね。
奉公先への通勤時に、何かあったのかも知れませんね。
もし宜しければ、奉公先の名前と場所と…あくまで知ってる範囲で構いませんが…普段の通勤順路を教えて頂けませんか?

■アンナの父親 To:ALL
奉公先は穀物を商ってる某っていう大店でして……。
通勤路はこれこれこういう感じです。

■カロン To:ご両親
穀物を扱ってる店で働いてるんですか。
もしかしてその店のご主人ってネルドさんですかね?

■アンナの父親 To:ALL
いや、違いますよ。
ネルドさんは確か若旦那だったと思います。

■カロン To:アンナの父親
そうでしたか、一応そちらにも話をお聞きしたいのでご主人の住所を教えてもらえますかね?

■アンナの父親 To:ALL
商店の裏手に屋敷があります。
さっき教えた道順で家には着きますよ。
昼間は店で所在を聞いた方が早いと思います。

■ウリディケ To:アンナの両親
いえ、お屋敷までの行き方は、すでに入手してますので大丈夫です。

それより、アンナさんのことですが、特に怪我などは無いはずです。現在は、別室の寝台で就寝してまして、私共が護衛を務めております。明日の朝には詳しい話を伺いたいと考えてます。
その後は、保護が必要な状況でなければ、家に帰れるよう交渉してみます。
また、万が一帰す訳には行かなくなった場合は、その際にご説明にあがります。

何かご質問はございませんか?

■アンナの父親 To:ALL
いえ、特には。
私達は娘が無事であればそれ以上は望みません。
どうか、娘をよろしくお願いします。

■ウリディケ To:アンナの両親
それでは、私共はこれでアンナさんのところに戻ります。
夜分遅く、話を聞かせていただきまして有難うございます。

■カロン To:アンナの両親>取調担当官
お話の方ありがとうございました。
戻りましたらアンナさんに会えるか責任者に確認を取ってきますね。

あの、お二人(アンナの両親)はこのあとどちらにいてもらう予定なんでしょうか?

■取調担当官 To:カロン
この後はうちの人間が同行して、娘さんの服を取りに行って貰う予定です。
翌朝までは少なくともこちらにいて貰うことになりますね。
あとは、娘さんへの事情聴取結果次第です。

■カロン To:取調担当官>ALL
わかりました、ファラハさんに確認を取ったら時間を見計らって 連絡に来ますので。
それでは、これで失礼します。


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GM:teshima