#149 月夜に吠える

5-4a 酒場・あまやどりガエル亭2

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オラン下町・あまやどりガエル亭
外に出ていた一行は、あまどりガエル亭にてカロンと一旦合流し、夜食のお弁当を注文した後、そしてまた見回りに出て行った。
しかしそれでも特に変化はなく、再度あまやどりガエル亭に戻って来たところでギルドから帰ってきたアールと合流した。
時刻は20時過ぎくらい。
酒場の客達は既に半数くらいが帰っていて、大分がらんとした印象を受ける。
■ウリディケ To:酒場のおやじ
こんばんは、またお邪魔いたします。
今度は仲間が集まる予定ですので、お酒以外の飲み物とおつまみをお願いします。
あの、隅のテーブル席を借りますね。

そう言うと、ウリディケは銀貨3枚をおやじに渡した。
隅の立ち聞きしにくいテーブルを選んで、席を確保した。
■酒場のおやじ To:ウリディケ
まいど。
ちょっと待っておくなせぇ。

カウンター席にいたアールもテーブル席に落ち着いたところで、成果がなかったことを皆に話し始めた。
■アール To:ウリディケ>ALL
…というわけで、ギルドでの有力な情報はなかったよ。
あとは今日、出現したところを押さえるしかないようだね。

アールの話で、盗賊ギルドの関与がないこと、関係するそれらしい情報もなく、その上で盗賊ギルド自体に情報を集める意思がないことが告げられた。
それに続きカロンが酒場での聞き込みの結果を告げた。
■カロン To:アール
そっかご苦労様、みんなには先に話したけどこっちもたいした情報はなかったよ。
成果は事情通の人を見つけたくらいかな。

■ウリディケ To:アール
お伺い、ご苦労様でした。
ともかく、これで危険な可能性が幾つか無くなりました。

そこに、先ほど注文した飲み物とおつまみが運ばれてきた。
おやじは、「ごゆっくり」と告げてカウンターに戻っていった。
■ウリディケ To:ALL
これ、夜食のお弁当だけど、これで良かったかしら?

そこには、小分けされバスケットに入った7人分のサンドイッチが見える。
しかし、ウリディケに注文を任せたのは問題があったかも知れなかった。
量が「通常の昼食」の半分しかない!
それを覗いてからカロンが声をかけた。
■カロン To:ウリディケ
う〜ん、これじゃあ足りないんじゃないかな(汗
あ、そうだバスケットあるならこれを入れておいていいかな?

といいつつ、背負い袋から沢山のパンを取り出して見せる。
■ウリディケ To:カロン
ちょっと、そんなに食べるの?

とか言いながらも、「やっぱり冒険者は違うわね」と勘違いな感心をしている。
ウリディケは、普通の冒険者より食が細いことに、劣等感を持っているようだ。
■アール To:カロン
食事は軽くていいんじゃないか?
夜中じゅう起きてるわけじゃないだろ。
明け方まで警戒するなら、逆に途中で交替も考えたほうがいいよ。

■エルステッド To:ALL
食事は軽く。それは賛成だな。
消化にかまけて、動けなくでもなったら…それこそお笑い種だろうしな。

■メイシアス To:ALL
少ない方が持ち歩きやすいですしね♪
…えっと、食事はいつ頃取られるのでしょ?
もし歩きながらでしたら…私の分はハンカチに包んで持ってきますね。
お腹を空かせた狼さんが美味しい匂いにさそわれて…素敵作戦です!

■カロン To:ALL
別にしっかり取るつもりはないけど(苦笑
夜食のつもりで持ってきてたんだよ、他にも干し肉、果物とかさ。

カロンは苦笑しつつ、そう言うと背負い袋からパンの他に干し肉、果物などを取り出してバスケットに詰め込んでいる。
■アール To:カロン
わかったよ。遠出するときは、カロンさんの食いぶちを確保しなきゃいけないってことがね。(笑)

■カロン To:アール
持ち運び出来そうなものがあったからさみんなの分も持ってきただけだよ(笑
パンだけだと味気ないから干し肉もとね、あとウリディケさんとかは果物好きそうだったから少々持ってきたけど。

■ウリディケ To:カロン>ALL>メイシアス
気が利きますね♪、では落ち付いたら果物でも剥きましょうか。
もちろん、夜食は歩きながら食べるつもりですから、そのつもりで。
後、『素敵作戦』も理性を失った獣には有効そうね。……検討してみるべきかしら?、食料もカロンさんが用意してくださってるみたいですし。

とは言え、相手はもともと人間の獣、食欲より自分やメイシアスが薄着で歩いた方が誘う効果が高いかも知れないと思うと、ウリディケの心の中にも『素敵作戦』の同意に躊躇する気持ちも芽生えつつあった。
そこまでしなくても良いのではないかという「ためらい」と云う名の「良俗」と、目的の為なら仕方ないという「理性」と云う名の「打算」との思考の衝突が、ウリディケの心の中に僅かな葛藤を生む。

そんなウリディケの心中をよそに、アールがつっこむ。
■アール To:ALL
『素敵作戦』はいいけど、夜食じゃなくてメイシアスさんが頭から「ガブリ」ってやられないようにね。
どうせなら、えさを入れた籠のような罠なら安心だけど。

「ふむ、罠か」と、ノーブが唸った。
やおらロープを出し、あれこれと模索し始める。
■カロン To:ALL
でも、相手が獣ならその作戦もいい案だと思うけどな。
囮だけよりは襲ってくる可能性が上がりそうだし、獣相手なら果物とかよりは干し肉とかのほうがいいかな?

■ウリディケ To:ALL
もう時間もありませんから、手短に計画を立てましょう。
特に意見がないようでしたら、出発したいと思いますがどうですか?

ノーブは持っていたロープを結びながら、皆に罠設置案を提案することにし、皆の同意を求めることにした。
■ノーブ To:ALL
一つ提案があるのじゃが、せっかく囮を立てるのじゃからロープトラップ&ネット等の罠を作成し一区画まるごと「トラップゾーン」を形成してみてはどうじゃろうか?

■カロン To:ノーブ
罠はいい案だけど、街中で勝手に罠仕掛けるのはどうかと思うけど(汗
一区画まるごとなんて許可とか取らないと犯罪にならない?

■ウリディケ To:カロン>ノーブ
なるんじゃない?
後、現実的には時間が無いわね、材料集めるだけで「事件が起こった時刻」になってしまいますわ。
まあ……良く分からない相手には、罠は相性が良くないのよ。
その為にも、「獣」に会わないといけませんね。……情報が少なすぎるわ。

ウリディケの言葉に冷や汗をかきながら。
■カロン To:ウリディケ
犯罪になるのはちょっとね(汗

■アール To:ウリディケ>ノーブ>ALL
時間がないのは事実だね。
でもワナ自体はいい案だから、今日取り逃がしても、明日の昼間に追い込めるような場所と罠を合わせて検討すればいいんじゃないかな。
それより、予想された時間を過ぎても、朝まで全員で見張るのかい?
一応、来なかった場合もね。一応だよ。

■メイシアス To:アール
ん〜何事もなければ…空が白々としてくる前に切り上げますか?で昼前までぐっすり…
来た時は…ひっしですね(ぐっ

■カロン To:ALL
それでもいいけど、明日学院行く人達は先に休んでもらっておけば学院が開く頃に行動できないかな?(3時ぐらい)
問題は近場に宿とかあればいいんだが。

■アール To:カロン>ファラハ>ALL
学院か…。それも今日、相手を見極めてからだね。
黙ってても情報が入ってくるような、盗賊ギルドにネタが無いくらいだから、「情報」ていう部分には期待できなさそうだけど。
秘密の実験とかやってたりして…っと、可能性の話はキリがないからヤメるよ。

■カロン To:ALL
違うって(笑
秘密の実験やってるとかじゃなくてワーウルフに関しての書物とかあれば調べておいたほうがいいかなと思ってね。
まあ、今日犯人が出てきて捕まえられれば一番いいんだけど出てこなかったり逃げられる可能性もあるからさ、現時点で決められることは決めておいたほうがいいんじゃないかな?

■ウリディケ To:カロン>ALL
まだ……予想に過ぎませんが、多分今日中に「遭遇」できますし、結果として寝ることもできると思いますわ。
もしそうなれば、明日学院に行く事に問題は生じませんし、調べ物の課題も決まっている筈よ。
でも、予想が外れたら……深夜になったら二手に分かれて休むのか明け方まで頑張るのか決めておくことは、別段悪い事では無いわね。

■カロン To:ウリディケ
まあ、たしかに昨日一昨日と現れてるしね。

■アール To:ファラハ>ALL
ファラハさん、衛視隊の仮眠室とか借りられないかな。
女性陣やエルさんみたいな繊細な人には宿に行ってもらって、男衆は仮眠室でいいんじゃない?

■カロン To:アール
俺はあまりばらけないほうがいいと思うけどな。

■ファラハ To:アール&ALL
衛視隊の仮眠室は空きがあればお貸しできると思います。
あと、昼間使っていた会議室をちょっと片づければ2,3人は眠れます。
女性はそちらを使って貰っても構いませんよ。

■ウリディケ To:ファラハ
なるほど、いざとなれば雑魚寝も覚悟してましたが、部屋の提供ありがとうございます。
ところで、ファラハさんはこの時どうされるつもりでしょうか?

■ファラハ To:ウリディケ&ALL
残務があればその処理を、そうでなければ自室で仮眠を取らせて貰おうと考えてます。
一応、自分に割り振られた執務室には、一人分の寝台がありますので。

■ウリディケ To:ファラハ、メイシアス
そうでしたか、では雑魚寝するか会議室で寝るかは、メイシアス次第と言う事ですね。

■メイシアス To:ウリディケ
私は雑魚寝で大丈夫ですよ。丸くなって寝るのは慣れてます。それに皆一緒なら安心ですね♪

■エルステッド To:ALL
懸念事項は一つ消えたな。

そこに、またしてもノーブが話題をぶり返す。
■ノーブ To:ALL
ふ〜むやっぱり往来の道の罠設置は難しいかのぅ?
ではロープトラップを用意して囮役をロープの先端のわっか部分を持たせたのは標的が現れたら即座に用意して置けるのはどうじゃな?
これならば準備の時間も短く懐具合の支障はないと思うのじゃ。

■エルステッド To:ノーブ
ならばその罠に実際にかかるか、試してみるか?

ロープを手にとり、輪をつくるふりをする。
■エルステッド To:ノーブ
トラップと離れたところで囮役が襲撃されたらどうする?
罠という発想は良いというアール殿の意見には賛成するが……今から設置する、というのには賛成しかねるな。

■メイシアス To:ノーブ
一晩、罠の横に居続けるのは大変ですよ?一時も気が抜けないので精神的にも、肉体的にも重労働。
私の場合…寝ちゃいそうで怖いですが(苦笑)

■カロン To:エルステッド&メイシアス>ALL
たぶん、ノーブさんは先に罠を作って囮役に持たせて犯人が出てきた時に罠設置するつもりじゃないかな?

まあ、犯人の目の前で設置しても効果期待出来ないし賛成できないな。
それに囮役のメイシアスにロープとか持たせてたら盾とか明かり持ってる余裕なさそうだしさ。

■アール To:ノーブ
無理に負担を増やすのは、いただけないね。
リスクを減らすには「まだ相手がわからない」とリーダーも言った通りだから。
罠にこだわりすぎて致命傷を受けでもしたら…ね。

あえてウリディケのことを「リーダー」と呼んで、ノーブに諭す。
アールは「致命傷」という単語でノーブが引けばいいと思ったのだが、メイシアスの反応までは想像していなかった。
ノーブやメイシアスの反応を見ながら、ウリディケも懸念していることを口にした。
■ウリディケ To:ノーブ
それより、成功率が下がることが問題なのよ。

真剣に「殺意」を持って対応しても「かなうか」分からないのに、生け捕りを前提にしているノーブの戦略がウリディケには理解できないでいた。
もっとも、その回答が得られる可能性は、過去の経験からは皆無と認識していたので、深くは追求しなかったが。
■ウリディケ To:ALL
まとまったみたいですし、そろそろ出発しましょう。

そう言うと、ウリディケは席を立った。
■アール To:ウリディケ>ALL
まあまあ、そうはいっても、食事はいただかなくちゃね。
ほらほら目の前のお皿の上は、片付けていきましょう。
おやじさんに悪いよ?

少し冷めたような、あきらめたようなウリディケの態度を制しながら、一方で自分だけスープをついだかと思うと、一気にあおる。
「はい、はい、はい…」と、小さくまとまった包み<夜食>をそれぞれの前に勝手に配ると、「これでよし」といいながら席を立った。
■アール To:ALL
食事が済んでから、出発だよ。
とにかく、今夜は何よりも安全を優先するとしよう。
じゃあ、先に外で。


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GM:teshima