#149 月夜に吠える

10-1a オラン衛視隊詰め所

前のページへ シナリオトップページへ 次のページへ


オラン衛視隊詰め所・会議室
冒険者達は、現場封鎖の引き継ぎを終えると、再び衛視隊の詰め所に戻ってきた。
ファラハは「報酬を取りに行く」と言って一旦部屋を出ていったままだ。

そんな中、皆それぞれに今回の依頼を果たした余韻にひたっていた。
■エルステッド(独り言)
今回の仕事は……お前なしには厳しかっただろうな……

と、ノームを封じている布袋を撫でる。
まだ若干の緊張が残った雰囲気で、ノーブはボソっと一味のアジトの利用法を独り言を言った。
■ノーブ To:独り言
あの一味のアジトを工房に使いたいのぅ。それかあのアジトは儂等パーティーの寄り合い所でも使える事はできるんじゃろうか?

そんなノーブを見て、クスりと笑いながらウリディケが答えた。
■ウリディケ To:ノーブ
私達パーティの寄り合い所は、『銀の網』亭ですわ。
ところで、工房を持ちたいと言う事は、冒険者を引退されるつもりなのでしょうか?

「引退」の言葉が出たのでノーブは慌てて返答する。
■ノーブ To:ウリディケ
儂はまだまだ修行の身、引退なんかせんのじゃ
工房はまあ人様の工房も賃貸料もかかるし経費削減の一環じゃよ。

■ウリディケ To:ノーブ
冶金の道が『二足の靴を履く』に耐えるのかと言う話はともかく、あそこでは人が来なくて、商売にならないのではないでしょうか。
……何か考えがお有りでしたら、いらないお世話ですが。

■エルステッド To:ノーブ
人間の街に馴染めず、穴蔵生活が恋しくなったとは流石だな。
通常やらぬ所に工房を構えようとするとはな。

■カロン To:ノーブ>アール
他の皆は分からないけど俺はパス、常闇通りの裏路地から下水道通ってしかいけないとこなんかで集まりたくないよ。
まあ、あそこを工房にするのはノーブさん次第だけど俺は普通に借りたほうが安上がりだと思うけどな。

あんなとこに工房なんか造れるのか疑問に思いつつ返答する。
■アール To:ノーブ
予算や生活で考えるなら、郊外の村に居を構えるのが合ってるんじゃないかな。
オランの周りにはいくらでも集落があるし、ノーブの戦いの腕前なら、ちょっとした用心棒気分でいるのも悪くないんじゃないか?。冒険がしたいなら、『銀の網』亭に足を伸ばせばいいだけだよ。

隅っこでごそごそ。
荷物の整理や武器の手入れをしていたメイシアスが、背負い袋の口を閉じて戻ってくる。
■メイシアス To:エルステッド&ノーブ
ボーラと銀のブリッド、お返ししますね。
使うことはなかったですが…気持ち的にすごく助かりました♪
ありがとうございます///

メイシアスは手にした武器をそれぞれに手渡した。
■カロン To:アール
そういえばアールさん、ギルドへの報告ってどうする予定?

思い出したようにアールへ声をかける。
ギルドと聞いて真っ先にカトリーを思い出してしまい、ひとりで首を振ったり、カロンへの返答に窮しているように見える。
■ウリディケ To:アール
行かないなら、私が行きますが?
情報は売ってみないと価値があるか分かりませんから。

■アール To:ウリディケ
あ、あぁ、いや、そうじゃないんだ。
行くよ。うん。ギルドね。

真面目に(?)盗賊ギルドと関わるべきか、少し考えつつ生返事を返す。
もともと研究肌の性格と実益を兼ねた部分とで、盗賊と魔法使いのどちらに自分の身を置くか…かねてより悩んではいた。
目の端にエルステッドを映し、畑が違うとはいえ、今回のエルステッドの魔法がそれに拍車をかけたといえる。

悩んでる様子に、カロンが見かねて声をかけた。
■カロン To:アール
それじゃあ報告の時は俺も一緒するよ、たまには挨拶に行かないと(汗)
今後のこと考えるとお世話になることもあるだろうし。

■アール To:カロン
ああ、よろしく頼むよ。

ノーブは工房関連の事でみんなの意見を聞いて思案し皆に言った。
■ノーブ To:ALL
ところで今回のネルド氏を除く被害者達とマーファ神殿への事件解決の報告はしないのじゃ?

■アール To:ノーブ
マーファ神殿へはファラハさんから衛視が伝えにいくでしょうね。
マークさんたちには、「例の約束」の件もあるし行ってきたらどうですか?
あの話はノーブさんだけの個別の報酬みたいなものですしね。

■カロン To:アール>ノーブ
まあ、報酬ってものでもないと思うけどね。
それに工房借りるにしても、いろんなとこ見て決めた方がいいと思うけどな。
俺なら場所や評判とか聞いてから決めるけど。

皆の話が盛り上がって来たところで、ファラハが部屋に戻ってきた。
手に革袋を持っている。おそらく今回の報酬が入っているのだろう。
■ファラハ To:ALL
皆さん、今回はご苦労様でした。
本来狼の確保若しくは退治という依頼でしたが、予想外の捕り物に発展しましたので、報酬を若干追加させて頂きます。
私からの気持ち、と思ってください。

そう言うと、机の上に革袋を置いた。
報酬はウリディケが代表して受け取った。
■メイシアス To:ファラハ
指輪ありがとうございました。忘れないうちにお返ししますね。

やや名残惜しそうに指輪をファラハ手渡した。
■アール To:ファラハ
ファラハさん、ネルドの処遇は…どうなるのだろう?少しは軽くなるのかな。
あまり同情するつもりじゃなかったけど、さすがに相手がアレだったからね。

■ファラハ To:アール
ご実家の顔もありますから、罰金の上、執行猶予付きの保護観察処分といったところでしょう。
これで考えや行動を改めてくれるようなら、特に罰する必要は無いと思います。
彼も騙されたようなものですからね。

■ウリディケ To:アール、ファラハ
彼の証言通り、毒をさばいてる組織は発見されたのですから、罪は半分償ったようなものですわ。
残り半分は、アンナに対する謝罪……まさか謝って済む筈も無し、どうされるのでしょう?

■カロン To:ウリディケ
あとは、被害者の人達への謝罪だね。

■ウリディケ To:ファラハ
少し心配になってきましたわ、私も後からネルドさんの所……マーファ神殿に行ってみる事にしましょう。

■ノーブ To:ウリディケ
儂も神殿に連れて行ってくれんかのぅ?マーク殿の約束の工房の事もあるのじゃし神殿にいる御三方は事件の当事者事件の報告もしないといけんからのぅ。

■エルステッド
少なくとも、今度の謝罪には菓子は使わぬのが吉だろうな。

■メイシアス To:ノーブ&ファラハ
できれば…ネルドさんとアンナさんのご家族以外には一部ふせて報告。じゃ駄目でしょうか?
暗黒神官の薬で暴走した狼の仕業だけど、ちゃんと退治されたよ。とか…
全てを伝えるのは…アンナさんがかわいそうです。

■カロン To:ALL>ノーブ
う〜ん、俺もメイシアスさんの意見に賛成だな。
依頼人でもないし詳しく話す必要ないと思う、話すにしてもその辺はふせて報告してくれよ。

■アール To:ノーブ
ノーブさん、御三方のうちひとりはネルドだからいいけど、他の御二方にはうかつなことは言わずに、「あなたたちを襲った狼は退治しました」とだけ伝えてくださいよ。

いつも通り、アールは会話の合間にすでに出発の準備を始めていた。
■アール To:ノーブ>ALL
事件をどの程度伏せるか、今後ネルドをどの程度管理するかは衛視隊の仕事なのでそのジャマにならないように。
じゃ、みなさん行きましょうか。

■ノーブ To:アール
伏せる事は承知致した。そこらへんは一応、わきまえておるのじゃ


前のページへ シナリオトップページへ 次のページへ


GM:teshima