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SW-PBM Scenario#144
白夜の島

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琥珀色の希望


 ザリィ村

ザリィ島に脅威をもたらした「元凶」が消えてしまうと、空にいくつもの傷をつけていた黒い亀裂は、黒い空気を吸い込みながら消えていった。
異界との“扉”は、ひとつ残らず姿を消したようだ。
あたりは再び魔法装置のもたらす“光”であふれ、そして夜は──また白く明るく覆われた。
村を飲み込んでいた黒い空気もすべて消え去り、再びもとの空気を取り戻したが、そこかしこで倒れている村人たちは微動だにしなかった。
ヒュレスがリーアの手を引きながら、冒険者たちの側へ歩み寄る。
■ヒュレス To:ALL
みなさん……大丈夫ですか? ケガは……

心配そうに皆の顔を見回した。目の前で見ていたとはいえ、いまだ実感がわかないのか、確かめるような不安げな表情だ。
■マーキュリー To:ヒュレス
僕達は大丈夫ですよ♪(^^)

■ヒュレス To:マーキュリー
そうですか……よかった……

ホッと胸を撫で下ろす。
■カーガッド To:ヒュレス
私達より、村の皆さんの様子を見て貰えますか?
そちらの方が心配です。

■ヒュレス To:カーガッド&ALL
わ、わかりました。ちょっと見回ってきます。

ヒュレスはリーアにここにいるように言った後、倒れている村人たちの方へ走っていった。
リーアはおぼろげに見えるのだろう、倒れたままのマケリの姿をじっと見つめている。
■ミニョン To:マケリ
先生ーっ!

ミニョンの叫び声につられるようにして、子どもたちが倒れているマケリに駆け寄る。
乾いた血がこびりついたその顔を、恐る恐る覗き込んだ。
■エウリス To:冒険者たち
……先生……死んじゃったの…?

■マーキュリー To:エウリス&子供達
う〜ん、どうかなぁ♪
君たちが一生懸命お祈りすれば、きっとすぐに目覚めるよ♪(^^)

■エウリス To:マーキュリー
……本当?

■マーキュリー To:エウリス&子供達
うん♪(^^)

子どもたちは顔を見合わせ、目を閉じてから、両手を胸の前で組んで一心に祈り始めた。
■子どもたち To:お星さま
お星さま、お星さま、どうか先生を助けてください……

■マーキュリー To:子供達、お星さま、マケリ
僕も一緒にお祈りするよ♪
お星さま、お星さま、どうか先生を助けてください……
慈悲深き母なるマーファよ、かの者に我が内なる力を分け与えたまえ。

マーキュリーの手のひらから発せられた優しい光は、マケリの身体へと静かに吸い込まれていった。
子どもたちは目を閉じていたので、その「奇蹟」は見えなかったようだが…
次に目を開けたときには、マケリの目がうっすらと開いていたので、いっせいに彼の身体にしがみついて泣き出した。
■マケリ To:子どもたち
…エウリス、ミニョン、トルキ……

確かめるような、か細い声が響いた。
数回瞬きした後、泣きじゃくる子どもたちを軽く抱きしめながら、上体を起こす。
■マケリ To:冒険者たち
……みんな。
…俺は…どうして生きてるんだ…?
あの声が…俺を完全に飲み込んで…もうお終いだと思っていた……。

マケリは未だ「生」の実感がないのか、不安げに自分の身体を触った。
■セイルディア To:マケリ
…お帰りなさい。
トリュボスはもう消滅しましたわ。貴方はちゃんと、この世で生きています。
貴方が生きているのは、コキリアのペンダントのおかげ、ですわ。
そして目覚めたのは…私達や子供達が、貴方に目覚めて欲しいと願ったから。

簡単にペンダントの説明をした後、にこやかに微笑む。
■マケリ To:セイルディア
ペンダント……。

マケリは自分の首元を思わずまさぐった。
が、そこには砕け散った「フェリキア・ストーン」の台座がぶら下がった革紐があるのみだった。
マケリは何となく察したのか、黙ってその台座を右手で包み込んだ。
■マケリ To:ALL
……。
俺は……ずっと、リーアに手を掛けてしまう悪夢を見ていた。
どんなに否定しても、望んでいないと叫んでも、それは追ってきて……。
……けれど……。

マケリはそばで立ち尽くしているリーアを見上げた。
■マケリ To:ALL
実現しなかったんだな。君たちがとめてくれた……。
そして……死んでも償いきれない罪を犯してしまったのに……。コキリア。
みんな、ありがとう。他に言葉が思いつかない……。ありがとう。

一筋の涙がこぼれたマケリの瞳は、コキリアが表現したとおりの──きれいな琥珀色をしていた。
■セイルディア To:マケリ
…苦しみを乗り越えられたのは、貴方自身の力もありますわ。
貴方の命は救えても、貴方が本当に立ち直ってくれるかどうか不安はありましたもの。
貴方が罪を犯すことなく今を生きていることを喜んでいる…それが私にとって何よりの御礼、ですわ。

■マケリ To:セイルディア
セイルディア…。
オランに帰ったら、コキリアに謝りに行くよ。自分の声で。
そして、お礼も言わなければ。
…謝らなければならないことの方が多いけれど…。

マケリは少し微笑むと、ゆっくりと立ち上がった。
■セイルディア To:マケリ
ええ。必ず、そうしてあげてくださいな。
…しばらくは、子供達が離してくれないかもしれませんけど(くすくす)

マケリはつられてまた微笑んで、自分を見上げる子どもたちの頭を撫でた。
やがてヒュレスが戻ってきた。
回復しているマケリを見て、安堵の表情で声をかけた後、冒険者たちに向かって口を開く。
■ヒュレス To:ALL
ざっと見た限りですが……みんな、気を失っているだけのように見えました。
外傷はないですし、顔色も悪くないので……家に運んであげて休ませてあげれば目が覚めるかも……

■マーキュリー To:カーガッド
ねぇカーガッドやケットの歌の力で村の人達を回復させられないかな?

■カーガッド To:マーキュリー&ALL
そう言えば……たぶん出来ると思います。
それじゃあ装置の事を決めてから使わせて貰いましょう。
あ、でも私の楽器は森の中に置いてきてしまいました……。
残念ですが、取ってこないと無理ですね……。

■マーキュリー To:カーガッド&ALL
忘れてました(´д`;
あれだけ頑張っても片道5時間でしたからね・・

そだ、ババ様とブラーボ先生だけでも起こしますか?
あと2・3人なら僕でも起こせると思います。

■ヒュレス To:マーキュリー
…あ、おふたりは家の中で倒れてたので、さっき、なんとかベッドまで運んできました。
このまま休ませてあげても大丈夫…と思いますよ。

■カーガッド To:ヒュレス&ALL
さて……あとはあの魔法装置をどうするかですね。
私は停止させる、に一票です。
皆さんはどうですか?

■マーキュリー To:ALL
僕も停めた方が良いと思ってます。
護りの光はたしかに強力ですけど、強い日射しの下では影が濃くなるように、闇の力も強くしてしまうというのは真実なんでしょう。
護りの光・・自然ならざる力は何処かに歪みをもたらしてしまうものですから。

それに装置を停めれば星が戻ってきますしリーアさんの視力も回復するでしょうから、今度はリーアさんの元気な姿がこの村の希望の光になるんじゃないかと思います♪(^^)

今までより危険は増えるかもしれませんが一番大きな脅威は取り除かれたわけですし、この村に危害を加える者がまた現れたときは、マケリさんもいますし村の人達全員で立ち向かっていけば大丈夫だと思います♪

■セイルディア To:ALL
そうですわね…あの装置は、トリュボスから島を守りたいと思うヒュレスのご両親の想い。
いつか再び星と出会える日が来ることを願いながら、作られたと思いますわ。
ですからその脅威が去った今、星空を取り戻すために私も止めたほうが良いと思います。
最終的にはヒュレスの判断でしょうけど、彼ならきっと賛同してくれると思いますわ。

■カーガッド To:ALL>ヒュレス
わかりました。
ヒュレスさん、後はあなたの決断次第です。
私達はあなたの決定に従いますよ。

■ヒュレス To:カーガッド&ALL
……はい。
僕も、あの魔法装置は……停めたいと思います。
みなさんが、ザリィの民をずっと苦しめていた悪魔を倒してくれたから……
父さんと母さんが封じていた“闇”は、もうないから……。
たとえこの先、また“闇”に通じる扉が開いたとしても、僕が……僕らがザリィの民の血を忘れなければ、撃退できると思います。…いえ、撃退します! きっと……。
……だから、父さんと母さんの……“光”を消しましょう。
お嬢さまやマケリさん、子どもたち、ババ様……村のみんな、そして、みなさんと一緒に……ザリィ島の星空を、見上げたいです。

ヒュレスの懐から、コッコロットがひょいと顔を出した。
■コッコロット To:ALL
コッコロットの役目、装置を守るコト……
デモ、それ以上に、ヒュレス様に従うコト、大事。
「ばらんす」がナニモノか、コッコロットも見たいデス。

■マーキュリー To:ALL
では明日の朝にはみんな目覚めるでしょうから、夜はみんなで星を見ましょう♪
その前に荷物を取りに戻りたいところでs・・・
ふれでぃ大丈夫かなぁ!?(T▽T)

■セイルディア To:マーキュリー、ALL
黒い霧も消えたことですし、きっと大丈夫ですわ。
あの美しい場所は秘密の場所ではなく、村の人々皆で守っていく風景になるのでしょうね。

■マケリ To:ALL
…そういえば、俺の乗ってきた馬も置きっぱなしだ…
ナーヴェに怒られてしまうな…。

■トルキ To:ALL
えーっ、せんせー、また行くのっ?

頭を掻くマケリに、いっせいに向けられる抗議の視線。
■マケリ To:子どもたち>冒険者たち
あ…いや…、行かないよ。

すまないけど、俺が乗ってた馬も連れてきてもらえないかな…
俺はここで、子どもたちや村人たちと一緒に、星が出るのを見届けるから。
それから…

マケリはリーアに向き直った。
■マケリ To:リーア
リーアも行っておいで。
ヒュレスと一緒にね。

彼の声にはどこか吹っ切れたような響きがあった。
■リーア To:ALL
……私も?
迷惑じゃなければ……行きたいです。ぜひ。

未だ視線が定まらず頼りないが、目の輝きは最初に出会ったときよりもずっと生き生きとしていた。
■マーキュリー To:ALL
そうと決まったら、このまま大急ぎで魔法装置のある所まで行きませんか?
向こうで一休みする感じで♪(^^)

■ヒュレス To:マーキュリー
……ええっ!? 今からですか?(汗)

今は夜中の1時ごろ……しかも冒険者たちは、お昼を食べてからずっと食べず休まずで飛ばしてきたはずである。マーキュリーの体力なら可能かもしれないけれど(笑)
■カーガッド To:マーキュリー&ALL
夜の森は危険ですよ……。
それに、いくらなんでもあの強行軍の後では、私やマーキュリーさんはともかく、他の方の体力が保ちませんよ。
今日はおとなしく休んで、明日出発することにしましょう。
一日も早く何とかしたいのは分かりますが……。

■マーキュリー To:ALL、フレディ
はぅっ……ちょっと考えればそうですよね。

フレディ〜〜、元気でいておくれ〜(T▽T)

■セイルディア To:マーキュリー、ALL
言われて、自分が疲れていることを思い出しましたわ。
急に眠気が襲ってきましたもの…。
今日はもう休みましょう。

冒険者たちは外に倒れている村人たちを家々に運び込んでから、リーアの家に(マケリは自宅に)帰り、ぐっすり睡眠をとった。

ザリィ島は、その運命を変えたものたちをやさしく包んで朝を迎える……

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SW-PBM Scenario#144
白夜の島

GM:ともまり