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SW-PBM Scenario#144 白夜の島 |
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ザリィ島・森の中 |
ザリィ島の、明るいままの夜が明けた。
村人の手配で馬を用意してもらった一行は、ババ様に教えてもらったとおり、村を流れる細い川の上流へ向かって進むことにした。
■ナーヴェ To:ALL |
気をつけてな! いい知らせを楽しみにしてるぜ。 |
■ブラーボ To:ALL |
明るいといっても夜は冷えるからね。 充分注意して行くんだよ。 |
■ケット To:ブラーボ&ナーヴェ |
任して下さいね〜。 頑張ってきますぅ。 |
そう言うケット君は、足が届かないのでセイルディアと二人乗りである。
■マーキュリー To:ブラーボ&ナーヴェ |
馬の手配ありがとうございました♪ 良い結果をお知らせできるようにがんばってきますね♪ |
■ナーヴェ To:ALL |
ああ。それと、馬はちゃんと返すようにな(笑) 俺たちの大事な愛馬だからな! |
そう言ってシッフ、バトーと共ににんまり笑う。
暗に「無事に帰ってこい」と言っているのだろう。
■セイルディア To:ALL |
もちろん、ですわ。 では、行ってまいります。朗報をお待ちくださいませ。 |
■子どもたち To:ALL |
ぼーけんしゃたち、がんばってー!! |
リーア家の窓のそばに集まっていた子どもたちが、一斉に手を振る。
窓からは、リーアが細い手を小さく振っているのが見えた。
村人たちに見送られて出発してから数時間。フレディも連れているため、さほどスピードは出せないが、それでも徒歩よりはかなり早く目的地につけるだろう。
疲労も少ない。
川は次第に幅を狭めるが、ゆるやかな流れは変わらない。
森の中で、木の葉が擦れる音と小鳥たちの鳴き声、そして冒険者たちが操る馬の蹄の音が響く。
空は今日も晴れ渡っている。昨夜見られたような異常は見られず、雲がゆっくりと流れる、おだやかな天気だ。
■マーキュリー To:ALL |
今日は良い天気ですねぇ♪ 昨日の夜とは大違い…そう、昨日見回りしてるときに、あの船で見たように空が切り裂かれるのをだいぶ上空だったけど何度も見ましたよ。 船ではセイルもケットもレヴィンも見てましたよね? ただ、黒い霧もすぐに光にかき消されてその他は大丈夫みたいでしたけどね。 あと、やっぱり光は北の方、この川の上流から流れてきてるみたいでした。 |
■マケリ To:マーキュリー&ALL |
空が…切り裂かれる…? 黒い霧? そんなことがあったのか…。 |
■マーキュリー To:ヒュレス |
ええ、船のすぐ上で空気をナイフで切ったような傷ができて、そこから黒い霧と一緒に怪物が出てきたんですよ。 あとから考えるとマケリさんを操っていた敵とセットで同時に来たんだと思います。 船にいた誰かを目標にして・・・。 だから昨日の夜警もヒュレスとマケリさんにも目の届く場所にいてもらった方が良いと考えました。 マケリさんがまた操られる可能性もありましたし、そうでなくても1ヶ所にいれば、もし出てくるとしても対処のしようがありそうですからね。 |
■ヒュレス To:マーキュリー |
……。 |
■セイルディア To:ALL |
そういえば…見回りで感じたのですが、光と闇の精霊がかなり不安定な状態になっている気がいたしますわ。 何か特別な力によって、縛られているような… この光と黒い霧は、精霊力と何か関係があるのかもしれませんわね。 マケリさんを操る力と同じような圧力が、精霊達にも働いているのかもしれませんわ。 |
■ケット To:セイルディア&ALL |
僕は魔法に関しては全然解らないけど、その精霊力の影響が今回の全ての件に影響してるんでしょうかねぇ。 |
■カーガッド To:マケリ |
マケリさん、昨日夜相当うなされてたみたいですが大丈夫ですか? |
■マケリ To:カーガッド |
……え? …ああ……。 ちょっと、嫌な夢を見たんだ…。 大丈夫だよ。ありがとう。 |
そう言って自らの右手にそっと手をやった。
昼過ぎ、ヒュレスが作ったサンドイッチを胃袋に押し込みながらしばしの休憩をとる一行。
馬は冒険者たちのそばで、のんびりと草を食んでいる。
さらさらと川の流れる音が心地よい。
■ヒュレス To:ALL |
やっぱり、冒険者の方って、馬の扱いも慣れてるんですね〜! 僕なんか、不器用だからなかなかうまくならなくて。 馬に馬鹿にされちゃうって言うか…はぁ…。 |
森の中で多少の緊張がほぐれたのか、笑顔で話しかけるヒュレス。
少し離れてマケリが苦笑を浮かべている。
彼も馬の扱いには慣れているようだ。道中、綱捌きに頼りない場面は見られなかった。
■マーキュリー To:ヒュレス |
ヒュレスも慣れればすぐ上手く乗れるようになりますよ、きっと♪ |
■ヒュレス To:マーキュリー |
あはは…そ、そうだといいんですけど。 ……あてっ。 |
背後から馬の鼻先が、ヒュレスの背中をこづいている(笑)
■マケリ To:ALL |
…? あれは、キツネか? |
マケリがどこかを見つめて言った。
彼の視線をたどると、目の前の茂みからふさふさの黄色いしっぽが飛び出して、ゆらゆら揺れているのが見えた。
■マーキュリー To:ALL |
なんでしょうね? |
次の瞬間、茂みから黄色い塊が飛び出してきた。
それは、マケリの見立てどおり野生のキツネのようだった。
一行の目の前で振り返り、警戒した様子でこちらを見ている。
……その口には、何かがくわえられていた。木でできた小さな人形のようだ。
■セイルディア To:ALL |
あれはもしや…子供達の言っていた、木のお人形? |
■ケット To:ALL |
あ、ほんとだ。キツネがくわえてるよ。 |
■木の人形 To:ヒュレス |
ΚΥΤΘΣ! ΚΥΤΘΣ! |
■ヒュレス To:ALL |
………ええっ? |
ヒュレスが素っ頓狂な顔で皆を見回す。
■ヒュレス To:ALL |
…今、あの人形… 「助けて」って言いませんでした?? |
■ケット To:ヒュレス |
ええっ? |
■セイルディア To:ヒュレス |
え、い、今のがわかりましたの? もしかして、本に書かれていた文字と同じ言葉なのですか? |
■ヒュレス To:ALL |
えっと、よくわからないですけど…… なんとなく、そう言っているような気がしただけで……。 |
■マーキュリー To:ヒュレス |
僕には何を言ってるのか解らなかったけど??? でもあの人形が子供達が言ってた人形のようですね。 食べ物を与えてみよう・・ |
■ヒュレス To:マーキュリー |
た、食べ物って……あ。 |
■マーキュリー To:キツネ |
おいで、ゴン太♪ |
マーキュリーはサンドイッチの端を少しちぎると、警戒させないようゆっくりとした動作でちょうど一行との中間辺りに投げてみる。
・・ゴン太?
■ゴン太 To:ALL |
……(じーっ) |
ゴン太(仮称)はびくっと後ずさると、用心深くじりじりとエサに近づく。
ぺっと人形を吐き出して、エサに鼻先を近づけると、ぱくっとそれをくわえて森の中へ走り去ってしまった。
あとには地面に倒れた木の人形が残された。
■マーキュリー To:ゴン太 |
あぁっ!ごん太ぁぁぁぁ ・・・りっぱなふぁみりあ2号になれただろうに・・・ |
またペットを増やすつもりかマーキュリー。
■木の人形 To:ALL |
…。 ……。 …………。 ΗΝΞΕΠΗ ΣΙΥΩ ΦΧ. |
人形はぴょこんと立ち上がり、ヒュレスに向かってバンザイをする。
■ヒュレス To:木の人形 |
わわっ、動いた!? ……へっ??? |
一行の耳には、一部「ヒュレス」と聞き取れた。
■ヒュレス To:ALL |
「大きくなりましたね」って……。 な、何のことでしょう?? |
■カーガッド To:ヒュレス |
うーん、ヒュレスさん。あなたが成長したといいたいのでは? 何にせよ、あの人形と意思を通じさせることが出来るのは、ヒュレスさんだけみたいです。 こちらに来るように言ってみて貰えますか? |
■ヒュレス To:カーガッド>木の人形 |
あっ…はい。 え、ええと……こっちに来てもらえますか? …あと、みんながわかる言葉…共通語って言うんですけど…話せます?(汗) |
ヒュレスは困った表情で人形に向かって語りかけた。
人形は跳ねるようにヒュレスに近づき、胸元に飛びついた。
■木の人形 To:ヒュレス |
ΟΛΒΝΔΖ ΡΘΤΚ. |
■ヒュレス To:木の人形 |
えっ? 背中? …えーと……こう…ですか? |
ヒュレスが人形の背中に手を触れると、カチリ、と音がして、人形の頭がくるくると回った。
■木の人形 To:ALL |
タング …。 これでいいデスか? ヒュレス様。 |
少々発音がぎこちないが、共通語だ。
■セイルディア To:ALL木の人形 |
えっ、古代語魔法? このお人形…すごいですわ…。 |
■木の人形(コッコロット) To:ヒュレス>ALL |
ワタシ、コッコロット。 ヒュレス様、今すぐ、ミレス様の家に帰るデス。 するコト、教えること、たくさんデス。 … この人たち、誰デス? |
人形はヒュレスの手の中で、くるくる頭を回して冒険者たちを指さす。
ヒュレスは、…完全に目が点になっていた。
■マーキュリー To:コッコロット |
初めまして♪僕達はヒュレスを助けて一緒にミレスのいる処へ行こうとしているんですよ♪ 僕はマーキュリーといいます。よろしく♪ 今すぐって言ったのは、それだけ事態が差し迫っているってことですよね? |
■コッコロット To:マーキュリー&ALL |
そのとおりデス。イッコクのユーヨもないデス。 ヒュレス様を助けてくれるデスカ。なら敵じゃないデス! 一緒に行くデス。 |
コッコロットは、びしっと川の上流の方を指差した。
■マケリ To:ALL |
…俺たちと目指す方向は一緒のようだけど…。 |
マケリは皆の顔を見回して肩をすくめる。さすがに面食らっているようだ。
■カーガッド To:マケリ&ALL |
まあ、重要な手がかりだと思いますよ。 敵意はなさそうですし、付いて行ってよいのではないですか? 手がかりが少ないから、今は藁をもすがりたい状況ですからね。 |
■マケリ To:カーガッド |
うん……そうだな。 |
■セイルディア To:コッコロット |
セイルディアと申しますわ。はじめまして。 古代語魔法を修行中の身で、同じくヒュレスに協力する冒険者ですわ。 あの……貴方を作った方は、どなたなのかしら? |
知的好奇心いっぱいのきらきらした瞳で、人形を見つめている。
■コッコロット To:セイルディア |
コッコロット作ったの、ヒューレィ様デス。 ヒュレス様のお父上で、ミレス様のダンナ様デス。 立派な魔法使いデシター。 |
コッコロットは手を大きく広げて、立派さをアピール。
■ヒュレス To:コッコロット |
ええっ? ……じゃ、じゃあ……。 |
■コッコロット To:ヒュレス&ALL |
早く行くデスー。 家で全部、お教えしますデス。 コッコロット、そのためにいるデス。教育係デス。 |
動揺を隠せないヒュレスを尻目に、足をばたばたさせながら川上を指差している。
■マーキュリー To:ヒュレス |
ヒューレィさんとミレスさんの子供でヒュレスかぁ… なんか良いなぁ♪ ヒュレス、自分のルーツを探すのはとても大事なことだと思いますよ♪ 自分が何者なのか知るのを怖がっているように感じていたんですけど、知ったからといって今までの君がなくなるわけでもないし、そこから地に足をしっかり着けて進んでいけば良いと思うんです。 行きましょう(^^) |
■ヒュレス To:マーキュリー |
は、はいっ……そう……ですよね……。 怖がってばかりじゃ、ダメですよね。 僕が、しっかりしなきゃ……お嬢さまの…ためにも……。 すいません、ありがとうございますっ。 |
がばっとおじぎ。
■マーキュリー To:ヒュレス |
お互いがんばりましょうね♪ 僕等は身体を張ることでがんばりますし、マケリさんにはマケリさんの戦いが待っていると思いますし。 だからヒュレスもね♪(^^) |
■セイルディア To:ヒュレス |
貴方が勇気をもって進めば、きっと道は開けますわ。 これほどの技術を持つお父様…きっと、この島の謎についても何がしかのヒントを示しておられるはず。 星空を取り戻すための道が、見えてきた気がしますわよ。 |
■ヒュレス To:マーキュリー&セイルディア |
は、はい…! |
ヒュレスは希望に瞳を輝かせて、こくりと頷いた。
■ケット To:ALL |
なんか、一気に展望が開けてきたね。 これで家に着けば、いろんな謎が一気に解明しそうかな? |
■マーキュリー To:コッコロット |
ここから家まではどれくらいの距離なんですか? |
■コッコロット To:マーキュリー&ALL |
ウマなら、夜までにトーチャクすると思いマス。 夜が迫ってくればくるほど、あぶないデス。 急ぐデス。 |
■マーキュリー To:ALL |
では急いで出発しましょう♪ |
■カーガッド To:ALL |
私も異存は無いです。 先を急ぎましょう。 |
■セイルディア To:ALL、マケリ |
そうですわね。 夜が危ない、というのは昨晩の見回りでのお話を聞いてますし、なんとなく雰囲気で察しますわ。急ぎましょう。 …マケリさんも、よろしいかしら? この先でコッコロットが教えてくれることは、貴方にとっても無駄では無いと思いますの。 過去を知ることが解決に繋がる、と断言はできませんが、少なくとも前へ進むことができると思いますわ。 |
■マーキュリー To:マケリ |
うん、マケリさんにとっては心の闇との戦いってところでしょうね。 その鍵がこの先にきっとあると思いますよ。 |
■マケリ To:セイルディア&マーキュリー |
…ああ。そうだな…。 |
そう言って、マントの端をきつく握りしめた。言葉は少なかったが、その表情には戸惑いや躊躇は無かった。
一行は仕度を整えると、再び川上へ向かって出発した。
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GM:ともまり |