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SW-PBM Scenario#144 白夜の島 |
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ザリィ村・マケリの家 |
冒険者達はひとまずリーアの家を出て、村の奥のマケリの家に向かうことにした。
ヒュレスは夕飯の支度があるというので、リーアの家に残った。
空を見上げると、村へ入ったときに広がっていた青空はどこかへ消え失せ、ぼんやりと白い光が広がっている。ヒュレスの言っていたとおり、昼間の曇り空によく似ていた。
あたりの家々から食欲を誘う匂いが漂ってくる。明るいとはいえ、もう夕飯時なのだろう。
セイルディアは道中、コキリアがマケリに贈ったペンダントが持つ“特別な力”について仲間に話した。
彼女は村へ入る前に、その石に秘められた魔力を見抜いていたのだった。
マケリは古い空き家を借りているということだった。確かに他の家と比べて明らかに古めかしい木の家があった。その入り口で子どもが2人、地面に書いた輪を飛んだりまたいだりして遊んでいる。
■ケット To:ALL |
本当に暗くならないんだねー。昼間みたいだ。 あ、子供達がいるよ。 |
■栗毛の男の子 To:冒険者たち |
あっ、ぼうけんしゃのにいちゃんたちだー。 |
■銀髪の女の子 To:冒険者たち |
先生に、何かごようじ? |
わんぱくそうな男の子に対して、女の子はちょっとおませな調子で言う。
■カーガッド To:女の子&男の子 |
そうなんだ。 今、先生はいらっしゃるかな? |
■栗毛の男の子 To:冒険者たち |
いるよー。 でも、さっきまで寝てたよー。 |
女の子は、とことことドアまで歩くと、そっと開けて中の様子をうかがった。
■銀髪の女の子 To:マケリ |
……起きてる。 先生ー、冒険者のひとたち、来たよ。 |
女の子は冒険者たちに向かって、ちょっぴり気取って「どうぞ」のポーズ。
■マーキュリー To:女の子&男の子 |
ありがとう♪ |
家の中に入ると、子どもたちに囲まれて座るマケリの姿が見えた。
簡素なベッドにもたれかかり、床に座り込んで、何やら話を聞かせていたようだ。
子どもたちも同じように床に座ったり、寝転んで足をバタバタさせたりしていたが、女の子の声にいっせいに冒険者たちの方を振り返った。好奇心を宿した瞳が一行を見つめる。
■マケリ To:冒険者たち |
…やあ。リーアとババ様には会えたかい? |
よく見ると彼の首元には、コキリアから贈られたペンダントが光っていた。
■ケット To:マケリ |
あって、いろいろ話を聞けたよ。 |
■マーキュリー To:マケリ |
はい♪ブラーボ先生にも会えましたよ♪ マケリさんは良く休めましたか? それに子供達にも少し話を聞きたいと思ってたからちょうど良かった♪ |
■マケリ To:マーキュリー |
先生にも会えたんだな、良かった。 おかげさまで、よく眠れたよ。 ありがとう。 |
■カーガッド To:マケリ |
実は、明日にでも森を探索しに行こうかと思っていまして。 マケリさんにも同行してもらいたいと思っています。 あなたを悩ます「声」をどうにかすることもできるかと思いますし。 もちろん、無理強いはしませんが。 |
■マケリ To:カーガッド |
……森へ? 何か手がかりがあるんだね? 君たちがそう言うなら…… |
■栗毛の男の子 To:ALL |
森に行くのっ!? |
■三つ編みの女の子 To:ALL |
先生が行くなら、あたしたちも行く〜! ねぇねぇ、一緒に行く〜!! |
子どもたちが興奮して騒ぎ立てる。
■マケリ To:子どもたち |
こ、こら……駄目だよ。村の外は危ないって言っただろう? |
■三つ編みの女の子 To:ALL |
やだやだ! 連れてかないなら、先生も連れて行っちゃいや! |
子どもたちは思いっきり不満そうな顔で、マケリの服の端を握りしめたまま、冒険者たちをじーっと見つめている。
■カーガッド To:子供達 |
悪いけど、君たちを一緒に連れて行くわけには行かないよ。 先生も危ないっていってるだろう? 大丈夫、先生も一緒に無事に戻ってくるから。 君たちは偉いから、先生がいない間もちゃんと留守番はできるよね? |
■三つ編みの女の子 To:ALL |
えー、やだやだぁ。お留守番、たいくつー。 |
■銀髪の女の子 To:ALL |
ほんとに、ちゃんと帰ってくる? 約束やぶったら、ダメだからね。 |
マケリはどこか遠くを見るような、かすかな苦笑を浮かべて、隣にいる小さい子の頭を撫でていた。
■カーガッド To:子供達 |
大丈夫だよ。 先生も私たちも強いからね。 それより……。 |
■セイルディア To:子供達 |
ちゃんと先生のこと、お休みさせてくれていたみたいね。 どうもありがとう。 ところで…みんな、「ミレス」という名前を聞いたことは無いかしら? それ以外にも、この島の昔話とか、森の奥のことについて何か知ってたら教えて欲しいのだけど。 |
■銀髪の女の子 To:セイルディア&ALL |
森の奥は、先生がダメって言うから、行ってないよ。 泉を見つけに行こうと思ってたのにー。 |
■栗毛の男の子 To:ALL |
みれすって、リーアねえちゃんが持ってる本に書いてある名前でしょー? |
子どもたちはお互い顔を見合わせて、ひそひそ話。
■三つ編みの女の子 To:ALL |
きっと、ヒュレスのお母さんの名前なのよ! だってヒュレスがちっちゃいころ、その本といっしょに流れてきたんだってババ様言ってたもん! ヒュレスのお母さんも、きっと、ツノ、持ってるよ! |
■栗毛の男の子 To:ALL |
ぼくら、いずみに行って、ヒュレスのおかーさん探そうって思ったの。 すっごいでしょ? |
子どもたちの表情は、まさに冒険好きの好奇心そのもの。
事の重大さはまったくわかってないに違いない。
■マーキュリー To:子供達 |
みんなすごいね♪ 僕達がやろうとしていることとほとんど同じだもの♪ でも今森は昨日までよりずっと危ない状況になってて、僕達は先生の力が是非とも必要なんだよ♪ 先生はすごく強いからね♪ だから泉は僕達が行くから、みんなにはマケリ先生や僕達の代わりにこの村を守って欲しいんだけどどうかな?(^^) |
子どもたちは、意外そうな表情で顔を見合わせた。
■栗毛の男の子 To:ALL |
村をまもるんだって! |
■三つ編みの女の子 To:ALL |
なんか、かっこいいね〜! |
■栗毛の男の子 To:ALL |
やっつけるより、まもるほうが、強いんでしょ? せんせいは、そう言ったよ! |
幼い瞳に、ちょっぴり得意気な表情が浮かぶ。すっかり乗り気になったようだ。
■セイルディア To:子供達 |
ええ、そうよ。 大事なものを守るほうが、ずうっと大変で、ずうっと強い人ができることなの。 大丈夫、みんなならできるわ。 みんなで力を合わせて、でも無茶はしないように、がんばってね。 |
■子どもたち To:セイルディア&ALL |
はーい!! |
小さい子は手を挙げて、元気よくお返事。
ちょっと大きい子は、誇らしげな表情を浮かべて、こくこく頷いていた。
■銀髪の女の子 To:子ども同士 |
…えと。森で見たあのこと、言ってもいい? |
ふと考え込んでいた女の子が子どもたちに向かって言った。
子どもたちは水を打ったように静まりかえった。
■カーガッド To:子供達 |
うん?何かな? ちゃんと信じるから、何でも話してごらん。 |
カーガッドは、子供達の目線に合う様にその場にしゃがんで言った。
その言葉に、女の子は嬉しそうにこくりとうなずいた。
■銀髪の女の子 To:カーガッド&ALL |
……ん。絶対、信じてね。 先生がオランに行ってる間、みんなで少しだけ森に入ってみようって思って、森の入口まで行ったの。そしたら、変な人形がいたの。 このくらいの大きさで、木でできてて、お洋服とかも着てない、つるつるの。 |
このくらい、と言って、その子は両手に乗るくらいの大きさを示した。
■栗毛の男の子 To:ALL |
そいつが、いきなりうごいて、しゃべったんだよー! でも、変なことばだったよー。 |
■三つ編みの女の子 To:ALL |
あたし、ヒュレスって聞こえたもーん。 ヒュレスを探してたのよ、きっと!! |
■栗毛の男の子 To:ALL |
ちがうよー、みれすって言ったんだよー! |
■三つ編みの女の子 To:ALL |
ぜ〜ったい、ヒュレス!! |
■マケリ To:子どもたち |
こ……こらこら、ミニョンもトルキもケンカしないで。 いてて。 |
マケリを巻き込んで、取っ組み合いを始めるふたり。
■カーガッド To:子供達 |
うんうん。良く分かったよ。 それはとても大事な話だと思う。 話してくれてありがとう。 それで、他には無いかな? |
■銀髪の女の子 To:ALL |
……聞き取れたの、それだけで、あとは何言ってるかわかんなかったの。 それで、捕まえようかって相談してたら、川に沿って走って行っちゃったのよ。 |
相変わらずおすましの表情で言う女の子。
■マーキュリー To:子供達 |
なるほど・・・、木でできた人形か・・・なんだろう? でも、きっとその人形はミレスとヒュレス、両方言ったんだよ(^^) 貴重な情報をありがとね♪ その時、他に気付いたことはあったかな? |
■ミニョン To:マーキュリー&ALL |
そっかー、両方かぁー。 あっ、その子ね〜、走りかた、変だったよ! |
■銀髪の女の子 To:ALL |
なんか、あたしたちを見て、あわてて逃げたって感じ。 転んだり、木にぶつかったりして。 ……おもしろかった。 |
■トルキ To:銀髪の女の子(エウリス) |
えへへっ、きっと、エウリスのコワイ顔見てびっくり……あてっ! |
エウリスはほっぺたを膨らませてトルキの頭をぽかっとたたいた。
■ケット To:ALL |
木の人形が何なのかは行ってみないと解らないけど、今回の件に関係するのは間違いなさそうだね。 |
■セイルディア To:子供達 |
みんな、リーアの持っている本のこと、詳しいのね。 森の奥に泉があること、本を読んだから知っているのかしら。ミレスのことも知ってるってことは、ヒュレスに読んでもらったの? |
■ミニョン To:セイルディア&ALL |
ううん、ヒュレスは、あの本のこと聞くと、嫌がるからー。 リーアお姉ちゃんに教えてもらったのー。 |
■トルキ To:ALL |
お星さまの絵も、見たよー。 きれーだったよー。お姉ちゃん、お星さま見たいんだってー。 ぼくたちも見たいなー。 ぼくたちね、お姉ちゃんのために、お歌つくったんだよー。 |
子どもたちは一斉に、歌を歌い出す。
その歌詞はヒュレスが読んだ、あの本の最初のページに書かれた詩だった。
ゆっくりとした、静かなリズム。闇夜に瞬く頼りない星の光のような、繊細な調べ。
ややあって、マケリが子どもたちの頭を撫でながら言った。
■マケリ To:子どもたち>ALL |
……さ、みんな、そろそろ家にお帰り。夕ご飯の時間だからね。 出発は……明日の朝かい? それなら、君たちも早く休んだほうがいい……。 |
■マーキュリー To:マケリ |
そうですね。 あとマケリさんにも僕等と一緒に今夜の見張りをやってもらえればと思っているんですけどいかがでしょう? 夜警をするのは村全体というよりピンポイントですし、『何か』あったときにマケリさんが僕等の傍にいた方が良いとも思っているので・・ |
■マケリ To:マーキュリー |
……ああ、わかった。 見回りはいつも交替でやっていたし、構わないよ。 ……リーアの家に行けばいいのかい? |
■マーキュリー To:マケリ |
はい♪明日の準備ができたらリーアさんの家へお願いします♪ あと、この島は1周するのに何日くらいかかるかわかりますか? 泉までの距離がわからないんですけど、保存食を作ってもらうのに参考になればと思って。 |
■マケリ To:マーキュリー |
…俺もあまり深いところまで探索したことはないけれど… 海から島を見た感じでは、多分1週間はかかるんじゃないかな。 もっとも、島の北側はほとんど山ばかりだから、 普通に一周するにはもっとかかるだろうけどね。 |
■カーガッド To:マケリ |
それだと、食料や水は少し余裕を見ておいた方がよいですね。 戻って準備をお願いしないといけませんね。 マケリさん。今回の探索であなたの問題も解決出来ればと思ってます。 何等かの関係がありそうですからね。 あなたにとって、辛い旅になるかもしれませんが、宜しくお願いします。 それでは、私たちはリーアさんの家でお待ちしていますから。 |
■マケリ To:カーガッド |
……わかった。準備をしたら、すぐに行くよ。 |
マケリは穏やかな表情で頷いた。
どこか覚悟を決めているような、そんな表情にも見える。
カーガッドはそこまで言うと、今度は子供達に向けて言った。
■カーガッド To:子供達 |
それじゃあ、無事に森から戻ってきたらまた会おう。 そのときは冒険の話を聞かせてあげるから、楽しみにしていてね。 |
■トルキ To:カーガッド |
ほんと? やったー! |
■ミニョン To:ALL |
ねねね、お人形さん、連れてきてねー! |
■エウリス To:ALL |
……きっと帰ってきてね。 |
子どもたちは思い思いのことを口にして、三々五々帰っていった。
冒険者たちも明日に備え、リーアの家に戻ることにした。
その後、船上で起こった事件のことも踏まえ、用心してマケリと共に夜警をすることにした冒険者たち。
危機的な状況は訪れなかったが、皆はそれぞれ、白い夜空の下で不吉な光景を目撃することになる……。
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GM:ともまり |