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SW-PBM Scenario#144
白夜の島

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 ザリィ島・船着き場

船は滑るように海を進み、ザリィ島の姿がはっきりと見えてきた。
鮮やかな緑に縁取られた外観。飛び交う海鳥の声。豊かな自然を宿していることがよくわかる。
船が目指す船着き場は、島の入り江に作られていた。
島に近づくにつれ、空気がなんとなく光り輝いているように感じた。
船での戦いで感じた光と同じような感覚──空気自体が光を内包しているような、不思議な感覚だった。
船着き場には他の村人らしき人々が何人か出迎えに来ている。
船を固定すると、バトーたちが一行に挨拶に来た。
■バトー To:ALL
さぁ、着きましたよ。
長旅お疲れさまでした。

■ナーヴェ To:ALL
俺らは荷下ろしをしたり、いろいろやることがあるから、先にヒュレスたちと村へ行っててくれよ。

■マーキュリー To:バトー、ナーヴェ、シッフ
ハラハラドキドキの船旅は楽しかったです♪
ありがとうございました♪

■シッフ To:マーキュリー&ALL
こちらこそ、とても頼もしかったよ。
ありがとう。

■カーガッド To:バトー、ナーヴェ、シッフ
大変な船旅になってしまいましたが、みんな無事につけて何よりです。
また、帰りも宜しくお願いしますね。

■ケット To:バトー、ナーヴェ、シッフ
ホントに、ご苦労様です〜。
帰りの船でも歌をみんなに歌を歌いますから、宜しくねっ!

■ナーヴェ To:カーガッド、ケット&ALL
ああ、任せとけ。
しっかり船の整備をして、待ってるからな!

■セイルディア To:バトー、ナーヴェ、シッフ
…やっと…やっと着きましたのね…はあ……
色々と、ご迷惑をおかけしましたわ。ありがとうございました。

■バトー To:セイルディア
いやいや。初めての船旅は大変だったでしょう。
村でゆっくり休んでくださいね。

少し遅れて、ヒュレスがマケリと一緒に甲板へ出てきた。
マケリは顔色も良くなり、落ち着いている様子だ。
■マケリ To:ALL
…もう、大丈夫だよ。迷惑をかけてすまなかった。

■ヒュレス To:ALL
じゃ、僕が村まで案内しますね。

 ザリィ村までの小道

入り江から続く道を進む一行。しばらくは岩場が続いていたが、やがてさわやかな木漏れ日の差し込む森の小道へ入った空は海で見た時と何も変わりのない青空だ。
──わずかに光が強いような気がする以外は。
ヒュレスは久しぶりにリーアに会える高揚感からか、足取りも軽く先頭を歩いている。
マケリはどこか慎重な様子で、マントで身を隠すようにしながらゆっくりと歩いている。
■マーキュリー To:マケリ
マケリさん大丈夫ですか?
やはり島に来ると声も強くなる感じですか?

■マケリ To:マーキュリー
いや…いつも響いてくるわけじゃないんだ。
俺の気持ち次第…なんだろうな。

そう言って心細そうに微笑を浮かべる。
■マーキュリー To:マケリ
最後の最後まで希望を持ちましょう♪

■マケリ To:マーキュリー
…ああ…。

そう言って頷くが、どこかまだ表情が硬かった。
■マーキュリー To:マケリ
その声は心に直接響いてくるようですけど、方向とか場所を感じるようなことはありますか?

■マケリ To:マーキュリー
いや……そういうことはなかったな。

■セイルディア To:マケリ
マケリさん…コキリアのお守りは、お持ちかしら?

■マケリ To:セイルディア
あ…。

セイルの言葉で思い出したように、ポケットに手をやる。
そっと取り出した手のひらには、あの時のペンダントがあった。
丈夫そうな革紐の先には、小さく透き通ったブルーの石が付けられている。
よく見ると石の真ん中には金色の線が斜めに入っていた。
■マケリ To:セイルディア
あの子には、悪いことをしたな…。

■マーキュリー To:マケリ
綺麗な石ですね♪
きっと御利益がありますよ♪

マケリは辛そうに小さく頷くと、ペンダントをじっと見つめる。
■セイルディア To:マケリ
それを捨てるような人ではない、と報告するつもりではいましたけど…
謝罪なら、貴方の口からきちんと本人にしてあげて欲しいですわ。
…何者にも邪魔されない、貴方の声で。

■マケリ To:セイルディア
そう…だな……。

ペンダントを握りしめた手を、そっと胸に当てた。
まるで自分を勇気づけるように。
■カーガッド To:マケリ
ところで、マケリさん。
あなたがリーアさんについてご存知なことを教えて頂きたいのですが。
ヒュレスさんには聞こえないように教えていただけませんか?

■マケリ To:カーガッド
え? ……

マケリは前の方を歩くヒュレスの背中をちらりと見る。
■マケリ To:カーガッド
聞こえないようにって…どういうつもりなのかわからないけど……
村人が知っているようなことしか、俺にはわからないよ。
リーアのことなら、ヒュレスが一番良く知っている……。
…あいつが知らなくて、俺が知っていることがあるとは思えないよ。

どことなく寂しそうにそう言うと、目を伏せた。
■カーガッド To:マケリ
そうですか……。
ヒュレスさんはあの通りですから、リーアさんのことをうかがってもかなり主観が入ると思ったからですね。
周囲の目から見て、どうなのかお聞きしたかったのです。
彼に聞こえないようにというのは、まあ念のため言いにくいこととかがあったらまずいかなと思ったからですよ。

あまり深く取らないでください。
とりあえず、分かりました。

■マケリ To:カーガッド
あぁ、そういうことか……。
確かにヒュレスはリーアに対しては盲目的かもしれないな……。
けれど、リーアは俺が知る限り、人によって態度を変えるような娘じゃない……村の者はみんな同じように、リーアを慕っていると思うよ。

そう言ってカーガッドの背中を軽く叩く。
■マケリ To:カーガッド
俺がリーアについて、ヒュレスの知らないことを知っているとすれば、昔、彼女がよく夜中に起き出して、村のはずれに行っていたことくらいだろうか……。
何をするでもなく、じっと白い空を見上げているんだ。
その姿があまりにも一生懸命で、声をかけられなくて……危険がないように朝まで見守っていたことが何度かあったよ。
主治医のブラーボ先生には一応、報告はしたけれどね。
今はもう外を出歩けないから…そんな無茶はできないだろうが……。

■カーガッド To:マケリ
よく分かりました。ありがとうございます。
何にせよ、実際に会ってみた方が良いでしょうね。
それで分かることもありますでしょうし。
さぁ。疲れてるでしょうし、先を急ぎましょう。

そう言って、先頭に立つヒュレスの近くまで移動した。
■マーキュリー To:ヒュレス
ヒュレスさん♪この島は言葉通り光に溢れてるって感じですね♪
それになんだかとても嬉しそうですよ♪(^^)

■ヒュレス To:マーキュリー
あ…えへへ。
久しぶりにお嬢さまの顔を見るのが、嬉しくって…。

ヒュレスは照れくさそうに微笑んだ。
■ヒュレス To:マーキュリー
光…そうですね〜。
何かもう、慣れちゃってて何とも思わなくなっちゃいましたけど…。
この光は、陽が傾くにつれて強くなるんですよ。

そう言ってふわりと空気を集めるような動作をする。
■セイルディア To:ヒュレス
陽が傾くにつれて?
ということは…陽が沈んでも星が見えないのは、空気自体が光っているから、ということなのでしょうか?

■ヒュレス To:セイルディア
たぶん、そういうことだと思います。
夜の間、ずっと空は白く光ってますし……。

■マーキュリー To:ヒュレス
空気自体が光っているということは、普通は光が届かない所、例えば、鬱蒼と茂る森の中とか洞窟の中でも明るいんですか?

■ヒュレス To:ヒュレス
うーん……光は空に近くなればなるほど強い感じなので、その光が届かないところなら、それなりに薄暗いです。
昼間の曇り空の時に似てるかなぁ。

■カーガッド To:ヒュレス
実際に夜になって空を見た方が良いかもですね。
しかし、本当に空がちょっと違った印象ですね。

■ケット To:ヒュレス
みんな星が見えないような明るい空なのに、星読みのババ様だけは、星占いが出来るぐらい星が解るというか「見える」んだよね?
だったら、リーアさんにも星読みのババ様と同じように星が見える状態にする方法が、きっと何かあるかもしれないねっ?

■ヒュレス To:ケット
同じように…ニエブラの実をとおして、ですか?
う〜ん…考えたこともなかったです…。

 ザリィ村・入口

やがて粗末な木の柵で囲まれた開けた場所に出た。
こじんまりとした木造の家々、広々とした畑、家畜の世話をする人々。
村の入口の近くで、子どもたちが木の枝を振り回して遊び回っている。
のんびりとした雰囲気の村だ。
■ヒュレス To:ALL
着きました! ここです。
今、家へ案内──

■男の子の声 To:マケリ
あっ! せんせいー!

■子どもたちの声 To:マケリ
マケリ先生〜!

ヒュレスの語尾を打ち消して、元気な声が響いた。
遊んでいた子どもたちが一行の到着した気配に気づいて、木の枝を振り回しながらこちらに駈けてくる。大きい子から小さい子まで10人ほど。
あっという間に一行を取り巻いた。
■男の子 To:ヒュレス&マケリ
ヒュレスー、せんせー、おかえりー。
ねぇ、このひとたちが“ぼーけんしゃ”?

■女の子 To:ALL
かっこいーっ! せんせいより、強いのー?

子どもたちはわいわい騒ぎながら、冒険者一行を好奇心いっぱいの目で見つめたり、武器や杖を見て目をまるくしたりしている。
■マーキュリー To:子供達
そうだぞ〜♪この馬が一番強いんだぞ〜♪
でも、先生の方が強いかもね♪(^^)

子どもたちはきゃーっと歓声を上げて、フレディをぺたぺた触り始める。
■女の子 To:ALL
すご〜い、つやつや〜♪

■マケリ To:子どもたち
みんな、ちょっとだけ静かにして……先生は船酔いで疲れてるんだ。
家に戻って休むから…いてて、引っ張らないで。静かにしててくれるかな。ね。

子どもたちに服を引っ張られて優しい苦笑を浮かべるマケリ。
その表情は、今まで見た彼のどの表情よりも穏やかで、安堵しているように見えた。
■セイルディア To:子供達
ふふふ…先生は少しだけ、お疲れみたいなの。
私達はちょっと行くところがあるから、みんな、先生のことよろしくお願いね。
ちゃ〜んと、お休みさせてあげてね?

■子どもたち To:セイルディア
は〜い!

■女の子 To:子どもたち
しーっ。

子どもたちはお互いに顔を見合わせながら人差し指を口に当てる。
でもマケリの服は引っ張ったまま。
■マーキュリー To:ALL、マケリ
この子達が一番強いかな(^^;
マケリさんゆっくり休んでください♪
後で伺うかもしれませんがその時はよろしくお願いしますね。

■マケリ To:マーキュリー&ALL
ああ、いつでも来てくれ。
リーアのこと……頼む。

マケリは子どもたちに付き添われるようにしながら、村の奥へ歩いて行った。
■カーガッド To:マケリ>ヒュレス&ALL
では、また。ゆっくり休んでください。
さあ、私たちも行きましょうか。

■ヒュレス To:ALL
あ、はい。こっちです。

ヒュレスは一行を促して歩き出した。

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