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SW-PBM Scenario#144
白夜の島

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再び甲板へ


 船上・甲板

カーガッド、マーキュリー、ケットの3人は、甲板の様子を見るために厨房を出た。
地下の薄暗さとは裏腹に、甲板は明るい日差しに照らされている。
戦闘があったのが嘘のようだ。
階段のすぐ近くに、セイルとレヴィン、シッフ、ナーヴェがいる。
船首近くには、黒々とした怪物の遺骸があった。
マーキュリーは歩きながら戦闘の状況を説明し続けている。
■マーキュリー To:カーガッド
船首に転がってるあの黒い物体が、空を切り裂くように突然現れてきたんですよ
でも、その時甲板にいた僕等にはアレが何なのか思い当たらなくて(^^;
で、ケットはカーガッドを呼びに行き、切り裂かれたような空からはどんどん黒い霧が拡がって、見張り台にいたナーヴェさんを飲み込みました。
黒い奴は・・・僕が磨いた床をどんどん汚していくし(/_;
・・3人で速攻で倒しました♪
奴を倒すと霧も晴れて、ナーヴェさんも自力で見張り台から下りてきた。って感じなんですよ♪
登場の仕方も見た目もすごく変な奴でした。
ぁ、そういえば霧が晴れるとき、なんだか空気自体が光り輝いていたような気がします。

■ケット To:All
すごいなー。
僕が呼びに行ってる間に、あんなすごいの倒しちゃったんですねー。

■カーガッド To:マーキュリー
なるほど……ちょっと見てみますかね。
でもまずは、セイルさんたちに厨房で起きたことを説明しておかないと。

■セイルディア To:カーガッド、マーキュリー、ケット
おかえりなさい。こちらは変わりありませんわ。
……下で、何かあったんですの?

上がってきた三人の雰囲気を見て、少し訝しげに問い掛ける。
■カーガッド To:セイルディア
えっと、話は聞きました。みんな無事で何よりです。
厨房でも、何者かに操られてしまったマケリさんが私に決闘?を申し込んできましてね。
おそらく、甲板に出てきた「黒いもの」とも何か関係がありそうなのですが。
あ、マケリさんはもう元に戻って、今は休んでいます。

■セイルディア To:カーガッド
…決闘…!
やはり彼は、普通の状態ではないということなのかしら…

カーガッドは厨房で起きたことを詳しく全員に話した。
その後黒い物体を見に船首に向かった。
■カーガッド To:
これですか……。

■マーキュリー To:カーガッド&ALL
見れば見るほどけったいな怪物でしょ?
僕もカーガッドの言うとおり、マケリさんを操っていた「声の主」とこの「黒いもの」は意図的に同時に出てきたんだと思います。
ついでに、黒い霧が晴れていく時に見た淡い光と、ヒュレスさんが叫んだ時に空気が光り出したって話も関係ありそうですね。
僕等が甲板で怪物を倒したからではなく、「ミレスの子」の力で黒い霧が晴れ、声の主も一時的にしろ力を失って去っていったとも考えられますよね?
むしろこっちの方が説明がつくかも・・・

■カーガッド To:ALL
……残念ながら、私の記憶にはこの生物の知識はありませんね。

確かに、マーキュリーさんの言われるとおり、「ミレスの子」というのが鍵になってる気はしますね。
村の人にも聞いてみましょうか?

■マーキュリー To:カーガッド
賛成です♪

シッフとナーヴェは、先ほどの怪物や不思議な現象について話し込んでいる。
■マーキュリー To:ナーヴェ、シッフ
そうだナーヴェさん、念のためなんですがその後体調はどうですか?
具合の悪いところとかないですか?
あとシッフさん、これも念のためですがナーヴェさんの外見で以前と違うといったことはないですか?
例えば、目の色が以前と違うとか・・

■ナーヴェ To:マーキュリー
ん? 体調は大丈夫だよ。
ま、しばらくはちょっと気持ち悪かったけどな。

■シッフ To:マーキュリー
目の色?

シッフはナーヴェの目をまじまじと覗き込む。
■ナーヴェ To:シッフ
……お前に見つめられても嬉しくねぇなぁ(笑)

■シッフ To:マーキュリー
別に変わったところは無いと思うけど……。もともと濃い青だったよなぁ?

ナーヴェは苦笑しながらうなずく。
■マーキュリー To:ナーヴェ&シッフ
そうですか♪相手がどんな事をしてくるか解らないからちょっと心配だったんですけど、特に変化がないならたぶん問題ないでしょう♪(^^)

■カーガッド To:ナーヴェ&シッフ
あと、つかぬ事をうかがいますが、「ミレス」とか「ミレスの子」とか言う名前に覚えはありますか?
もし何かご存知なら教えていただきたいのですが。

■ナーヴェ To:カーガッド>シッフ
ミレス?
知ってるか?

■シッフ To:ナーヴェ
さぁ……村にはそんな名前の者はいなかったと思うけど。
たぶん、女性の名前だよな? まぁ、悪い名前じゃないって気はするけどね。

■ナーヴェ To:シッフ>カーガッド
んー? そうだな、何となく懐かしいような感じもするしな。
そのミレスってのがどうかしたのか?

首を傾げて尋ねてくる。
■マーキュリー To:ナーヴェ&シッフ
童話とか童謡の中ではどうですか?

■ナーヴェ To:マーキュリー
いやぁ……聞き覚えがねぇなぁ。
聞いたことがあれば、すぐに思い出すだろうしな。

■シッフ To:マーキュリー
そういう話なら、ババ様か、子どもたちの方が詳しいんじゃないかな。
よくリーアを囲んで歌を歌っていたからね。

■ケット To:All
歌にはいろんな意味や思いが込められていることが多いから、ぜひ聞いてみたいな。

■カーガッド To:ナーヴェ&シッフ
そうそう、そのババ様とリーアさんのことなんですが。
お二人ともどんな方なのですか?
会う前にある程度どんな方か知っていた方が無礼も無いでしょうから、ご存知なことを教えていただけませんでしょうか?

■シッフ To:カーガッド&ALL
ババ様はザリィ村一番の長寿でね。もう90歳を超えていたと思うよ。
長老のような存在で、村の決めごとは何でも大人たちの話し合いで決めるんだが、ババ様の了承がないと決定できないことになっている。
まぁそれだけ人望のある御方だよ。なんと言っても「星読み」をして村を助けてくださっているしね。
時々謎めいた物言いをなさるが…あの方は我々にも見えないことが見えているんだろうと思うよ。

隣でナーヴェも頷きながら聞いている。
■シッフ To:ALL
リーアはババ様のひ孫で、確か18歳だったかな? 体が細くてきれいな子でね。
小さい頃はほんとうにやんちゃで、男の子も顔負けというくらい元気な子だったんだが、10歳を過ぎた頃から目の病気にかかってしまってね。
主治医のブラーボ先生が言うには、視界に光が溢れて見えなくなる、という症状らしいが…徐々に悪化してしまって、今ではほとんど見えないらしい。
その病気のせいで、かわいそうに、生きる希望も無くなってしまったらしくて…今では寝たきりなんだよ。
ヒュレスが献身的に世話をしているけどね…彼らはババ様も含めて、小さい頃から3人で暮らしているんだ。ヒュレスとリーアは姉弟みたいなもんだろうね。
だからこそ、ヒュレスはリーアのことを誰よりも心配している。
我々ももちろん心を痛めているよ。

■マーキュリー To:ナーヴェ&シッフ
リーアさんにはなんとか希望を取り戻してもらいたいですね。
リーアさんやヒュレスさんには、ご両親はいらっしゃらないんですか?
ヒュレスさん達が小さいときから3人暮らしということはだいぶ以前に何かあったんですか?

■シッフ To:ALL
リーアの両親は早くに病気で亡くなったよ。ババ様が親みたいなもんでね。
ヒュレスは…彼から聞いてないのかい?

■ナーヴェ To:シッフ
…ま、わざわざ言うことでもないだろ。

■シッフ To:ALL
まぁ、そうだな……
彼は赤ん坊のときに村の近くで拾われてね。ババ様が引き取ったんだよ。
リーアが2歳の頃だったかな。

神妙な面持ちで話すふたり。
■セイルディア To:ナーヴェ&シッフ
村の近くで、拾われて…?
なんだかすごく不自然さを感じますけど…
身元は全くわかりませんでしたのね?

■シッフ To:セイルディア&ALL
うん……そうだな。

■ナーヴェ To:セイルディア
あんたも不自然だって思うだろ? やっぱり。当時村のみんな全員がそう思って──っと……。

シッフが顔をしかめて、ナーヴェを肘でつついている。
■カーガッド To:ナーヴェ&シッフ
絶対ヒュレスさんには話しませんから、すみませんが続きをお話していただきませんか?
その話を聞いたからといって、彼への接し方を変えるようなことは絶対にしませんから。

■シッフ To:ALL
うーん……。

■ナーヴェ To:シッフ
いいじゃねぇか。ここまで言ってくれてるんだし。
何より、俺らを助けてくれた人たちだぜ? 約束は守ってくれると思うな。

ナーヴェはシッフの肩をぽんと叩いた。
■シッフ To:ナーヴェ>ALL
そうだな……。
ヒュレスは赤ん坊の時から、頭にちいさな角を持っていてね。
それがまるで妖魔のようだというので村人たちはみんな怖がったんだ。
どこから来たのかもわからないし、ふつうの人間ではないことは確かなのだから、村に入れるべきではないとね…。
でもババ様が、自分がすべての責任を持つからと言って引き取ったんだ。
まぁ、ババ様にそう言われちゃあ、誰も反対できなくてね。
そういうわけで3人は一緒に暮らすようになったんだ。

昔を思い出すように、ふぅっとひとつため息をつく。
■シッフ To:ALL
…とは言っても、やっぱりみんな怖かったんだろう。
ヒュレスが物心ついてからも、避けられたり白い目で見られたりしてね。
でも、それを全力でかばっていたのがリーアなんだよ。彼女がほんとうの姉弟以上に愛情を込めて接していたから、村人も次第に心を許すようになったんだ。
今では偏見を持っている奴は誰一人としていないよ。

■ナーヴェ To:ALL
ま、それでもあいつはそれなりに気にしているのさ。
自分がどこから来たのか、あんまり考えたくないみたいだしな。

■マーキュリー To:ナーヴェ&シッフ
そうだったんですか・・・でも今までは村の人達が最初に恐れていたようなこととか変わった不思議なこととかは特になかったんですよね?

■ナーヴェ To:ALL
そうだな。ごくふつうに暮らしてるよ。
ヒュレス自身にも変わったことはなかったしな。

■マーキュリー To:カーガッド、ケット
そういえば、バードって古い伝承とかたくさん知っているんですよね?
「ミレス」で何か思い当たることってないですかね?
ちなみに僕はさっぱり思い当たりませんでした♪(´ー`

■カーガッド To:マーキュリー
私もさっぱり心当たりがないですね……。

■ケット To:マーキュリー
ゴメンなさい。僕も聞いた事は無いなぁ。
一度、聞いていれば忘れないと思うんだけど。

■セイルディア To:ナーヴェ&シッフ
マケリさんについて、すこしよろしいかしら。
村を守っている、ということでしたけど…彼から、島の危険な場所や近づかないほうがいい、といわれた場所など、ありませんかしら?

■ナーヴェ To:セイルディア&ALL
ん? いやぁ、特には…だいたい、マケリさんはほとんど村から出なかったよ。ちょっと周辺を見回るくらいでね。

■シッフ To:ALL
ちょっと前に子どもたちが村の外に遊びに行こうとして、危ないからやめろって言い聞かせていたことはあったね。
子どもたちは何か目的があって行こうとしてたみたいだけど、たしかに村の外はオオカミや熊も出るし、危ないからね。

■マーキュリー To:ALL
村の外に何かを見つけたのかな?
村に着いたら子供達にもいろいろ聞かなくちゃね♪
歌のことやマケリさんのことやどこに行こうとしてたか・・


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