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SW-PBM Scenario#144
白夜の島

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黒の侵食


 船内・厨房

互いの武器を構え、にらみ合うふたり。
先手を取ったのはカーガッドだった。
■カーガッド To:マケリ
行きますよ……。

そうつぶやくと、マケリの持つ武器を狙ってハンドアックスを打ち付ける!
■マケリ To:カーガッド
くっ…!

派手な金属音を立てて、マケリのエストックが床に転がった。
打ち付けられた勢いのままに回転し、部屋の隅で弾かれてようやく止まる。
マケリは身体をくの字に曲げ、その衝撃の残る両手を見つめた。
■マケリ To:?
ちっ………役立たずが。

忌々しげにつぶやくと、何事も無かったかのように顔を上げて口元だけで微笑む。
■マケリ To:カーガッド
ひどいな…寸止めって言ったのに。
僕が約束を破って、君を殺すとでも思った?

■カーガッド To:マケリ
悪いが……殆ど面識の無い人間の言葉を信用は出来ないのでね。
さあ、武器は失われたぞ。どうするのかね?
あと……お前は一体何者なんだ?

そうマケリに言うと、油断せずに武器を構えてマケリの動きを見逃すまいと睨みつける。
■ヒュレス To:マケリ
マケリさん…声が…。

ヒュレスもマケリの異変に気づいているのだろう、怯えた表情で壁に背中を押し付け、服の裾をぎゅっと握りしめている。
■マケリ? To:カーガッド
何者か、だって? いい質問だね。
ククク…「これ」は、かつてマケリ・レードルだった「モノ」。

マケリは両手を広げ、自らの身体を誇示すると、見下すような視線で笑う。
■マケリ? To:カーガッド
だが、彼は闇の忠実なしもべとなった。報われぬ愛と得られぬ自由への黒い感情に負けた──いや、正直になったのさ。
お前が落としたあの剣には、血を分けた父親の血が染み込んでいる…フフ…。
誰も彼を責められぬ…少なくとも、は彼に言ってあげる。
「あなたは、なにも悪くない」…とね。
果てしない絶望、救いを求める弱い心……の「容れ物」としてふさわしい…。

マケリの声が徐々に弱まり、「女性」の声が水の波紋が広がるように低く、暗く響く。
まるでこの世界で響いている音ではないかのように。
■カーガッド To:
ちっ……。
これは厄介なことになったかな……。

そこへ、廊下からぱたぱたと走る音が近づいてきた。ケットだ。
■ケット To:ALL
り〜だぁ〜たいへんですぅ〜・・・
甲板に化け物がぁでたんですよっっ。
ん???????

状況の読めないケット君。
■マケリ? To:ケット
獲物が増えたか。

マケリはケットが顔を出した入口の方をちらりと見て笑う。
■マケリ? To:カーガッド&ケット
culter.

マケリが何かをつぶやくと、突然カーガッドとケットの肩に鋭い痛みが走り、まるで鋭いナイフに切り裂かれたかのような傷が深々と現れた。生暖かいものがじわりと滲み出して来るのがわかる。
■ケット
わぁぁ、痛たたたたたたたたぁぁぁぁぁ〜

■マケリ? To:カーガッド&ケット
即死はさせない。このままじわじわと追いつめてあげる……。
絶望の深い海で足掻くがいい。

■ヒュレス To:カーガッド&ケット
カーガッドさん! ケットさん!!

ヒュレスが渾身の力をふりしぼって叫ぶ。空気が急に光を帯びたように見えた。マケリが一瞬、大きく目を見開いてヒュレスを見、そしてさも愉快そうに顔を歪めて笑った。
■マケリ? To:ヒュレス
く…ッ………フ………アハハハハ!
少しは自らの“血”を思い出したか。ミレスの子よ。
だが、もう遅い。
強すぎる光は、闇もまた濃くする……
怠惰の中で戦いを忘れたお前たちに、勝ち目は無い。………

その言葉は徐々に小さくなっていき、やがて波が引くように聞こえなくなった。
すると、まるで操り糸がぷっつりと途切れたかのように、マケリのまぶたが閉じられ、力なく床に倒れ込んだ。
■カーガッド To:ヒュレス
……大丈夫。私は大丈夫ですよ。
それよりも、マケリさんの介抱を頼みます。

■ヒュレス To:カーガッド
………は、はい。

呆然としていたヒュレスだったが、カーガッドの声で我に返ると、あわててマケリの側へ行く。
■カーガッド To:ケット
ケットさん、大丈夫ですか?
あと……甲板で一体何があったのですか?

■ケット To:カーガッド
痛ったたたたたたぁ〜(涙)
マケリさん、どうしちゃったんですか?
僕に恨みでもあったのかな?
甲板には、黒い化け物は出てくるし、一体どうなってるの???

■カーガッド To:ケット
さて……マケリさんは、体を何者かに乗っ取られてたみたいです。
私も、何故なのか分かりませんね……。
しかし、今回の調査に関係がありそうな気はしますね。

とりあえず傷の手当てをしましょう。
止血して……あとはマーキュリーさんの癒しの奇跡をお願いしましょうか。

しばらく経って、もうひとつの足音が近づいてきた。
■マーキュリー To:カーガット&ALL
カーガット〜、お昼出来ましたかぁ♪
さっき甲板で化け物が出て・・・ってどうしたんですかっ!?
ケットまでケガしてるじゃないですか!

■カーガッド To:マーキュリー
えっと、こちらでもマケリさんが何者かに操られて大変なことになってました。
その”何者か”に暗黒魔法を喰らいましてね……。
私たちの怪我はその所為です。
すみませんが、癒しの奇跡を使ってもらえませんか?
私は後でいいから、ケットさんから治してあげてください。

■マーキュリー To:カーガット
そんなことがあったんですか・・・
とにかく治療しますね。

マーキュリーはマーファに祈り、ケットとカーガッドに癒しの奇跡を行った。みるみるうちに傷が塞がっていく。
■ケット To:マーキュリー
ああマーキュリーさん、ありがとうですぅっ。
死ぬかと思っちゃいましたよ。
ビックリしたなぁ、ホントに。


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SW-PBM Scenario#144
白夜の島

GM:ともまり