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SW-PBM Scenario#144 白夜の島 |
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船上・甲板 |
オランを旅立ってから、一週間が経った。
船に慣れていなかったセイルは、すぐに船酔いを起こしてダウンしてしまったが、他の冒険者たちはなんとかその恐怖から免れたようだ。
無理をしない程度に、村人たちの仕事を手伝いながら過ごしてきた。甲板の掃除、炊事や洗濯…。そして長くて単調な船旅を紛らわすための多少の余興…。
穏やかな天候も手伝って、のんびりとした気楽な船旅となった。
そして今日も──
■シッフ(村人C) |
ふ〜っ…やっと休憩時間だ。やれやれ。 |
腕をぐるぐる回しながら、見張り台のあるメインマストから冒険者たちのほうへ歩いてくるシッフ。
マーキュリーとレヴィンはモップを持ち、甲板をごしごしと掃除中。
ケットは休憩時間なのか、サボり?なのか、ギターを携えている。
■シッフ To:ALL |
ケット君、もしよかったら、今日も陽気な曲を聞かせてくれないかな? すっかり君の演奏のファンになってしまったよ。 |
■ケット To:ALL |
もちろん、いいですよ。 じゃあ、海の歌と言えば、これですね。 |
そう言って、ギターを抱えて歌い出す、ケット君。
■ケット To:ALL |
水平線の遙か彼方には〜あああ〜♪ 虹の橋があるのだろぉ〜♪ 誰もみないぃ未来の国を〜♪ 少年はぁ探し求める〜♪ 広がぁる海のかなたから〜あああ〜♪ 何が呼ぶというのだろぉう〜♪ 希望の星 胸に残してぇ〜♪ 遠く旅立つ 一人ぃぃ〜♪ |
■シッフ To:ケット |
…おおぉ…なんて…なんて胸を打つ詩なんだっ…! |
何やら感激しつつ、身を乗り出して聞き入っている(笑)
■マーキュリー To:シッフ |
ふぅ♪今日も華麗に仕上がったな、うん♪(^^) あ、シッフさんお疲れ様♪ もう島は見えてきましたか? 演奏良いですね♪やりましょう♪ |
これ幸いとモップを投げ出すマーキュリー。
■シッフ To:マーキュリー |
島は、もうちょいってところかな。 よし、いっそのことみんなで休憩にしてしまうか! |
空はどこまでも青く晴れ渡り、白くて分厚い雲がゆったりと流れている。
頬を撫でる潮風が心地よい。
しかし、セイルにとっては風景を楽しむ余裕もないかもしれない…
出入り口近くの壁にもたれて、青い空を見てぼんやりしている。
■セイルディア |
…………ふう…。 |
楽しげな仲間たちの姿を一瞬見やったが、蒼白な面持ちでけだるそうに視界を空へ戻した。
■マーキュリー To:セイルディア |
セイル、大丈夫? もうちょっとで島が見えてくるらしいからがんばってくださいね♪ |
■セイルディア To:マーキュリー |
…………ありがとう…。 もう、ちょっと…………だといいですわね。 |
そんなセイルを助けるかのように、
■ナーヴェ To:ALL |
おお〜い、島が見えたぞ! 渦潮は起こってない、大丈夫だー! |
見張り台から、ナーヴェの威勢のいい声が聞こえてきた。
──しかし次の瞬間、それは恐怖の叫びに変わる。
■ナーヴェ To:ALL |
…!! お、おい! 何だ、あれは!? |
■マーキュリー To:ALL |
みんな、気を付けて! |
何かを感じて叫ぶマーキュリー。
ナーヴェが指を指した方向──前方上空を見ると、まるで空にナイフで傷をつけたように、黒い「何か」が滲み出しているのが見えた。それは次第に広がり、あたりの空気をゆっくりと黒に染めていく。
やがて空の傷口から、黒い「何か」が一塊となってずるりと滑り落ち、甲板の上で凝り固まり、ある形をとった。
黒々とした空気に覆われてうなり声をあげるそれは、胴体は虎のようにも見えるが、後方に揺れる巨大な尻尾は、海魚を思わせるウロコでびっしり覆われていた。
頭、と呼べそうなものはふたつ──牙をむき出した野犬の太い首から、イヌワシの首が真横に突き出ていた。
「黒いもの」は、飢えた野獣の目つきで一行を見据える。
■シッフ To:ALL |
う…わ………ば、化け物………!? |
シッフは壁際まで後ずさり、へなへなと腰を抜かした。
■セイルディア |
…あれは…たしか……あの姿は………… ……ああもう!(がっくし)思考回路まで船酔いみたいですわ。 |
傍らのモップを支えによろよろと立ち上がると、杖を構えて仮称「黒いもの」を睨みつけた。
■セイルディア To:黒いもの |
さっさと立ち去りなさい… 私たちの上陸を邪魔するつもりなら…ただではすみませんわよ! |
■黒いもの To:セイルディア |
……グゥオォォオオルルゥルルゥゥ………… |
「黒いもの」は、野犬の頭をセイルの方へ向けた。
むき出した牙の間から黒い唾液のようなものがひっきりなしに垂れ、甲板を黒く染めている。
■マーキュリー To:黒いもの |
そうだ!ただでは済まさないぞ! せっかく綺麗に磨いたのに… |
そんな問題ではない。(w
上空では、空の傷口から滲み出した黒い空気が勢いを止めずに広がっていた。
まるで意志を持って船をまるごと包もうとしているかのようだ。
■マーキュリー To:シッフ |
シッフさん、船尾へ逃げてください!今すぐに! |
■シッフ To:マーキュリー&ALL |
お、おぅ! …でも、あんたらはどうするんだ!? |
■マーキュリー To:シッフ |
できることをするだけです。 僕達で船と皆さんを守りますよ♪ |
■シッフ To:マーキュリー |
そ、そうか…すまない、頼んだ!! |
シッフはあわてて船尾へ駆け出す。
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GM:ともまり |