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SW-PBM Scenario#144 白夜の島 |
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酒場「疾風の乙女亭」 |
一方……。
シーフであるケットはひとり、盗賊ギルドへ向かった。
とは言え、ギルドの連絡所は表向き酒場を装っているのがほとんどだ。
彼が飛び込んだのも、そんな中のひとつ。
「疾風の乙女亭」は、古めかしい家具とファンシーな置物で飾られたロマンチックな内装だが、その客はほとんどがギルド員だ。まだ昼間だというのに薄暗いのは、ギルドの酒場のお約束か。
ケットが店内に入るとすぐ、いきなり後ろに気配を感じた。
背中にささる「つんつん」という感触。
■ビヨンド To:ケット |
ケット君、みっけ〜 |
振り返ると、ケットと同じくらいの身長のグラスランナーの少女の顔がそこにあった。「つんつん」してたのは木のフォークのようだ。彼女のもう片方の手には、デザート用の器が握られている。
■ビヨンド To:ケット |
情報、もらいに来たの? 歌、歌いにきたの? ご飯、食べに来たの? どっちにしても、チーズケーキ奢って〜。 |
「奢らなければ、何もさせない」という感じだ(笑)
■ケット To:ビヨンド |
こんちわ、ビヨンド。 今日は、情報をもらいに来たんだよ。 相変わらず、チーズケーキが好きなんだね。 じゃあ、僕も一緒に食べるから2つ注文してくれるかな? |
■ビヨンド To:ケット>店員 |
おっけ〜。 おっちゃん、例のチーズケーキと、ふつうのチーズケーキ〜。 1つずつ〜。 |
■マッチョな店員 |
…………。 |
いつのまにかふたりの側にいたのは、身長が2メートルはあろうかという大男の店員だ。窮屈そうに腰をかがめて注文を聞き、厨房へと引っ込む。
白地にヒヨコのアップリケがされたエプロンが、筋肉質の体に明らかに似合っていなかった。
ほどなくしてケーキが運ばれてくる…ひとつはごく普通のチーズケーキ。
もうひとつは…ホールだった。
きれいに8等分されている。
■ビヨンド To:ケット |
1ピースで、50ガメル〜。情報、いっこぶん〜。 あたい、お腹いっぱいになるまで、何でもしゃべるよ〜。 |
木のフォークをしっかり握りしめて、早く口に入れたそうにうずうずしている。
■ケット To:ビヨンド |
はいはい。 じゃあ、僕も食べながら質問するね。 えーと、今度の仕事でザリィ島ってところに行く事になったんだ。 なんでも「夜のない島」とか言われてるらしいんだけど、ギルドでなんかそんな話、聞いた事ある? |
そう尋ねながら、自分の前のケーキを一口パクッと食べる。
■ビヨンド To:ケット |
ん〜。ザリィ島〜。ザリィ〜〜。 |
ビヨンドが人さし指を口元にあてて首を傾げていると、さっきのヒヨコエプロンの大男が音もなくやってきて、ビヨンドのそばにかがみこんだ。
■マッチョな店員 To:ビヨンド |
……(ぼそぼそ) |
■ビヨンド To:店員>ケット |
なによ〜、ちゃんと覚えてるわよ〜。 ザリィ島って〜、ニエブラの実が採れるトコだよね〜。 でも、「夜がない」ってなぁに〜? ずっとお日様が出てるの? |
どうやらビヨンドも「夜がない」ということについては初耳のようだ。
■ビヨンド To:ケット |
あたい、知ってるのは〜、ザリィ島に住んでるひとたちって、星を見て、未来を占ってるっていう噂〜。 |
ビヨンドはそこまで話すと、嬉しそうにチーズケーキをフォークでふたつに割り、ぽいっと口に入れた。
■ケット To:ビヨンド |
ん〜? 星を見て占ってる???って事は、ずっと夜が無かったわけじゃないんだ。 なんか、そのザリィ島って、今は夜が無いらしいんですよ。 その、「星を見て未来を占ってる」っていつ頃の噂なの? |
■ビヨンド To:ケット |
ん〜と、けっこう昔〜。 ニエブラの実がオランに入ってきた頃だから〜、10年以上は昔〜。 すご〜く高く売れるから、当時のギルドがちょこっと調べたらしいの〜。 |
言いながら残りの半分も口の中に放り込む。
■ビヨンド To:ケット |
(もぐもぐ)…ザリィ島のひとたちは、島の周りにできる渦潮を占いで予測できるようになったから、船を出せるようになったんだって〜。 だから逆に、島の住人じゃないと行き来できないってコトだよね〜。 しかも、ニエブラの実はザリィ島でしか育たないってことがわかったみたい。 それで、ギルドは手をつけるのはあきらめたみたいよ〜。 |
…気づくと、ケーキは2ピース分が消えていた。
■ビヨンド To:ケット |
でも、ケット君のいうとおり「夜がない」なら、星も見えないよね〜? 今でもニエブラの実は売られてるよね〜? なんか変だね〜?(はむはむ) |
■ケット To:ビヨンド |
ん〜? そういや確かに変だなぁ。 占いで渦潮を予測できるようになって、船を出せるようになったのなら、今、船が出てるって事は、占いが出来るって事で、つまるところ、星も見えてないと占いも出来ないって事で、星は見えてるのに夜がない??? うーーーーん???(はむはむ) |
訳がわからなくなって、とりあえず自分のケーキの残りを口に運ぶ(笑)
■ビヨンド To:ケット |
星が見えないなんて、嘘だったりして〜。あははは。 ………………もっと食べたい。(うずうず) ケット君、質問、もうないの〜? |
視線はケットとケーキを行ったり来たり。
■マッチョな店員 To:ビヨンド、ケット |
……。 |
店員は音もなく忍び寄ると、2ピース欠けのホールの皿に手を伸ばす。「質問がなければ下げる」という雰囲気である。
■ケット To:ビヨンド |
うーん、もう良く解らないから、とりあえずいいや。 それより、景気づけに一曲みんなで歌うってのは、どう? 僕、ギターで伴奏するよ? |
そう言いながら、背中のギターを抱えるケット君であった(笑)
■ビヨンド To:ケット |
いいよいいよ〜♪ 歌おう歌おう〜♪ |
わくわくしながらケットを見ている。
■マッチョな店員 To:ケット |
……………。 |
何かを警戒するように後ずさる(笑)
その夜、「疾風の乙女亭」では星の出る時間までギターの音色と歌声と騒乱?が響いていたとか(笑)
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SW-PBM Scenario#144 白夜の島 |
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GM:ともまり |