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SW-PBM Scenario#144
白夜の島

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マシュー導師の話


 賢者の学院:マシュー導師の部屋

カーガッド、セイルディア、レヴィン、ヒュレスはリーヴルのメモを頼りに迷いそうな塔の中を進んでいき、マシュー導師の部屋まで辿り着いた。
ドアは思いっきり開け放たれている。空気の入れかえでもしているのだろうか?
■セイルディア
あら?どうしたんでしょう……

部屋に入ると、壁一面に怪しげな形や色を帯びた剣がずらりと並べられていた。
一見して普通の剣ではない──魔剣であることがよくわかる。
マシュー導師は、魔剣の研究を専門にしているのである。
■マシュー
むむ〜うぅんんん。

部屋の中央には、奇妙なうなり声をあげ、怪しげな動きで精神統一を計っている老人がひとり。
■セイルディア To:ALL.
…何をしてらっしゃるのやら…
一応、ノックでもしてみましょうか。

戸口に立って開け放たれたドアをコンコン、と叩き、精神統一中のマシューの様子を眺める。
■マシュー To:ALL
ぬぅ!?

明らかに全身で驚きを表現し、がばっとドアを振り向く。
■マシュー To:ALL
おぉ、なんじゃ、おぬしらか。久しいのぅ〜。
集中しておったのでちっとも気づかなんだわ。ひょっひょ。
ん? 初めて見る顔もおるのぅ〜。

■ヒュレス To:怪しげな老人
あ、どうも、ヒュレスと言います。
カーガッドさん達にお仕事を依頼している者です。

ぺこぺこと頭を下げる。
■セイルディア To:マシュー
お久しぶりです、マシュー導師。
今、なにか大事な研究でもなさってたんですの?
ドアを開け放して行うなんて、無用心ですわよ。

■マシュー To:セイルディア
うむ。肉体の緊張を高めることによって精神の統一を図り、魔剣の放つ微妙な波動や魔力の変化を(うんたらかんたら)

なに、学院内でワシの部屋に押し入ろうなどといううつけ者がおったなら、逆に返り討ちにしてくれるわ〜。
ひょっひょ。

ちっとも迫力のない様子でのたまう。ちなみに人が寄りつかないのは、別の理由があるのだろう(笑)
■カーガッド To:マシュー
マシュー導師、お忙しいところ失礼します。
お話を伺いたいのですが宜しいでしょうか?

■マシュー To:カーガッド&ALL
うむ、かまわんよ。こう見えてち〜とも忙しくないからのぅ。
茶を用意してやるから、そこへ適当に座っておれ。ひょっひょ。

マシューはよどみない動きで部屋の隅へ行き、ティーカップとポットを準備しはじめた。
カップの形は、チューリップをイメージさせるデザイン。ソーサーには花柄が描かれている。なんだかやたらと可愛らしいデザインのティーセットだ。
ほどなくして全員の目の前に紅茶が置かれた。
■マシュー To:ALL
で、話というのはなんじゃ?

■カーガッド To:マシュー
実は、ザリィ島について調べていましてね。
何でも夜がなくて星も見えないというところだとか。
その島について詳しそうなパイオン導師という方が、こちらの学院にいらっしゃったらしいですが、現在行方不明らしいのです。
そこで、マシューさんの仲介で残っている資料などを閲覧させてもらえないかと思いまして伺った次第です。

■マシュー To:ALL
ほぉ〜ぅ、ザリィ島か。そりゃまた、まにあっくな場所に目をつけたもんだのぅ。
ワシぁ〜詳しくは知らんが、確かにパイオンの奴がやたらこだわって調べておったのは知っておるぞ。

紅茶をぐびぐびっ、と一気に飲み干す。
■マシュー To:ALL
で、パイオンの資料の閲覧…ということじゃが、残念ながら、これは無理じゃ。
息子のマケリから行方不明の報告があってから、マケリ立ち合いのもと学院がパイオンの研究室を調べたんじゃが、資料という資料は全部無くなっておったそうじゃ。息子によると、すべての研究資料を船に積んでおったということじゃから、難破したのが本当なら、今頃は海の藻屑じゃろうのぅ。

そして今は、研究室は親族・関係者以外は立ち入り禁止になっておる。
学院としても事実を確認するまではやたらと人を入れるわけにはいかんのじゃ。
ワシがパイオンの研究仲間であったなら別じゃったがの。
あいにくと信ずる道がまったく違うのでな。

マシューは壁にかけられた魔剣たちを見回した。
■カーガッド To:マシュー
そうですか……。
なら、直接マケリさんに会うしかないですね。
そうしたら、パイオンさんのお噂なんか聴かれたことはありませんか?
些細な事でも構いませんので、ご存知でしたら教えてもらえないでしょうか。

■マシュー To:カーガッド&ALL
ふ〜む。奴は、噂にものぼらんような奴じゃったのぅ。
学院の中でもかなりの偏屈者で、人づき合いもほとんどせんかった。
せっかくカンナヴァーロをおごってやるとゆーても、ちーともつき合おうとせんでな。
そんなことよりも一冊でも多くの文献を読みあさりたいという奴だったようじゃ。

何かを思いだそうとしているのか、扇子でぺしぺしと頭を叩く。
■マシュー To:ALL
ふむ。そういえば、息子との仲は最悪じゃったらしいのぅ。
マケリは剣術も嗜んでおるんじゃが、パイオンが自分の研究の跡を継がせたがっていて、無理やり学院に呼んだようじゃ。
もともと勘のいい青年じゃったから、勉学の成績もそれなりに良かったんじゃが、好きな道を歩ませてくれない父親に対しては心中穏やかでないものもあったらしいのぅ。ま、あの年頃の青年はたいていそうじゃろがのぅ〜。ひょっひょ。

なにやら眩しそうに、天井をあおぐ。
■セイルディア To:ALL、マシュー
マケリさんだけあの島に流れ着いても、島のことを調べようとは思わなかったようですが…
複雑な心理状況があったのですね。
資料がすべて持ち出されたというのなら、学院の書庫をあさってもたいしたものは出てこないかもしれません。
マケリさんのお宅は、学院のどなたかに聞けば教えていただけるでしょうか?

■マシュー To:ALL
ふむ。学院に保管されている文献を研究に使う場合、たいてい写本されておる。
パイオンの奴も、持っていったのは自筆のものじゃろう。
うまくすれば奴が参考にしていた原本が見つかるかもしれんのぅ。

それと、マケリは学院の寮に入っておったようじゃ。
実家がどこなのかはワシぁ〜知らんな。学院の名簿を調べれば載っておるじゃろう。リーヴルに頼めば正確に調べ上げてくれるじゃろうよ。
ち〜と時間がかかるのがタマにキズじゃがのぅ〜。ひょっひょ。

■カーガッド To:マシュー>ALL
分かりました。
お時間を頂いてありがとうございます。
直接マケリさんを訪ねてみますね。

皆さん、他に何か聞いておきたいことはありますか?

■ヒュレス To:カーガッド
……。
あ、ぼ、僕は何も。

ヒュレスは複雑な表情で押し黙っていたが、我に返ったようにそう言った。

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GM:ともまり