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SW-PBM Scenario#142
6ガメルのルーシア

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変貌


 剣の間

一行は全員、部屋の奥へと移動した。
シジリカはマヨカカが見つけた罠を注意深く観察。
浮き上がった床の石を、一度持ち上げてから押し込むと罠は発動しなくなるようだ。
そのとおりに動かし、カチリと音を立てて罠は解除された。
■シジリカ To:ALL
よし・・・と、セイルさん、もう動いて大丈夫だよ(^^
罠は解除できた♪

■セイルディア To:シジリカ
……ふう。助かりましたわ。

安堵の溜息と共に、体の緊張を解く。

■ウォルフ To:シジリカ>ALL
ををっ☆やるじゃないですかシズさん☆
さすがマヨカカさんに師事しただけのことはありますねぇ☆
さて、肝心の石版を読み上げるとしましょうか☆

■マヨカカ To:ウォルフ
…あたしは失敗したんだってば。(--# 

■マーキュリー To:シジリカ
シズおみごと♪助かったよ♪(^^)
今のうちにカーガットと場所交代したほうがいいと思うよ。
ガーゴイルがいつ動き出すかわからないしケガしてるから。

■カーガッド To:マーキュリー&シジリカ
分かりました。では、交替しましょうか?
カルロ君の守りは頼みましたよ。

■シジリカ To:カーガット
うん。任せといて!

■セイルディア Toウォルフ、ALL
何が書かれているのでしょうか、気になりますわね。
あ、でもいきなり音読はまずいですわよ。
何かの合言葉になっていたりするかもしれませんし。まずは黙読で。

そういって、石版に何が書かれているのか読み取ろうと近づいた。
■マーキュリー To:セイルディア
セイルもそれ読み終わったら壁側に行ってね♪

■セイルディア To:マーキュリー
了解しましたわ。
それでは……………っ!

石版を読んでいくうちに、セイルディアの表情がだんだんと険しくなっていった。
チラリとカルロを見遣り、セイルディアに耳打ちするウォルフ。
■ウォルフ To:セイルディア
これは‥‥非常にマズイ事態ですね‥‥。

■セイルディア To:ウォルフ
ええ‥‥非常に、マズイですわ‥‥。

■マーキュリー To:セイルディア、ウォルフ
共通語に訳すとなんて書いてあるんですか?

マーキュリーはガーゴイルとルーシアを注視しながら問いかける。
■セイルディア To:マーキュリー、ALL
…かなり、厳しいことが書いてありますわね。
『警告』ですから、読んでしまってもかまわないとは思うのですが…

念のため、石版の文章を羊皮紙に共通語で書き写し、全員に見えるように広げた。
  警告

 魔法陣に護られしは“幼子の剣”
 純粋なる魂の力が刀身に宿りし魔剣
 手にする資格は幼子のみにあり

 我が警告を無視する愚者は
 この世で最も忌むべき姿となり
 いずれ一年の後に異形の生物と成り果てん

 呪われし愚者を殺めること能わず
 愚者の血族のみがその資格を宿す

 我と“幼子の剣”が望むは
 純粋なる魂
 大いなる勇気の先に
 希望あり

 イェヴォ 
■マヨカカ To:ALL
! これって…つまり…

マヨカカは思わずカルロとルーシアを交互に見た。
カルロは、じっとその文面を見つめている。微動だにせずに、その意味を何度も確かめるように。
■マーキュリー To:ALL
大いなる勇気の先に希望あり・・ここにかけるしかないね。

■カーガッド To:ALL
これは……カルロ君に賭けるしかなさそうですね。
彼が何とかしないと駄目なようです……。

■シジリカ To:ALL>カルロ
そうだね・・・カルロ君・・・がんばれる?

■カルロ To:シジリカ&ALL
……ぼくが…

■ウォルフ To:ALL
急ぎましょう。ルーシアの生命の精霊力がだんだんと強まってきています。
精神の精霊もざわついています。
このままではルーシアが異形のものと化してしまいます!

■カルロ To:ALL
ぼくが………殺すの? ルーシアを? おじいちゃんを?
できない…できないよ。
嫌だ!

カルロは後ずさって、壁に背中をつけた。恐怖と絶望で、その唇が震えている。
魔法陣の中のルーシアは、ゆっくりと、音も立てずに一行のほうへ向き直り、カルロを凝視した。その瞳はオレンジ色から真紅に変わっていた。
わずかに開いた口から真っ白な牙が覗く。
■ルーシア To:ALL
…グ…グ……グ…

■セイルディア To:カルロ
カルロ、誤解しないで。落ち着いて。
貴方がおじい様を殺すわけではないのです。
放っておけば、ルーシアは異形の姿になってしまうでしょう。
そして、おそらく私たちやカルロを襲う…おじい様が、そんなことを望むはずはありませんわ。
それを止められるのは、貴方だけ。あの呪いからおじい様を解き放ってあげられるのは、貴方だけです。
「黒猫のルーシア」は呪いの檻。そこからおじい様を助けてあげましょう。
もちろん、一人じゃありませんわ。私たち皆が、ついていますから。

カルロのそばに歩み寄り、視線を合わせて笑顔を向ける。
■カルロ To:セイルディア
……ルーシアから…助ける…

セイルの言葉を繰り返してつぶやく。奥歯を噛みしめ、目をぎゅっと閉じてうつむいた。
涙があふれてくるのを隠すように。
■マーキュリー To:カルロ
セイルの言うとおりだよ。
おじいちゃんを救い出せるって、カルロが信じなくてどうするの?
さぁ勇気を出して。

■カーガッド To:カルロ
さあ、私達も付いていくから。勇気を持って、あの剣を手に取るんだ。
ここでは、君にしかそれは出来ない。私達ではなく、君がだけがだ。
今出来ることをやらずに、もっと状況を悪くしてはいけないよ。

■カルロ To:マーキュリー、カーガッド
…ぼくが…できること…

カルロの目線までしゃがみこみ、
■ウォルフ To:カルロ
カルロ君。今こそ貴方の勇気が試されるときなんです。
このままでは、お爺様が異形の怪物と化してしまいます。
そうなる前に剣を手に取ってください。

■リールォン To:カルロ
皆さんのいうとおりです。
石版には「呪われし愚者を殺めること能わず」とあります。
つまり、殺しちゃだめなんです。
そして、「愚者の血族のみがその資格を宿す」というのはカルロくん、君に剣の所有権があるということだと思います。
あの剣を手にとって、おじいさんを救ってあげてください。

言いながら、笑顔を浮かべ、誘導するかのごとく手をさしのべるリールォン。
■カルロ To:リールォン
……殺さないで、助ける…剣で…

カルロは顔を上げ、リールォンの手を握って歩き出した。
リールォンにはその手が震えているのがわかる。緊張しているのだ。
■カーガッド To:カルロ
さあ、行こうか。

そう言うと、武器を構えて注意しながら先に剣の側まで移動した。
カルロは一歩一歩、確かめるように歩き、魔法陣のすぐそばまで進む。
彼の瞳の先には、ルーシア。
しかしルーシアの深紅の瞳は──
■ルーシア To:カルロ
…グ…グゥ…ウゥゥゥウウゥゥ…

…カ……ル…ロ…… に…げ………

■カルロ To:ルーシア
! …おじいちゃん!! おじいちゃんの声!

ルーシアの背中がザワザワと逆立つ。地鳴りのような唸り声とともに、ギシギシと骨が軋むような音を立てて体が巨大化していく。
子猫ほどの大きさだったその体は1メートルほどにふくれあがり、愛らしかった尻尾はみるみるうちに太く長くなっていった。

尻尾の先端は黒から紫、黄色、そして赤へと変色して、末端には炎が燃え上がっている。
その炎のゆらめきは、まるで悪魔の怒りの形相のようだった。
■ルーシア To:誰か
たの…む… カルロを…殺…てしま…前に……わたし…の…悪…を…破壊…し………

ガァァッ!!

ルーシアが牙をむき出して吠えると、遺跡全体が震えた。
入り口にある2体の石像──ガーゴイルの目が見開かれ、翼が持ち上がり、一行のほうへ体を向ける。
魔法陣の輝きが増した。紫色の光に包まれながらチャイルド・ソードが高く、高く浮かび上がり、天井近くで刀身をゆっくり回転させながら留まった。
まるで一行を高みから見定めるように──
■ウォルフ
しまった‥‥。遅かったか‥‥。

唇を噛み締め暗澹たる口調でウォルフは言った。

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6ガメルのルーシア

GM:ともまり