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SW-PBM Scenario#142
6ガメルのルーシア

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白昼の襲撃


 雑貨屋「金の羽根」

主人が奥の部屋の扉を閉める音が聞こえると、続いて床を歩き回る足音や、ものをガサゴソ探すような音が聞こえていた。

しばらくして突然、
■主人
…なっ、…!?

主人の息をのむような叫び声が響いた。
と同時に、足音も、物音もぷっつりと聞こえなくなった。
■マーキュリー To:主人
どうかしましたか?

大声で奥へ話しかけ、主人がいると思われる部屋へ駆け出すマーキュリー。
が、マーキュリーの呼びかけに返答はない。
■セイルディア To:ALL
なにごとでしょう…。

駆け出すマーキュリーに一瞬ついて行こうと立ち上がったが、思いとどまってカルロとルーシアの傍により、辺りの気配を探る。
■カルロ To:ALL
な、なんだろ? 今の??

カルロはルーシアをぎゅっと抱きしめて、不安そうに奥のほうを見ている。
■カーガッド To:セイルディア, ALL
セイルさん、カルロ君を頼みます。

そうセイルディアに告げると、愛用の戦斧の柄に手を掛けながら、マーキュリーの後に付いていった。
■リールォン To:カルロ
いいですか、何があってもセイルディアさんの言うことを聞いて、くれぐれも無茶はしないでくださいね。

■カルロ To:リールォン
う、うん。

ぽん、とカルロの頭に手を置いて、微笑みかけ、マーキュリーたちの後を追う。
■セイルディア Toリールウォン、ALL
お任せくださいな。…お気をつけて。



マーキュリーとカーガッド、リールォンは、奥の部屋の扉の前まで来た。
木製のごく普通の扉は、閉まっている。
中から物音は聞こえない。

マーキュリーは無言でカーガットとリールォンに扉の横で待つよう合図を送ると、モールを構えて扉の前に立ち目だけをカーガット達に向ける。
■マーキュリー
それっ!

マーキュリーは勢いよく扉を開け放ち部屋の中に踏み込む。
■女の声 To:マーキュリー
動くな!

マーキュリーが見たものは、ぐったりと首をうなだれて座り込んでいる主人と、それを足で支えながら立っている女。
黒髪を高い位置で一つに結わえ、服装は黒を基調にした軽装だ。
顔つきは気が強そうだが、どことなくあどけなさも残る。
■女 To:マーキュリー
そこから一歩でも動いてみな。このおっさんの首、切り落としちゃうよ。

女が持つシミターが、主人の首筋にあてられている。
■マーキュリー To:女
うん、動きません。

それに何もしませんからそんなことやめましょう。
ご主人さんは無事?
財布以外の・・なにか理由があってこの家に来たんですよね?

マーキュリーは構えを解いて穏やかに話しかける。
■女 To:マーキュリー
話が早いね。あたしの要求は猫。
あんたたちが抱えて店に入っていったのをバッチリ見たよ。
今すぐここへ連れてきて。
おっさんは生きてるよ。強引に眠ってもらっただけ。

よーく観察すると主人の肩が小さく上下している。本当に眠っているようだ。女は刃を納めようとはしない。
■セイルディア
猫…ルーシアが目的?なんだかやり方が荒っぽいのが気になりますわね…

唇に人差し指を当て、カルロに黙っているように合図を送りながら侵入者の言葉を聞いている。
カルロはルーシアをぎゅっと抱きしめたまま、息をのんで黙っている。
■マーキュリー To:女
まぁそんなに急がないで、まずは剣を収めてもらうわけにはいかないですか?
よければわけを聞かせてください、なぜ猫を?
ぁ、その前に僕はマーキュリーっていいます。
名前は?なんて呼べばいいですか?
あと、仲間も呼んでいいですか?君が妙な気起こさない限りこちらも手出ししませんから。

■カーガッド To:
中はなんかまずいことになってるな……。

壁に身を隠したまま、そっと部屋の中の様子を伺う。カーガッドの対面にあたる壁際には、山積みにされた雑貨類、机とイス、そしてベッドが置いてあるのが見える。
もうちょっと部屋の内側に人の気配があるが、これ以上顔を出すと相手からも見えてしまうだろう。
相手と対峙しているマーキュリーの背中も見える。
■女 To:マーキュリー
剣を納めろって? あはっ。
あたしはおっさんの命と引き換えって言ってるの。
わかる? 話し合いの余地はないわけ。
仲間を呼びたいならどうぞ。でも猫も一緒にね。
じゃないと手が滑っちゃうかも。

■リールォン To:カーガッド
たしかに、厳しい状況になってきましたね……。
どうしますか? このまま二人が中に入っていっても余り状況は変わりそうにないですよ。

■カーガッド To:リールォン
そうですね……。ここは一時妥協することも必要かもしれません。
カルロ君次第ですね。

そう言って、テーブルの方のセイルとカルロの様子を伺う。
■セイルディア
…カルロ、あの女性の声に聞き覚えあるかしら?
それから…ルーシアはどう?変わった様子はない?

カルロに小声でたずねながら、女の声が聞こえているだろうルーシアにもなにか反応はないかと観察してみた。
■カルロ To:セイルディア
ううん。

カルロは首を横に振る。
ルーシアは退屈そうにしっぽをぶらぶら揺らしている。
特に変わった様子は見られない。
■セイルディア To:ルーシア・カルロ
…ルーシアが人語を解する猫でしたらあるいは、と思ったのですが…。
私たちの言うとおりにここから逃げて家に帰って、といっても無理な話なのでしょうね…。
そうなると、一旦ルーシアをあの女性に渡すことになるかと思いますわ。
おじい様を探す手がかりを失うのは痛いのですが、店のご主人のことを考えますと仕方がないと思いますの。
もちろん、取り返す努力はいたしますし、おじい様を探すのをやめたりもしませんわ。
…わかって、下さいますか?

そういうと、やや辛そうな表情でカルロを見つめる。
カルロはそれを聞いてうつむき、ルーシアの背中に顔を埋め、しばらく抱きしめていた。
ややあって顔を上げる。
■カルロ To:セイルディア
…うん、わかった。
おじいちゃんが言ってたの…冒険者は依頼をまっとうするのが仕事、依頼人は、冒険者たちを最後まで信じるのが仕事だって…。
ぼく、お姉ちゃんたちを信じてます。

嘘のない瞳で、頷いた。
■セイルディア To:カルロ
…ありがとう、カルロ。
おじい様は本当に素晴らしい冒険者でしたのね。
私も信頼に答えられるよう、がんばりますわ。


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SW-PBM Scenario#142
6ガメルのルーシア

GM:ともまり