#136 訪れたものは

6-1a ローシーズ村・村長宅

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ローシーズ村・村長宅
冒険者達は夕刻くらいに村に戻った。
道々精霊使い達には分かったが、村の精霊力は普通に戻っている。
村長宅を訪ねると、期待に満ちた表情で村長が待っていた。
■村長 To:ALL
お帰りなさいませ。
怪物を倒すことは出来ましたか?

■ギャルム To:村長
おう、首尾よくいったぜ。
ついでに暴れていた大地の精霊も修めてきたよ。
これで例の病気もこれ以上進行しないはずだ。

■リュント To:村長
ま〜なんていうか、コカトリスが出現した原因は判らないけど、
石皮病の原因となっていた、大地の精霊の暴走を元に戻せたって感じかな。
あの遺跡は今後、封印するか、禁忌の場所にした方が良さそうだね。

■ジン To:村長、ALL
依頼は怪物退治だったが、まあ石皮病の原因克服はサービスみたいなもんだ。
放っておけば、周囲に波及する恐れもあったし、放っておくわけにはいくまい。
ともあれ、事件は無事解決。被害が最小限で済んでなによりだよ。

■ライル To:ジン、ALL
うん。まったくだね。

■村長 To:ALL
それはそれは。
遺跡については、後で村人達と話してみましょう。
まずは皆さん、ゆっくり休まれてください。
これから宴の準備をさせて頂きます。
今回は、本当に有り難うございました。

それからしばらくして、完全に日も暮れた頃、宴の準備が整った。
村の集会所みたいなところに冒険者達とニアリースも呼び出され、それに村の人々も殆ど集まっていた。
暖かい料理と、大量のエール酒・ワイン。
今年が豊作であると言うことも手伝って、盛大な宴会になるようである。
■ギャルム To:ニアリース
やっと肩の荷がおりたろ?
言わなくても身にしみてると思うけど、もうやんちゃするんじゃないぞ。
今度探索する時は、ちゃんと冒険者を雇えよ、な。

微笑しながらニアリースにワインをすすめる。
■リュント To:ALL
ま〜ま〜!ギャルムは次回の勧誘かい?
無事に事が済んだんだし、楽しませてもらったじゃん!

■ギャルム To:リュント&ALL
(小声で)コネは大事だろ?(笑)
いつ食いっぱぐれるかわからないからな〜。
ま、確かに貴重な体験させてもらったよな。

ニアリースはギャルムの勧めたワインを杯に受けた。
そしてその半ばを一息に飲み干した。
■ギャルム To:ニアリース
って、おい…

彼女の顔を見ると、ほんのりと朱に染まっている。
■ニアリース To:ギャルム
……そうですね。
遺跡のある村に赴任すると決まったときから、調査するんだと張り切ってしまって……周囲が見えなかったんですね。
結果として、わたしの軽率な行動が村に迷惑を掛けてしまったですし……。
ギャルムさんの言われるとおり、もし次があればちゃんと冒険者の皆さんにお手伝いをお願いすることにします……。

酒が入った所為なのかどうかは不明だが、ニアリースはかなりしょげているように見える。
彼女はワインの入った杯を両手で抱えるように持ち、床を見つめている。
■ギャルム To:ニアリース
(笑って)やれやれ、もう一生分くらい落ち込んだな、あんたは。
もう気にするなって。ちゃんと尻拭いしたんだしな。
あの珠の管理もあるし、落ち込んでる暇なんてないぜ?

内心、飲み過ぎやしないかハラハラしている(笑)

どういう形にか心配して割り込んできた輩が一人。
■アビィ To:ニアリース>ギャルム
この程度で済んだのは、自然であることを望まれるあなたの信仰心の賜物かもしれませんね。
最終的にバランスが保たれたのは本当によかった……

……誰にとってもね、行き過ぎは禁物ですよ。

■ギャルム To:アビィ
そうだな、飲み過ぎは良くないな。

ニアリースのグラスをちらちら見ながら。

ギャルムとアビィの励ましを聞いて、ニアリースは少し元気を取り戻したようだ。
杯に残ったワインを飲み干し、顔を上げて言った。
■ニアリース To:ギャルム
……これくらいで落ち込むのは止めておきますね。
ギャルムさん、もう一杯頂けますかしら?

■ギャルム To:ニアリース
お…おい、大丈夫なのか?
まぁ…飲みたいってんなら、止めないけどさ。

ニアリースのグラスになみなみと注ぐ。
■ニアリース To:ALL
ありがとうございます。
私が言うのも難ですけど、折角ですから冒険の成功を祝って乾杯しませんか?

誰か音頭を取ってくださいね。

■リュント To:ALL
だったら俺が取るか!

自分でもグラスを用意し、みんなが揃うのを待つ。
■ニアリース To:ALL
わたしはもう準備できてますよ。

さきほどギャルムになみなみと注がれた杯を手に、にこにこと微笑みながらニアリースは言った。
■ギャルム To:ALL
乾杯ねぇ…ちょっと苦手なんだけどな。(苦笑)

照れながら(?)もグラスを持つ。
■リュント To:ALL
みんな用意は出来たな。
では、冒険の成功と、今後の成功に向かって、かんぱ〜い!!

■ギャルム To:ALL
実入りのいい仕事に乾杯っと。

■ニアリース To:ALL
乾杯。皆さんの今後のご無事を祈らせて頂きますわ。
皆さんのこれからにマーファ様のご加護がありますように。

■ライル To:ALL
我らが父ファリスよ照覧あれ。

ライルもそう言いながら手の杯を干した。
■ライル To:ニアリース
ともあれ祝着でした。
あなたのこれからの働きに光の神々のご加護がありますように。

宴もたけなわになってきた頃、村長が革袋と何やら立派な箱を持ってきて、冒険者達に言った。
■村長 To:ALL
冒険者の皆さん、これが今回の報酬になります。
魔物を退治してくれたばかりか、病気の原因まで取り除いて頂いて助かりました。

そう言って、ガメル銀貨の詰まった袋を渡す。
袋には、3300ガメル入っていた。
■村長 To:ALL
それと……今回かなり安めの報酬しか約束できませんでしたので、その代わりと言っては難なのですが、村に昔から伝わっているこの品を差し上げます。
何でも、かなり昔に例の遺跡から当時の冒険者達が持ち帰ったものだとか。
村で世話になったお礼に置いていった物だそうです。

そう言って、箱に入った黒い左手の手袋を見せた。
■ジン To:村長
ほう。遺跡と関連のある魔法の品かもしれんな。
拝見してもいいかな?

■ギャルム To:ジン
へぇ〜、オレにも見せてくれよ。

ジンの横からのぞきこむ。
■リュント To:ALL
お宝鑑定は専門家に任せて、俺らは宴を楽しむとするか?爺さん??

■ジン To:ギャルム
ん。わからんな・・・ギャルムはどうだ?

■ギャルム To:ALL
こりゃ…「ガード・グラブ」だ。
手に何も持たずに握りしめると、腕の周囲に力場が発生して盾の役割を果たすんだ。
これはスモール・シールドと同等のものみたいだな。
価値は1500ガメルってとこだ。
オレも見るのは初めてだぜ…

■アビィ To:ALL
1500ガメルか……結構な値打ちものだな。
以前訪れた冒険者、これを置いていったとなると「枯れた遺跡」と思わせて実はいろいろ確保していたのやもしれんな、例の珠も手つかずだったようだし。
あるいは、この程度には鼻もかけない相当な古強者だったのかもしれないが。

■ジン To:アビィ>ギャルム
そいつらが根こそぎ持っていって「枯れて」しまったのかもな。
一足遅かったようだ。まあしかし、収穫0よりはましだろう。
ギャルム、そいつは軽戦士のあんたにはもってこいの品じゃないか?
いつも片手が使えるから、「仕事」の邪魔にもならんだろうしな。

■リュント To:ALL
俺にも不要な品だから、誰も欲しがらなければ、ギャルムが買取で良いんじゃない?

■アビィ To:ギャルム
装飾があれば興味もあったが、デザイン性は皆無のようだしな。
価値を見抜いた者に最初の権利が発生しよう。

■ギャルム To:ジン&リュント&ALL
そうだな…みんながそれでいいなら。
じゃ、売った場合の金額を後でみんなに渡すよ。

(自分の財布をちらと見て)あぁ…金が貯まんねぇ…

その小声をめざとく聞きつけた者が一人。
■アビィ To:ギャルム
金か、お互いたまらぬな。
神に祈ったらどうだ?

■ギャルム To:アビィ
へッ、祈れば天から金が振ってくるってんならいくらでも祈るけどな。
どうせ身ひとつで稼がなきゃならないんだ。
次の仕事を頑張るさ。

■リュント To:ギャルム
祈らなければ、金じゃなくて、稲妻が降って来たりしてな!

■ギャルム To:リュント
“天罰”ってやつかぁ? 勘弁してくれ…

とかいいながら空を伺ってみたり(笑)

この後も冒険者達の談笑は続く。
ともあれ、今回の冒険は無事に成功したようだ。

彼らの次回の冒険に幸あらん事を……。

#136 「訪れた物は」完

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GM:teshima