古代遺跡最深部 |
ギャルムはニアリースから受け取った珠を持ち、扉を開けて全力で部屋の奥の台座に走った。
ジンは万全を期して、ギャルムにカウンターマジックの術を施した。
ギャルムに続き、他のメンバーもそれぞれ部屋に入った。
シャッケルはわざと目立つようにライトのかかった杖を振りかざしている。
■ノーム To: |
…… |
■ギャルム |
これだな。 |
ギャルムは台座に辿り着き、珠を台座に戻した。
しかし、その時足下から石つぶてがギャルムを襲った。
■ギャルム |
う! い、いってぇ… くそ… |
手痛い打撃を受けたが、幸いにして致命傷には至っていない様だ。
■ニアリース To:ギャルム |
ギャルムさん、大丈夫ですか! マーファよ、かの者の傷を癒したまえ! |
リアリースが癒しの奇跡を唱えると、ギャルムの傷がみるみる回復していく。
ギャルムはニアリースに向かって片手を上げ、感謝を示した。
ギャルムが珠を台座に置いた後、精霊使い達にはこの部屋の大地の精霊力が通常に戻った事に気がついた。
■ギャルム To:ジン&リュント |
ノームが消えないな… ジン、リュント! 何か変化あったか? |
■ジン To:ギャルム&ALL |
あるにはあったが・・・ |
■リュント To:ギャルム&ALL |
大地の精霊力は普通の戻ったぞ! でもノームが消えないのは、やはり帰る手段を失っているんだな・・・ ノームよ!我々は、今は敵では無い! 元の世界へ帰る手段を共に探さないか?? |
と精霊語で語り掛けるので、ジン以外は何を言っているのか意味不明〜〜
■ジン To: |
リュントの言葉に耳を傾けてくれればよいが・・・ |
険しい表情をしながら、魔法の杖を構え、いつでも術をかけられるよう準備する。
ノームがシャッケルの方へ体を向けた。
それをみたジンは、シャッケルへカウンターマジックを唱えた。
魔法が発動し、シャッケルの抵抗力が増加した。
■ギャルム |
くそ…置き方が悪いのか? |
ギャルムは、珠を置いた台座を観察してみたが、彼の目では特に変わった点は見あたらなかった。
大地の精霊力が正常に戻ったためだろうか、ノームから敵意が消えた。
話しかけたリュントに向かって、独り言のような返事を返す。
■ノーム To:リュント |
……ウウ、チカラガヌケテイク。 ダイチノチカラガタリナイ……。 モドリタイ……モドリタイ……。 |
■ジン To: |
効いて・・・いるのか? 戻りたい・・・精霊界へか・・・ |
■アビィ To:リュント&ALL |
……なにを言っているのだ? 交渉の余地ができたのか? |
■リュント To:アビィ&ALL |
戦意は萎えたみたいだけど、精霊力が正常に戻ったせいで、不安定な存在にでもなっているのかな? <- 精霊語で ->どうすれば元の世界に戻れるんだ? 俺らに手伝える事があったら言ってくれないか? |
どうにも戻す手段が思いつかなくて困惑気味
■ノーム To:リュント |
セイレイカイニツウジルミチガアレバ……。 ミチヲサガシテクレ……。 |
件の珠を台座におくと精霊力が正常に戻ったことから、リュントとジンは気付いた。
珠が精霊界への通路になっていて、この部屋の大地の精霊力を大地の精霊界へ送り込んでいるようだ。
これを利用すればあるいは……ノームの送還が可能かもしれない。
■ジン To:リュント |
なるほど。この珠が精霊界と物質界を繋ぐ門の役割を持っていたようだな。 |
■リュント To:ALL |
その珠を上手く利用すれば、送還する事は可能かも知れないな。 それでダメなら俺の従僕にするか? 丁度従僕が欲しかったところだし。 |
■ニアリース To:リュント, ALL |
とりあえず、わたしたちに出来ることを試してみませんか? それでどうにもならなければ、リュントさんが預かっても良いかと思いますよ。 |
■ギャルム To:リュント&ALL |
そうだな。精霊使いの判断に任せるよ。 オレが珠を見てもさっぱりだったしな(笑) |
■リュント To:ギャルム&ALL |
うんなら、俺がやってみっか? |
と言いつつ、珠のある台座へ近づき、珠の上へ手を載せる。
■ジン To:リュント、ALL |
俺にはまだ無理だが、リュントになら上位精霊と交渉が可能だろう。 彼にまかせよう。 |
■リュント To:独り言 |
扉が上手く開きゃ良いんだがな・・・ <- 精霊語で ->大地の王、ベヒモスよ、我に力を貸し、 精霊界への扉を開きたまへ〜〜 |
精霊語で命じるとその珠は明らかに反応を示した。
小規模ではあるが、大地の精霊界への道が開いたようだ。
普通の人には見えないが、精霊使いであるリュントとジンにはそれが理解できた。
■ノーム To:リュント |
オオ! セイレイカイヘノミチガデキタ。 コレデモドレル。 カンシャスル、ニンゲン。 |
そう精霊語で言うと、ノームは珠に吸い込まれるように消えていった。
ノームが消えると同時に、珠に開いていた精霊界への扉は閉じてしまった。
■ジン To: |
門は・・・やはり閉じてしまったか |
■ギャルム To:All |
な、なんだ? 消えたぞ? 還ったのか? |
■リュント To:ギャルム&ALL |
なんだか上手くいったみたいだな。 もとの精霊界へ帰って行ったみたいだよ。 もっと手間取ると思ったけど、意外とあっさりいったもんだな。 |
■アビィ To:ALL |
つまり、これで万事解決したわけか? ここに珠があるかぎり、遺跡も周辺も他の場所と同じ状態を保てるということかな。 なんだかこの遺跡にはまだまだ秘密が隠されていそうだが、下手に手を出すとせっかく解決した問題を再燃させかねないな……。 |
■ニアリース To:ALL |
村に戻ってみないと何とも言えないですが、この遺跡から溢れた大地の精霊力が、村の方まで影響を与えていたみたいでしたからね。 いま、普通の精霊力の状態だと言うことは、きっと元の状態に戻ったのでしょう。 これで、これ以上石皮病の発症は無いと思います。 今病気にかかっている方々は、ヘンルーダを使って治療していきますから、全て良い方向に向かうと思います。 ……皆さん、本当にありがとうございました。 |
■ジン To:ニアリース、ALL |
無事解決してよかったよ。 あとは・・・また珠の安置が乱されぬよう、この部屋を封印するか? 鍵をかけて、鍵穴をつぶしてしまうとかね |
■ギャルム To:ジン&ニアリース&ALL |
そうだな… ま、今後どうするかは村の判断を仰ぐ必要もあるだろうよ。 まずは村の人たちに報告して、安心させてやろうぜ。 |