#136 訪れたものは

1-1a 銀の網亭:個室

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銀の網亭:個室
パーティが結成された後、一行はおやじに案内されて個室に移動した。
酒場で注文した食事や飲み物をテーブルに並べ、宴会が始まった。
■おやじ To:ALL
それじゃあ、ゆっくり楽しんでくれ。
また後で仕事を頼みに来るかもしれないから、その時は頼むぞ。

そう言って、おやじは個室を出て行った。
■リュント To:ALL
んじゃあ、取り合えず自己紹介を簡単にしておこうか?
俺はリュント。盗賊を主に精霊使いの技も、
この頃は人に言える程度に使えるようになった。
前は飾りだの、手習いだの馬鹿にされていたけどね(笑)
爺さん(シャッケル)とギャルムは前回の依頼でも仕事を一緒にさせてもらって、
巧く成功させられたのかな?
残りのみんなは初めての顔合わせだけど、一緒に仕事を成功させような!

■アビィ To:リュント、ALL
リュント殿のおっしゃられるとおりだ、まずは仕事を成功させないとな。
今回の顔ぶれは、かなり心強そうで期待している、私もそれなりの役割を果たせるとよいのだが。
……申し遅れた、アビィ・アダマントと呼ばれている。
リュント殿と同じく、指先の技を得意とする者だ。
実地もかなり慣れたが、本来は裏方の作業をやっていたのでな…そちらの技も生かせればとも思う……機会はあまりないかもしれないが。
シャッケル老とギャルム殿とは以前に別の依頼を解決したことがある。
おかげで、ご老体のお誘いを受けることになったのだが…他の方々も宜しく頼む。

■リュント To:アビィ
ご老体と言うより、生きる屍だったりして(笑)

■アビィ To:リュント
確かに、この店に出入りしている連中の中では、一番最後まで現世にしがみついておられるような風情ではあるな。
まあ、そんなところが頼りにさせていただく所以でもあるが。

■ギャルム To:ALL
アビィも相変わらずだな(笑)。
っと、オレも自己紹介しておくよ。
ギャルム=ターベスターン。しがない盗賊さ。
…今回はリュントもアビィもいるしオレは安心して技を封印できそうだな(笑)まぁ、ちょうど接近戦の方も真面目に練習していたところだから、仕事の内容によっては盾くらいにはなるぜ。
よろしくな。

■リュント To:ギャルム
折角、俺よりも凄腕なのに封印しちまうのかい??

■ギャルム To:リュント
いや、盗賊の方の訓練をさぼっていたからな…あれから成長してないよ(笑)。

■ライル To:ALL
じゃあ次は俺が…
ライル・クレイバートと申します。
ファリスを信仰する戦士ですが、まだまだ修行中の身です。
鍛練が足りず非力ではありますが時には盾に、時には皆の武器になれるよう頑張りますので宜しくお願いします^^

■リュント To:ライル
ファ、ファリスを信仰していたのかい!?
そういえば、ファリスの聖印をぶら下げていたな・・・
今更ながら気付いたよ。

■ライル To:リュント
ふふ…あらためて宜しく^^

■シャッケル To:ALL
ひひひ、みな頼もしいな。次はこの爺ぃかのぅ。
ジン以外は皆顔見知りのようぢゃが、まあ念のためもう一度聞いておくがいいぞぃ。
まずわしの名はシャッケルと言う。

じゃららん…♪
爺ぃは、実はいつも持ち歩いているリュートを鳴らした。…伴奏?
■シャッケル To:ALL
ららら〜♪ 生まれは〜、遠くミラルゴの片田舎〜♪ 羊の遊ぶ草原の〜♪

途中で遮る様にして
■リュント To:シャッケル&ALL
爺さんの事はよ〜〜く判った。(笑)
んで最後のジンは?

■ジン To:シャッケル、リュント>ALL
へぇ、なかなかいいコンビだね(^^
仲間がいるってのはいいもんだな・・・。
んじゃ、改めて。
名はジン・ウィンダリアだ。
この店には人を捜して訪ねてきたんだが・・・これも縁だろう、皆よろしく。
荒っぽい事には役立てんが、書物を読むくらいならできる。
まあ、皆の足を引っ張らんように気をつけるさ。
オランには来たばかりでね。
こうゆう大きな街も始めてだから、色々教えてもらえると助かるよ。

■リュント To:ジン&ALL
コンビなんてとんでもない!
爺さんには面倒ばっかり見てもらっているんだよ!
だから最後に棺桶に入れてあげるのが恩返しだと・・・

■シャッケル To:リュント
ほほ〜ぅ。それは良い心がけぢゃ。
しかし、わしとしてもぬしのひ孫の顔を見るくらいまではくたばる予定はないぞぃ? ひひ。

爺ぃは手が届く範囲のメシをかき集めてがっついている。
■ジン To:シャッケル、リュント
そうゆう仲だからこそ、安心して背中を預けられるってもんだ。
特に俺は荒事は苦手だからね。そうゆう相棒がいるってのはうらやましいよ

ギャルムはシャッケルを見て笑いながら、
■ギャルム To:ALL
爺さんも殺しても死にそうにないし、多少危険な仕事でも平気そうだな。
今回は依頼の数が少なかったようだが…まだ余ってるかな?

■アビィ To:ALL
……確かに日々が過ぎても、変わらぬ風景というものはあるものだな。

仕事依頼の張り紙、個室に来る前に見た限りではまだいくつかあったようだが…。
どなたか、個室に来る前、張り紙に目を通された方はおられるか?

■ライル To:アビィ
ああ、たしかローシーズ村というところのが残っていたはずですね。どれ…

といいながらライルは立ち上がる。
戸口のところで立ち止まり
■ライル To:ALL
ちょっとおやじさんを呼んできますよ。
詳しい話も聞けるでしょうから。

といいながらライルは立ち上がり個室を出て行った。
それからしばらくして、おやじと一緒にライルは戻ってきた。
■おやじ To:ALL
ライルから聞いたが、いま残っている仕事はこのローシーズ村の奴しかないぞ。
他にも幾つかあったが、別の連中が引き受けちまってな。
(依頼書をテーブルに広げて、全員に見えるように置く)

で……この仕事なんだが、依頼書の通り怪物退治だそうだ。
まあ、お前さん達の腕があれば大丈夫だと思うがね。
詳しい話をもっと聞きたいなら、依頼主代表がうちに泊まっているから、今すぐにでも連れてくることは出来るがね。
どうする?

■ギャルム To:おやじ
オレはかまわないぜ。
ぜひ話を聞きたいな。
(仕事にあぶれるくらいなら、何だってやるさ)

■ライル To:おやじ
怪物とは聞き捨てなりませんね。
是非話を聞かせてください。

■ジン To:ALL
俺も異存なしだ。
どんな怪物か興味がある。
めずらしい奴ならなおうれしいがね。

■アビィ To:ALL
確かに仕事にあぶれるのは困るが、かといって安請け合いも禁物だぞ。
怪物と言っても、ゴブリンからドラゴンまで千差万別だ。
まあ、おやじ殿の目が我々で大丈夫と踏んでいるなら、話を聞いてみる価値はあると思うが…受けるかどうかは話次第だな。

■シャッケル To:ALL
ひひひ、冒険者とて命はおしい。無謀と勇気は似て非なるものぢゃ。
アビィの言うようにまずは詳しいところを聞いてみんとな。

■おやじ To:ALL
そうか、分かった。
それじゃあ、今から呼んでくるからしばらく待ってろよ。

おやじはそう言うと個室を出て行き、しばらくして一人の女性を連れて戻ってきた。
肩までの黒髪を後ろで1つに束ね、質素な司祭風の服を纏ったその女性の胸元には、マーファの聖印が下がっている。
歳の頃は20を少々上回った位だろうか。
■おやじ To:ALL
この人がローシーズ村の代表で、今回の依頼を持ってきたニアリース司祭だ。
詳しい話はこの人から聞いてくれ。
それじゃ、俺はまた厨房に戻るから、後は頼むぞ。

おやじが個室を去ると女性は一礼し、冒険者達に向かって話し始めた。
■ニアリース To:ALL
皆様はじめまして。
わたしは、ローシーズ村のマーファ神殿を任されているニアリースと申します。
この度、村の窮状を救うお手伝いをして頂ける方々を捜しに参りましたのですが、
こんなに早く見つかるとはこれもマーファ様のお導きでしょうね。

依頼の件で、わたしで分かることであればお答え致しますので、
何かご質問がありましたらなんなりとお聞き下さいませ。

■ジン To:ニアリース
ジン・ウィンダリアだ。よろしく、お嬢さん。

■リュント To:ニアリース
俺はリュントだよ!よろしくな!

■シャッケル To:ニアリース
わしはシャッケルという。

■アビィ To:ニアリース
アビィと呼ばれている。
このたびの窮状、お見舞い申し上げる。

依頼の目的は怪物退治と書いておられるようだが……。
まずはひととおりくわしい話をしていただけないだろうか。

■ニアリース To:ジン, リュント, アビィ&ALL
(それぞれの方を見ながら)
ジンさんにリュントさん、アビィさんですね。
宜しくお願いします。

何からお話ししましょうか……。

そう言いながら、ニアリースはテーブルの空いている席に座った。
■ジン To:ニアリース
その、村で流行ってる病ってのはどんな症状なんだ?
発症の原因はわかってるのかい?

■リュント To:ニアリース
それと報酬と成功の条件もね。

■ニアリース To:ALL
(ジンとリュントの質問に頷きながら)
皆さんは石皮病というものをご存じでしょうか?
足下から徐々に石と化していくという恐ろしい病気なんですが、
この病気がローシーズ村で発生しました。
今のところまだ症状は軽く、足首までが固まる程度で済んでいますが……。
発症の原因は大地の精霊力が片寄った為と言われますが、詳細は不明です。
伝染力が低いのが幸いと言うところでしょうか。

それで、この病気の特効薬はヘンルーダという薬草なんですが、元々村の近くにある遺跡の側に大量に生えていました。
それで、遺跡に採取に向かったところなんとヘンルーダを餌にするコカトリスがどこからともなくやってきて住み着いていたのです。
幸いにして、少々のヘンルーダは採取出来ましたが、患者の治療には全く足りません。
勿論、村人達だけでコカトリスをどうにかすることは出来ず、
こうして冒険者の方々のお手伝いをお願いすることになったわけです。

報酬は一人500ガメル。
仕事に携わって下さる間の食費などは全てこちらがお支払いします。
成功条件は、「コカトリスを退治し、患者の治療に必要なヘンルーダを確保できるようにすること」となります。

これが今回の依頼の事情なのですが、まだお聞きしたいことはありますか?

■ジン To:ALL
石皮病・・・狂えるノームの黄昏・・・難病だな。
病状の進行速度が遅いのがせめてもの救い、か。

■リュント To:ALL
コ、コカトリス!
ってなんだ??

それを聞いたアビィの目が、ややけわしくなる。
■アビィ To:ALL
嫌な予感は、半ば当たったようだ。
以前、ひどい目にあった者から話を聞いたことがある。
その怪物は強敵だぞ、攻撃を受けた者の大半は即座に石にされる。
眠らない……毒も利かない……外見は鳥のようだが、足と尾は蜥蜴のそれだ……大きさがわれわれとあまり変わらないのが救いか。
石化する病との関連はわからぬが、特効薬がヘンルーダというなら面白い。
ヘンルーダという草を食べておけば、コカトリスの攻撃をうけても石にされなかったそうだからな。

■ジン To:アビィ
へぇ、詳しいね。
確かに・・・強敵だな

■ライル To:ジン、アビィ
…厳しい戦いになりそうだね。

■リュント To:アビィ&ALL
するって〜と、そのコカトリスと戦う前に、ヘンルーダって特効薬を飲んでおけば、
コカトリスをぶっ叩くだけって事で済むんだな?
それなら話は早いじゃね〜か。
村の周辺には、いっぱい生えているんだろ?

■ギャルム To:リュント>ニアリース
だから、そのヘンルーダってのが生えている遺跡にコカトリスが住みついてるんだよ。
そいつに見つからずに採取できればいいけどな、それは無理そうなんだろ、ニアリースさん?
あと、さっき「少々のヘンルーダは採取出来た」と言っていたが、それをオレたちに使わせてもらうわけにはいかないのかな。

■ジン To:ギャルム。ALL
そりゃいいね、採取量が少なくとも攻撃を受けやすい前衛が飲んでおけば事足りるだろうしな。
で、その薬草ってのはどのくらい保存が効くんだい?

■ニアリース To:ギャルム, ALL
ええ、仰有るとおりコカトリスに見つからずに多くを採取するのは難しいです。
そして、ご存じの方なら分かられると思いますが、ヘンルーダは採取して3日以内に煎じないと効果が無くなってしまうのです。
幸いにして、コカトリスの目が届かない所に少しだけ生えているのを見付けて居ますので、
その分を皆さんに使って頂こうかと考えていました。
なので、石化の心配はしなくて良いと思います。

■ライル To:ニアリース、ALL
それなら話は早い。
場所を特定できてるなら捕縛の準備を整えて出立しよう。
ぐずぐずしてると遺跡に自生しているそのなんたらという薬草が全部食べられてしまうからね。

そこではた、と気付きニアリースに質問をする。
■ライル To:ニアリース
考えたくも無い事ですが…
…万が一、薬草が全て食べられてしまっていた場合は報酬はどうなるんでしょう?
失敗ということで無しになるのか、それとも部分的な成功とみなすのでしょうか。

■ニアリース To:ライル, ALL
遺跡に自生していた量と、コカトリスが一体であることから想像すると、食べ尽くされている事は考えにくいのですね。
万が一そう言った状況になった場合、皆さんに責任はありませんし、報酬の半分はお支払いさせて頂きます。
もしそう言った状況だとすれば、村はお終いなので、余り考えたくありませんね……。

■リュント To:ALL
報酬も村で出すのならこんなもんなんじゃない?
俺はそのコカトリスって奴を見てみたいから受けてもいいと思うけど、みんなはどうだい?

■アビィ To:ALL>ニアリース
正直、コカトリス相手では割に合わない報酬だと思うぞ。
人助けに価値観を見いだせるなら別だが……。

司祭殿、薬草が生えているのは遺跡の側とおっしゃっておられたな。
遺跡自体にはとりたてて危険はないのだろうか、いわれかなにかご存じか?

■ニアリース To:アビィ, ALL
遺跡については、私も赴任して少々調査したのですが、所謂「涸れた遺跡」でしたね。
全く何もありませんでした。罠や怪物なども。
私も赴任する際に村について色々調べて見たのですが、文献にもそれらしい記述はありませんでしたし、めぼしい遺跡では無いと思います。
その所為か、特に村にも謂われが伝わっているということは無いですね。
報酬については……正直に言わせて頂ければ、何せそう裕福な村ではありませんし、あと一人50ガメル上乗せする位が精一杯です。
その代わりと言っては難ですが、丁度収穫の時期でもありますし、事件が解決したならば、村中で皆さんを歓待したいと思っています。
それでも無理だと仰有られるならば……残念ですが他の冒険者の方を
捜さざるを得ません。

そう言うと、ニアリースはちょっと悲しそうな表情になった。
■アビィ To:ALL
……無い袖は振れぬというのももっともな話ではあるのだがな。
もし、誰かが石になったとき、かかる金はしゃれにならんぞ。
遺跡にも、それをおぎなう期待は持てそうにないようだ……おのおの方、それでもよろしいのかな。

■ライル To:アビィ、ALL
ファリスの正義を実現する為には止むを得ませんね。
邪悪なる怪物を調伏せしめ、光の法を照覧することで今回はよしとしましょう。
大地母神が困っているのであれば、光の主神たる我らが父の御業を代行するのが私の役目ですので。
…それに。

アビィにだけ聞こえるように声を落とすライル。
■ライル To:アビィ
枯れた、といっても文献がないだけでそう判断するのは早計でしょう。
ニアリースさんはおそらく調査に関しては素人でしょうから。
危険に見合ってない報酬と言う事なら、再調査する権利を認めてもらいましょうよ。

■シャッケル To:ライル
ひひひ。ぬしもいつの間にやら考えが柔軟になったのぅ?ええ?

妖怪のように背後に忍び寄っていた爺ぃがライルにささやいた。
■シャッケル To:ALL
この依頼を受けることに、わしは賛成ぢゃ。
わしらは義にのみ生きているわけではない、しかし利にのみ生きているわけでもない。
村の有様を聞いて、報酬が少なめであるからと放っておくのは、心苦しいではないか。
だいたいにおいて、わしらの稼業に命の保障は常にない。そして報酬は金のみにあらず。そうではないかね?

爺ぃはなんだか芝居がかった演説をぶった。
しかしその後表情を崩して付け加えた。
■シャッケル To:ALL
ちなみにわしは、今聞いた村の歓待がたのしみぢゃ。ひひ。

■ジン To:アビィ。ALL
俺もその報酬でかまわん。
実際、俺の働きじゃあ、それでも多いくらいさ。
まあ当面は、日々の食い扶持がまかなえれば充分だな。

■リュント To:シャッケル、アビィ、ALL
爺さんの本音が出たな(笑)
仕事を選んでいたら結局食いっぱぐれちまうかもしれないから、
石化した時はその時考えようよ!
適当なところで手を打つって事でいいかい?

■ギャルム To:リュント&ALL
(多くて550かぁ……はぁ……)
オレも個人的に貧乏だし、贅沢は言えないな。
死なないように必死にやるか…。

と言って肩を落とす(笑)
■アビィ To:ALL
……まあ、みながそれでいいというならば、よいだろう。
わたしは警告はしたからな。
世の中は少数の金持ちと多数のお人好しとで回っているというのは、あながち間違いではないようだ(苦笑)
赤字を出さないよう、おたがいがんばるとするか。

■ニアリース To:ALL
それでは、正式に依頼をお受け頂けるのですね?

ありがとうございます。これで村も救われますわ。
もちろん、皆様のお体に万が一の事が無いように、わたし達で出来ることは充分させて頂きますのでご安心下さいませ。

一転して明るい表情を取り戻し、冒険者達に微笑み掛けるニアリース。
その表情から、背負っていた肩の荷が下りたかのように安堵している様子がうかがえる。
■リュント To:ニアリース&ALL
そうと決まったら出発は明日の早朝で良いかい?
俺らも一応、装備の準備があるしね。

■ニアリース To:リュント&ALL
もちろんですわ。
今日は充分に休まれて鋭気を養ってくださいね。
それでは、明日の朝に食堂でお会いして、朝食後に出発と言うことにしましょう。


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GM:teshima