ローシーズ村近郊の遺跡内部 |
ランタンの僅かな灯りに照らされる室内は、かなり広い。
もとより涸れてしまった遺跡だ、罠など無いだろう。
わたしは、奥に見える台座に置いてある、光を失った宝珠をもっと調べようと歩を進めた。
■村人 To:司祭 |
司祭様! 近付いたら危険なのでは? |
■司祭 To:村人 |
大丈夫です。すこし待っていて下さい。 |
台座に近づき、宝珠を触ってみた。
宝珠自体には何ら価値はなさそうだ。
どうやら動きそうだ。わたしは、宝珠を台座から取り外した。
■村人 To:司祭 |
なんともありませんか? |
■司祭 To:村人 |
大丈夫です。しかし、なんの仕掛けも動いた気配がありませんね。 一体なんのために置いてあったのでしょうか……。 他には気になるようなものもありませんね。 暗くなる前に、村に戻りましょう。 |
■村人 To:司祭 |
はい。分かりました。 しかし、司祭様も物好きですね。 赴任早々、今は誰も来ない遺跡に来たがるなんて。 |
■司祭 To:村人 |
知的好奇心、というものですよ。 知らない所に行ったりするのって、わくわくしませんか? 知らないことを知る、というのはとても楽しいものですよ。 さあ、急ぎましょうか。少し急がないと夕暮れまでに村に帰れませんよ。 |
この時、わたしは知る由もなかった。
わたしの軽率な行動が村を危機に陥れるなんて……。