何人かにパーティーの誘いを受けるも、折り合い悪くまた一人になったアルテナ。
　一旦カウンターへと戻り、一息ついていると…

　過去、幾度か同じ依頼をこなしてきた、ルフナからの誘いだ。

　少し。いぢけるルフナ。

　少し真面目な顔のアルテナ。

　「渡りに船」とはこの事か。
　少し沈みがちだったアルテナの顔に、笑みが広がる。

　頭を撫でられて嬉しいのか。アルテナとまた組めるのが嬉しいのか。はたまたその両方か。
　ルフナの声は弾んでいた。

　そう言うと、アルテナとルフナはヴィタリの待つテーブルへと戻っていった。

　のんびりとした雰囲気の酒場に、少し違う雰囲気のドワーフが一人。
　ちょいと前から仕事にあぶれている、ザンセールがやってきた。
　こないだは依頼を受け損ねてしまったザンセール。今度こそは依頼を勝ち取るべく、勇んで来たハズなのだが…

　と、目の前に出てきたのは。ばっちり香辛料の利いたパンチのある手羽先だ。

　その目の先にいる者は。
　どうやら、顔見知りが居るらしい…。

　一方、テーブルにてルフナを待つヴィタリの所に、誰かが近づいてきた。
　先程、親父に食事を奢ってもらっていたマーキュリーだ。

　と、爽やかぁ笑顔で席へと招いた。

　噂をすれば影。
　カウンターにて話がまとまったルフナが、アルテナと共にテーブルへと戻って来たようだ。

　ふと。テーブルに１名増えている事に気が付く。

　熟練（？）冒険者たるヴィタリとルフナの笑顔に、マーキュリーも釣られて笑顔。