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SW-PBM Scenario#130
コマンド・メロディー

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祭壇の下見


 ヴェーナーの祭壇

ユウルとメイプルは、案内役のルドともう一人クムという男性の村人を伴い、ヴェーナーの祭壇の下見に出発した。
頭上には満月が白く輝き、風のない静かな夜だ。
虫が鳴く音が小さく響いている。
ルドとユウルが持つたいまつが赤く森の中を照らしている。

ユウルとメイプルは村人を装い、狩人が着るレザーアーマーとヴェーナー印を身につけている。

そして、エシャ村から続く道を歩くこと20分──
■ルド To:ALL
あそこだ。森が少し開けているのが見えるか?
北側に樹木が密集しているところがあるだろう。
そこがヴェーナーの祭壇があるところだよ。

ルドが指差した先には、月明かりにうっすらと浮かび上がる15m四方ほどの開けた場所と、木々に抱かれるように佇む石造りの屋根が見えた。
その入り口には人型の石像が立っている。その高さは2mほどだろうか。
暗くてはっきりとは見えないが、ふたりが文献で見た挿し絵と同じ風景のようだ。
■ユウル To:ルド
あれが祭壇で、入り口にいるのがゴーレムだね。
見た感じいつもと変わった様子はない?
それから、あのゴーレムはどのくらい近づいたら反応するのかな。

■ルド To:ユウル
暗くて良くわからんが、いつもと同じに見えるな。
…何かの気配を感じれば警戒を始めるようだが、攻撃はしてこないし、入り口を離れることもないよ。
ゴーレムを越えて祭壇へ入ろうとすると力尽くで排除しようとするんじゃないだろうか。試みた者がいないので何とも言えないがね。

■クム To:ユウル&ALL
小さい頃、キツネがゴーレムの脇をすり抜けて祭壇に入り込もうとしたのを見たことがあるんだけど、尻尾を鷲掴みにされて外へ放り出されていたよ。
あれは、ちょっとびっくりしたな。

■ユウル To:ALL
ふうん。入ってきたら即攻撃、じゃないんだ。
排除命令なんだね。

■クム To:ユウル
うん。ゴーレムは攻撃の道具じゃなくて、守り手だからさ。

■メイプル To:ルド
祭壇に近づくのに、あまりルートは多くなさそうね。
複数方向から祭壇に近づくできるの?

■ルド To:メイプル
きちんとした道はエシャ村から続いているこの道だけだが、回り込めばどこからでも入れるさ。樹の根っこやら何やらで足場は悪いけどな。

■ユウル To:ルド、ALL
もう少し広場とゴーレム見てみたいんだけど、入っていいかな?
既に誰かいる、なんてことはないと思うけど。

■ルド To:ALL
ああ、構わんよ。
ゴーレムにあまり近づかないよう気をつけてな。

■メイプル To:ユウル
そうしないと、ここまできた意味がないしね。
みつかっちゃったらみつかっちゃっただと思うわ。そのために服装かしてもらってるんだし。

ユウルとメイプルは広場の南側に足を踏み入れた。
と同時に、ゴリッ、と岩が擦れるような音がしてゴーレムの首が動いた。
ふたつの黒い窪みが、じっとふたりの様子を伺っているように見える。
首から下は動いていない。
■ユウル To:メイプル
ふむ、広場に入ったら反応するんだ。
ってことは…相手と交渉中に広場にこっそり入ったら、ゴーレムの動きでばればれってこと?
視覚で感知してるんじゃないだろうし、ごまかし対策できつねでも捕まえておいたほうがいいのかなあ…。
交渉前に忍んでおくのはどこからくるかわかってないから危なすぎるし…。

ユウルはざっと周りの様子を確認する。
広場はよく手入れされているようで、雑草などは生えておらず、むき出しの地面がしっかりと踏み固められている。
固い地面の上にはいくつもの足跡があるが、新しいものはないようだ。

広場の南西には高さ1メートル、幅4メートルほどの巨大な岩があった。屈めば十分身を隠せそうだ。
他に身を隠すとしたら、生い茂る樹木の陰以外にないだろう。
メイプルはインフラビジョンでゴーレムやその付近、広場一帯を調べる。
が、どこからも異常な熱源は認められなかった。
メイプルは後々のことを考えて祭壇やゴーレムなどの位置関係をしっかりと確認した。
ユウルは祭壇の横にあるスペースも確認する。
ユウルが動く度に、それを追ってゴーレムの首も動くが、ゴーレムの背中側まで来ると追うのを止めて首は正面を向いた。

祭壇横のスペースには何も不審なものはない。
ここも樹木の陰に身を隠せそうだ。
■ルド To:ALL
そろそろ戻ろう。長居して敵に見つかったら元も子もない。

一行は広場を後にし、元来た道を戻っていった。
森の広場は再び静寂に包まれていく。

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GM:ともまり