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SW-PBM Scenario#130
コマンド・メロディー

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作戦会議(2)


 エシャ村・村長の家

■シャイアン To:メイプル、ALL
・・・メイプル殿、先ほど風の力で、リュートの音を届かせることが可能と申したでござるか?
気づかれるのはどういった場合でござるかな?
もし、ゴーレムだけに目標を絞って音を伝えられるならば、偽物のリュートを渡すことが可能かもしれないでござる。
おそらくクラジュは、本物かどうかをリュートでゴーレムを操ることで確認するのではないでござるかな?
その時、クラジュが命令する内容を、離れた場所から同じ様に命令するでござる。
そうすれば、本物だと思わせることができるのではござらんか?
クラジュは命令の変換式を持っていないでござる。
拙者たちにも理解できるような変換式を渡せば、クラジュの命令内容もわかるのではないでござるか?

■メイプル To:シャイアン、ALL
う〜ん、どーかな・・
無理じゃないとは思うけど・・文字どーりの「離れ業」ってやつ?
命令してもないのにゴーレム動きだしたら気付かれるってのは確実。遠隔操作はちょっとした賭ね。
相手は魔術師だから魔法での探査を警戒してたんだけど・・・偽のリュートに私の(ちっちゃな)魔晶石でも埋め込んでおく?
そーすれば、魔法で探られても勘違いしてくれるかもしれないわね。

■シャイアン To:メイプル、ALL
ふむ、何にしても危険には変わりないでござるか・・・
魔晶石は発見されると、言い訳ができないでござるからな。
「魔力を隠す魔法がかけられている」とでも言っておいたほうがよいのではないでござるか?

■ユウル To:ALL、シャオ
偽物を持っていく、というのはかなり危ない橋だね。
妹さんを解放するタイミングが問題かな。
ゴーレムを自分がきちんと動かしてみて、完全に優位にたってからってこともありえるし。
…ところで、そのリュート、もう弾けないくらいに壊してしまったらゴーレムはどうなるんです?
活動は止まりますか?

■シャオ To:ユウル
いえ、それは…わかりません。
壊れたらどうなるかというのは、記録にも言い伝えにも残ってないんです。…

そう答えた後で、少し考え込む。
■タナトス To:ALL、シャオ
ねぇねぇ〜、魔法の事は詳しくないんだけどさぁ〜、
ゴーレムの足元に落とし穴を作る事って出来ないの?
もしクラジュに渡したとしても
リュートを弾く前に落とし穴に落としちゃえば問題無いと思うんだけど……
無理かなぁ〜?

あとね、あとね、さっきから気になっていたんだけど、
クラジュと一緒に行動しているのってベティカって人だけなのかな?
ノールが知らないだけで他にもいるんじゃないのかな?
僕達が一緒に行動しているのを知っているなら、他にもいるような気がするんだけど。
僕の考えすぎかなぁ〜

■シャイアン To:タナトス、ALL
落とし穴でなくても、転倒させるだけでも効果はあるかもしれないでござるな。
まあそのくらいならば、小一時間あれば簡単な罠を仕掛けられるでござる。
わざと追跡させて、罠に誘い込むことができればより効果的でござるな。
犯人の人数については、今の状況で詮索しても仕方ないかもしれぬでござるが・・・
拙者は、ノール殿の情報を信じてもいいと思うでござるよ。
長い間行動を共にしてきたようでござるからな、仲間に同業者がいれば気が付くのではござらんか?
もし・・・仲間が村人に紛れ込んでいるとしたら、拙者たちに勝ち目はないでござるな。

■ハティノス To:ALL
僕らがこの村に入る時にもあまり良い顔をされませんでしたから村人じゃない人が紛れ込んでいればすぐにばれちゃうんじゃないですかね?
まぁ、村人そっくりに変装とかしていたらそれまでですけど(^^;
変換式ってものはもうなくなっていて基本的な命令一覧があるだけだと言うのはどうでしょうか?
それなら思いも寄らないゴーレムの使い方をされることは無いでしょうから、リュートを渡した後クラジュ達と戦うことになっても対処できるんじゃないかと思います

■シャオ To:ハティノス&ALL
そうですね…そのほうが安全だと思います。
問題は、どこまで教えるかですが…。

■メイプル To:シャオ、ALL
嘘を隠すには少しの本当から・・・・ある程度信憑性を持たせる必要はあるかもね。
・・実際に、どんな命令があるの?あと、罠の件なんだけど・・・クラジュ達に気付かれない? もう近くにいるっておもった方がいいとおもうんだけど。。

■シャイアン To:メイプル>ハティノス&ALL>シャオ
相手がこちらの行動を知っているとしたら、多少大げさな仕掛けを考えた方が、かえって怪しまれないかもしれないでござるよ?
ふむ、失われた変換式・・・でござるか・・・良いかもしれぬでござるな〜♪
「〜の場所を守れ」と「停止せよ」にしかならないような変換式はどうでござるか?
実際、儀式ではそれくらいしか使わなかったのでござろう?

■シャオ To:ALL
儀式ではまずゴーレムを止めて、歩かせたり術者を守らせたりといった命令を実際に行いました。
それが成功すれば、リュートの後継者として認められるんです。

村に伝えられている命令は、対象指定が「エシャの遺産」「主人」「ゴーレム自身」──これらに対し「攻撃する者」「最も近い者」と指定することも可能ですが──行動指定が「攻撃せよ」「守れ」「歩け」「停止せよ」です。
これが村に残されたメロディーの全てです。

これらを組み合わせてひとつの命令にしていくんです。
「エシャの遺産/を守れ」といったように…。
でも、組み合わせによってそれぞれのメロディーが微妙に変化していくので、「遺産/を攻撃せよ」などの記録に残されていない組み合わせの命令は知ることができないのですが…。
それから、歩かせるためには、方角や対象を指定すればそれに向かって決まった速度で歩きます。

■ユウル To:ALL
持っていくリュートが偽物でも本物でも、シャオさん以外の人が命令のメロディを弾けることが条件だよね。
それは大丈夫なの?

■シャオ To:ユウル&ALL
そうですね…万が一の時のために、村に伝わっているだけのメロディーをお教えしておいたほうが良いかもしれません…。
ウーハ様…、許可をいただけますか?

シャオがウーハの顔を見る。ウーハは迷わず頷いた。
■ウーハ To:シャオ&ALL
…今は村の秘め事にこだわっているときではない。
その頑なさが今回の事態を招いたとも言えるのじゃ…。
情けないことじゃが、みなさまがたのお力をお借りするより他無い…。
村を代表してお頼み申します。

ウーハは深々と頭を下げた。
■シャオ To:ALL
僕からもお願いします。妹と村を…、エシャの残した遺産を守るために、僕らに…、もう少しだけ力を貸してください。

■ユウル To:シャオ、ウーハ
確認したいんですけど、今回の事件で妹さんの命を助けるのが最優先って言うのは当然として…
遺産さえ守れれば、ゴーレムは壊しちゃってもかまわない、くらいに思ってますか?
それとも、やっぱりなんとかゴーレムも壊さない方向で、と思います?
遺産を奪われないように、という努力はしますが、もし相手の手に渡りそうでこちらが遺産を壊すしかない、なんて状況になったらどうでしょう?
最悪の事態を考えて、守る優先順位を決めてもらえると行動しやすいんですけど。

■ウーハ To:ユウル&ALL
そうじゃな…。もっともなことじゃ。申し訳ない。
まずはユーミルの命、これを最優先していただきたい。
そして…、次は遺産じゃ。何が封じられているのかは分からぬが、エシャ村の象徴であり守るべき心の拠り所でもある。
ゴーレムとリュートは、その守り手…。もし今回のことで双方失われたとしても、遺産さえ無事ならば村人の心もいずれまた、希望を取り戻すことができよう。
……。

言葉とは裏腹に、表情は不安に満ちている。
戦う術を持たない小さな村の実状を思っているのかもしれない。
■ハティノス To:ウーハ
分かりました
僕らも出来うる限りのことはしますから・・・

■シャオ To:ALL
あの…先ほどのユウルさんの言葉で思ったのですが、エシャがリュートを作ったとき、それが奪われたり壊されたときのことを考えていなかったわけではないと思うんです。
悪用を防ぐために…どこかに「逃げ道」があるような気がするのですが…。

■メイプル To:シャオ、ALL
「逃げ道」ねぇ・・
「エシャの遺産」に機能停止のコマンド・ワードでもあるのかなぁ・・?

■ユウル To:シャオ、ALL
もし奪われてしまったら、当然ゴーレムを無効化できないと危ないよね。
停止のコマンドワードがリュートに書いてあるか、遺産のほうに仕掛けがあるか、もしくはゴーレム自体に何か特別な機能を持っているか…

■シャイアン To:シャオ、ウーハ
ふむ、何か心当たりがあるようでござるな。
何でもよいでござる、何か手がかりになりそうな事を思い出せないでござるか?
伝承に詳しい者は、他にいないでござるか?

■ウーハ To:シャイアン
いや…、他の者も同じ伝承しか知らんでな…。
確かにエシャが万一のことを想定して「逃げ道」を用意していた可能性というのはあり得ぬ話ではないが…。

■ハティノス To:シャオ、ウーハ
あと、変換式以外に残されている文献とかないですか?
全部上位古代語でかかれているなら読めませんが、ところどころでも下位古代語が書いてあればそこだけでも読めるわけですし、変換式も含めて一通り見せて頂けたらと思うのですが

■ウーハ To:ハティノス&ALL
変換式以外には村の起源を記した文献があるのみじゃ。
先ほどお話し申し上げた内容と同じものじゃな…。
その記録と、メロディーの記録は東方語で書かれておる。
今持ってきますので待っていてくだされ。

そう言うとウーハは奥の部屋へ下がっていき、しばらくして2冊の古ぼけた文献を抱えて戻ってきた。
かなり痛んでおり、所々ページが外れかかっている。
■ウーハ To:ハティノス&ALL
緑の表紙の方が村の起源を記したもの、紺の表紙の方がメロディーを記したものじゃ。

中を見ると、緑の文献には東方語でびっしりと村の起源に関する物語が記されている。
内容は村長の話したものと変わりはないようだ。
紺の文献には、シャオが言った命令とメロディーの一覧表が書いてある。
メロディーの表記方法は、シャイアンとタナトスには理解できるものだ。
■シャイアン To:ALL>ユウル>シャオ、ウーハ
うーむ。これだけでは「逃げ道」はみつからないかもしれないでござるな・・・
ユウル殿の言うとおり、祭壇にその力が隠されていると考えた方がよいかもしれぬでござる。
まあとにかく、この一覧表については記憶させていただくでござるよ。
もちろん、他言無用と誓わせてもらうでござる。

■シャオ To:シャイアン
…はい、お願いします。

シャイアンは紺の文献に一通り目を通し、そのメロディーを記憶した。
リュートの使い手であるシャイアンならば、同じメロディーの演奏を試みることができるだろう。
そして、そのメロディーを聴いたなら命令の内容が分かるだろう。
■シャイアン To:シャオ
ふむ。命令の単語が、小節と対になっているわけではないのでござるか。
これでは、単語を組み替えて新しい命令を作ることはできないでござるな・・・
シャオ殿、先ほどリュートに浮かび上がった文様でござるが、
あれを使って、新しい命令を作ることはできないでござるか?

■シャオ To:シャイアン
…いえ、上位古代語が理解できればできると思うのですが…。
僕にわかるのは、所々に音階を示す記号があるということだけで…。

■メイプル To:シャオ
「逃げ道」を隠すとすれば、そのメロディーじゃないほう・・・かな。
そっちの緑の方、見せてもらえないかなぁ。大事にあつかうから。

■シャオ To:メイプル
ええ、どうぞ。

シャオはメイプルに緑の文献を渡した。
30枚ほどの羊皮紙が紐で綴られている。表紙は板に緑の布を張ったものらしい。
中身は手書きの東方語で埋め尽くされている。所々かすれているが、全く読めないということはない。とても丁寧な字だ。

文献の最後の方に挿し絵があった。
石造りの小さな建物と、その入り口に佇む人の姿をした石像の絵だ。
■ユウル To:メイプル、ALL
私も見ていい?
困ったときはどうしなさい、なんて走り書きが残ってないかなあ。

ユウルは挿し絵のある付近の記述を丁寧に読み進めたが、期待したような内容は見つけることができなかった。
遺産の内容についての記述もなく、村長が語ったとおり、「エシャの魔法と呪歌の研究の集大成」と曖昧に書かれているのみだ。
■ウーハ To:ALL
…わしらが知っていることはすべてお話ししたつもりですじゃ。
村人に夕飯の支度をさせますゆえ、一旦お体をお休めくだされ。
その後でまた具体的なお話をいたしましょう。

一行は今手に入るだけの情報を元に、明日に備えて具体的な作戦を練ることにした。
 エシャ村・村長の家・夕食後

村人からふるまわれた夕食を済ませ、長旅で疲れ切った体をしばし休めたのち、改めて明日に備えて作戦をまとめあげる一行。
皆から出た意見を、シャオが羊皮紙に書き起こしていく。
それを元に、一行は行動を開始した。
まず、相手に渡す変換式を準備する。
ただし、紺の文献からメロディーの譜面と命令内容を羊皮紙に書き写すが、以下のように一部の内容を入れ替えておく。
エシャの遺産を攻撃する者/を攻撃せよ ←→ (同)/に向かって歩け
主人を攻撃する者/を攻撃せよ ←→ (同)/に向かって歩け
ゴーレム自身を攻撃する者/を攻撃せよ ←→ (同)/に向かって歩け
主人/を守れ ←→ (同)/に向かって歩け
主人に最も近い者/を攻撃せよ ←→ (同)/に向かって歩け
こうすることで、相手がゴーレムを使って攻撃や守りを行おうとしたときに、実際は「歩け」というメロディーを弾いてしまうことになる。
危険な状況を未然に防ぐことができるという作戦だ。

上記の5つの命令のメロディーを入れ替え、他は正しいメロディーのまま、シャオが羊皮紙に書き写した。それをメイプルに手渡す。
次に、相手がリュートを弾いたときにその命令内容が理解できるように、紺の文献に記されたメロディーとその命令内容を覚えておく。

シャイアンとタナトスは譜面を読むことで全て記憶することができる。
ユウル、ハティノス、メイプルは楽譜が読めないため、シャオが実際にメロディーを奏でて見せ、それをなんとか耳で記憶した。
それらのメロディーは概して美しかったが、法則性などは容易に見いだせないよう複雑なリズムと音階で成り立っていることが何となく解る。
さらに、相手からリュートを奪い返したのち、何らかの命令をゴーレムに与えなくてはならない状況に陥るかもしれない。
シャイアンは楽器が同じ(リュート)なので、メロディーを覚えた時点で全てを弾くことができるが、タナトスは楽器が異なるため(ハープ)、シャオに弾き方を教えてもらって練習することにした。
習得するメロディーは、「停止せよ」と「(東西南北に)向かって歩け」。
ゴーレムが暴走したときに、それを止めることを最優先に考えてのことだ。
一行はさらに明日の行動に関しても話し合う。

脅迫状によるとシャオ一人で祭壇に来ることを要求しているようだが、危険を避けるために彼に足の怪我を装ってもらい、村人に変装したメイプルが付き添い役として同行することにした。
リュート演奏を要求されないよう、右手の怪我も装う。
メイプル以外のメンバーは、二手に分かれて身を潜め、リュート奪取を狙う。
こうして作戦は固まった。

この後、タナトスは、3時間もの個人レッスン(!)の末、なんとか前述の2つのメロディーを習得することができた。
一方、ユウルとメイプルは明日の取引の現場であるヴェーナーの祭壇の下見をすることにした。
現地までの案内として村の入り口で見張りをしていたルドがついていく。

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コマンド・メロディー

GM:ともまり