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SW-PBM Scenario#130
コマンド・メロディー

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狙われた吟遊詩人


 月夜の森亭・個室

■ユウル To:シャオ
おやじさんの話によると、ずいぶん急いでいると聞いたんですが。
そんなに身近に、危険がせまってるんですか?

■シャオ To:ユウル&ALL
…はい、実は3回ほど、このオランで襲われました。
いずれも近くの酒場で演奏をした帰り…真夜中に、この宿へ戻る途中でのことです。
あたりは自分のランタン以外ほとんど灯りがなかったので、薄暗い中、訳が分からないうちに…いきなり斬りつけられたんです…。

■シャイアン To:シャオ>ALL
ふむ、辻斬りでござるか。
相手は人間・・・人型の魔物・・・?

■ユウル To:シャオ
…かなり危険ですね。
相手は何人くらいだったかわかりますか?

ユウルは質問しつつ、窓からそっと景色を伺う。
半開きの窓からはオレンジに光る夕焼け空と、同じくらいの高さの宿や民家の2階が見えるばかりで、変わった様子はない。
人の気配もほとんどなく、窓の下の薄暗い通りで石ころを蹴って遊ぶ子どもたちがいるだけだ。
■シャオ To:ユウル
……はっきりとしたことは言えませんが、たぶん1人だったんじゃないかと思います。僕を斬りつけて逃げる足音が、一つしか聞こえなかった気がするので……。

■ユウル To:シャオ
殺してやる、という感じではなかったんですか?
怪我だけ負わせて逃げるような感じ?
それとも、何か別の狙いがあるように思えましたか?

■シャオ To:ユウル
……どうでしょうか…少なくとも、僕が助けを呼ぼうと大声を出したらすぐに逃げていきました。
一度は腕に軽い怪我を負いましたが、それ以外は服の裾を斬られる程度ですみました。

そう言ってシャオは右手の上着の裾をまくり上げた。
ほとんど治りかかっているが、手首から肘にかけてスッと斬られた傷跡が見える。

ユウルの見立てでは、シャオの細い体つきやその物腰から、戦いの訓練を受けたような印象は持てなかった。
■シャイアン To:シャオ、ALL
ふむう。手傷を受けているのでござるか・・・。
シャオ殿が何事もないということは、毒は塗られていなかったでようでござるな。
無事でよかったでござる♪
ふむ、同業の仕事ではござらんな・・・。

タナトスは我慢出来ずに扉から離れシャオに話かけてくる。
■タナトス To:シャオ
ねぇ〜、切り付けて来た人の顔や特徴はわかる?
例えば、僕のように小さいとか、ゆうる姉ちゃんみたいな女性とかでも良いよ。
あと、3回とも同じ人かどうかも分かれば助かるの。

■シャオ To:タナトス
特徴ですか…なにしろ暗かったことと、気が動転していたので何が何だか分からなかったというのが正直なところですが……

ここでシャオは何か思いだしたようにタナトスをじーっと見つめる。
■シャオ To:タナトス
…そういえば、3回とも低い位置から斬り上げるような感じだったような気がします。僕に忍び寄るために屈み込んで近づいてきたのかもしれませんが、もしかしたら単に背が低いだけなのかもしれません。

■ユウル To:シャオ
最初に襲われたのは正確には何日前か覚えてます?
その日かちょっと前くらいに、なにか特別なことはなかったですか?

■シャオ To:ユウル
最初は6日前の夜…妹から手紙が届いた日なのでよく覚えています。
特別なことは…手紙が届いたことぐらいで、あとはいつもと変わらない毎日だったと思います。

■レジー To:シャオ
俺も聞きたいんだが、楽器およびあなたが狙われる理由、それと狙ってる相手だな。
これに心当たりはあるのかな?

■シャオ To:レジー
狙っている相手に心当たりはありません。

…狙われる理由も、……わかりません。

膝の上で手を組んで、うつむきながら言った。
■レジー To:シャオ
そうか・・。
まぁ、怨恨ってのはちょっと薄そうだな、確かに。

■ユウル To:シャオ
全く心当たりなし、ですか?
依頼書には「ある儀式」と書いてありましたけど、それと関係があるんじゃないですか?

■シャオ To:ユウル
…………いえ、それは……。

■ハティノス To:ユウル&シャオ
あ、僕もそれは気になっていました
儀式が済めば命が狙われなくなる見込みがあるのか、それとも儀式が終わったら殺されてもいいのか・・・
後者は考えにくいので前者だと思っていたんですが、そうすると心当たりがないっていうのは変ですよね
っと、申し送れましたが、僕はハティノスといいます

シャオはハティノスの言葉に一瞬傷ついたような表情を見せたが、すぐに顔を上げて話し始めた。
■シャオ To:ユウル&ハティノス&ALL
儀式というのは妹の成人の儀式のことです。僕の村では15歳を迎えると必ず成人として認められるための儀式をし、歌と演奏でそれを祝福するのです。
それと今回のことが関係があるのかどうかは……わかりませんが…。

そこでシャオはあらためて息を一つついて、皆を見回した。
■シャオ To:ALL
僕は儀式のために…ユーミルを祝ってやるために、5日以内に村へ帰らないと行けないのです。
みなさんには、その道中を護衛して欲しいのです。
僕の故郷はエシャ村と言って、オランからは歩いて3日と半日くらいで着けますから、何とか間に合います。

■ユウル To:シャオ、ALL
あなたが村へ帰ろうと思った時期と襲われた時期が同じなのは、偶然って感じじゃなさそうですよね。
街中だけじゃなく、道中も追ってくる可能性は大いにあるか。

■シャオ To:ユウル&ALL
僕も道中1人で帰るのは恐ろしくて…、護衛を雇うことに決めたんです。
それから、儀式は今から6日後の予定です。
儀式が無事終わるまで、僕と…それから楽器に傷が付くと演奏が行えないので、楽器も同時に守って下さい。


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GM:ともまり