SW-PBM #128 おやじたちの挽歌 第七章 一幕 安くて速くてウマい馬車 |
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■ 【馬車乗り場】 |
時刻はそろそろ夕刻。日も落ちかけ、大分空は暗くなってきている。
キルリックはパダまでの自分たちの足の確保と、中年おやじーずの足取りを追うために足早に馬車乗り場へと向かっていた。
■事務員 To:キルリック |
あ、どうも。 馬車の予約手続きですか? |
■キルリック To:事務員 |
はい。 便の予約と、あと、お伺いしたいことがあります。 |
■事務員 To:キルリック |
ご質問ですか? なんでしょう。 |
■キルリック To:事務員 |
人探しをしているのですが、中年3人と若い娘の4人組で、名前がそれぞれ、エイムズ、イルノス、リーベル、そして、クレア。 風体は、駆け出しの冒険者の様な格好です。 それなりに目立つパーティーだと思うのですが、2日前以降の、便の乗客記録か予約記録には残っていませんか? |
■事務員 To:キルリック |
えぇと、ちょっと待ってくださいね。 エイムズさんにイルノスさん……リーベルさん……。 ……ああ、ありました。2日前のお昼の便に乗ってらっしゃいますね。 予定通りなら今朝方くらいにはパダに着いているはずですが。 |
■キルリック To:事務員 |
今朝到着ですか。 クレアと言う名前はどうですか? 一緒に行動しているはずなんですが? |
■事務員 To:キルリック |
ええ、同じ馬車に乗ってますね。 |
■キルリック To:事務員 |
そうですか、ならば確実ですね。 どうも、ありがとうございました。 では、6名で、パダ行きの便をお願いしたいのですが。 一番早く到着する便、一番安い便を教えてもらえますか? |
■事務員 To:キルリック |
一番早い便ですか? そうですね……明日の朝一番でイベリアという者の担当する馬車があるんですが。 ただ、あの……ここだけの話、あまりお勧めしたいとは思わないんですね。 確かに速いんですけど、ちょっと運転が乱暴でして……。 |
それに乗れば丸1日……翌日の朝までには着くとの事。
通常より半日分時間が稼げる。
■キルリック To:事務員 |
多少乱暴でも、我々も冒険者ですから、大丈夫だと思います。 一刻も早く着くことの方が重要なので、そのイベリアさんの便でお願いします。 ちなみに、乱暴だからって、事故を起こしたりするわけでは、無いですよね? |
■事務員 To:キルリック |
まあ……それは、大丈夫だと……思います、が。 |
ちょっぴり不安そう。
■キルリック To:事務員 |
はっはっは・・・(苦笑) |
何となく、感じ取った模様。
■事務員 To:キルリック |
では、明日の早朝便に6名様ですね。 時間に遅れないようにお気をつけください。 |
■キルリック To:事務員 |
ええ、首に縄をつけてでも連れて来ますので。 では、早朝、ここでよろしくおねがいします。 |
■事務員 To:キルリック |
かしこまりました。 お待ちしております。 |
■キルリック To:事務員 |
あと、ご相談なのですが、行路の護衛を兼ねても構いませんので、若干の割引とか、保存食のサービスとかありませんか? 御者の特製一品料理とかでも良いんですが、どうですか? |
なんとか『うまく』なるように努力しているらしい(笑)
■事務員 To:キルリック |
申し訳ありませんが、そういった事はお断りさせていただいています。 私共としてもこれが仕事ですので経路の安全はちゃんと確保していますし、専属の護衛も居りますので。 ただ、不測の事態が起きて私共の手に余る時にお力を貸していただければ、僅かですが謝礼をお支払いする用意はあります。 |
■キルリック To:事務員 |
ありがとうございます。 もともと、無理なご相談ですので、そこまでご配慮いただければ結構です。 では、失礼します。 |
軽く、会釈をして事務所を後にした。
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