SW-PBM #128 おやじたちの挽歌
第二章 注文と依頼書とりぃだぁ

Previous Page #128 Index Next Page

■ 【銀の網亭・個室】

おやじに案内され個室へとやって来た2番テーブルの面々。
何処となく硬さの抜けない者も何人かいるが、すぐに冒険者としての風格を醸し出していくのだろう。
■おやじ To:ALL
ここだ、依頼が決まるまで自由に使ってくれて良いぞ。
駆け出し冒険者も多いみたいだし、色々と仕事を吟味してみろ。

注文があれば、受け付けるぞ。

言って、おやじはテーブルに依頼書の写しを置いていく。
■キルリック To:おやじ
おつかれさまです。
じゃあ、私は、薬膳茶(ハーブティとも言う(^^;)と、木の実を適当にお願いします。

■オルフェ To:おやじ
エールと、あとつまみをお任せで。

■おやじ To:キルリック・オルフェ
おう、キルリックが薬膳茶な。
オルフェは……ジョッキの方がいいか?

■オルフェ To:おやじ
いや、さっきも一杯飲んでるし、仕事前だから普通でいいよ。
肝心な時に酔いが回って動けない、じゃ困るからね。

■リエラ To:おやじ
私は紅茶とクッキーをお願いします。

■おやじ To:リエラ
紅茶か。自慢のがあるぞ。
銀の網亭特製ブレンドで良いか?

■リエラ To:おやじ
はい、それでお願いします。
特製ブレンド・・・どんなのかしら?
自慢っていうからにはきっとおいしいのですよね。

■おやじ To:リエラ
おう、ウチのカミさんが淹れるお茶だからな。
期待していいぞ。

■ミァ To:おやじ
ミーはスープがいいのでスー!お腹に溜まるよーな奴をお願いするのでスヨー。

■おやじ To:ミァ
スープ……ね。ちょうどいいのがあるぞ。
ウチの名物で「きのこ」のスープなんだが……そいつでいいか?

心なしか。おやじの顔が悪戯っ子のような笑みを浮かべている気がする。
■オルフェ
「きのこ」スープねぇ……。
なにか、「きのこ」に嫌な響きを感じるのは気のせいかな……。

「きのこ」にまつわる衝撃のエピソード!
詳しくは#65「きのこの森」へGOだ!
■ミァ To:おやじ
きのこのこのこきのこのこ〜〜♪
美味しそうなのでスー。そいつを一丁!なのでスヨー☆

おやじの表情には気付いてないようだ。
というより、食べられれば何でもいいのかもしれない。
■アリエ To:おやじ
あ、私にはパンをお願いできるでしょうか?
今スープを飲んでるんですけど、おいしいですねぇ♪
もしかして、コレが名物の「きのこ」スープ?

■おやじ To:アリエ
パンと……ん、ああ、そうだな。
そいつが「きのこ」のスープだ。そっちもお代わりか?

■ミリスレスカ To:おやじ
あ、それでは、ボクは蜂蜜入りのミルクをもう一杯いただけますか?
あと、なにか軽いものをいただけますか? あんまり、おなかはへらないほうなんです。

■おやじ To:ミリスレスカ
お前さんが蜂蜜入りの……ホットミルクのほうが良いよな?
軽いもの、ね……それじゃパンケーキでも持ってきてやろう。

一通り注文を聞いて、
■おやじ To:ALL
じゃあ、すぐに持ってくるから、それまで少し待っててくれ。

おやじは部屋を出ていった。

一瞬開いた空白を埋めるかのように、ミリスレスカがテーブルの依頼書に手を伸ばす。
珍しそうな表情を見せながら、あれこれと依頼書を見比べ始めた。
■キルリック To:ミリスレスカ
どれも、難しく見えてしまいますね。
どの辺の仕事が私達には妥当なんでしょうね。

■オルフェ To:キルリック
あからさまに無理そうなのは、おやじさんが止めてくれるんじゃないかな?

■キルリック To:オルフェ
そうですね、むざむざ、死に行かせるおやじさんじゃなさそうですしね。



■おやじ To:ALL
おーい、入るぞ〜。

依頼書を見比べてはわいわいとやっているパーティの面々の元へ、おやじが両手いっぱいの料理や飲み物を持って来た。
器用に手を動かしながら広げられた依頼書をまとめると、空いたスペースに次々と料理を並べていく。

そんな中、ミリスレスカは。
アリエの髪飾りを頬を赤らめて、うっとりと見つめていた。
■ミリスレスカ To:アリエ
ほんとに、すてきな髪飾りですね……(ほふぅ)。
お金がたまったら、実家のお姉さまとボクの分、おそろいの髪飾りでもお願いさせてもらいますね♪

アリエを挟んでミリスレスカの反対側に座ったリエラも、珍しそうにアリエの髪飾りをじっと見ている。
■リエラ To:アリエ
本当にキレイ。村にはこんなおしゃれなものなかったし。
私もお金が貯まったらお願いしていいですか?
髪飾りだと自分では飾った所を見れないからネックレスとか。
デザインはアリエさんにお任せしますね。


さて、料理も揃い、頃合だと思ったか。やっと自己紹介が始まる。
一番手は、ミリスレスカ。
■ミリスレスカ To:ALL
ボクはレーヴァテイン家の、ミリスレスカと申します。
実は、実家はラムリアースになんですが、だいぶ財産を食いつぶしていたらしくて……。
レーヴァテイン家のほうはお義兄さま、つまりお姉さまの旦那さまが継いでくださったので、ボクは自立するために、冒険者になることにしたんです。
そんなに逼迫していたなんて、お義兄さまに指摘されるまで、ちっとも気がつかなかったんですけどね

ちょっと寂しそうに俯いてから、気を取り直したように明るく微笑む。
いろいろと苦労もしたのかも知れないが。それを見せない、強い少年だ。
■ミリスレスカ To:ALL
それで、訳もあって、以前から興味のあった古代語魔法を、5年がかりで習得しました。
今ではやっと、ソーサラーとしての基礎がこなせるようになりました。
それと、幼い頃から仕込まれた剣術と学術を少々。どちらも、駆け出し程度ですけど。
最後に、趣味で習い覚えたハープと歌も、やっぱり少々。

みなさまとの冒険、とってもたのしみです! 困っている人たちを、たくさん助けたいですね♪

■キルリック To:ミリスレスカ
私も、その意見には賛成です!
やはり、人の役に立ってこその冒険者だと思います。

固い、固すぎる!
冒険者にはもう少し柔軟な思考と発想が必要だぞ。
ここでタイミング良く、一発ボケをかませるくらいにはならないと(違
■オルフェ To:ALL
じゃあ、次は私かな。
私はオルフェ。見ての通り、吟遊詩人が本業なんだけど、旅が長いから野外での活動も得意だ。
荒事は正直得意じゃないかな。ああ、でも、何かあったら命に代えてもお嬢さん方は守ってみせるよ。
なにはともあれ、こうして出会ったのも何かの縁だ。皆、仲良くやっていこう。

■ミァ To:オルフェ
なんだ。ナンパ師さんが本業じゃなかったのでスネー。
あ。でも、お嬢さん方『は』守ってみせる、とゆーことは……

ゆっくりとキルリックに視線を移す。
■ミァ To:キルリック
どうやら、あんたさんは見殺しのようでスヨー。
悲しき男の友情でスネー(=x=)

ミリスレスカはどうなるんだろう、とかちょっと考えたり。
■オルフェ To:ミァ&キルリック
まあ、男なら自分の身くらいは自分で守らないと。
でも、ピンチになった仲間を、男だから見殺しにする、なんて意味じゃないよ。
ようは、気構えの問題さ。

■ミァ To:オルフェ
へぇへぇへぇ。
詩人さんは、そー言って自分を美化してゆくのでスネー。
さぁっすがぁ☆

■キルリック To:ミァ&オルフェ
そもそも、私はこのパーティの『盾』だと思っていますし、私一人で済むのなら、まぁ、それも良しかと思っています。
私の気構えは、こんな感じですね。

キルリック、やっぱり、会話の波に乗り切れない男である。
■キルリック To:ALL
私は、キルリック・マイヤです。
ラーダの神官なのですが、父の影響もあってか、最近では戦士姿のほうが板についてしまいまして(苦笑)
少々、心もとないかもしれませんが、まぁ、任せてください。

■リエラ To:キルリック
心もとなくなんてありません。
頼りにさせてもらいます。

視線の先にはパーティー唯一金属製なキルリックの鎧と当たると痛そうなモール。前衛としては十分かもしれない。
■キルリック To:リエラ
ありがとうございます。
期待に応える働きをさせて頂きます。

■ミァ To:ALL
最後はミーですかネー。
ミーはミァといいまスー。好きなように呼びやがれー、なのでスー。
ずっとサバイバルしてきてますから、狩りは得意でスー。
ばっちりの道具も持ってるのでスヨー(>x<)ノ

荷物から覗いているのは、どうやらクレインクィン・クロスボウのようだ。
小柄なぐららんが持つには、ちょっとごつい気もする。
てーか、ぐららんに打撃レート30の攻撃を喰らうなんて誰も思わないだろうなぁ……。
■オルフェ To:ミァ
そ、それで狩りをするの?
ウサギとか一発でミンチになっちゃいそうだけど……。
とりあえず、一つだけ忠告しておくと、街中では狩りはやめておいたほうがいいね。

■ミァ To:オルフェ
ふふん。ウサギなんてちまいのでスー。
ぐららんはでっかく!シカとか大物を狙わないトー(>x<)b
ミーのクレインクィン――愛称クゥちゃんは優秀ですシネー♪

街中は獲物がいないから、とりあえずはしませんヨー?

今、オルフェが「獲物」になっているのを想像した人、手を挙げて(笑)
■キルリック To:ミァ&ALL
まぁ、街中で狩りをしようものなら、ミァが官警の『獲物』になってしまいますし。

・・・その場合、私たちは、ミァを捕らえるべきか?、助けるべきか?、どっちなんでしょうね。

■リエラ To:キルリック
あの、捕らえるとか助けるとかの前に、狩りをするのを止めた方がいいのではないでしょうか?
まあ、街中ではとりあえずしないと言ってますし、心配する事は無いと思うのですが。

■ミァ To:ALL>オルフェ
ち〜な〜み〜に〜。
冒険者は、パーティーで連帯責任と聞いたのでスー。
だからミーたちはもう、一・蓮・托・生☆

だから腹を括ってくだサイー。「ナンパ師」もとい「デザァトさん」もとい、りぃだぁ(>x<)b

肩……には届かないので、オルフェの膝の辺りをぽむぽむと叩く。
■オルフェ To:ミァ&ALL
リーダーって、私が?
まあ、みんながそれでいいなら別に構わないけど……キルリックのほうがリーダー向きなんじゃないかな?
神官なら、信用もされやすいだろうし。

■キルリック To:オルフェ
私としては、オルフェにお願いしたいです。
どうも、神官仲間からも、固いだの、融通が利かないだの、妥協って言葉を知っているか?だの、人の話を聞かないだの、散々言われまして。
言われた事は、もっともなので、まぁたいして、気にはしていないんですが、どうも人をまとめるのはあまり上手く無いようなので、今回は勉強させて頂きます。

■ミァ To:オルフェ
それにキーちゃんは既に『キーちゃん』ですシネー。
今更リィダァは無理なのでスー(−x−)

■キルリック To:ミァ
・・・それと、これとはどんな繋がりが・・・

■オルフェ To:キルリック&ALL
ふむ、そういう事なら任されるとしよう。
みんなそれでいいのかな?

■リエラ To:オルフェ
もちろんです。よろしくお願いしますね。リーダー。

■アリエ To:ALL
もちろんですよ〜^^
もともと私達を誘ってくれたのって、オルフェさんでしたもん。
よろしくお願いいたしますっ(ペコリ)

■ミァ To:オルフェ
はぁい、これでめでたくけってーい☆
・・・・・ちーなーみーにー。
リィダァは、最初の宴会くらいはおごるものだと、相場が決まっていますカラー(=▽=)

……初耳だぞ。
■キルリック To:ミァ
ミァ、いけませんよ、そういう噂を信じては。
そう言った噂で真理が失われていってしまうのです。
そもそも・・・

この後暫く、訳の分からない難解な説教が続いた。
てーか、説教しているキルリック自身すらその内容を理解していなかったような。

一通り自己紹介が終わってから。
おやじが持ってきた料理をつまみながら、ぽつぽつと請ける仕事の話を始める。
■アリエ To:ALL
わあ、いろんな依頼!・・・って、なんか怖いもの有りますねぇ(汗)
ん〜っと、私としてはこんな順番ですが・・・

アリエはメモを眺めて、気になる順に……とでも言うのだろうか。
依頼書を並べ直す。
■アリエ To:ALL
私、戦闘があるのがちょっぴり心配なんですよね。

ため息をつく。
かちゃかちゃと無意識にスプーンをかき回す、その手元のスープは大分少なくなっている。
■アリエ To:ALL
戦士が2人、そのうちの1人が魔術師。
何より、こんなかわいいミリィちゃんを危険になんて晒せません〜><。

■ミリィ To:ALL
えっ、やだっアリエさんっ! ヘンなおだてかた、しないでください〜(><)。

そっ、それはそうと・・・・・・。
大丈夫です、ボクもなるべく厚い鎧を着て、あと盾も持って、魔法を使わないときは、アリエさんたちのカベになれるように努力してみせますから!

不安を感じているのか、持っていたスタッフがきつく握り締められる。
ただでさえ白いその肌は、血の気が引いて青く見えた。
■オルフェ To:ミリィ
ほらほら、もうちょっと力を抜いたらどうだい?
無理に危険そうな仕事を選ばなくても、人探しの依頼とかでもいいんだからさ。

そんなアリエに苦笑しつつ、オルフェが気楽に言う。
■キルリック To:ミリィ
そうです、ミリィは、私が死なない程度に、後ろから援護してくれれば良いですから。

冗談のつもり……なのだろうか。
だがキルリックの、その仏頂面では。冗談なのか本気なのか、いまいち読み取る事は出来なかった。
■リエラ To:ミリィ
そうですよ、ミリィさん。キルリックさんもこうおっしゃってくれているんだから無理しちゃダメです。
冒険者だから多少の怪我は承知の上ですけど、ミリィさんのきれいな肌に傷がつくのは見たくないですもの。

■リエラ To:キルリック
もちろん、私も精霊の魔法や弓でキルリックさんを後ろから援護させていただきますね。
といっても、野の獣以外を相手にするのは初めてなのですが。

リエラはそう言いながら、膝の上に置いた手を白くなるほどに握り合わせる。
考えてみれば、この6人。全員が冒険者としてはこれから最初の一歩を踏み出すのだ。
多かれ少なかれ、誰もが不安を抱いているのだろう。
■キルリック To:アリエラ&ALL
私のことは、呼び捨てて頂いて結構ですよ。
私も呼び捨ててしまいますから。

そんな雰囲気を和らげようとするかのように、キルリックが言う。
言ったのがキルリックだけに、そこまでの思慮があったのか疑問だが。
■ミァ To:キルリック
なら、キーちゃんでもいいのでスカー?
キー、キー。お猿さんみたいなのでスー(>▽<)♪

それは呼び捨てとは言わない。
ニックネーム……とも呼んでいいものか微妙なところだ。
■キルリック To:ミァ
ええ、構いませんよ。
呼び名になれる頃には、私もミァの様になれますかね?

やっぱり固い、キルリックである。
でもミァの様にまでなるのは……ちょっと問題のある気がする。
■オルフェ To:ALL
さて、それより受ける依頼なんだけど……これなんてどうだろう?
『私どもの宿六「たち」を探し出して、連れ戻して来てください。』だってさ。
仕事としては家出人の捜索って事になるのかな。

■ミリスレスカ To:ALL
う〜ん、いろいろあるんですね……。
宿六さんたち探しって、なんだか急を要するご依頼みたいですね。

こっちの『魔物狩り』も、気にはなるんですけど・・・・・・。
そうですね、ボクは魔物狩りか、宿六さんたち探しの依頼を受けてみたいです。
みなさん、どう思われます?

あ、ところでみなさん。『宿六さん』って、どんなご職業なんでしょうか?

『宿六』という言い回しを聞いたことがないらしい。そこまで箱入り育ち?
■リエラ To:ALL
えっと、『宿六』さんって、確か旦那さんの事ですよね。
家出した旦那さん達を探すだけなら、他の依頼に比べると危険は少ないように思うんですけど。
それに、一家の働き手である旦那さんがいないと色々と大変だと思うんです。
私としては、この依頼を引き受けて、奥さん方を早く安心させて差し上げたいですね。

宿六(やどろく)
「やどのろくでなし」の意。妻が夫を卑しめる、もしくは親しみを込めて使う言葉。
―――アレクラスト日常用語辞典より抜粋(笑)
■ミァ To:ALL
家出おやじーずの探索でスカー。
わがままな中年に振り回されてあげまショー、という訳でスネー(=x=)
まあ、ミーは構わないでスヨー。

■キルリック To:ALL
良いんじゃないですか、あらかたの意見もまとまっているようですし、私も依存はありません。
まぁ、一番の問題は、相手が我々で良いといってくれるかって、ところですかね。(真剣)

その点に関しては特に問題はないと思われる。
不思議な事に、銀の網亭に仕事を持ち込む依頼人たちは相手を見て断るという事が殆どない。
これもおやじの人徳のなせる業であろうか。

Previous Page #128 Index Next Page

GM:倉沢真琴