SW-PBM #128 おやじたちの挽歌
第一章 一幕 いつもの酒場のいつもの風景

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■ 【オルフェ】

何ヶ月かに一度の大混雑を控えた銀の網亭。
この時期、幾人かの初顔を見ることができるのも毎度のことだ。

と、扉が開けられ、竪琴を手にした男が入ってきた。
見覚えのない顔。今言った「初顔」だろう。
男はカウンター席に腰掛けると、忙しく動き回るおかみを呼び止めた。
■オルフェ To:おかみ
やあ、エールを一杯頂けるかな? 美しいお嬢さん。

……お世辞のつもりだろうか。
■おかみ To:オルフェ
あら、いらっしゃい。
見ない顔ね。お嬢さんだなんて口が上手いじゃない。
でも、わたしはお嬢さんじゃなくて、ここの「おかみ」よ。
これからよろしくね。

おかみも慣れたもので、ウィンクを一つ返すと手を止めていた仕込みに戻ろうとする。
■オルフェ To:おかみ
……え? きみが、ここのおかみさんなの?
こんなに若くて綺麗な奥さんがいる、ご主人は果報者だね。
私はオルフェ。見ての通り、旅の詩人さ。しばらく厄介になるから、宜しく。

なんだかいい雰囲気だが、それが気に食わないのか(笑)、横からおやじがしゃしゃりでて、注文のエールを置いた。
■おやじ To:オルフェ
うぉっほん……あー、私がその果報者なわけだ。
連れ合いを誉められるのは、えらくくすぐったいもんだな。

銀の網亭にようこそ。厄介になるつもりなら、まずはパーティを組んだほうがいいぞ。
おまえさん一人じゃ、できることも限られてくるだろう。
幸い、うちに居着いてくれている冒険者は多い。声をかけてみることだ。

■オルフェ To:おやじ
ははは、本当の事を言ったまでなんだけどね。
まあおやじさんの言う通り、まずは仲間を集めてみるとするよ。
さて……誰が良いかな。

■ 【アリエ】

■アリエ=アクア To:おかみ
こんにちはー、冒険者のお店ってこちらですか?

またしても来客だ。商売繁盛、結構なことである。
にこりと笑いながらおかみに声をかけたのは、色白の少女だった。
揺れ動くポニーテールには銀の髪留めが光っている。
■おかみ To:アリエ
ええ、そうよ。あら……あなたも初顔さんね。
ようこそ、銀の網亭へ。

■アリエ=アクア To:おかみ
わあ、よかった!
私、アリエ=アクアと申します。よろしくお願いします^^。

■おかみ To:アリエ
これから常連になってもらいたいから、今日はサービスで一品出してあげるわ。
何が良いかしら?

■アリエ=アクア To:おかみ
いいんですか?!(おかみさんとチャ・ザ様、どうもありがとう〜)
じゃあ何か暖かいスープをお願いします。

ところで、「あなたも初顔」って仰いましたよね。
丁度お友達になってくれる人を探してるんですが、声をかけてみようか迷うんですけど。。。

と、そこへ通りがかったおやじがアドバイス。
■おやじ To:アリエ
迷うことはない。仲間がいなければ仕事ができないのは誰でも同じだ。
自分から動かないでまごまごしてると、取り残されちまうぞ。
まずは近くに座ってる奴にでも、自分を売り込んでみたらどうだ?

ただぁし。友達ってのはちょっと違うぞ。
仕事を共にこなし、命を預けられる……「仲間」と言うんだ。

■アリエ=アクア To:おやじ
ふむふむ。
おじさんどうもありがとう〜、頑張って声をかけに行ってみます。

■おやじ To:アリエ
おう、頑張れよ〜。

■ 【キルリック】

再び店の扉が開かれる。
本日、何人目……になるのだろう。この銀の網をくぐり、冒険の扉を押し開けようとする者は。
■キルリック・マイヤ To:おかみ
こんにちは、仕事と仲間探しはここですか?
キルリック・マイヤです、どうぞよろしく。

■おかみ To:キルリック
はい、いらっしゃい。キルリックね、よろしく。
あなたも初顔さんみたいね、何か飲み物でもいかが? サービスするわよ。

■キルリック・マイヤ To:おかみ
では、ご好意に甘えて、ここのお勧めを一杯、お願いします。
人も増えてきて、見渡すのも大変ですね。

言いながら、ぐるりと周りを見渡す。
店内はすでに新たな仲間を求める冒険者たちで溢れ返らんばかりだ。
■おかみ To:キルリック
じゃあブランデー入りの紅茶でもいかが? 美味しいわよ。
そうね、頑張って……ていうのも変だけど。いい仲間が見つかることを祈ってるわ。
それじゃあね。

■キルリック・マイヤ To:おかみ
これはまた、手の込んだものを、ありがとうございます。みなさん、私よりもてだれのようで、なかなか(^^;

キルリックは、出された紅茶を飲み終わるまで、店の中の喧騒を焦点も定めずにぼ〜っと見つめていた。
……そんなにのんびりしていると、取り残されるゾ。
■キルリック・マイヤ To:おかみ
どうも、ご馳走様でした。同じような雰囲気の方々にでも声をかけてみます。

■ 【アリエラ】

カララン……
軽やかなドアベルの音と共に扉が開き、ちょっとおどおどした感じの、栗色の長い髪を三つ編みにした小柄な少女が入ってきた。
落ち着かないらしく、キョロキョロと周りを眺めながらゆっくりとカウンターに近づいてくる。
■アリエラ To:おかみ
こんにちは。初めまして。ココが冒険者の店・・・ですよね。良かった。やっと着いた・・・。
すみません、とりあえず紅茶をいただけますか?のどがカラカラなんです。

■おかみ To:アリエラ
ほんとに今日は初顔さんが多いわねぇ。いらっしゃい、ようこそ銀の網亭へ。
お疲れのようね、まずはカウンターにお座りなさいな。
紅茶ね。すぐに淹れてあげるから待ってなさい。

……はい、お待ちどうさま。

■アリエラ To:おかみ
ありがとうございます。あ、私、アリエラと申します。
まだ冒険者になって日が浅いので色々教えてくださいね。
まずは仲間・・・を集めたほうがいいんですよね。ここで待っていればいいのかしら?

■おかみ To:アリエラ
そうね……そういった話ならウチの旦那の方が詳しいわよ。
あとは先輩の冒険者に話し掛けてみると、より実践的な事を聞けるから、思い切ってみるのも手かしら。
待っているのも一つの方法だけど、自分と合いそうな人にはどんどん話し掛けていくのが一番ね。
もし都合が付かなくて仲間になってもらえなくても、色々と為になることを教えてもらえるだろうから。
あとは、あそこに仲間を募集する掲示板を置いてるから、そこに張り紙をするのも良いと思うわ。
取りあえずは自分に合ったやり方を試してみてごらんなさい。

■アリエラ To:おかみ
えっと、まずは自分にできないことができる人を捜せばいいのよね。
私にできることは、野外の活動と、精霊の力を借りること、あとは歌を歌うことだから…。
(ドキドキ。うまく話しかけられるかしら?)

小さく呟くと、辺りを見回し仲間になってくれそうな冒険者を探し始める。
そこへ偶然(?)にも、声をかけてくる者一人。
■オルフェ To:アリエラ
お嬢さん、1人? 奇遇だね、私もそうなんだ。
(と、さりげなく肩に手を置いて)どうかな、私とパーティと組んでみないかい?
仕事をするには2人じゃ足りないだろうけど、1人よりは2人の方が心強いだろう?

この時期、銀の網亭では「なんぱ」が横行するらしぃ。
突然肩に置かれた手にビクッとしながら、
■アリエラ To:オルフェ
あ、は、はい。よ、よろしくお願いします。
冒険に出るのは初めてなので、色々教えてくださいね。

しおらしくそんなことを言ってみる少女一名。
な〜んとなく、いかがわしい雰囲気に見えるのは気のせいだろうか?
■オルフェ To:アリエラ
よし、じゃあ決まりだね。
君みたいな可愛い子と冒険ができるなんて、夢みたいだよ。

■アリエラ To:オルフェ
か、かわいいだなんて(ぽっ)
い、田舎者だからって、あんまりからかわないでください。

■オルフェ To:アリエラ
そんな、からかってなんかいないよ。でも、困らせちゃったならすまなかったね。
私に出来る限りサポートはさせて貰おう。でも、私もそんなに冒険慣れしてるわけじゃないんだ。
一緒に頑張ろうね。
私はオルフェだ。すきに呼んで貰ってかまわないよ。君の名前も教えてもらえるかい?

■アリエラ To:オルフェ
あ、私はアリエラです。
オルフェさん、よろしくお願いします。(ペコリ)

■オルフェ To:アリエラ
アリエラか、名前も素敵だね。
じゃあアリエラ、とりあえずあっち(2番テーブル)に移ろうか。残りのメンバーをどうするかも、早めに考えよう。

■アリエラ To:オルフェ
分かりました。

オルフェの後に続いて、自分の紅茶のカップを大切に抱えながらテーブルに歩いて行く。
ああ、哀れなるかな少女。待ち受ける毒牙の罠も知らず……(違)
■ 【銀の網亭・2番テーブル】

まずは仲間の集まる場所を確保するべく、2番テーブルを陣取ったオルフェ。
■オルフェ To:アリエラ
とりあえずはここでいいか……それにしても、今回は幸先がいい。
あとの仲間も、この調子で集められるといいんだけどなあ。
さて、どうしよう。

アリエラが遅れてテーブルに到着。
席に着くと紅茶のカップをゆっくりとテーブルに置いて、
■アリエラ To:オルフェ
えっと、改めて自己紹介をさせていただきますね。
私はアリエラ・ココット。得意って言ってもこれしかできることがないだけですが、野外活動と、精霊の力を借りることができます。
あと、楽器も少し。オルフェさんも吟遊詩人さんなのですか? 合奏とかしたら楽しそうですね。

■オルフェ To:アリエラ
ああ、私も本業は吟遊詩人ということになるかな。野外活動も得意な方だよ。旅が長いからね。
それから、昔は学者の真似事をしていた事もあるよ。その時面白い音楽の本を見つけて、ちょっと楽器を試しているうちにすっかりのめりこんで……今ではこのとおりさ。
そうだね。合奏なら、面白い音が作れそうだ。きっと機会は幾らでもある、今度試してみよう。
まあ、それはさておいて、当面は仲間を探さないと。あと必要そうなのはファイターにソーサラー、シーフにプリースト……か。
ははは、ずいぶん多いね。

■アリエラ To:オルフェ
(指折り数えつつ)本当。探すの大変かしら?

■オルフェ To:アリエラ
とりあえずは、あそこの2人組み(ユウル&ハティノス)、ファイターにプリーストかな。
あとは隣の(1番)テーブルが、グラスランナーだからシーフに……あの杖はソーサラーのようだね。
お、あっちで話してる2人(ミリスレスカとアリエ=アクア)はソーサラーにプリーストだ。
どこか声をかけてみようか?

■アリエラ To:オルフェ
なるほど。そうやって職業を見分けるのですね。どんな方がいいんだろう。
できれば女性の方がいいかな。
(オルフェさんって悪い人じゃなさそうだけど、ちょっと緊張しちゃうし。同性の人がいてくれたほうがいいかな)

■オルフェ To:アリエラ
じゃあ、ファイターとプリースト(ユウル&ハティノス)以外の二組の、どちらかにしよう。

そのファイターの方は実際には女性なのだが、離れている事もあって気付かなかったようだ。
……ユウルに聞かれたらズンバラリンですな。
■アリエラ To:オルフェ
同じぐらいの腕の人がいいのでしょうか?(3組を見回してみて)
戦士の方と神官の方(ユウルとハティノス)はなんか貫禄がありますね。
グラスランナーの女の子と魔術師の女の子は(ジェニファーとアズラ・ラ・ライト)どうなんでしょう。魔術師の子は駆け出しっぽいけど、グラスランナーさんは結構慣れてる感じですね。
えっと、魔術士風の女の子と神官さん(ミリスレスカとアリエ・アクア)はこの店に初めてきたみたいですね。なんか親しみがわくような感じです。

■オルフェ To:アリエラ
それはどちらともいえないかな。
同じくらいの人たちと組むのも、ベテランと組むのも、どちらにもメリットもデメリットもあるわけだしね。

■アリエラ To:オルフェ
そうですね。じゃあ行ってみましょうか。

■オルフェ To:アリエラ
あ、いいよ。私が行ってこよう。
アリエラは留守番と、他に良さそうな人が居ないか見てて。

一つウインクを残し、素早く立ち上がってテーブルを離れる。
■アリエラ To:オルフェ
お願いしますね。

留守番役を任され、一人残される。
やはり男性と二人きりということで緊張していたのか、ようやく、ほぅと一息ついて。既に冷めてしまった紅茶に口を付けた。

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GM:倉沢真琴