SW-PBM #128 おやじたちの挽歌 序章 それは些細な不満から |
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■ 【とある酒場】 |
■男A |
はーあ……。 |
一人の男が盛大な溜息を漏らす。
■男B To:男A |
どうしたよ。そんな溜息ついて。 |
■男A To:男B |
またカカァに怒鳴られてさ。 そりゃあ、間違った俺も悪いよ。けどああも頭ごなしに怒鳴り付けなくてもいいだろうにさ。 しかも、お得意さんのいる目の前でだぜ? |
■男B To:男A |
なんだ、お前もか。どこも同じだな……。 |
言いながらこちらも大仰に溜息。
手にしていたジョッキをぐいと煽る。
■男C To:男A、B |
情けない話だよな。女房の尻にしかれっぱなしでさ。 ……どうだ、少し困らせてやろうとか思わないか? 俺たちの価値を思い知らせてやろうぜ。 |
突然そんなことを言い出すもう一人の男。
既に酔っているのか、相当に顔が赤い。
■男A To:男C |
おお、そりゃあいい。 たまにはあいつらにも苦労させてやらないと、増長するばっかりだからな。 |
■男B To:男C |
面白い、俺もその話乗った! |
男3人がジョッキを打ち鳴らす。
このちょっとした悪戯心が、後に大騒動の原因になるとは……この時はまだ、誰もそれを知る術はなかった。
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