昼下がり。こんな時間から柄の悪い客がたむろする酒場に到着した。一見どこにでもありそうな場末の酒場、しかしその実態は盗賊ギルドの情報部であったりする。
■バーテンダー To:ALL |
...いらっしゃい。ご注文は? |
■ウォルフ To:バーテンダー |
ブラッディマリーに真紅の薔薇を添えて。 (情報が欲しい) |
■バーテンダー To:ウォルフ |
悪いが薔薇は切らしてる。裏に花売りがいたはずだ。 5ガメルあれば十分だろう。薔薇が欲しいと言えばいい。 (裏口に回ってノックを5回、合い言葉は[薔薇が欲しい]だ) それと...(アズラを見て) |
■アズラ・ラ・ライト To:独り言 |
ふえぇ、何だかおっかない雰囲気です…… 今回はウォルフおにーさんがいてくれたからいいものの、今後一人で来る機会があるかも知れないんでしねぇ……ううぅ(ビクビク |
盗賊ギルドに情報を買いにくるのは初めてで雰囲気に圧倒されたのか、落ち着かない様子でキョロキョロ周囲を見回している。
■バーテンダー To:ウォルフ |
(アズラから目を戻して)...荷物は置き忘れるな(苦笑) |
■アズラ・ラ・ライト To:独り言 |
……ふにゅ?荷物……?? |
バーテンダーに言われたとおり、ウォルフとアズラは裏口に回って、ノックを5回。そして、
■ウォルフ To:? |
薔薇が欲しいんだが‥‥。 |
と指示された通りの台詞を言うと、少し間をおいて扉が開いた。裏口に見えた扉の中は、薄暗く狭い個室になっていた。見張り役の小男は、入り口を閉じて部屋の隅に腰掛けた。その存在は影と同格になる。
奥はカウンターになっており、闇にあらがうカンテラが、1人の女性に光を投げかけている。
■女性 To:ウォルフ、アズラ |
用件を聞こう。 |
■アズラ・ラ・ライト To:女性 |
宜しく御願いしますです。 ええっと、ブラトニス、っていう街について知りたいんでしが…… |
そこで一旦言葉を切って女性の反応をうかがう。
女性は...なんか震えています。笑いをこらえてるのかもしれません。
■女性 To:アズラ |
...ずいぶんな用件だな(苦笑)。観光屋と間違えちゃいないかい? まぁいい。それなら、まず200ガメルだ。 |
■アズラ・ラ・ライト To:女性 |
はうぅ……(汗 あのですね、あの街で変な噂とか、変わった事が起きてるとか、そーいうの……ないでしか? 厄介事が起こってるらしいので、それを片付けに行くんでしが…… |
しどろもどろになりながら懐から200ガメルを取り出し、カウンターの上にそっと置く。ウォルフと女性を交互に見つめてみたり。しかし女性は、200ガメルに手を付けない。
■女性 To:アズラ |
まぁ元々が変な街だからね。 しかし厄介事だって?...あたしの知る限り、日常を逸脱するような事件やらは起きちゃいないはずだけどね。 5日ぐらい前まではって条件付きだけど。 厄介事。信憑性があって、有益な情報なら高く買ってあげるよ(笑) |
■アズラ・ラ・ライト To:女性 |
えっと、元々変な街、っていうのは?? 人の出入りが激しいとか銀鉱脈があるとか、そういう普通の事以外の事でって意味なら教えて欲しいですです。 ……過去に起こった事件の事なら知ってるけど、それに関連した事でしか? |
後の台詞は一旦無視して、質問を重ねる。200ガメルはまだそのままである。
■女性 To:アズラ |
なんだ、しっかり知ってるんじゃないか。でも、普通の事とそうじゃないことなんて、誰にもはっきりわかるもんじゃないよ。 で、だ。あの街の連中は、ほとんど領主の魔法使いに寄りかかってる。外からの攻撃...鉱山に魔物が出るとか、森から街に魔物の群れが移動してくるとかの事態に全然動じないわりに、街の中で何かが起こることにめっぽう弱いのさ。横の信頼関係がイマイチ薄いんだね。 まぁ、元々...銀鉱山目当ての商人が元からあった魔法使いの館の側に居着いたところが街の始まりらしいからね。商魂ってのには恐れ入る。またその魔法使いとやらが変わり者で、姿を見せないわりに商人達が困っているとそれとなく救いの手を差し伸べていたらしいよ。 かくして商人と鉱夫の集落は街になり、魔法使いは領主に祭り上げられたって寸法さ。それが今でも続いてる。 どうだい、変な街だろ? ...もしかして、過去と似たような事件の兆候でもあるのかい? |
■アズラ・ラ・ライト To:女性 |
あぁ、そりゃまそうでしね。普通の基準は人それぞれでし。 とは言うものの、客観的に見ても随分変わった街みたいでしね…… そうそう、鉱山とか森に棲んでる魔物ってどんなでしか?人が襲われたり街に来たりするのって頻繁に起こる事にゃのかな?? その魔法使いな領主さんが一人で追い払えるってのなら、魔物はそんなに大した物じゃないか、領主さんが凄腕かのどっちかなんでしょうが。 それと、過去の事件の発端となった病気についてもどんなか教えてくれると嬉しいんでしが。 今回の仕事にも何か関係あるかも知れないし…… |
おどおどした様子は段々と消え、代わりに笑みが浮かび始める。無邪気(に見える)な笑顔で質問を続けるアズラ。
■女性 To:アズラ |
魔物の生態が知りたいなら、これ(200)にもう300だね。事件の病気についてなら別に500だ。 仕事に差し支えない範囲で、その厄介事の情報を売ってくれるなら少しまけてあげるよ(にこにこ) |
■アズラ・ラ・ライト To:独り言 |
うにゅにゅ……ここで売った情報って、買いたい人がいれば売られちゃう訳ですよにぇ……(汗 しかし情報って高いもんなんですにぇ……うにゅにゅ(/_;) |
うにゅうにゅ唸りつつ耳を引っ張っている。色々悩んでいるようだ。
どうやら、まだ汚れきってはいないらしい(^^;;;
女性は、そんなアズラを面白そうに眺めている。
■ウォルフ To:女性 |
‥‥失礼、私はウォルフガングと申します。 決してギルドに弓を引くわけではありませんが、契約を履行する以上は守秘義務も存在する訳でして‥‥。 |
端正な顔立ちにほろ苦い笑みを浮かべて釈明するウォルフ。
■女性 To:ウォルフ |
当たり前だ。だから差し支えのない部分、と言っているだろう? 情報というのはそうやって集まっていくもんなのさ。 まぁ端っこの情報が漏れて全体を知れちまうってこともあるから、その辺はあんたたちの判断にかかっているわけ。 |
■ウォルフ To:女性 |
失礼致しました。まだまだ未熟者ゆえご容赦を。 それで‥‥現在の領主は、その魔法使いの子孫なのですか? そして‥‥領主自身もやはり魔法使いなのですか? |
できる限り話題を逸らそうとするウォルフ。
女性は200ガメルのうち100ガメルをカウンターの内側に仕舞いながら、
■女性 To:ウォルフ |
そう。魔法使いの一族が脈々と領主の座を受け継いでるって話だ。 半年前にも魔物退治の話があったから、今の領主も手練れだろう。 まぁ、その姿はローブと館の壁の中。男か女か、若いのか年寄りなのかもわからないんだけどね。 実際に領主の役割を担ってるのは、ほとんどが領主代行さ。 |
■ウォルフ To:独り言 |
‥‥領主代行、か‥‥。 ‥‥何故、領主は表舞台に出てこないのだ‥‥? |
■アズラ・ラ・ライト To:女性 |
えっと、その半年前の魔物退治って、やっぱり領主さんだけでやっちゃったの? 今まで魔物退治とか揉め事が起こった時に、冒険者や傭兵雇った事って無かったのかにゃ?? |
■女性 To:アズラ |
そのようだね。まぁ雑魚がたくさん湧いて出たりすれば、冒険者や傭兵に露払いをさせたりはするんじゃないかな? 実際、鉱山の警備の仕事を目当てにあの街に行くって冒険者も多いしね。 |
女性は卓上に残る100ガメルもカウンターの内側に仕舞った。
■アズラ・ラ・ライト To:女性 |
うーん、成程です〜。 大体解ったような気がするです〜 |
■女性 To:ウォルフ、アズラ |
他に聞きたいことはあるかい? |
■アズラ・ラ・ライト To:ウォルフ |
私はこれぐらいでいいかなって思うけど、ウォルフおにーさんはどうでしか?何か聞き忘れた事とかは無いでしか? |
■ウォルフ To:アズラ |
‥‥いや、このくらいでいいだろう。 病気などは学院組で調べがついているだろうから。 |
そうアズラに言うと女性に向かい、
■ウォルフ To:女性 |
有益な情報、どうもありがとうございました。 |
そう言うと女性に一礼し、部屋を出て行こうとする。
■アズラ・ラ・ライト To:女性>ウォルフ |
そうでしね、そろそろみんなと合流しますか〜。 (ペコリと頭を下げながら) 色々ありがとうございましたです♪またお世話になる時もあるかと思いますが、その時は宜しくお願いしますです〜。 あ、ウォルフおにーさん、待って下さいです〜 |
ぱたぱたと足音をさせながら出口に向かうウォルフを追う。
最後にもう一度礼をしてから、扉をパタン、と閉めた。