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SW-PBM #124 Pigeon Blood Act.11〜宝物庫 |
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| ■ 【ウォイル邸・宝物庫】 |
一通り話を聞いた後、邸内を見て周る。
一見して荒らされたりしたところはなさそうだった。
そして、問題の宝物庫。
| ■ルークス To:ALL |
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ここだ。 この部屋の中央に、ピジョン・ブラッドを飾っていたんだが……。 |
飾っていた、と言うが特に見物を目的とした部屋ではなかったようで、内部は様々なものが雑多に置かれている。
そして、そんな部屋の中央。
その上にあったはずの飾り立てるべき物を失い、台座だけが寂しげに残っていた。
| ■ユウル To:ルークス |
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へえ…。 この台座には盗難防止の仕掛けは何にもなかったんですか? あと、この部屋のもので他に盗まれたものとかは? |
| ■ルークス To:ユウル |
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仕掛けは特に何も。扉に錠を下ろしてたし、それで充分かと思ってたんだが。 そもそも人に言い触らしてたわけでもないし、知ってる者も少ないと思ってたからなぁ。 狙われることなんか考えてなかったんだと思うよ。 |
見通しが甘い。
| ■レベッカ To:ルークス |
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この台座って、ずっとここに置かれてたんですよね? 最近誰かに見せたりはしていらっしゃいますか? |
| ■ルークス To:レベッカ |
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いや、全然。 予告状が入った時に確認に開けたくらいで、あとはずっと扉も閉めたままだったし。 だからずっと置きっぱなしだったはずだよ。 |
| ■ユウル |
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なんかすごいいいかげんな…それじゃ泥棒が来る前に盗まれててもわかんないと思うなあ。 実は取られてもそれほどたいしたモンじゃないような気がしてくるよ…。 |
| ■ルークス To:ユウル |
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いやあ、実際大したものじゃないのかもよ。 父もここに飾ってはいてもそれ以上の事はしなかったし。 確かに宝石としての価値はあったんだろうけどね、そんなに特別な品だとは思ってなかったから。 みんなが言うような魔力なんて、本当にあったのやら。 |
そんなやり取りを聞きつつ。
| ■ウォルフ To:ルークス |
| ルークス卿、できれば台座の付近を中心に、この部屋を探索させて戴きたいのですが‥‥宜しいでしょうか? |
| ■ルークス To:ウォルフ |
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ああ、どうぞ。 散らかってるから気を付けるんだよ。 |
ルークスの了承を得、辺りを調べ始める。
| ■ユウル To:ルークス |
| ここの扉の鍵はいつもどこに? |
| ■ルークス To:ユウル |
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父が保管している。 もっとも、鍵なんかなくても心得のある者なら開けられたんだろうけどね……。 |
はぁ、とため息をつく。
| ■ユウル To;ウィスノー |
| ねえ、ウィスノーの徽章ってどこらへんに落ちてたの? |
| ■ウィスノー To:ユウル |
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台座のすぐ側……そこだ。 だが、何度も言うが、断じて僕ではないぞ。 この宝物庫には、それまで足を踏み入れたことさえなかったんだ。 |
| ■レベッカ To:ルークス |
| この宝物庫への隠された入り口とか、人が隠れられそうなスペースとかってのもないですよね? |
| ■ルークス To:レベッカ |
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隠し扉の類はないはずだよ。 その辺に積み上げてる物の陰なら、人が隠れるのは無理じゃないかもしれないけど。 宝石が盗まれた後は官憲たちが入念に調べてたからね。 事件の後にここに隠れてたはずはないよ。 |
| ■ウォルフ To:レベッカ&ALL |
| 一通り調べてみたが、これといった手掛かりも、そういった箇所もないらしい。 |
| ■フィリス To:ルークスさん&ALL |
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結局、その筋の人がその気になったら、普通の施錠は時間稼ぎにしかならなさそうですね。 うーん...マービスさんが戻られてから、ピジョンブラッドの由来や最近のお話を聞いて、いろいろ考えた方がいいかもしれませんね。 |
| ■ユウル To:フィリス&ALL |
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そうだねえ… 犯人は盗賊の心得と魔法の心得のある奴、ってぐらいしか手がかりないもんね。 人数とかもさっぱりわからないし。 「なんのために盗んだか」ってとこから攻めてみたほうがいいのかな。 |
などと、宝物庫の前でいろいろと話していると。
こちらに向かって歩いてくる足音と、何か言い争うような声。
| ■ベル To:男 |
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困ります〜! ちょっと待ってくださいってばあ〜。 |
| ■男 To:ベル |
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ええい、うるさい。 邪魔をするな! |
必死で止めようとするベルを振り払い、官憲と思われる男がやってくる。
| ■ウィスノー To:リゾルド |
| リゾルドか? どうした。 |
| ■リゾルド To:ウィスノー |
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どうしたじゃない、それはこっちの台詞だ。 謹慎を食らってるくせにあれこれと動き回ってるお前に釘を刺しに来たんだよ。 いいか、まだ犯人と決まった訳じゃないとはいえ、お前は最重要容疑者なんだ。 そんな奴が事件に首を突っ込むんじゃない。家で大人しくしてろ。 でないと、ますます立場が悪くなるぜ? |
| ■フィリス To:リゾルドさん、ウィスノーさん |
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まぁまぁ、ウィスノーさんが犯人と決まったわけではありませんし、被害者の方から行動することを許されてるわけですから、犯人探しをしても構わないのではないでしょうか? 黙って濡れ衣を着させられるよりは、独自捜査で真犯人を追いかける方が官憲屋さんらしいと思いますけど。 |
| ■リゾルド To:フィリス |
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ふん。いくら探したって真犯人なんか出てくるものか。 今目の前に、こうしているんだからな。 |
ウィスノーをもの凄い目で睨みつけながら、そんな事を言う。
| ■ユウル To:リゾルド |
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それだけきっぱり言い切るんならよっぽどの訳があるんでしょうね。 あなた確か、ウィスノーと一緒に外の見張りしてた人、ですよね? 犯人について何か手がかりを持ってらっしゃるのなら教えていただけませんか? 徽章一つで真犯人と決め付けられるわけでもないでしょうから。 |
内心、「ウィスノーが嫌いだから」という答えでもしょうがないかもと思っていたりする。
| ■リゾルド To:ユウル |
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その徽章こそが証拠さ。 本物のプロなら、現場に痕跡なんぞ残していくものか。 ドジなこいつだからこそやりそうな失敗だ。 |
| ■ユウル To:リゾルド |
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プロだからこそ、目くらまし用安全策の一つぐらいはやっておくもんだともいえますけど… …ふむ。ちょっと失礼。 その徽章、引っ張ってみてもいいですか? |
そういってリゾルドの胸元にある徽章へそっと手を伸ばす。
| ■リゾルド To:ユウル |
| 何をするか! |
怒鳴りつけ、伸ばされたユウルの手を叩き付けるようにして払う。
| ■リゾルド To:ユウル |
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冒険者風情が無礼な真似を……。 いいか、今度同じ事をしたらしょっ引いてやるぞ。 |
| ■ユウル To:リゾルド |
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(いたた)…失礼しました。 ただ、それが簡単に取れるものなのか確認したかっただけです。 どこかに引っかかったら気がつくし、落としたら音くらいするでしょう? それに、あなたに負けず劣らず官憲であることにプライド持ってるっぽい彼がそんな大事なもの落として平然としてられるとは思えませんけど。 |
手をさすりつつ、ぺこっと頭を下げて謝罪。しかし続く言葉と視線は相手の気迫に負けていない。
| ■リゾルド To:ユウル |
| ふん、宝石の方に気がとられて、徽章を落としたのにも気が付かなかったんだろうよ。 |
| ■ユウル To:リゾルド |
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…はあ、そうですか…。 (よっぽど信頼がないのか、単に嫌いなだけなのか、それとも…?) |
| ■リゾルド To:ウィスノー |
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オラン官憲の名を汚すような真似はするなよ……いや、既にこれ以上落ちようはないか。 とっとと自首した方が身の為だぜ。じゃあな。 |
| ■レベッカ To:ウィスノー |
| ・・・あの方って、いつもあんな感じなんですか? |
リゾルドが離れていったあとで、こっそりと聞いてみる。
| ■ウィスノー To:レベッカ |
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そうだな。 誰にでもという訳ではないんだが、どうも僕とは反りが合わなくてな。 それにしても、今日は特に敵意剥き出しだったな。 よほど僕を犯人にしたいらしい。 |
| ■ユウル To:ウィスノー |
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…なんか相当恨まれるようなことでもやってません? 現場ではあの人、どんな感じでした? 同じ屋敷の外担当だったんですよね。徽章見つかった瞬間にああでした? |
| ■ウィスノー To:ユウル |
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いつもああだから、特別違ったようにも見えなかったんだが……。 確かに、あんな感じで怒鳴りつけられた。 |
その後。
結局、宝物庫の調査でも芳しい成果は上がらず、一旦引き上げることとなった。
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