SW-PBM #124
 Pigeon Blood   Act.10〜聞き込み

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■ 【ウォイル邸・応接室】

冒険者達は応接室に通された。
豪華な調度品に囲まれ、深く沈みこむ柔らかなソファに座らされる。
目の前には鼻をくすぐる、良い香りの紅茶と菓子が置かれた。
■ルークス To:ALL
あいにく父は重要な会議とかで王宮に出仕してしまっていてね、今屋敷にいないんだ。
代わりに僕が皆さんのお手伝いをさせてもらうよ。
屋敷内を調べたいなら自由にしてくれていい。
後でメイドを呼ぶから、案内させよう。

■フィリス To:ルークスさん&ALL
ありがとうございます。

まず現場である宝物庫と...アランドさんが待機していた応接間、それと衛視の方々が巡回していた邸内のルートを見てみる、という感じでしょうか?

■ユウル To:フィリス、ALL&ルークス
そうだね。盗まれた時の状況を把握しよう。
魔法がどこからかけられたのか、潜入ルートを探すのも大事かも。
ところで…ルークスさんは事件当日こちらにいらっしゃったんですか?

■ルークス To:ユウル
当日……当日の夜は……ああ、いや、どうだったかな……。

しどろもどろ。
■ユウル To:ルークス
(…怪しい…)真夜中に、大騒ぎだったんでしょう?
寝ていてもたたき起こされたんじゃないですか?
盗まれた時にこの屋敷にいた人全員に、何か怪しいものとか見聞きしなかったか聞いてみたいんですけど。

■ルークス To:ユウル
や、実はだな。
その日の夜は僕は屋敷にいなかったもので。
ちょっと酒場で飲んでいたら、いつの間にか朝に……。

■ユウル To:ルークス
(溜息)家宝が盗まれるかもしれないってのにのん気な…予告状が来たその日の晩なのに。
別に「〜日に盗みに来る」って書いてあったわけじゃないんでしょう?

■ルークス To:ユウル
僕がいてもあまり役に立ちそうになかったからね。
それならいっそ邪魔にならないように外に出ていたほうがいいかな、と。

必死の弁明。
■フィリス To:ルークスさん
おひとりで、ですか?
どなたかにお誘いを受けたわけではないのですね?

■ルークス To:フィリス
ああ、出かけたのは一人でだ。

■ユウル To:ルークス
予告状、ルークスさんは実際見ましたか?
筆跡とか賊の署名があったかとかって、覚えてます?

■ルークス To:ユウル
ちらっと見ただけだったけどね、だから筆跡までは覚えてないなぁ。
賊の署名……あったようななかったような……なんだっけ、ウィスノー君?

■ウィスノー To:ルークス
確か……ソーダです。

■ルークス To:ALL
そうそう、確かそんな感じ。

■ユウル To:ルークス
(ぼそ)…こいつ、ウィスノー並にあてにならないな…
ソーマ、じゃなかったんですね?

なんとなく前回の事件を思い出してしまうユウル。
■ルークス To:ユウル
うーん……そんな感じの名前でもあったような……。

首を捻る。信頼性皆無。
■ユウル To:ルークス
『ピジョン・ブラッド』って、高価な宝石なんですよね。
家宝だってことですけど、何かいわくがあるとか伝説があるとか、そういうことはないんですか?

■ルークス To:ユウル
なんだかいろいろ言われてるみたいだけどね。
僕はあんまり詳しくは知らないな。多分噂で話されてることと大差ないと思うよ。
普段は宝物庫に仕舞いっぱなしだから、実物を見ることもあんまりなかったし。

■ユウル To:ルークス
じゃあ、『ピジョン・ブラッド』にご執心な人とか、売って欲しいなんていう人に心当たりは?
最近誰かに見せたりとかしましたか?

■ルークス To:ユウル
特にそんな人はいないなぁ。
まがりなりにも家宝だからね、売ってくれなんて言い出す人もいなかったし。

■レベッカ To:ルークス
それと、使用人の方たちは全員住み込みなのですか?

■ルークス To:レベッカ
いや、通いの者もいる。というか、住み込みの方が少ないかな。そもそもあまり人を雇っていないものでね。
父の方針でね、自分で出来る事はなるべく自分で、という事なんだ。
だから屋敷の管理なんかはともかく、自分の身の回りは全て家人がやっている。
そんな訳で、今我が家で働いている者は住み込みが執事のライツ、
後は通いでメイドが二人と、細々した仕事を任せているさっきの使用人だけだ。

■レベッカ To:ルークス
そうですか・・・

■ウォルフ To:ルークス
ルークス卿、執事のライツ殿はこちらに勤め始めて何年程になるのでしょうか?

■ルークス To:ウォルフ
僕が子供の頃からいるから、相当だろう。
詳しく聞いた事はないが、30年くらいは勤めてるんじゃないかな?

■ユウル To:ルークス
で、結局その事件当日に館にいた人は全部で何人なんですか?
それと、今回の脅迫状を送り込んできた窃盗犯に心当たりは全くないんですか?

■ルークス To:ユウル
当日屋敷にいたのは父とライツだけ……になるのかな。
僕はさっき言った通り屋敷を空けていたし、母と兄はそれぞれ支店の経営を任されているんで、殆ど家には帰って来ないから。
犯人に心当たりか……残念ながら、僕には全くないな。
家宝の事も僕が人に話した事は一度もないし。

■フィリス To:ルークスさん,ALL
ではお二方のお話を聞かなければなりませんね。
ライツさんには、すぐにお話を伺うことができますか?
あ。官憲屋さん以外に、当日居たのがお二方だけだった、ということをご存じの方は多かったのでしょうか?

■ルークス To:フィリス
いや。
特に話したわけじゃないから、通いで来てもらってる3人くらいじゃないかな?

■フィリス To:ルークスさん
そうですか。で、官憲屋さん達が巡回していた経路なんですけど、そちらの方は...。

話を聞いた結果、警備に当たった官憲たちの巡回は1Fのみだったという。
2Fに上がって来られると足音がうるさくて眠れない、という苦情があったためらしい。
廊下に添って、応接間、食堂、台所、客間などを通り、最後に宝物庫を確認して応接間に戻る、というルートを通っていたとのこと。
巡回は1時間に一度の割合だったそうだ。
■ウォルフ To:ウィスノー
ウィスノー殿、レベッカの話では邸内の巡回はベイク殿とエル殿だったそうですが、二人一組で巡回されていたのですか?

■ウィスノー To:ウォルフ
ああ、そのはずだ。

■ユウル To:ALL、ルークス
一度ぐるっとその順回路を回ってみようか。
侵入ルートは…玄関の鍵や窓は当然閉められてたんだよね?2階から、なんてこともあるのかなあ…。
盗まれた後に館に異変はありました?窓割られてたとか鍵壊れてたとか。

■ルークス To:ユウル
特にそんな話は……いや、待てよ。
そう言えば台所の鍵が開いていたなんて言ってたような……。
ただ、配達の者なんかがよく使うんで、そこは普段から開けてあるんだ。
ひょっとしたら単に締め忘れていたなんてことかも知れないけれど。

■フィリス To:ALL
当日、戸締まりの確認をすることになっていた方はどなたですか?

■ルークス To:フィリス
台所仕事はメイドの2人に任せてあるから、彼女達だろうな。
直接話を聞いた方が早いだろう。良かったら呼ぼうか?

■フィリス To:ルークスさん
あ、お願いします。

■レベッカ To:ルークス
配達に来ていた方についての質問もしたいので、お願いします。

■ 【ウォイル邸・応接室】

ルークスに呼ばれ、2人のメイドが入ってきた。
■アイレン To:ALL
いらっしゃいませ。

深々とお辞儀。
■ベル To:ユウル
あれぇ? ユウルさんじゃないですかぁ。
今度はどうしたんです?
……あっ、分かったぁ。ベルと一緒に働いてくれる気になったんですね!
それじゃさっそく協会長の所に行きましょうっ。

■ユウル To:アイレン、ベル
アイレンさんにベルさん!
貴方たちがここのメイドさんだったんですか!
…て、ベルさん、違います!
「冒険者」として会いに来たんですよお〜〜(汗)

■レベッカ To:ユウル
・・・お知り合いの方なんですか?

■ユウル To:レベッカ、ALL
うん、まあ…ね(^^ゞ
こないだの事件でちょっとお世話になったメイド派遣協会の人たちだよ。

■アイレン To:ALL
その節はユウルさんにはお世話になりました。
私達もこちらには最近勤めはじめたばかりなので不手際もあるかもしれませんが、よろしくお願いします。

■ルークス To:ALL
この泥棒騒ぎで前からいたメイド達がみんな怖がって暇を取ってしまってね。
仕方がないから、彼女達を改めて雇ったんだ。

■ユウル To:アイレン、ベル
じゃあ、お二人は事件後すぐ、このお屋敷に初めて派遣されてきたってことですか。
何かこのお屋敷に来て、気づいたことはありましたか?

■アイレン To:ユウル
気付いたこと……いえ、特には……。

■ベル To:ユウル
アルテナさんがいないです〜。
ルークスさんと結婚したんじゃなかったんですか?

デマなのか、妄想なのか。
それとも未来に起こりうる出来事なのか。
■ルキシュ 
婚約じゃなかったっけ? 結婚したのかな……??

小首を傾げて呟く。
■フィリス To:アイレンさん、ベルさん
はじめまして、フィリスと申します。
早速ですが、ウォイル家で盗難のあった日の様子を伺いたいんです。
届け物を持ってきた人やウォイルさんを訪ねてきた人、戸締まりや施錠をした箇所などを教えてくださいませんか?

■アイレン To:フィリス
先ほどルークス様が仰った通り、私達がこちらで働かせてもらうようになったのは事件の後ですので、あまり詳しくは知らないんですが……。
ライツさんからも少しお話を伺いましたが、事件の遭った日に屋敷に来たのはいつも食材を届けてくださるお店の人だけということです。戸締りに関しては、私達の前の者が同じようにしていたのでしたら、台所や食堂の勝手口くらいでしょうか。
外と出入りできる所は後は玄関と裏口ですが、こちらはライツさんが管理されています。
2階の出入りできる場所は、基本的に普段から鍵をかけていますので……。

■ルキシュ To:アレイン&ベル
メイド協会って事は横のつながりがあったりするのかな?
そしたらメイド同士で噂話とかになってない?

■アイレン To:ルキシュ
そうですね……何か知っていることがあるかもしれません。
今度聞いておきますね。

■レベッカ To:アレイン&ベル
食材を届けてくれるお店の名前ってご存知ですか?
あと、届けてくれる人も。

■アイレン To:レベッカ
食材はイルマさんという方のお店にお願いしています。
届けてくださるのはそちらの息子さんですね。

■フィリス To:ルークスさん、アイレンさん、ベルさん
ふむ...。
とりあえず、当日の施錠がきちんとなされていたかを確認したいんですが、台所周りを受け持っていた前任者の方と連絡は付かないでしょうか?

■ルークス To:フィリス
前任者はちょっとどうだろうな。
ただ、あんな予告状が入ったことだし、念の為って事でライツが自分で確かめたって言っていたよ。
その時には確かに鍵が掛かっていたそうだ。

■フィリス To:ルークスさん&ALL
そうですか。では、台所の鍵は賊が開けた可能性もありそうですね...。

あとは、そのイルマさんの息子さんという方にもお話を聞いた方がよさそうですね。
当日屋敷に出入りするとき、もしかしたら様子見をしている賊を見ている可能性もありそうです。


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GM:倉沢真琴