SW-PBM #124 Pigeon Blood Act.06〜依頼内容 |
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■ 【銀の網亭・個室】 |
依頼の詳しい内容を聞くべく、 一行は依頼人ウィスノーを伴って個室へと戻ってきた。
幸いなことに、いつのまにやら綺麗に掃除されている。
■ウィスノー To:ALL |
依頼はこのボクに掛けられた濡れ衣を晴らし、潔白を証明してもらう事だ。 詳しい話はもう聞いているのか? |
■ウォルフ To:ウィスノー |
いや、全く。 |
人を喰ったような態度。
注文した品々はいつくるのだろうか、などと考えていたりする。
……依頼の話をしようってんだから、せめてちゃんと聞くよーに。
■フィリス To:ウィスノーさん |
そういうことなので、 濡れ衣を着せられたいきさつをご説明願いますか? |
■ウィスノー To:ALL |
うむ。 数日前の事だ。ボクと数人の仲間達はとある貴族邸の警護に呼び出された。 賊からの予告状が入ったという事でな。 で、その晩夜を徹して警護に当たっていたのだが、 あるとき不意に眠くなり、全員が眠ってしまった。 賊はその隙に入り込んだらしい。 宝物庫からは予告された品が消え失せていた。 そして代わりにその場に残されていたのが、このボクの徽章だったのだ。 |
言いながらウィスノーは胸元を見せ、その場所を指し示す。 確かにそこにはオラン官憲の証である徽章がなかった。
■ウィスノー To:ALL |
もちろんボクは潔白を訴えた。 だが、それを信じてもらうほど有利な材料は何一つなかった。 とはいえ、徽章一つだけでボクを犯人と決め付けるにも無理がある。 警護していた屋敷の主人の恩情もあって、ボクは今容疑者という立場ながらも ある程度の自由な行動は許されているのだ。 そこでボクはお前たち冒険者を雇い、 独自の捜査で真犯人を見つけ出そうと考えたわけだ。 |
■レベッカ To:ウィスノー |
なるほど、それはお気の毒です・・・。 |
■ウォルフ To:独り言 |
不意に眠くなり、全員が眠ってしまった、か‥‥。 魔法により眠らされた可能性が高いな‥‥。 魔術師もしくは精霊使いと盗賊の共犯‥‥? それとも単独犯か‥‥? |
呟きながら考え込んでいたウォルフだが、不意に質問攻めを始めた。
■ウォルフ To:ウィスノー |
‥‥官憲殿。その予告状とやらを出した賊に心当たりはないのか? それから、賊が何人程度だったか、足跡などから推測はつかないのか? そして。なぜあなたが濡れ衣を着せられる羽目になったか、心当たりは? |
一つ一つ言葉を吟味するように問いかける。
■ウィスノー To:ウォルフ |
予告状の名は知らないものだったな。 証拠品として官憲が押収しているから、現物を見せる事はできないが。 確か名は……ソーダだったか……? 証拠はそれだけだ。足跡も何も残していない。だから相手が何者なのか皆目不明だ。 ボクに濡れ衣を着せられた理由……全く分からんな。 品行方正で名の通ったボクの評判を妬んでの事ではないだろうか? |
自分で『品行方正』などと抜かすウィスノーにすっかり呆れ果てるウォルフ。
気付かれないようにそっと肩を竦めてみせたりして。
■ユウル To:ウィスノー |
そりゃあ、官憲殿は色々と有名でしょうけど、徽章一つで 犯人扱いできないことぐらいわかりきってますし。 誰でも良かったのか、それとも狙って偽装したのかで犯人像が違ってきますね。 |
『有名』の響きがちょっと気になるアクセントのような……。
■フィリス To:ユウル |
有名な方なんですか。となると狙われたかもしれませんね。 呼び出されて、眠らされて、濡れ衣を着せられた...実は貴族の人からして敵役だったりして。 |
■レベッカ To:ウィスノー |
予告状の文面は覚えておいでですか? もしくは、その文の中に気になるフレーズがあったとか、 筆跡が特徴的だったとか。 あと、その予告状がどこへどのような形で届いたのかも知りたいのですが。 |
■ウィスノー To:レベッカ |
ボクが目を通したわけではなかったので詳しい事は分からない。 だが、上司は特別気になるところはないと言っていた。 まあ犯行の予告という事自体が気になると言えばそれまでだがな。 予告状は屋敷の方に届けられたそうだ。 朝使用人が起きてきたら玄関の扉に挟まれていたそうで、誰の仕業かは分かっていない。 |
■ユウル To:ウィスノー |
盗まれた宝物って一体なんだったんですか? 官憲殿が欲しがりそうなもの? |
■ウィスノー To:ユウル |
ボクが欲しがるかはまあ別として、価値は高いからな。 盗まれるだけの理由はあるだろう。 盗られたのは『ピジョン・ブラッド』と呼ばれる大粒のルビーだ。 その屋敷……ウォイル家に代々伝わる家宝だったらしい。 |
■フィリス To:ALL |
宝石となると既に何処かで売却された可能性がありますね...。 ウォイル家の家宝の事や、その価値をご存じの方は多いのですか? |
■ウィスノー To:フィリス |
売却に関しては官憲の方でも洗っているが、そういった物が出回ったという話は今のところ出ていない。 宝石は特別誰でも知っている、という訳ではなかっただろうが、まがりなりにも家宝だからな。 貴族の友人達は知っていたかもしれない。 |
■フィリス To:ウィスノーさん |
なるほど。となると貴族の奥方様達の超長距離低精度高速情報網で家宝の話も方々に伝わっていたかも知れない、と...。 |
■レベッカ To:フィリス&ウィスノー |
そういえば、名前程度は小耳に挟んだことがありますね。 どういうものかまでは知らないんですけど・・・ |
■ルキシュ To:独白 |
ビジョン・ブラッドに予告状…… ギルドの方で聞けば何かわかるかもしれないな……。 ギルド通さないでそんな仕事してたら、間違いなく…… |
……消されるだろう、というフレーズが怖くて口に出せない。
■ウォルフ To:ウィスノー |
‥‥官憲殿。その『ピジョン・ブラッド』とやらは、ただの「大粒のルビー」なのか? こう‥‥魔法がかかっているとかではなく? それからウォイル家の評判は? |
畳み掛けるように問いかける。
それが地なのか意識したものなのかは不明だが、相手に不快感を与える言葉遣いだ。
■ウィスノー To:ウォルフ |
ボクはそういった事は聞いていない。 家宝だと言っただろう?もしそんな力があったとしても他人がおいそれと教えてもらえるものか。 |
ウィスノーの口調にも棘が出てくる。
「コイツ、生意気な奴だな」とか思ってそうなフシがありありと表情に出てきた。
■ウィスノー To:ウォルフ |
ウォイル家の評判……聞いた事がないのか? よくそれで冒険者などやっていられるな。 家長のマービス・ウォイル氏は貴族としてオラン内外でも名の通った人物だ。 実業家としても名のある人物で、様々な事業を手がけている。 ご子息のルークス氏もなかなかの人物だ。 彼は気さくな性格でな。貴族だという事を鼻にかけず、このボクも懇意にさせていただいている。 |
機嫌を損ねた事に気付いたようだが、それでも口調を直す気はないらしいウォルフである。
こんなんでこの先大丈夫かなぁ……?
■ウォルフ To:ウィスノー |
いやいや、所詮私めは辺境生まれの無知な田舎者。 その上無教養ともなれば、どうにも礼節というものに欠ける節があり、私め自身も困っている次第でありまして‥‥。 無論、偏狭で猜疑心にあふれるような心とは無縁の官憲殿のこと、私めのような小人の申し上げようなどでその広きお心を曇らせることなど決して、決してないかとは存じ上げますが‥‥。 |
嘘っぽいぞウォルフ。
態度そのものはとっても恭しいんだけど、それまでとのギャップってものがだね……。
■フィリス To:ウォルフさんに耳打ち |
う、ウォルフさん、ウィスノーさんは依頼人の人でお客様なわけですから、もう少し穏便に〜…。 |
■ウォルフ To:フィリスに囁き声 |
いや、ああいった類の輩ならば、今の台詞で機嫌は直る筈だ。 |
勝手な思い込みである。当たってるけどさ(笑)
■ウィスノー To:ウォルフ |
ふん、当然だ。 貴様の言う事くらいでいちいち腹を立てていたら身が持たないからな。 |
とはいえ、機嫌が直るのと好き嫌いとは別問題である。念の為。
■レベッカ To:ウィスノー |
ウォイル家といえば、力のあるすばらしい家柄と聞き及んでおります。 その家のご子息様と懇意だなんて、官憲さんは本当にうらやましいですね。 |
すかさずフォローを入れるレベッカ。
でも誰かが聞いたら「全然うらやましくないっ!」とか言われそうな……(汗)
■フィリス To:ウィスノーさん |
官憲屋さんの方では、盗品売買の監視以外で現在どのような捜査をされているのですか? |
■ウィスノー To:フィリス |
なにぶん証拠が少ないからな、なかなか捜査も進んでいないというのが正直なところだ。 今のところは事件前後の時間帯に関して周辺住民から聞き込みをしたり、ウォイル家に対する怨恨、それと宝石の存在を知る者の中に怪しい人物がいないかというルートで追っている。 |
■レベッカ To:ウィスノー |
真犯人への手がかりがすくないですね・・・ ウォイル家の事件現場を見せていただけるように取り計らっていただくことは可能でしょうか? |
■ウィスノー To:レベッカ |
それは大丈夫だ。 さすがに今すぐという訳にはいかないが、明日にでも屋敷に入れるようルークスさんに頼んでおこう。 |
■ウォルフ To:ウィスノー |
真に、ありがたく存じます。 |
ウィスノーの皮肉など全く意に介さず、相変わらず白々しい演技を続ける。
■ユウル To:ウィスノー |
官憲の詰め所のほうにも、連絡よろしくね。 予告状も見せてもらいたいし、捜査協力としてそっち側が手に入れた情報も流して欲しいし。 頼りすぎるつもりはないけど、協力体制は取ってもらえるんでしょ? |
■ウィスノー To:ユウル |
出来る限りの協力はしてやりたいが……どこまで譲れるかはその時次第だな。 |
■レベッカ To:ALL |
あと何か確認しておきたいことはありますか? やはり話を聞いたところでは、ほってはおけないお話だと思うんで私としてはぜひ受けたいと思うんですけど。 |
■ウォルフ To:ALL |
まぁ、今更他の依頼を受けようにも、おやじさんに懇願までされてしまったことだしなぁ‥‥。 それはそうと。報酬は一人当たり500ガメル、という話だった筈だが‥‥。 ギルドでの情報料などの必要経費がどうなるのか、確認しておいた方が良くないか? |
ウィスノーに聞こえないよう、そっとパーティの面々に囁く。
■ウォルフ To:ALL |
あの男のことだ、「勿論、必要経費も含めて500ガメルだ」などと言い出しかねない。 |
殊更にウィスノーの口調を真似てみる。
依頼人をオモチャにするとは……いいのか?
■ウィスノー To:ウォルフ |
お前と一緒にするな。そんなケチくさい事を言うかっ。 必要経費は別。但し、ギルド情報費まで出す気はないぞ。 盗賊ギルドに支払う金など、官憲たるボクには1ガメルたりともないっ。 |
しっかり聞こえていたりする。
ウィスノーの言葉に表情を硬くするウォルフ。
その辺りが“青二才”たる所以なのかも知れない。
と、その時。
■フィリス To:ウォルフさん |
お願いですから、挑発的な行動は謹んで...く・だ・さ・い・ね(にっこり)。 |
そう言いながら、ウォルフの耳を思いきり引っ張るフィリス。
■ウォルフ To:フィリス |
いや、フィリ‥‥ いたたたた!! |
耳をフィリスにつままれ、ウォルフの身体は半ばフィリスの方に吊り出される。
■ウォルフ To:フィリス |
わかった!!わかりました!!もうしません!! |
半ば叫ぶかのようにフィリスに向かって言う。
思わず涙目になっている。とはいえ、自業自得なので誰も同情はしなかろう。
■ユウル To:ウォルフ |
…あ〜ゆ〜のに必要以上にかまうと、後が面倒くさいよ。思い込み激しいから。 出会い頭に「不審者」呼ばわりされた私がいい例だよ(苦笑) 必要なことだけ聞いて、適度にあしらっとけばいいんだって。 |
戒め(?)られているウォルフに向かって、苦笑しつつも結構ひどいことを言っている気がする。
でも今までのやり取りを見るに、最初にキッチリ教えておいたほうが良さそうな。
■フィリス To:ALL |
私は依頼を受けたいです。日頃オランの平和を守るため奮闘している官憲屋さんの人が無実の罪を着せられたままでよいわけがありませんっ。 |
他の官憲はそうであろうが、ウィスノーに限って言えば『日頃オランの平和を乱すために奮闘している』の方が合っているかも知れない。
■ユウル To:ALL |
ここまで話を聞いて、放り出す気にもなれないしね。 色々興味も湧いてきたし。 他のみんなも、異存ないよね? |
改めて意思確認するように全員の顔を見渡す。
ウォルフも頷くが、相変わらず無表情のままだ……涙目だけど。
……案外、耳が弱点なのかもしれない(笑)
■ アルフレッド To:ユウル |
ああ、いいだろう。ここまで聞いといて断るわけにも行かないしな。 |
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