SW-PBM #124 Pigeon Blood Act.05〜依頼人 |
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■ 【銀の網亭・1F】 |
目当ての依頼がまだ残っているか確認のために、下へと降りてきた一行。
おやじに声を掛けようとするが、 その時おやじはカウンターで何やら言い合いをしていた。
■男 To:おやじ |
まだボクの依頼を受ける冒険者は決まらないのかっ? 有名な店だと言うからここを頼ってきたのに、まったくなんたる怠慢だっ。 |
カウンター越しにぎゃあぎゃあ言っている小男は、 オラン官憲の制服を着ていた。
背が届かないらしく、目一杯爪先立ちになってカウンターに身を乗り出している。
■おやじ To:男 |
そんな事言われてもねぇ、どの仕事を請けるかは冒険者達に任せてるから……。 |
おやじは何とかなだめようとしているようだが、男の剣幕が収まる様子は無い。
と、そこでおやじが一行に気付いた。
■おやじ To:ALL |
おお、お前ら。ちょうど良かった。 この人の依頼なんだが、話だけでも聞いてやってくれないか? |
ほとほと困り果てている表情だ。
さっきから散々文句を言われていたのかもしれない。
悟られないように男をつぶさに観察しつつ、ウォルフは傍らのユウルに囁いた。
■ウォルフ To:ユウル |
‥‥ひょっとして、あれが件のウィスノーとかいう輩なのか? |
■ユウル To:ウォルフ、ALL |
…そうだよ。 ね、さっき説明したまんまの人物でしょ? |
小さく溜息をつくと、おやじを助けるべく男のほうに向かう。
■ユウル To:男 |
こんにちは、官憲殿。お久しぶりです。 …良かったら話、聞きますけど? |
一応、愛想笑いなど浮かべてみる。
■ウィスノー To:ユウル>おやじ |
むうっ? 貴様は……この間の不審人物ではないかっ! 店主、こんな怪しい人間まで平気で店に入れているとは何事だっ。 治安上、非常によろしくないぞっ。 |
ユウルの言葉など聞いちゃいない。
■ウォルフ To:独り言 |
‥‥本当に、こんな輩の依頼を受けるつもりなのか? |
うんざりともげんなりとも取れるような声。
■ウィスノー To:ウォルフ |
こんな輩とはなんだっ。 ボクは依頼人だぞ、貴様らの雇い主だぞっ。 |
確定らしい。
何て地獄耳なんだ、とウォルフは思わず舌打ちする。
■ウォルフ To:ウィスノー |
‥‥ユウルは貴方からお話を伺う、と申し上げただけで、 貴方からのご依頼をお受けする、とは申し上げておりませんが?官憲殿。 |
ふてぶてしい面構えで、殊更のんびりとした口調で応ずる。
ウォルフは自分の上に他人を置く事を好まず、また誰かに使われるという事を最も嫌う。
それは彼の性格というだけでなく、パルマーの出身である彼の中に『自由人』としての血と誇りがあるせいだろう。
■おやじ To:ウォルフ |
ま、そう言わずに……聞くだけ聞いてみちゃどうだ? |
諌めるように間に割って入り、そこでぼそっと一言。
■おやじ To:ALL |
ここ数日、この調子で店内で喚き散らされているから客足が遠のいてな。 貧乏クジ引かせるようで悪いが、受けてやってくれないか? |
懇願するような視線で見てくるおやじであった。
■ユウル To:おやじ |
まあ、元から受ける気だったしね。覚悟は出来てたよ。 |
覚悟が出来ていたのは、多分ユウルだけだろう。
初対面の他のメンバーには辛いものがあるかもしれない。
■ユウル To:ウィスノー |
官憲殿が雇い主なのはよおっくわかりました。 ちなみにこのパーティのリーダー、私です。 「不審人物」がリーダーやってるパーティですけど、依頼されます? |
やや挑発的にそう言ってみる。
ウォルフも不敵な笑みを浮かべつつ、このやり取りを見る。
■ウィスノー To:ユウル |
む、む、む……ま、まぁ仕方がない。 お前達に僕の依頼を任せてやっても良いぞ。 |
あくまでも尊大な奴である。
それでも依頼するという辺り、割と切羽詰まっているのかも知れない。
■ユウル To:ウィスノー |
ふうん…結構困ってるっぽいね。 いいですよ。それじゃあ、部屋で詳しい話を… |
■レベッカ To:ユウル&ウォルフ |
あっ。ユウルさんにウォルフさん。 お待たせしましたぁ・・・。 |
■フィリス To:ユウル&ウォルフ |
しましたぁ...。 |
さらに不審人物2名(?)を含む3名が合流。
やはり気恥ずかしいのか、レベッカのテンションも多少低めである。
■ウォルフ To:レベッカ&フィリス&ルキシュ |
あぁ、おか‥えり!? |
振り返り三人を迎えるウォルフだったが。
レベッカとフィリスの姿を見て、 思わず目は大きく見開かれ、声のトーンが跳ね上がる。
■ユウル To:レベッカ・フィリス・ルキシュ |
ん?あ、おかえり。 今ちょうど……ど、どーしたのそのカッコ!? なんか、思いっきり似合っててすごく可愛いんだけど。 |
■ルキシュ To:ユウル |
ねね、すっごく可愛いでしょ☆ |
It's 他人事。
■フィリス To:ユウルさん |
そ、そうですか?ありがとうございます(///) |
■レベッカ To:ユウル |
似合ってるんですか(/_;)。どうもありがとうございます(/_;)。 はう・・・ こういう格好になってしまったのは・・・要はこの店で 服を汚したときは気を付けましょうということです。(TT) |
■ウォルフ To:レベッカ&フィリス |
‥‥二人ともそ〜ゆ〜趣味があったのか? |
思わず問いかける。
つーか『そ〜ゆ〜趣味』って……。
■フィリス To:ウォルフさん |
い、いえ、これはたまたまこういう着替えしかなかったというだけで、 普段からそれっぽい格好をしてみたりそれっぽい振る舞いをしたりする ことがあるかと問われればないとは言い切れないかもしれませんが、 それはそれでやはり何事も経験というか、新しい自分を発見するというか、 楽ではないけど楽しいわけですよ。それなりに。 |
■レベッカ To:ウォルフ |
わっ、私は違いますからっ。(;_;) |
■ウォルフ To:レベッカ&フィリス |
‥‥何やら、大変なことが起きていたらしいな‥‥。 |
同情の眼差しで二人を見る。
『他人事で良かった……』という響きが感じられたりして。
■ウォルフ To:フィリス |
それはそうと。フィリス、ひょっとして‥‥酔ってないか? |
少し心配そうに声を掛ける。
こぉら、アルフの役割をを奪っちゃダメだぞ♪
■フィリス To:ウォルフさん |
実はちょっとだけ...。 あ、大丈夫ですよ。あの変な蒸留酒の匂いで酔っぱらってるだけですから、すぐに抜けると思いましゅ。 |
■ウォルフ To:レベッカ&フィリス&ルキシュ |
ま、まぁ、何はともあれ、だ。 あちらにおわす官憲殿が、我々の依頼人ということになるらしい。 |
■ルキシュ To:ウォルフ |
ほえー、そうなんだぁ。 |
言いつつウィスノーの方を見る。
一方依頼人と聞いたフィリスは、慌てて顔を引き締め恭しく頭を下げる。
■フィリス To:ウィスノーさん |
これは失礼を致しました。フィリスと申します。 どうぞお見知り置き下さいませ。 |
■レベッカ To:ウィスノー |
あら、そうなのですか。 どうかよろしくお願いいたしますね。 |
ウィスノーに深々と頭を下げる。
なぜかいつもよりも頭の角度が低いのは、着ている服に影響されているの……だろうか?
■ウィスノー To:フィリス&レベッカ>ALL |
うむ。 とりあえず適当に飲み物を、この者達の部屋に運んでおいてくれ。 ああ、気にしなくていい。払いはボクが持つ。 |
店員さんだと思いこんでいるらしぃ。
■レベッカ To:ウィスノー |
かしこまりました・・・って、そうではないんですー。(TT) 私も一応ユウルさんのパーティの1員なんです。 こんな服着てるのは・・・その、先ほど服を濡らしてしまったもので。 決していつもこんな服を着ているわけではないですよ。 |
必死で否定する割にはつられかけてるし。
と、話が弾んでいる(?)ところにアルフレッドが顎を押さえながら降りてくる。
■ アルフレッド To:ALL |
遅れてすまない、続けてくれ・・。 |
テーブルにぶつけた(と言うより跳ね上がったテーブルがぶつかった)顎が相当痛むのか、ずいぶん口数が少ない。見かねたフィリスは水で冷やしたタオルを軽く絞って差し出した。
■ フィリス To:アルさん |
大丈夫ですか?あの、これ、どうぞ。 |
■ アルフレッド To:フィリス |
ああ、すいません。跳ね上がったテーブルがぶつかって来ちゃって・・・。 ん、その格好どうしたんですか? |
■ フィリス To:アルさん |
こ、これはその、着替えが乾くまでの借り物なんです、けど。 ...やっぱり、変でしょうか? |
■ アルフレッド To:フィリス |
いえ、似合ってますよ。って言うか、むしろ可愛い・・・。 いつものスタイルも好きですけど、たまにはそういうのもいいですね。 |
■ フィリス To:アルさん |
そ、そうですか?...ありがとうございます(///) |
アルさんが気に入ってくれてるなら...しばらくこの格好でもいいかな、とか考えるフィリスでした。
えぇい、このらぶらぶカップルめがっ!
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