またまた野営 Scenario #122b
職人魂


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オラン〜エレミア 街道

 エレミアへの旅は、順調に続いた。
 多分、あと2〜3日でエレミアに着くだろう。

 小高い山のほど近く。
 一行は、野営の準備をしている。
 最初の見張りはリュントとアップル。
 他の皆は食後の為か、比較的速やかに眠りに入ったようだ。
 ウィーニーもだいぶ旅慣れてきたのか、休み方も少し冒険者風になってきている。
 あたりには、静かな虫の声が聞こえる。


 次の見張りはザンとリセット。
 年長のザンと、年若いリセットの組み合わせも…何度めだろうか?
 お気楽な調子であたりを見渡すリセットと。火を絶やさないザン。
 あたりには、まだ静かな虫の声が響いている。


 最後の組み合わせはナミキとランス。
 幾度となく一緒に冒険をしてきた彼らは、何も言わなくてもお互いの役割を判っているようである。
 ……ふと。ナミキとランスは…妙な視線を感じた。
 妙な視線とともに、ナミキは妙な感覚をも覚える。

 静か過ぎる。

 虫の声も聞こえない。
 それどころか、火の爆ぜる音さえも聞こえない。
 違う方向を見ているランスに、ナミキは警告を発しようとし…その声はナミキの口より漏れることはなかった。

 精霊使いたるナミキには。今どんな状況かは判っていた。
 サイレンス。周囲の音を消す魔法だ。

 どうにかランスに知らせようと、ランスに近づいた瞬間。ナミキは言いようもない睡魔に襲われた……

 ランスは。あたりの異常には気が付いていた。
 何者かの気配はする。しかし、音はしない。
 妙だな、と思いナミキを振り向こうとした時。一瞬異臭を感じ…ランスの目には、ぱたりと倒れるナミキの姿が見えた。

 と、同時に。背後の気配も大きくなる。
 振りかえって見れば、何者かがすやすやと寝ているウィーニーを抱きかかえているところだった。


 ランスはすぐさま、安らかすぎる顔で寝ているリュントを蹴りあげた。
 蹴られたリュントは、その衝撃で目を覚ますも……あたりは静寂に満ちていた。

 ウィーニーを抱えた男は。軽やかに闇の中へと消えていく。
■リュント To:独り言?
 なんだ!何があった!!
 敵襲か?? 敵はどこだ!!

 と。本人は言おうとしたのだろう。
 しかし、シルフ達はその音を運ぶ役割を放棄し、リュントの口からは一切音が漏れなかった。
 精霊使いたるリュントは、今自分達がいる場所にサイレンスがかけられている事に気が付いた。
■リュント To:独り言(心の声?)
 敵襲か!?
 ウィーニーはどこだ!?

 慌ててウィーニーが寝ていたと思しきところに駆け出すリュント。
 途中、地面よりもやや柔らかい物体を踏んづけたような気がしなくもないが、悲鳴が聞こえないから大丈夫だろう。
 …その踏まれた物体ことザン。
 寝ているところ、いきなりリュントに踏まれたようだ…
 一方ランスといえば、近くにいたアップルを起こそうと揺り動かす。

 ウィーニーが寝ていた所は。既にもぬけの殻だった。
■ザン To:寝言
 むぐ……レナ、起こすならもう少し優しくしてくれ……
 む?

 なにやら夢見ていたらしい。
 夢から引き起こすのに踏まれるとは。確かに文句の一つも言いたくなるだろう。
 もっとも。その声は音にはならないが。
■アップル To:独り言
 ・・あんっ・・え・・・どうしたの・・?

 アップルは起こしたランスと共にリュントを追う。
 とにかく。何かあったのだろう。
 一方踏まれて起こされたザンは…
■ザン To:独り言
 敵襲か?
 ウィーニー殿は無事か?

 慌ててウィーニーの寝床を確認するも、そこは既にもぬけの殻であった。
■ザン To:独り言
 ち、しまった……ん?

 舌打ちして周囲を確認しようとするが、その時、ウィーニーのいただろう場所に落ちていた羊皮紙が目に留まる。

 焚き火の光にかざしてみれば。なにやら文字と、地図らしきものが書かれていた。
『お休みの護衛諸君。ご苦労
 お嬢さんはさらわせてもらう。それが商売なのでな。
 明後日までに1万ガメルを準備願いたい。
 お嬢さんの命、それまではしっかりと補償するのでご安心を。
 では明後日。地図の所にて待つ。』
■ザン To:独り言
 ……おじょうさん?

■アップル To:ザン
 ・・だめね、追えなかったわ・・・って何見てるの?

 アップル、ランスは追走をあきらめて、戻ってきたようだ。
■ザン To:アップル
 ああ……どうやらやられたらしい。
 脅迫状だな。……ウィーニー殿の事なのかがいま一つはっきりせんのだが。

■アップル To:ザン&おーる
 はっきりしないって・・・
(手紙をのぞき込んで)
 まぁ、無理ないけれど・・・・・・

 ・・・どうする?

■ザン To:アップル
 どうすると言われても、なあ。
 金策をするには時間が無さ過ぎる。
 このまま直接ウィーニー殿を助けに行くか、さもなくば……ここから半日ほどの所にあったはずの村に駆け込んで協力を求めるか。

■アップル To:ザン、おーる
 とりあえず、情報収集は大事ね。
 何か相手のことがわかるかもしれない・・し、というところかな?

 適当に時間がたった頃・・・
■リュント To:ALL
 手掛かりを見失った・・・
 追い切れなかったよ・・・

 かなり落胆して、いつものリュントにとても見えない・・・
■アップル To:リュント
 私たちなんか、追うところまでいかなかったから・・シーフがいてくれて、助かっているわ。
 夜の見張りの件は、みんなで考えて、今後の課題としなきゃいけないわね。

 落胆した様子はなるべく出さないようにして、今後の相談を始める。
■アップル To:おーる
 これからのことなんだけど、近くの村にいってみようかなって話をしていたの。
 もしかしたら、何か手がかりが掴めるかもしれないし。
 あと・・、さっきランスから聞いたんだけど、ナミキが魔法で眠らされたみたいなのよね。
 その魔法ってなにか・・わかるかな?
 今のところ、相手にサイレンスを使う精霊使いがいるってことはわかるのだけど。。

■リュント To:アップル
 そうだね。リーダーの言う通り村に行くのが一番良いかな。
 夜が明けたら足跡の追跡なんてのは出来ないかな?
 一応、俺も飾りで精霊魔法を使えるんだけど、ナミキに掛かっている魔法ってなんなんだろう?俺にも判らん・・・

■アップル To:リュント
 リセットがね、「ただの”眠りの雲”みたいって」 だから、すぐに起きると思うわ。

 ・・そうね、足跡追跡をしてから、近隣の村にいきましょう。
 使い魔だけ、気をつけておける? あなたが一番目がいいわ。

 最後の一言は、リュントにささやくように。
■リュント To:アップル
 判った。使い魔ね。

 周囲を付けられていないか、監視されていないか周囲を警戒し始める・・・
 警戒してすぐにいかにもらしい真っ白なフクロウが目についてしまう・・・
■リュント To:アップル
 リーダー、なんかあの真っ白なのいかにもっぽくない?

■アップル To:リュント
 あそこまであからさまだと・・なんかね・・。
 まぁ、行動には、気をつけることにしましょ。


 ためいきのひとつでも、つきたい気分。
■ザン To:ALL
 とにかくここでこうしていても始まらん。
 村へ行ってできるだけの手掛かりを集めよう。



 夜が明け、アップルとランスは再度足跡の追跡を試みてみた。
 しかし、昨晩無理に追ったのがたたったのか。足跡を追跡する事はかなわなかった。
 一行は、近隣の村へと移動することとした。

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 GM : shuu
 mail: shuu@ichinoseki.ac.jp