荷馬車に揺られて一週間、夕暮れの空の下トレット村に到着した一行。ウィルの荷馬車は村の中でも一際大きな家の前で停まった。ウィルは御者台を降りると扉を叩く。少しして、中から初老の婦人が顔を出した。
■ウィル To:婦人 |
ただいまもどりました。えぇ、ちゃんと全部売れましたよ、上々です。 あ、こちらが以前にお話しした冒険者の方々です。 大部屋にご案内するので、村長にそう伝えてください。 |
婦人は頷き、冒険者達に会釈をして扉の奥に引っ込んだ。奥に向かって誰かの名前を呼んでいるようだ。
■ウィル To:ALL |
さぁ、到着です。長旅お疲れさまでした。 さ、奥へどうぞ。 |
■カーガッド To:ウィル |
こちらこそお疲れ様でした。 では、失礼致します。 |
奥の大部屋には10人程が座れるような大きなテーブルがあった。雰囲気的に、村の寄り合い所として使われてるらしいことがわかる。と、杖をついた白髪の老人が部屋に入ってきた冒険者達に会釈した。
■村長 To:ALL |
あぁ...このたびは、遠いところを、ようこそおいでくださいました。 どうにも、儂らの手には、負えんことになってまいましてのう。 あぁ...わたくし、村長のオウルともうします。 依頼のほう、どうかよろしく、お願いいたします。 |
■リールォン To:オウル村長 |
はじめまして、幸運神の神官をしていますリールォンっていいます。 全力を尽くして、依頼を成功させたいと思いますので、ご協力よろしくお願いしますね(ニッコリ)。 |
■カーガッド To:オウル村長 |
はじめまして。 一応今回の纏め役をしておりますカーガッドと申します。 (一礼) 既にウィルさんからもお聞きかもしれませんが、あと三名は近くの村で情報収集してこちらに合流します。 遅くとも明日には、合流すると思いますので、その点はご心配下さいませんよう。 早速ですが、大体の事はオランでウィルさんから伺いましたが、今のゴブリン達の様子はどうでしょうか? |
■オウル To:カーガッド殿 |
あまり...よくないの。狩人達は、毎日のように奴らとまみえておる。 獲物を捕った帰り道に追いかけ回され、逃げ帰ってきた狩人もおる。 |
オウルは考え込むようにため息をついて、それからゆっくりとウィルを見た。
■オウル To:ウィル、ALL |
ウィル、お前さんの予測は正しかったの。今のゴブリンは村の驚異になる。 退治に反対していた者達も、ここ何日かで考えを改めたようじゃ。 お前さん達だけが私財をなげうつことはない。この方々への報酬に関しては、きちんと村から支払うことに決まった。よかったの...。 一昨日、畑の一部が荒らされましての...ゴブリンの仕業かもしれんということじゃが、確証はない...。 ただ、それが本当だとすると、よくないのぅ...村のすぐそばまで来ているということじゃからのぅ...。 |
■カーガッド To:オウル村長 |
なるほど……。深刻な事態ですね……。 出来れば、実際にゴブリン達に遭遇した狩人さん達のお話を伺いたいのですが、宜しいでしょうか? あと、明日でも良いので、その現場も見せて頂きたいのですが。 |
■オウル To:カーガッド殿 |
うむ、襲われた者はラトリートという。夜は家に戻っているはずじゃ。 畑の方は、では明日の朝にでも案内するとしますかの...。 |
■カーガッド To:オウル村長, ALL |
ありがとうございます。 では、ラトリートさんのお宅をお教え頂きたいのですが。 あと、いきなり我々のような冒険者が訊ねてくれば驚かれると思いますので、どなたか、案内をお願いしたいんですが。 ……しかし、そう言った事情でしたら、お話を伺った後、夜間は村の周囲を見張った方が良いかもしれませんね。 皆さんどう思います? |
■リールォン To:カーガッド,ALL |
もちろん、依存はないです。 村人さんたちの不安を取り除くことが、僕たちのするべきコトですから。 それじゃ、二人が見張りについて、一人が休むってローテーションでどうですか? |
■カーガッド To:ティア&リールォン |
そうですね。 メンバーには、最低一人は剣が使える人間を入れれば大丈夫でしょう。 ティアさんもそれで宜しいでしょうか? |
■ティア To:カーガッド&リールォン |
ええ。そうね。 見張りはどのくらいで交代する? |
■カーガッド To:ティア&リールォン |
みんな居れば、二人ずつ三交代位でいけたんでしょうけど……。 二時間ずつで交代すると言うことで如何でしょうか? 最初は私が立ちます。 |
■リールォン To:カーガッド&ティア |
じゃあ、僕は最初と最後に見張りをしますね。 なので、ティアさんは最初と二番目の見張りをお願いします。 |
■ティア to:カーガッド&リールォン |
わかったわ。 何かあったら、すぐに援護にいくからね。 |
■カーガッド To:ティア&リールォン, オウル村長 |
はい。宜しくお願い致します。 それでは、ラトリートさんに話を伺いに行きましょうか。 オウル村長、宜しいでしょうか。 |
■オウル To:カーガッド殿、リールォン殿、ティア殿 |
うむ。外はもう暗いからの、そこにあるカンテラを持って行くがよい。 ラトリートの家は、村の北口から道沿いに半時ほど行った森の入り口にある。 おおそうじゃ、そこの小袋に塩が入っておる。その袋を持っていってはもらえんかの? ラトリートに頼まれておったんじゃ。 |
■カーガッド To:オウル村長 |
分かりました。確かにお届けしますね。 |
カーガッドはそう言いながら村長に言われた小袋を手に取った。
■カーガッド To: ティア&リールォン |
では、行きましょう。 何か詳しい状況が分かると良いですね。 |
■ティア to:カーガッド&リールォン |
そうね。 ウィルさんから聞いたのと、大分状況変わってるみたいだしね。 キャンドルたちが来るまでに情報まとめておきたいわよね。 |
■リールォン To:カーガッド&ティア |
ん〜…… 状況はずいぶん逼迫しているような感じでしたからねー…… 行動が後手後手に回らないように、情報は集めておきたいですもんね。 |
暗い夜道を北へ進む一行。やがて小さな森とその奥に伸びた小径に行き当たった。小径の先には丸太小屋が見える。月の光に照らされているところをみると、小屋の周りは小さくひらけている模様。
小屋の小窓から細い煙が立ち上っている...住人は不在ではなさそうだ。
■カーガッド To:ティア&リールォン |
どうやら、ラトリートさんはご在宅の様ですね。 おそらく大丈夫とは思いますけど、一応森に近いので周囲に注意しながら行きましょうか。 |
■ティア to:カーガッド&リールォン |
まぁ、心配ないと思うけどね(^^;) こんな所までゴブリン来てるようだと、今夜の見張りが忙しくなっちゃいそう(笑) |
■リールォン To:カーガッド&ティア |
そうですね〜。 僕たち3人だけで解決できれば、いいんでしょうケド…… ともあれ、村人さんたちの安全が第一ですから、たくさん、注意するにこしたことないです。 |