SW-PBM #116 ちるどれんず・ぱにっく! うらないやさん |
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■ 【商店街】 |
ヴィタリとユウルはとある店を訪れようと、足を向けていた。
その店は、オランの中心を通る洒落た雰囲気の商店街、その片隅にある。
良く当たるという評判でオランの若い女性から人気があり、
また店主が美人なため、何とか彼女の気を惹こうとするオランの若い男性も足繁く通っているという。
店の名は『占いの店・ルナ』。
店主の名はリューという。艶やかな赤毛が目を引く、ハーフエルフの女性だ。
しかし、それはあくまでも表向きの顔であり、ヴィタリは占いをして貰うつもりでいるわけではない……多分。
そして勿論、店主を口説きに来たハズでもない……きっと。
裏の世界を知る者でなければ分からない、その店の持つもう一つの顔。
それが、シーフギルドが管轄する情報屋としての顔だ。
ヴィタリは、そのもう一つの顔の方に用があるのだ……恐らくは。
え? ユウルは何しに来たかって?
……占いが目的でなければ、ヴィタリの付き添いでしょう。うん。
■女性A To:女性B |
ふふっ、近いうちに素敵な男性が現れるでしょうって。 期待しちゃうなー。 |
■女性B To:女性A |
彼の心をゲットするために、毎朝の……ぶつぶつ。 |
ヴィタリが店の前に立った時、ちょうど店内から女性の二人連れが出てくる。
……なかなか盛況のようだ。
■ユウル To:ヴィタリ |
ここに来るの初めてだけど、噂どおり賑わってるねえ。 |
■ヴィタリ To:ユウル&店主 |
わたしも初めてだよ! さぁ、何を占ってもら・・・・じゃなくて。 すまんが聞きたい事があるんだが。 |
■リュー To:ヴィタリ |
はい、いらっしゃいませ。 貴方は何が知りたいのかしら? 金運? 健康運? それとも、恋愛運かな? どんなことでも占いますよ。お値段は一律20ガメルです。 |
入ってきたヴィタリににこやかに微笑み、テーブルを挟んだ自分の向かいの席に着くよう促す。
■ヴィタリ To:リュー |
えぇとそれでは金運・・・じゃなくてだな。ごほんっ。 聞きたい事と言うのはレブス商会の店長についてだ。 |
■リュー To:ヴィタリ |
レブス商会の店長? ふぅん……貴方、そういうのが趣味なんだ。惜しいわね、せっかくの色男なのに。 ま、いいわ。 貴方とレブス商会の店長との相性を占えばいいのね。 あ、占いの内容を口外したりはしないから安心していいわよ。 |
何か勘違いしてるっポイ。
■ユウル |
…あ、相性…くっ…あはははは! |
ヴィタリの後ろで控えて立っていたユウルは、リューの勘違いに爆笑している。
■ヴィタリ To:リュー |
て、店長との相性ぉおおぉぉ〜っ?! そ、そうじゃなくてだなっ。店長は今出張しているらしいんだが、どこに行っているかを知りたかったんだっっっ。 |
大パニックでつば飛ばす勢いでしゃべる。
■リュー To:ヴィタリ |
あら、占いをしに来たんじゃないの? ……なるほど。それならそうと早く言いなさいよ。 |
すい、と立ち上がって入り口に向かうと、扉に『休憩中』の札を出す。
■ヴィタリ To:リュー |
あぁ、すまない。その方がいいな。 |
■リュー To:ヴィタリ |
これで人は入ってこないから、安心して話せるわよ。で、なんだっけ? ……そうそう、レブスの主人ね。 店にいないのは本当みたいだけど。 ただ、オランから出たっていう話も聞かないわね。 |
■ユウル |
ふうん…?てっきりどっか遠くに行ってるかと思ったのに… |
■リュー To:ユウル |
確かな情報よ。 ブラン・レブスはオランから出ていないはずだわ。 |
■ヴィタリ To:リュー |
どこに行ったのかはわかるか? |
■リュー To:ヴィタリ |
さあ? 私もあんなオヤジを好き好んで調べ回したりはしてないし。 |
職務怠慢。
■ユウル To:リュー |
ね、レブス氏って独身?家はどこかわかる? |
■リュー To:ユウル |
独身のはずよ。 まあ、外に何人女を囲ってるか知らないけど。 家の場所は高級住宅街の方ね。 ただ、そこにも今は帰ってないみたい。 |
■ヴィタリ To:リュー |
うぅむ(困)。わたしたちはレブス氏と共に出かけたMs.イメルダの行方を捜しているのだが・・・。 |
■リュー To:ヴィタリ |
ふーん。 イメルダねぇ……そのレブス商会で働いてる娘の事よね。 ギルドに捜索を頼むと、高く付くわよ。 |
■ユウル To:リュー |
まだ危ないことになってると決まったわけでもないんだけどね。 彼女が店長といることは間違いないんだろうけど。 ん〜と…レブス商会ってどんな感じかな。悪い噂とかは聞かない? 今朝行ってみたんだけど、店長の行方も知らないって言うし、なんかいかつい店員さんに追い返されちゃってさ。 |
■リュー To:ユウル |
店の悪い噂は聞いた事ないわね。 ただ……やっぱり、店長自身が、ちょっと、ね。 |
話すのも嫌そうに言葉を濁す。
■ユウル To:リュー |
ええっと、妙な服を着せて喜んでるとかっていうやつ? イメルダさんもそういう目にあってるらしいけど…やっぱり今回の出張にも、この趣味が絡んでるのかなあ。 レブス商会はちょくちょく店主がいなくなる、なんて噂ある? |
■リュー To:ユウル |
そう、気に入った娘にいろいろな服を着せて喜んでいるらしいわ。 着せ替え趣味、とでも言うのかしらね。 まあ、実際に商用で良く出掛けてはいるらしいわ。どこに行ってるのかまでは知らないけど。 いかつい店員ってのは初耳ね。どんな感じだった? |
■ユウル To:リュー |
副店長のソーマって名乗ってたんだけど、なんか可愛い洋服屋さんの店員っていうより用心棒みたいな感じのごつい人でさ。 主人のことについてはこれ以上聞くなって雰囲気だったから…。 |
■リュー To:ユウル |
ソーマ? 知らないわね……第一、副店長がいるなんて話も聞いた事ないわ。 もっとも、最近新しく作ったポストだったとしたらその限りではないけど。 |
■ユウル To:リュー、ヴィタリ |
そうなの? …なんか怪しいなあ。店長&イメルダさん失踪と関係ありそうだよねえ。 |
すっかり「イメルダ家のお手伝い」ではなく「失踪事件(?)の調査」がメインな気分になっている。
■ヴィタリ To:ユウル |
うむ、そうだな。副店長が怪しいのか、それとも店主もグルなのか・・・。 |
■ユウル To:リュー |
ところで、イメルダさんのお家についてなんだけど…。 昔は老夫婦が住んでて身寄りのない子達を世話してたらしいけど、今は子供たちだけで生活してるんだよね。 老夫婦がどんな人だったか、知らない? |
■リュー To:ユウル |
ギルドが集めるような情報なのかしら、それ。 そのくらいなら、昔から近所に住んでいる人に聞けばすむ話じゃない。 ここで私が答えても、お金の無駄になるだけだと思うけど? |
■ユウル To:リュー |
そっか、なるほど。助言ありがとう。 (すっかり世間話してる気分になってたよ(^^ゞ) |
盗賊ギルドがどういうところかということをやっと思い出したらしい。
■ヴィタリ To:ユウル |
オランから出ていなくて、怪しげな副店長がいる、か。 まぁこれは後でみんなと話し合うと言うしかないかな。 |
■ユウル To:ヴィタリ |
イメルダさん、変なことに巻き込まれてないといいけどね。 これくらいにしてみんなのところに戻ろうか。 |
■リュー To:ヴィタリ&ユウル |
じゃ、情報料をいただきましょうか。 貴方たち色男だから、オマケして200ガメルにしといてあげるわ(^^) |
■ヴィタリ To:独り言 |
貴方達・・・? |
■ユウル To:ヴィタリ |
……よろしく、色男のヴィタリ君。 |
ヴィタリの肩をぽんと叩いて、にっこりと微笑む。
■ヴィタリ To:ユウル |
はははは・・・・・・。 |
口元が引きつっている、ような。
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