学院での聞き込み Scenario #114
とってもおいしぃはなし


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オラン 賢者の学院
 陽気な酒樽亭から歩いてしばし。三本の塔を目指して歩いたランバートは、賢者の学院前についた。
■ランバート To:受付?
 すみません。い<つぼ>お世話になっているランバートですが、学院で研究されている方には好奇心を刺激しそうな、ちょっと珍しい魔法の<壺>を持ってきたのですが・・・?

■受付 To:ランバート
 「壺」でございますか?
 美術品の鑑定依頼でしたら、こちらの方の用紙に記入をお願いしますが……

 と、なにやら申込用紙のような羊皮紙をランバートの前に出した。
■ランバート To:受付
 いえ、美術品ではなく、魔法の壺です。
 具体的に言うと、この中に入っているエールを飲むと、獣に変身してしまう、という謎の壺なんですよ。
 どなたか、そう言った事を研究をされている方はこちらの学院にいませんかね?

■受付 To:ランバート
 ええっ……
 そんな……危険な物なのですか?
 ……どうして、そのような物が貴方の手に……?

 だいぶ警戒し始めています。
■ランバート To:受付
 とある人物から、この壺を調査して貰うように依頼を受けたのです。
 センスマジックで壺と中の液体に魔法の存在が確認されたので、博識高いこの学院に相談にあがったというわけです。
 誰か、獣化魔法に関して専門に研究されている方は、この学院にはおりませんか?

■受付 To:ランバート
 ああ、そのような事でしたでしたら……知識の塔のデュラン師がお詳しいかと思います。
 ただし、鑑定していただくとなりますと、それなりの料金を請求されるかとは思いますが……

■ランバート To:受付
 そうですか。こちらもそれほどお金に余裕があるわけではないので、デュラン師と相談してみます。
 それでは、知識の塔へ向かうとしましょう。
 ありがとうございました。

 そう言って、ランバートは壺を手にデュランの元へ向かった。
■ランバート To:デュラン
 ここが、デュラン師の研究室か。
 ごめんくださいぃ〜。失礼しますぅ〜。デュラン先生はおいでですか?
 私、ランバート=アゲインと言う者ですが、受付でこちらのデュラン先生が獣化魔法を専門に研究されていると紹介されて来たのですが?

■男の声 To:ランバート
 なんじゃー?ドアは空いてるから、勝手にへぇりな。

■ランバート To:デュラン
 それでは、おじゃまします。

 許可を得て扉を開けるランバート。
 そこは、知識の塔……のわりには、だいぶ獣臭い部屋であった。
 いたるところに籠やゲージが置いてあり、中にはいろいろな動物が飼われているようだ。
■ランバート
 ふーむ・・・、置<きぇもの>ではない、<獣>達が沢山いるようですねぇ〜。

■男 To:動物
 チッチッチ………むむ……今日の機嫌は……ん?

■男 To:ランバート
 なんだ?新しい餌でも開発したのか?

 ランバートの手に持つ壺を見ての質問らしい。
■ランバート To:デュラン
 いえ、餌ではありません。
 実はこの壺について相談があってデュラン先生を訪ねてきたのです。
 現在、とある依頼を受けてこの壺の事を調べているのですが、この壺は中の液体を飲んだ人を獣に変えてしまう魔法の壺のようなのです。
 それで、獣化魔法に造詣の深いデュラン先生を訪ねたと言うわけです。

■男 To:ランバート
 我輩がデュラン本人であるが…
 なに?獣に変身する壷だと?
 どこでそんなものを手に入れたのだ?

 ランバートが手にもつ壷をまじまじと見つめる。
■ランバート To:デュラン
 どこで手に入れたのかは、仕事の依頼人に許可を貰わないとお教えする事は出来ません。
 依頼人はこの中の液体を飲んでしまい、猫に変化してしまいました。
 もう一人、犬に変化した者もいます。
 彼らを元に戻す方法を探しています。
 獣化魔法に詳しいデュラン先生ならば何か御存知ではないかと思い訪ねてきました。

■デュラン To:ランバート
 へぇ……猫や犬……つまり、変身する動物は1種類、というわけではねぇって事か?
 ある特定の動物に変化するってぇ事ならば聞いた事もあるが、複数のに変身するってぇのは初耳だぁ……

 ひょい、と膝に乗ってきた猫らしき動物の顎を撫でながらしばし考え込む。
■デュラン To:ランバート
 古代王国の遺産ならば。多分初めて見つかった類じゃろーが。
 ううむ………ちょっと今の事だけでは手がかりがな……

■ランバート To:デュラン
 そうですよね。実は、提案があるのですが。
 今、デュラン先生が言われたように、複数の動物に変身する魔法の壺って言うのは、獣化魔法を専門に調べている先生から見てもかなり珍しい一品だと思います。
 通常なら高いお金を払って詳しく鑑定して貰うのが筋だと思うのですが、あいにく今回の依頼人はあまり金持ちではありません。
 そこで、お互いのメリットを取って次のような方式を取るのはどうでしょうか?

 まず、この壺の持ち主には無許可になりますが、壺をデュラン先生にお預けします。
 獣化魔法としても十二分に研究価値のあるものと思いますので、損はないと思います。研究材料としていろいろ調べて下さって構いません。
 その研究していく過程の中で、もし、魔法解除の方法に繋がるヒントのようなものが解ったら、私に教えていただきたいのです。
 魔法解除以外の獣化魔法に関する知見については、私たちに知らせなくても、先生のこれからの研究に役立てて頂ければそれで構いません。
 いかがでしょうか?


■デュラン To:ランバート
 ……。
 我が輩は自分の力で探すのが好きでね。既にあるものを調べ、それをヒントにして〜とはあまり思わねーのよ。
 さらに、だ。
 学院に所属している者の勤めとして、「魔法に関する誤解」はなるべく広まらねぇように勤めねぇとねぇ……
 話を聞いてるだけなら、その壺はえれーキケンな物のようじゃねぇか。
 そんなの、ほいほい持ち歩かれたら、街にトンでもねぇ被害を与えるってぇ事は明白だなぁ。おい。
 さらに、既に変身した奴らもいて。かつ、解除方法が判ってないと。
 ……そんなキケンな物はなぁ。一度学院に入ったら……もぉ出す事はないと思えや。分かるやろ?
 我が輩が今考えてる事な。親切にも教えてやろうか?
 まずは衛視達に通報。壺は没収。後、壺に絡む関係者の身柄の確保。並びに、壺の出所調査依頼って所かの。
 解毒剤もしくは解除方法模索は、衛視達から依頼されてからじゃな。

 じろり、とランバートを見て。
■デュラン To:ランバート
 そのぐらい、キケンな物だぞ。話を鵜呑みにすればな。

■ランバート To:デュラン
 そうなんですかぁ?
 それは困りましたねぇ。私としては壺や持ち主がどうなろうと構わないのですが、とりあえず依頼内容の「変身を解除」する方法を何とか探したいと考えていますので・・・
 でも、デュラン先生がそれほどまでに危険なモノだと仰るのなら、急いで解除方法を探さないといけませんねぇ・・・
 さて、どうしたものか・・・ふーむ。

■デュラン To:ランバート
 取り敢えず、出所を探すのが一番だろな。
 じゃなきゃ、解毒にしても、なんにしても。作れるもんも作れやしねぇ。

■ランバート To:デュラン
 そのようですね。
 出所の方には別のメンバーが向かっているので、そちらでの進展を期待する事にしましょう。
 ところで推論で構わないのですが、こういう形で人間が獣化してしまった場合、最悪の場合どういった状態になるんでしょうか?
 デュラン先生の知っている事例で構いませんので、後学のために教えて頂けますか?

■デュラン To:ランバート
 ふむ、それが良いかもな。
 獣化したら、とりあえず隔離じゃな。
 もしかして、人に伝染しないとはかぎらんしな。

 そう腕組みしながら答えるデュラン。
 ちょうどその時、扉を叩く者がいた。

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 GM : shuu
 mail: shuu@ichinoseki.ac.jp