患者は毛布の中 | Scenario #114 |
とってもおいしぃはなし |
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陽気な酒樽亭 階段 |
階段を登りきったクーザは、すたすたと廊下を進む。
2度ほど角を曲がった先の、突き当たりの部屋がどうやら目的地のようだ。
つま先で軽くノックをし、中から低い男性の声が聞こえた。
■男 To:クーザ&冒険者 |
今寝むっとるからな。静かに頼む。 |
■クーザ To:冒険者 |
ここです。 |
と、ドアを開けようにも……彼の両手はふさがっていた。
■レジー To:クーザ |
ああ、開けるよ。 |
クーザに変わってドアを開けて中に入る。
■クーザ To:レジー |
ああ、ありがとう。 |
続いてクーザも部屋に入る。
当然のようにイグレッタも入る。
陽気な酒樽亭 個室 |
部屋の中には、少しツンとした印象の少女と、ごつい髭おや…ドワーフの男性が座っていた。
部屋には二人分のベットと、丸い大きめのテーブルにイスが数個。テーブルの上には、エールが入っているらしい壺がおいてあった。
部屋の隅のベットには、毛布にまるまった人物が寝ているようだ。
頭からすっぽりと毛布をかぶっており、小柄な人物が寝ている以外の情報を得るのは、今の状況では無理なようだ。
■クーザ To:ドワーフ |
彼らが依頼に興味を持ってくれた方々だよ。 |
■クーザ To:冒険者 |
こっちの座ってるドワーフがゴズ。そして、あっちの子がリュミ。 で、寝ているのがリュッケなんだけど……そっとしててくれないかな。 |
■ゴズ To:冒険者 |
よく来てくれたな。 まぁ。掛けてくれ。 |
と、テーブルの回りにイスを人数分並べます。
■クーザ To:冒険者 |
それで。依頼についてなんだけど。 受けてもらえるのか・受けてもらえないのかを、今聞かせて欲しいんだ。 症状がちょっと見たことがないから……「症状を見てヤメ」ってのは勘弁して欲しい。……医者の例もあるしね。 受けてもらって。で。いろんな手を尽くした結果ダメだった……場合はそれも運命ってことでリュッケも納得すると思うけど。興味本位で仕事をして欲しくないから……印象悪い言い方でごめんね。 |
■ゴズ To:クーザ |
おいおい。折角きて戴いたのに、そうせっつくな。 まずは、飲むか? |
と、テーブルの上に置いてあった壺を手にもち、コップをすすめる。
■シャイアン To:ゴズ&クーザ&ALL |
あう、かたじけないでござる。 ええと、依頼の件、拙者は受けても良いと思っているでござるよ。 困ったときはお互い様でござる。 しかし、拙者達はこの依頼の規模がわからないでござるよ。 薬を手に入れるのに何千Gも必要になるかもしれないでござる。 もし万が一、手を尽くしてダメだった場合でも、 掛かった経費の分は全額支払って頂くことになるでござるが、 それでも良いのでござるか? |
■リュミ To:シャイアン |
とりあえず2000! それ以上は……装備売って、多少補填できるかぐらいよ。 あ、ここの宿代とかは気にしないで。すでに先に払ってるから。 |
■シャイアン To:リュミ |
さ、左様でござるか・・・えーと・・・ |
皆を見回すシャイアン
■ゴズ To:リュミ |
じゃから。リュミ。どーして、そーマイナスな言い方しかせんのだ? その言い方だと、受けてもらえる仕事もはねられるぞ? |
■リュミ To:冒険者&ゴズ |
ここの宿にいる限りの生活費は、予め払ってる中で出せるはず。 だから、調査中の生活費についても入ってるっていいたいのよ。 |
■ゴズ To:リュミ |
じゃが、それだと「オラン以外に探しにいく場合」はどうなる?と突っ込まれるじゃろうが。 そう先ばった言い方をしてもな…… |
と、爺むさくリュミに話し掛ける。
……
そういうのは。依頼を受ける冒険者の前で話さないほうがいいと思う。
……うん。
■レジー To:ゴズ、リュミ |
まぁ、なんだ。 その辺に生えてる草で治るってのなら、問題ないんだがな。 医者も裸足で逃げ出す病気となると、なかなか骨も折れそうだ。 例えばこれが毒の仕業なら、それに詳しいギルドでの情報収集だっているだろう。 そういう費用も負担してもらえるのかって事だな。 |
■リュミ To:レジー |
私達も手伝うから、なるべくは低予算でお願いしたいんだけどね。 盗賊のギルドが便利なのは知ってるけど。 人探しでもないのに、何でもかんでもギルドにお願いってしたら、お金とギルドへのコネさえあれば、他のスキルはオマケ?ってなりかねないじゃない。 まぁ……でも……毒な場合は、それはそれで盗賊の知恵を借りなきゃならないかもだけど。 ん……なるべく善処はするわ。資金の方はね。 |
■バリィ To:クーザ達 |
碌に金もねぇくせに、依頼を出したのかよ。 しかも、病人がどんな状態かも分からねぇまま依頼を受けろだ?寝言は寝てから言えっての。 どういう病気に罹ってんだよ?見せんのが嫌なら、てめぇらで説明ぐらいしろ。 …それからな、リュッケとか言う奴、もしかしてグラスランナーか? |
■クーザ To:バリィ |
依頼を出したのは、それしか手段を思いつかなかったからね。 それに、お金持ちの出じゃないから。皆の手持ちも少ないし。 いくら同族とはいえ……前の件があるから、依頼を受けるかどうか分からない人物に症状を見せるのはためらうよ。 それはリュッケも納得してるしね。 リュッケはグラスランナーだよ。 どんな症状かっていうと、今のところは外見が通常と代わってしまったぐらいしかわからないんだ。 |
■イグレッタ To:クーザ達 |
病名やどんな薬が必要か、全く解らないの? それと、神殿には連れて行ってみたの? 神官には、病気を治す奇跡を起こせる人もいるのよ。 |
■クーザ To:イグレッタ |
病名もさっぱり。オテアゲ状態さ。 神殿には連れていこうとしたけど。…あんまり、神殿に良い思い出がないんでね…… |
■シャイアン To:クーザ |
その病気、いつ、どんな経緯で発症したかはわからないのでござるか? |
■クーザ To:シャイアン |
できたら、それも依頼を受けてからってして欲しいけど。 それをいったら、また怒られそうだね。 発症はつい最近だよ。 リュッケがもってきたものを食べたら、リュッケだけ……ね。 ボクらも一緒に食べたのに。ボクらはぜんぜん平気なんだ。 |
■シャイアン To:クーザ |
ふむ、リュッケ殿だけでござるか・・・不思議なこともあるでござるな・・・ |
■レジー |
仮に毒物の影響だとしたら、他のメンバーに症状が出ないと言うのはおかしいな。 ありえない・・とは言わないが、こういった類の物についてグラスランナーは一般的に耐性が強いはずなんだが・・。 グラスランナーのみに影響を与えるという可能性もない訳じゃあないが・・。 |
■ゴズ To:レジー |
グラスランナー「のみ」に影響とは。 それはそれで……大変な事になりそうじゃのぉ…… |
■シャイアン To:ゴズ&レジー |
そ、それは困るでござるよ〜!き、きっと別な原因があるでござるよ、うん。 |
■イグレッタ To:ALL |
そんな怪しげな食べ物、何処から持って来たか聞いたの? |
■クーザ To:イグレッタ |
いや、目の前で飲んだからボクらも一緒に飲んだからね…… ……詳しくは聞いてない……かな?あれ? リュッケ、説明したっけ? |
■リュミ To:クーザ |
……。 |
リュミは無言で首を振った。
そんな一行を呆れたように見返して、
■イグレッタ To:ALL |
ちゃんと聞いておきなさい。 食べたと言ってたけど、飲んだっどう言う事? |
■クーザ To:イグレッタ |
いや、リュッケが「とっても美味しそう」って持ってきたから、つい…… 食べたっていったけど。物は飲み物だよ。 誤解させちゃってゴメン。 |
■イグレッタ To:ALL |
いったい、何処で飲んだの? |
■クーザ To:イグレッタ |
ここで。皆と一緒に。 |
■バリィ To:クーザ |
外見が通常とどう違うのかも知りたいね。 医者が逃げ出す状態って、どんなんだ?お前ぇの言い草から察するに、命に別状は無いみてぇだが。 |
そこまで言うとバリィはリュッケに聞こえないように、声を落とした。
■バリィ To:クーザ |
もしかして、その……容姿を著しく損なうとか、そういう病気か? |
■クーザ To:バリィ |
ん…… 見方によったら、そうなる……かな? |
■リュミ To:バリィ |
私は代わらないとおもうけど。 |
■ゴズ To:リュミ |
こら。そう言うもんじゃないだろ。 |
こつん、と軽めの拳骨ひとつ。
■リュミ To:ゴズ |
いたぁーい・・・ 暴力ハンターイ。 |
■ザンセール To:クーザ達、ALL |
まぁ、なんでぇ。要は依頼を受けることを確約すりゃいいってんだろ。 それに乗りかかった船なんだから今更やめ、ってのは後味わりいじゃねぇか。 前のヤツ(医者)が手放したってもんを俺達がどこまでできるかわかんねぇけど、少なくとも出来る限りのことをするってくれえなら確約できるぞ。 |
■ランバート To:ALL |
まあ、所詮私たちは、お医者さんじゃありませんから、病気を直接治す事が出来る訳じゃないですからねぇ。 病状を診てどうこう言える立場じゃないし、依頼の内容は「薬探しを手伝って欲しい」って事でしたから、受けても良いんじゃないでしょうか? あ、そういえば私がリーダーって事でしたね(笑) というわけで、依頼を受ける事に反対の人はいますか? |
■レジー To:ALL |
俺は受けたいね。 今までに見た事がない症状・・とやらに興味がある。 不謹慎だがな。 |
■ザンセール To:ALL、クーザ |
どうもこうもねぇって。俺ぁさっきから受けようって言ってるじゃねぇか。 シャイアンも受けるって言ってんだから、これで過半数で決まりでぇ。 ってわけで、詳しく教えろや。 |
■シャイアンTo:クーザ&ALL |
うむ、拙者も人事ではなくなったでござるよ。 リュッケ殿を何としても救わねばならないでござるっ! では、よろしくお願いするでござるよ。 |
■クーザ To:冒険者 |
……依頼を受けてくれてありがとう。 んじゃぁ……説明するよ。 リュッケが持ってきたの。それはエールが入った壺だったんだ。 |
と、先程ゴズがすすめた壺とは違う壺を見せる。
中にはなみなみとエールが入っていた。
■クーザ To:冒険者 |
中身はエールだよ。それもとびきり上等っていうか……とびきり美味しいエール。こんな美味しいの初めて飲んだね。 で。このエールを飲んでみんなでまったりしてたら……リュッケの様子がちょっとおかしくなってきてね。 ………気付いたら。彼女の身体にとある変化が出てきたんだ。 ボクらも、あんな症状初めて見たからさ。慌てて医者を連れてきたら……その後はさっき話した通り。 |
もぞもぞと、ベットの上のリュッケが動く。
どうやらベットの上で寝ていたわけではないようだ。
■バリィ To:リュッケ |
……………………………………………………………… |
痺れを切らしたバリィは、リュッケが包まっていた毛布を引っ手繰った。
ばさっと毛布を取られたベットの上。
ピンと天上に向かって延びる耳。頬から生える数本の髭。
うねうねと、お尻には柔らかそうな尻尾が動く。
その、ベットの上にいる生き物は、どう見ても「猫っぽい耳と尻尾と髭が生えたグラスランナー」のように見えた。
■猫リュッケ To:バリィ |
にゃー。何するんだにゃー。寒いにゃー! |
ふぅぅー!と威嚇する姿も、やや猫っぽい。
よくよく見れば全体的に丸みを―グラスランナーは元々だろうという意見もあろうが―帯びているようにも見え、さらに手―前足のように使っているが―も、やや毛が生えて丸い印象さえ受ける。
■シャイアン |
・・・・・・ |
同族の。猫っぽい姿を見て。
(かっ、かわいいっっ!!)
と思うもの一名。
■レジー To:ALL |
・・・ねこ? いや・・耳が生えたのか。 こりゃ驚いた。 |
■リュッケ To:レジー |
尻尾もあるにゃ〜♪ |
尻尾ふりふりっ。
■クーザ To:バリィ |
リュッケね。エール飲んだら……猫っぽくなっちゃったんだ。 聞いたことある?こんな病気。 |
威嚇しているリュッケに近づき、リュッケの喉のあたりをくすぐりながら冒険者に問いかける。
■イグレッタ To:ALL |
……病気? |
不審そうだ。
■ランバート To:ALL |
うーん、病気なんですかね? あきらかに医者の専門外のような気もしますが(^^; |
■ゴズ To:ALL |
わしは愛らしいとも思うのだがな。腑抜けな医者は、一目見て逃げおったんじゃ。 |
■ザンセール to:クーザ |
なんでぇ、この奇怪な症状は。 病気というか、霊薬かなんかなんじゃねえのかい? ………って〜か、どうせグラスランナーだったら猫になっても大して変わりはねぇって〜のは、なしかい? |
■クーザ To:ザンセール |
霊薬とかかなぁ……。でも、ボクらはぜんぜん平気なんだよ? |
■クーザ To:シャイアン |
グラスランナーなら猫になっても変わらないって、、、そんなのないよね? |
しばらくリュッケのはしゃぎっぷりを見とれていて、
ハッと気づくシャイアン。
■シャイアン To:クーザ |
あ、いや、えーと、さようでござるな!わははは! |
ちょっと反省したシャイアン
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