SW-PBM Scenario#99 | SW-PBM▲ | |
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銀の網亭から始まる事件簿
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高級商店街 |
屋敷でいろいろと聞き込みをしたクラウディアとエメラルド。
セレーニを保護すべくコハクを通じて合流の算段を決めた後、合流を少しでも早めようと屋敷を出ていた。
冒険者にはあまり似つかわしくない高級商店街を少しオランの中心へ向かって歩いたところで前方に見知った人影を見つける。フィアルラとエルシアのようだ。
■クラウディア To:エルシア&フィアルラ |
おーい!エルシア嬢、フィア嬢!! こっちこっち、ちょうどいいところで会ったよ。 どうやって連絡をつけようか考えていたところだったんだ。 セリーニさんが危ない。 |
■エルシア To:クラウディア |
危ない?それは今すぐ危険かもという話なの? |
■クラウディア To:エルシア&フィアルラ |
例の宝石入りの鞄、なくしたのは彼女なんだよ。 で、ねこばばしたと勘違いされているみたいだ。 商会の主が雇った、冒険者かならずものが今日、セリーニさんを襲うかもしれない。 スパー氏とルリィ嬢が彼女を護衛してこっちに向かっているところさ。 |
■フィアルラ To:クラウディア |
うやや……。 ご主人が人を雇ったって言ってましたけど、まさかそんな理由だったなんて……。 ちょっと……強引ですよ、それ〜。 |
■エルシア To:クラウディア |
彼女の居場所は掴めているの? こちらも、レトアール商会の店主が何人か雇ったというのは解っているわ。 どんな連中か、確認しようと思って戻ってきたんだけど、どうやらその必要は無さそうね。 で、どこにいけばいいの? |
■エメラルド To:エルシア |
こっちへ来るよーに呼んだですけど、待ってるだけじゃマズイですかねー? 多分、パン屋さんから向かってると思うですけど……。 |
■クラウディア To:ALL |
万が一ってことがあるから、早いところ合流したほうがいいんじゃないかね。 たぶん、大通りを通ってくるんじゃないかと思うけれど。 |
■エルシア To:クラウディア |
そうね、しかし大人しい人ほど切れると怖いというけど… 話だけでは、そんな短慮に走るような人には聞こえなかったんだけどね じゃあ、急ぎましょうか? |
などと話していると商店街の向こう…より広場に近い方に3人ほどの人影を発見する……。
かなり遠いので何をしているのかよくわからないが、多分ギャスパー達ではないかと思われた。
■クラウディア To:ALL |
噂をすればなんとやらだね。 とにかく合流しよう、話はそれからだ。 |
■フィアルラ To:ギャスパー、ルリィ |
おーい。 |
フィアルラは広場から高級商店街へとセレーニを伴って歩いて居たギャスパーたちに向かって呼びかける…が、ほぼ同時にギャスパー達は何者かの強襲に会っていた。
セレーニを連れて歩いていたギャスパー達に向かってどこからともなくダガーが空を切り裂き飛んでくる。
それにいち早く反応したギャスパーが割って入り、ダガーはその分厚い鎧にあっさりと弾き返され、カラン…と軽い音を立てて地面に転がった……。
しかし、クラウディア達からは彼らが立ち止まったコト以外様子はわからない。
■ギャスパー |
どこだ!? |
■クラウディア To:遠くの人影 |
お〜い! スパー氏、ルリィ嬢か〜い? |
クラウディアは、そう叫びつつ、駆け寄って行こうとする。
一方ギャスパーは慌てて剣を抜き、ダガーが飛んできた方向からセレーニを庇う位置に構える。
■フィアルラ To:ALL |
ん? なんか様子が変ですね……って、剣構えてる!? 何かあったのかも! |
こちらもダガーを構えて駆け寄る。
無論、周囲の警戒も怠らない。
■ギャスパー To:ルリィ、セレーニ |
とりあえずみんなと合流するぞ! 走れ!! |
■ルリィ To:ギャスパー |
はいっ! |
それぞれに合流に向けて走り出す。
ダガーを投げた人物も路地の裏手の方に身を潜めに走り出した。距離は対して離れてもいないのでセレーニを庇いつつもすぐに合流することが出来た。
どうやら相手は3名ほど路地裏に潜んでいるようだ、こちらの半分しかいないためか飛び出してこず、様子をうかがっている様子だ。
短い沈黙が訪れる。
■クラウディア To:ギャスパー、ルリィ、セレーニ |
間に合ってよかった、怪我はないかね。 |
■ギャスパー To:ディア>セレーニ |
ああ、なんとかな。 っと、セレーニさんも大丈夫かい? |
■セレーニ To:ギャスパー |
はふ…おかげさまで。…いったいなんなの? |
■ルリィ To:セレーニ |
まぁ……ちょっとした行き違いから起こった不幸な事故ですわ…(謎) |
■フィアルラ To:ルリィ |
はぁ、行き違いですか……誤解を解くことは出来ないんでしょうか? |
■ルリィ To:フィアルラ |
……出来なくはない、でしょうけれど… まぁともあれ、話し合いの余地くらいは残されているかもしれませんわね。 ただ、それでも起こってしまった悲劇は永遠にキャンセル出来ない――のでしょうけれども…。 |
■クラウディア To:路地の3人 |
おーい、そちらさん。話し合いの余地はあるかい? |
■??? To:クラウディア&ALL |
…要求は1つ、そこの女を置いていけ |
路地の裏から低い男の声がした。
■ルリィ To:??? |
その要求には、残念ながらお答えすることは出来ないんですよね。 もっと他の平和的解決方法はありませんかしら? 例えば……貴方がたが、現在請け負ってる依頼を取り止めにする、とか。 まだ前金も貰ってないのでしょう? 依頼人に義理立てする必要もないと思いますけれど(にっこり) |
■??? To:ルリィ&ALL |
取り止めれば報酬もない。お前達がそれを代わりに払うというのか?そうだな、3000ガメル置いていけそうしたらこの依頼からは手を引こう。 |
■クラウディア To:パーティの面々 |
やれやれ、ということは、連中の雇い賃は、3000ガメル前後ってことかね。 |
■ギャスパー To:??? |
馬鹿言ってんじゃねぇよ。人が殺されたってんで、もう官憲も動き始めてるんだぜ。前金も払わねぇ依頼主と一緒に、お縄になる覚悟はできてんのかい?悪りぃことは言わねぇから、さっさと手を引くんだな。 ま、オレ達全員を相手にする覚悟があるってんなら、それでもいいけどな。 |
■??? To:ギャスパー&ALL |
人殺し?何のことかはわからないが、別に俺たちはお前達を今ここで相手にする必要もない。お前達はいつまでその女を守るつもりだ?一生守り通すとでもいうのか? それに前金については依頼主と屋敷に行けば手に入るんでな。お前達の方こそ採算が取れないんじゃないのか? さあ、女を置いていけ。 |
■エメラルド To:誘拐犯さん |
その依頼主さんが誰かももうばれちゃってますよー。 この事件にかんけーした人殺しで官憲さんも動いてますしー。 こんな往来で誘拐事件なんか起こしたら屋敷に行った瞬間にあなた達も依頼主さんも逮捕されちゃってお金どころじゃなくなるですよ? 今帰ってくれるなら何も言わないでおくですけど(o'-'o) |
■??? To:エメラルド&ALL |
依頼人がどうなろうと知ったことではないな。しかしいいことを聞いた。さっさと金を貰った方がいいようだな。 ま、お前達はせいぜい女を守っているがいいさ。その女がいくら払ってくれるのかしらないがな。あばよ。 |
相手もこちらの様子をうかがって戦力的にも状況的にもこれ以上の交渉は無意味と察したのだろう、ここから離れるつもりのようだ。
■フィアルラ To:ALL |
あ、逃げられちゃう……やっぱり、後を追ってみた方が良いのかな? |
■ギャスパー To:フィア>エルシア |
頼むわ。エルシアさんも一緒に行ってくれないかな? 俺たちは商会か、銀の網にいるから。 |
■エルシア To:ギャスパー |
解ったわ |
■エメラルド To:ALL |
あの人達……さっさとかねをもらったほうがいいって言ってましたよね。 という事はー……商会のご主人さんのところへいくんじゃないでしょーか? ……なんだかまずーい発言をしちゃった気分ですー。 |
■ルリィ To:エメラルド&ALL |
えぇ……私もエメちゃんと同意見ですわ。 なんだかあの方たち、ちょっと危険な雰囲気ですし。 これでもし、レトアールの御主人に何かありましたら……(汗) |
■ギャスパー To:ALL |
う、言われてみると…。(汗;; シーフの二人に先行してもらって、残りがその後に続くか。 セレーニさんは、と… |
■ルリィ To:ギャスパー&ALL |
一緒に来ていただくと危険かもしれませんから、執事さんと共にレトアール商会へ戻っててもらいます? |
■ギャスパー To:ルリィ、セレーニ |
よし、そうしよう。ルリィさんは執事さんに状況説明とセレーニさんの保護を頼んでから来てくれ。コハク経由でルートを知らせるから。 セレーニさん、ドタバタしてすまねぇけど、ちょっと安全な所で待っててくれや。 |
■ルリィ To:ギャスパー |
解りましたわ、こちらは私にお任せくださいな。 |
■クラウディア To:ルリィ |
なにもないとは思うけれど、万が一なにかあったら、大至急しらせておくれ。 すぐに駆けつけるから。 |
■ルリィ To:クラウディア |
えぇ、その時は頼りにしておりますわ。 ともあれそちらも危険でしょうから、お気をつけて…。 |
■エルシア To:ALL |
話も決まったし、行くわね |
■フィアルラ To:ALL |
じゃ、行って来ます……。 |
全然緊張感のない声を掛けながら、追跡開始。
路地裏 |
路地裏に入るとすでに相手はそこを離れたところだった…とはいえスラムでもない普通の路地裏である、そんなに複雑なわけでもなくあっさりとフィアルラは相手を補足することに成功した。
追跡していくと相手は一軒の家に入っていった。手入れがされては居ないが、そんなに古いものでもない。
そこには一人の中年〜初老といった風体の男がせわしなくうろつき回りながら待っていた。
フィアルラの追っていた3人が家にはいると何かしら口論を始めた、こぼれ聞こえてくる内容からしてどうやら報酬のことでもめているらしい。さらにセレーニに護衛が居るのは契約にないなど話が決裂へと向かうのはあっという間であった。
刺客たちは憤慨した様子で男の手から何かを奪うと家を出て行った。家に取り残された男はがっくりと膝を落とし、床に突っ伏した。
■フィアルラ To:男 |
えっ? ちょ、ちょっと! 大丈夫ですか? |
刺客がいなくなったのを確認するのももどかしく、家の中に飛び込んで声を掛ける。
■男 To:フィアルラ |
だ、誰だね? |
男はびっくりした様子で振り向いた。悲壮感はあるものの、身なりの良さそうな初老の男だった。
■ギャスパー To:男 |
えーっと、レトアール商会の旦那さんかい? 俺たちは、人探し中の冒険者なんだけど…。 |
■男 To:ギャスパー |
…冒険者が何か用でもあるのかね。私のことは放っておいてくれないか。 |
落胆しきった顔で投げやりに問い返す。
■フィアルラ To:男 |
えーと、ですね。お話をする前に、確認させてください。 あなたがレトアールのご主人で間違いありませんか? |
■レトアールの主人 To:フィアルラ |
…その通りだが…そういえば何故それを? |
■フィアルラ To:レトアール |
まず最初に言っておきましょう。 宝石は無事です。私たちが手にして、今は信用できる人に預けてあります。 |
■レトアールの主人 To:フィアルラ |
なんだって?!も、もう一度言ってくれっ!! |
主人はフィアルラの肩に組み付いた。
■フィアルラ To:レトアール |
わ、ちょ、ちょっと……。 |
肩をつかまれた手を離し、一度落ち付かせる。
■フィアルラ To:レトアール |
で、ですね。 こちらもいろいろ調べさせていただいたので、あなたが何を思ってセレーニさんを襲わせたのか、その大体のところも把握してるんですけど……。 セレーニさんは別に泥棒でもなんでもありません。バーニーさんの代わりにお宅に宝石を届けようとしただけの、親切な女性なんです。 ちょっとした間違いが元で、更にそれが誤解を呼んで、こんな大事になっちゃいましたけど。 元はと言えば、誰が悪かったわけでもないんですよ。 |
セレーニがバーニーから袋を届けるよう言付かり、それが途中で取り違えられてしまっただけの事だったのだという事をかいつまんで説明。
■レトアールの主人 To:フィアルラ |
…………。 |
フィアルラの説明を半ば呆然としながら聞いている…、
■フィアルラ To:レトアール |
ですから、誰が悪いわけでもありませんし、ましてや決して事件ではありません。 間違いと誤解が生んだ、単なる事故だったんです。 |
■レトアールの主人 To:フィアルラ |
そ、そんな…ならば……私は……。 おぉ、何ということなんだっ、バーニーっ……うぅ。 |
主人は床に突っ伏して嗚咽を漏らし始めた。
しばし静まり返った室内に、一足遅れで駆けつけたルリィが到着した。
周囲の状況を見遣り、なんともいえない表情で小さく息を吐く。
■ルリィ To:独り言 |
真実は、時に重くて痛いモノ…。 とはいえそれを直視してこそ、開ける道もある、ということなのでしょう…。 |
■フィアルラ To:レトアール |
とにかく、宝石は無事だったわけですし……。 あなたがバーニーさんに何をしたのかは知りませんから、それについて言及するつもりはありません。やましい事があるのでしたら、ご自分でどうされるべきか考えてください。 けれど、誤解だったとはいえセレーニさんに対して行った事、これは許される事ではありません。 あなたは彼女に然るべき謝罪をする義務がある、と思うんですが? 後悔はいつでも出来ます。だから今するべきなのは後悔ではなく、きちんと謝罪と釈明をしてこれ以上傷が広がるのを防ぐ事のはずです。 ……分かってもらえませんか? |
■レトアールの主人 |
ああ、ああ神よ……。 そう、裁かれるべきは私なのだ。焦りの余りに…本当に何も見えていなかったのだ……私は…。 |
■クラウディア To:レトアールの主人 |
あんたがいなくなって、商会は大騒ぎだ。 忠実な執事さんがとっても心配しているよ。 ギャリソンさんは、あんたを捜してあたしたちと一緒に行動されていたんだ。 もちろん、バーニーさんの死も知っている。 けれど、犯人について、あたし達の推論は話してはいない。 ……頭のいい方だから、あたしらが気づいた結論は、もう推測されているかもしれないけれどね。 |
■レトアールの主人 To:ALL |
ギャリソン…そうか、彼ならおそらく…ああ、あんた達はギャリソンを知っているのだな。そうなのだ…ああ。 |
■ギャスパー To:レトアールの主人 |
ま、そんなワケで、とりあえずアンタには屋敷に戻って欲しいんだ。執事さん以下、アンタんとこの人たちは心配しているし、この後のことはともかく、俺たちが預かっているモノがアンタのものかどうかの確認もして貰わねぇとなんねぇしな。 …と、そう言やぁ宝石の方だけど、今からでも期限には間に合うのかい? |
■レトアールの主人 To:ALL |
………そうか。 宝石は…無事なのか…ああ、なんということなのだ…どうして…どうしてこんなことに…。 |
レトアールの主人は涙を流ししていた。それでも先ほどまでの悲壮感というよりはむしろ少しスッキリしたようなそんな顔つきだった。彼は彼なりに心労を抱えていたのかもしれない。
しばらくはじっとしていた主人だったが、いよいよ意を決したようにゆっくりと立ち上がった。その顔には強い意志がうかがえる。
■レトアールの主人 To:ALL |
すまないが……屋敷に一度戻らせてもらえるかな…。少しの間でいい、このあとのことを責任を持ってやり遂げたいのだ。 どうやら君たちにもセレーニという女性にも迷惑をかけてしまったようだが…できればもう少し付き合ってはもらえるかね。 |
■ルリィ To:レトアールの主人 |
えぇ、此処まで関わった以上、最後まで見届けさせていただきますわ。 ですから貴方も…御自分の為すべきことを、どうぞ果たしてくださいませ。 |
■クラウディア To:レトアールの主人 |
責任……ねぇ。 まあ、その取り方は人によって様々だけど、これ以上人が悲しむ取り方だけはごめんだよ。 そのためにも、とことんまでつきあわせてもらうつもりさ。 |
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GM:彩樹
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編集:倉沢真琴
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