ジュナイル邸 食堂 |
一方。
パーティーメンバーがそれぞれ情報を集めに出払った頃。
■ジュナイル To:おおる |
ちょっと野暮用で出かけるきど、よろしく頼むよ。 二人しか残っていなくて、少し心配だきど。 |
■ルリィ To:ジュナイル |
あの、何処へお出掛けになられるんですか? 宜しければ行き先を伺っておきたいのですけど。 |
■ジュナイル To:ルリィ |
まぁ、なんだ、その、商売のことでちょっと。 で、では、くれぐれもよろしく! |
■エメラルド To:ジュナイル |
??(o'-'o) 良く分からないけど行ってらっしゃいです〜。 |
■ルリィ To:ジュナイル |
……?(何故どもっているのでしょう?) はい、あの、ではいってらっしゃいませ。 |
それから数時間。日は落ち、細い月が天空に上るころ。
何事も無い平和な時間は、メイドの悲鳴で破られた。
■メイド |
へ、部屋が!? 誰か、誰か! |
メイドの悲鳴は、どうやら二階のジュナイルの部屋から聞こえてきた。
■ルリィ |
えっ!? |
■クロス@玄関先 |
!(なにか起きた!?) |
ちょうど屋敷に帰ってきたクロスは、悲鳴を聞きつけドアを叩いた。
■クロス@玄関先 |
どうしたーっ!? だれかっ!あけてーっ! |
■ルリィ To:クロス |
その声――クロスさんっ? あ、はいっ、今開けますわ! |
慌てて玄関に向かい、そのドアをがちゃりと開ける。
■クロス To:ルリィ |
ありがと! いま悲鳴が聞こえたみたいだけど? |
■エメラルド To:クロス&ルリィ |
二階で何かあったみたいです。 急いで行きましょー! |
ジュナイル邸 ジュナイルの部屋 |
クロスたちは、急いで階段を上り、悲鳴の上がった部屋へ向かった。
部屋を一目見ると、明らかに何者かに荒らされた跡があった。
乱雑に漁ったようにしか見えず、クロスには目的が何なのかはわからなかった。
クロスの見立てでは、進入経路は窓からと思われたが、窓枠にロープ等がかけられていた形跡は見当たらない。
■ルリィ To:メイドさん |
大丈夫でしたか? |
■メイド To:ルリィ |
え、ええ。 私が部屋を開けたときには、既にこの有様でした……。 |
■クロス To:ルリィ、メイドさん |
このタイミングだ。きっと紫猫か、関係者に違いないだろうね。 花は温室だし、ここで一体何を探したんだろう… |
■エメラルド To:冥途 |
ふむむむ……。 あっ、お花はだいじょーぶでしょーか?? |
陽動の可能性に気づき、言うが早いか黒耀逢香のところへダッシュするエメラルド。
■クロス To:ルリィ、メイドさん |
あっ、そうか! 僕らも行こう! おばちゃん、後でもうちょっと調べたいから、この部屋は、そのまま手をつけないで置いててくださいね。 僕らは温室を見に行ってきます! |
■ルリィ To:クロス |
そうですわね、参りましょう! |
ジュナイル邸 温室の奥の部屋 |
エメラルドが温室の黒耀逢香のところへ駆けつけると、花は無事に変わらずそこにあった。
やせ細り弱々しくなった月明かりを受け、少し蕾が大きくなっている。
■エメラルド To:花 |
ほっ、良かったぁ。 お花さん無事だったですね(^-^ |
と、にこにこしながら花を見上げる。
念のため、怪しい様子が無いかと周囲を見回すエメラルド。
その時、ふと自分の背後で何かが動いた気配を感じた。
■エメラルド To:??? |
ふぇ!? だ、だれですかっ!? |
ビクっとして背後を振り返る。
しかし、人の姿は見当たらない。
■クロス To:エメラルド |
どうした? |
■エメラルド To:クロス |
あ……あれ? あら? ありゃりゃ??(´・ω・`) 今、誰か居たよーな気がしたですけど……おっかしいなぁ。 |
ちょっと首を傾げつつ、周囲をきょろきょろ。
すると、窓の一つが薄く開いている事に気付いた。
■エメラルド To:クロス |
あっ……くろすさん、あそこ! |
クロスを引っ張って、開いた二階窓の傍へ向かった。
■クロス To:エメラルド |
! 開いてるね… |
■エメラルド To:クロス |
はい。 でも、もう何処にも誰も居ないみたいです〜。 お花も無事みたいですし、もどりましょーかー? |
■クロス To:エメラルド |
まって…これは… |
クロスは窓枠に少しだけ付いていた黒い何かを指でつまみ取った。
■クロス To:エメラルド |
獣の毛だ。猫…だな、これは。 |
■ルリィ To:クロス |
どなたかの使い魔さん……でしょうか? |
■エメラルド To:ルリィ&クロス |
ねこさんの毛ですかぁ?? あっ!! もしかして紫猫さんって本当にねこさんだったりして!! |
びしっと指を立てて大発見でもしたかのように得意顔。
■ルリィ To:エメラルド |
あらあら。でしたら此処にあるのは黒い毛ですから、紫猫じゃなくて黒猫さんと改名していただかなければなりませんわね(笑)。 |
■エメラルド To:ルリィ |
あれ? 黒い毛?? ……あ、ほんとだぁ(o'-'o) |
■クロス To:ルリィ、エメラルド |
そっか…古代語魔法使いの可能性も有るのかも… エメラルド、前にフィアが逃げる人影を見てるじゃん(^^; でも猫にも気をつけなきゃだろうね。 |
窓をそのままにもしておけないので、きちんと締めて鍵をかける。
■エメラルド To:クロス |
そういえばそうでしたぁ。 ねこさんじゃなかったんですね〜。 ちょっと残念かもぉ…… |
ちょっとだけしょんぼりし。
猫は字が書けないから、予告状は出せないよ。
■クロス To:ルリィ、エメラルド |
念のため、その辺の戸締まりをもう一度確認してから、戻ろうか。 |
■ルリィ To:クロス、エメラルド |
そうですわね。そろそろ他の方々も戻っている頃かもしれませんし。 |
■エメラルド To:クロス&ルリィ |
はーい! |
■フィアルラ |
ただいまー。 ……ん? なにか騒がしいですね。何かあった……かな? |
しかし、実はフィアルラは気がついていなかった。これ以上に騒がしい男が後方から猛スピードで迫っていることに。
■パオル To:all |
たっだいまーっ!!(^-^ ゴハンはできました〜? |
と、パオルが土煙を上げながら勢いよく走り込み、帰宅。
無論、彼の頭の中は(いつも通りに)食事のみなので、フィアルラの存在には気づかず、そのまま……。
■フィアルラ |
うきゃ〜っ!! |
案の定、しっかり吹き飛ばされてます。
それでもシーフなのか……。
■レンシオ To:パオル、フィア |
相も変わらず飯の時は元気がいいなぁ………。
………って、そこでなにしてるの? |
■フィアルラ |
ううう、パオルさんのばかぁ……(T-T) |
■パオル To:フィア |
帰宅して早々、出会い頭に「ばか」て…ひどっ!( ̄□ ̄;)!!
一体、ボクが何をしたというのか…。(しくしく |
前方不注意、業務上過失傷害。
■ルリィ To:帰宅組 |
皆様お帰りなさいませ。 実は先程…またどなたかが侵入したみたいでして……。 |
■フィアルラ To:ルリィ |
え〜っ、またですかあ? ひょっとしてまた猫さん、ですか……。 |
■パオル To:ALL |
猫が入った程度で、何をそんなに落ち込んでるですか〜。( ̄ー ̄
ま、まさか! |
■エメラルド To:パオル |
ねこはねこでも紫猫さんですよ! お部屋の一つが荒らされちゃったです。 後、お花の部屋に黒いねこさんが入ってたみたいで毛が落ちてたです。 あ、でもご飯はぶじだったですよ(^-^ |
■クロス To:ALL |
で、これが、その毛。 |
クロスはポケットから、折りたたまれた羊皮紙を取り出した。
広げるとその中には、獣の毛と思われるものが幾筋か見える。
■クロス To:ルリィ、ALL |
窓枠にこすれて抜け落ちたんだと思う。窓の空き加減からみて、たぶん猫で間違いないよ。 さっきルリィが言ってたように、古代語魔術の使い魔かもしれない。 |
■ルリィ To:クロス、ALL |
紫猫さん自身が魔術師なのか、それとも仲間の1人がそうなのか…… もしくはまったく別口のお客さんだったのかどうかは分かりませんけれども。 なんにせよ猫にも注意した方が良さそうですわ。 |
■レンシオ To:ALL |
ふむ、なるほど………もし魔術師本人だったとしたらポリモルフか、シェイプチェンジの線も考えられるなぁ。 ポリモルフだったら洒落にならんけどな(^^; |
■クロス To:フィアルラ |
フィア、ジュナイルさんの部屋、現場保存してあるから後でちょっと見てみてよ。 |
■フィアルラ To:クロス |
あ、はぁい。 |
しかし、フィアルラが見ても、やはりめぼしい発見は無かった。