SW-PBM Scenario #82 | 目次 |
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依頼人の事務所 |
後日。仕事の終了を報告するために、冒険者達はコンネルと会っていた。エアヘッドは、初めて会った時と同じように壷が気になってしかたがない。
■コンネル To:ALL |
で、いかがでしたかな?首尾良く幽霊は退治できましたかな? |
■ユウル To:コンネル |
はい。あの御屋敷にいた幽霊は、エマさん…例の貴族の未亡人さんだったんですが、心残りを解消して無事に昇天されました。ですが、人を傷つけたのは幽霊ではありませんでした。 殺人犯と思われる侵入者が現れたんですが…すいません、そいつは逃がしてしまいました。 |
■シャルル To:コンネル |
つまり、幽霊騒ぎと例の殺人事件は別件だったみたいなんです。 ちょうど旅をしていた殺人犯があの屋敷で泊まっていたらしいのですよ。 これがその犯人が書いていた日記ですね。銀の綱で解読してもらったんです。 でも追っ払ったので安心してください(^^) |
■レヴィック To:コンネル |
まぁ、買い手がついて人が住むって話が広まればよってこないでしょ。 ああそうそう、屋敷からコレ(金貨)が出てきたんだけどコレについてはエマ婦人の旦那様がエマ婦人に残したもので、そのエマ婦人から「マーファ神殿に寄付」って言われてるからそうするわよ? いくら物件を所有してるからってコレまで所有するツモリはないわよねぇ?そんなコトしたらまた幽霊騒ぎ間違いナシね。 屋敷の買い手がどういう人かわからないけど、その辺はわかってもらわないとねぇ? |
コンネルはシャルルが差し出したノートとレヴィックが出した金貨を眺めた。
■コンネル To:ALL |
なるほど、そうでしたか。まま、化け物はもう出ないし死人も出ないならばこちらとしては何も言うことはありませんよ。ご苦労様でした。こちらは残りの 2000 ガメルです。ご確認下さい。 |
犯人を逃がしたことについては、コンネルは気にしていないようだ。とりあえずでも脅威が去ったならば、後のことは彼のビジネスには関係ないことだから。コンネルは皮袋に入れた 2000 ガメルをユウルに渡した。
■ユウル To:コンネル |
はい、確かに。 |
■コンネル To:ALL |
しかし、さすが冒険者の方ですなぁ。たった 1 日で化け物を退治してしまうとは。餅は餅屋と言いますか。 |
エアヘッドは、“餅”という単語にぴくりと耳を動かす。
■フィオン To:コンネル |
ほほほ。これからも私達をよろしく♪ |
■シャルル To:コンネル |
これもマーファ様のお導きですよ♪ あっ、そうだ。 興味本位なんですけど、お化け屋敷でもこの屋敷を買ってもいい、って言っていた方はどんな人なんです? |
実はギルドで調べて知っているけど、尋ねてみるシャルル。
■コンネル To:シャルル |
まま、さる貴族のご隠居様とだけ申しておきましょう。それ以上はご勘弁を。 |
■ユウル To:コンネル |
多少の騒動を起こすお化けくらいなら平気って言われてましたよね? もしかしたら(ブラウニーのせいで)色々あるかもしれませんけど…あのお屋敷を大事に使ってくださる方なら嬉しいですね。 |
■シャノン To:おおる |
あの薔薇の庭園も、綺麗にしてくださると良いですね。 |
■コンネル To:ユウル |
おや、それはどういう事ですかな?退治した化け物と殺人犯の他にもまだ化け物が残っているという事ですか?それは聞いてませんなぁ。 |
眉をひそめて渋い顔のコンネル。
■フィオン To:コンネル |
(ユウルったら(^^;) な、何もないですよ。家を守る精霊さんがいるらしんですが、これはどんな家にもいるものなんです。 悪さはしませんよ(にっこり)。 |
フィオンだってよくは知らないが、コンネルを安心させる為にきっぱりと言いきった。
■レヴィック To:コンネル |
(退治ねぇ…。) …アナタもこんな商売していれば長年使ってきた屋敷が精霊の祝福を得ることがあるってコトくらい知ってるでショ。 彼らは前の持ち主をよほど気に入っていたようなの。でも前の持ち主は間違いなく天に召されたし、彼らが新しい持ち主を拒む理由もないわ。屋敷をいきなり取り壊すとか、乱暴に扱うツモリならいざ知らずそれなりの値段なんショ?新しい持ち主もそんなコトするとも思えないしね。 だったら、全然問題じゃないわ。じゃない? |
エマ婦人をいつまでも「化け物」呼ばわりするコンネルにいらだちを隠しきれないレヴィック。しかめっ面で答える。
■コンネル To:レヴィック |
しかしですねぇ、買い取った方がどうされるかまでは聞いておりませんからねぇ…… 家の精霊の話は聞きますが、見た事は無いですし…… |
そのまま売ってしまうのは不安らしい。問題があるかもしれないということは彼の信用にもかかわるのだ。
■レヴィック To:コンネル |
どうしても気になるっていうなら新しい持ち主にアタシが交渉してきてもイイわよ。なんだったらホントに何もないか一緒に屋敷に行って見てもいいわけだし、その警護くらいタダでしてあげるわよ。 |
■コンネル To:レヴィック |
なるほど。アルドー家のご子息にそうしていただけるならありがたいですな。是非お願いいたします。つきましては明日の午後あたりはいかがでしょうか。私がご一緒してご案内させていただきますよ。 |
一転してコンネルは嬉しそうだ。
■レヴィック To:コンネル |
時間はそれでいいケド…別にアルドー家だからやるんじゃないわ。 相手方にもあくまで「冒険者」が行くと伝えて頂戴。 |
■シャルル To:レヴィック |
なぁるほど、これがアフターケアってやつですね。流石レヴィックさん(^^) |
■レヴィック To:シャルル |
あら、シャルルも付き合ってくれるの?悪いわねぇ(にやり) |
■シャルル To:レヴィック |
はぃ?(^^; |
一蓮托生。
ではそういうことで、とコンネルは満足気に言った。冒険者は依頼人の事務所を出ることになった。
結局、“餅”どころか、何も食べ物が見当たらず、「むー」としているエアヘッド。彼女の頭の中には、「この中の誰かが食べたに違いない」という疑念がどす黒く渦巻いていた。
■レヴィック To:ALL |
じゃぁ、報告はこれでヨシとして、銀の網亭で仕事終了の宴会とかどぉ? |
■シャルル To:ALL |
僕はファリス神殿とマーファ神殿を回ろうかと思います。 事件の報告と、金貨を収めに。宴会はそのあとでよいですか?(^^) |
ファリス神殿 |
次の目的地はファリス神殿。ことの次第を報告に行くのだ。やってきたのはレヴィック、フィオンを除く 4 人。
「ロゾニィ屋敷殺人事件対策本部」はまだあった。そして、変な司祭もまだいた。部屋に入るや否や、エアヘッドは人差し指を「にゅにゅ」っと突き出して笑った。
■シンプソン To:エアヘッド |
他人を指差すものではないぞ。 |
シャノンは司祭に対して手早く結果を報告した。
■シャノン To:シンプソン司祭 |
……ということです。 報告が遅くなりまして、すみません。 |
■シンプソン To:ALL |
なるほど。何かあったらしいとは昨夜の見張り番から聞いていたが、そんなことがあったのか。 |
■シャルル To:シンプソン |
ええ、そうなんですよ。大変でした。 ところでバートさんのお加減は? |
バートの状態は快方に向かっているらしい。
■シャルル To:シンプソン |
それは良かった♪報告もしたいので面会してよろしいですか? |
■シンプソン To:シャルル |
どうぞ。同じ部屋にいるから会ってきたまえ。 |
ユウルはそれにはついて行かず、対策本部に残った。エアヘッドも残っている。
■ユウル To:シンプソン |
結局、殺人犯のほうは取り逃がしてしまったのが残念です。もしこちらで犯人について情報を得て捕り物するようなことがあったらぜひ協力させてください。 |
■シンプソン To:ユウル |
オランの秩序を守るのは、このファリス神殿の責務でもある。その敵がさらなる悪事を企んでいるのなら、必ず我々が見つけ出そう。そうすればシャノン殿の耳にも入るだろう。 市民の協力も拒まんよ。 |
バートは目を覚ましていた。部屋のベッドにこしかけて虚空を見つめている。
■シャノン To:バート |
申し訳ありませんでした。 事件は解決できましたが、仇を討って差し上げることは出来ませんでした。 |
バートはゆっくりとこちらを向いた。
■バート To:シャノン |
ああ、キミか…… 解決したんだ。よかった。じゃあ、もう 2 度とあんなことは起こらないんだよね? |
■シャノン To:バート |
はい、大丈夫です。 |
シャノンの背後から顔を覗かせて、シャルルが請合う。
■シャルル To:バート |
(ひょこ)こんにちわ♪お身体は大丈夫ですか? もうあの屋敷ではあんなことは起きませんよ(にこっ) |
■バート To:シャルル、シャノン |
そうかぁ、よかった。ホントによかった。ありがとう。きっとロブも喜ぶよ……。 |
バートは泣き笑いの顔で礼の言葉を繰り返しながら、2 人の手を押し戴いて感謝した。
マーファ神殿 |
次の目的地はマーファ神殿。エマの霊の遺言通り、見つかった金貨を寄付として収めに来たのだ。金貨は全部で 1 万ガメルほどにもなった。
■シャルル To:奥ほうに向かって |
ただいまです〜。シャルルが帰ってきましたよ〜〜〜♪ |
その声に応えて出てきたマーファ神殿に勤めるシャルルの母親だった。18 の時にシャルルを産んだ彼女はまだ若く、目を見張るほど美しい。
■シャディ To:シャルル |
あっ、おかえりなさい。シャルル。 |
■シャルル To:シャディ |
あ、おかーさん(^^) 今回の仕事でね、迷える魂をマーファ様のお膝元に送ってあげたんですよ。 それでね、その人……エマさんがこれをって。 恵まれない子供たちに使って欲しいんだって♪ |
金貨の入った袋を渡した。
■シャディ To:シャルル |
そう、とても良いことをしたのね。よくやったわね、シャルル。それじゃ早速スラムでの奉仕に充てさせてもらいましょう。 |
彼女は喜んでそれを受け取った。
■シャディ To:シャルル |
あっそうだ、シャルル。その方のためにちゃんとお祈りはしたの?これから一緒に祭壇でお祈りしましょう。 |
■シャルル To:シャディ |
うん♪ |
その後、マーファ神殿では似たような後姿が一心に祈る姿が見られたという。
シーフギルド |
さらに、シャルルはフィオンと合流し、シーフギルドに出かけた。
屋敷に罠が仕掛けてあったことを考えると、逃がした犯人はシーフの訓練を積んでいるようだ。エルフ語で記録するところを見ると、おそらくエルフだろう。ひょっとしたらここに顔を出しているかもしれない。もし出していないとしたら、犯人確保のためにギルドの力が借りられるかもしれない。
相変わらずカウンターで爪を研ぎながら、ミスティは短く答えた。
■ミスティ To:シャルル |
知らないね、そんなエルフは。 |
そして続ける。
■ミスティ To:シャルル |
ま、そいつが黙ってオランで仕事しようとしたら嫌でも知るようになるだろうし。今は何ともしようがないね。 |
■シャルル To:ミスティさん |
毒や暗黒魔法も使ってましたからね。まっとうな道を歩いてない人だと思います。 |
■フィオン To:シャルル、ミスティ |
(まっとうな道・・・私達は歩いてるのかしら(^^;?) ちなみに毒は”ダーク・ブレイド”ね。シャルルも覚えなくちゃ。 |
お姉さんぶってみたりして。
■シャルル To:フィオン、ミスティさん |
はい、勉強しておきます(^^; 何か情報が入ったら教えて下さい。 あっ、もちろんその時はお礼させていただく所存でございます♪ |
■ミスティ To:シャルル |
わかったよ。ヤバそうな奴に会っても勝てるように、シャルルもせいぜい腕を磨いとくんだね。 |
■シャルル To:ミスティ |
ん〜、荒事は苦手なんですけどね。 頑張ってミスティさんに頼りにされる男になりますよ(^^) |
どうだか、という風にミスティは肩をすくめた。
■フィオン To:シャルル |
とりあえず、私の服を引っ張るのはやめようね(笑)。 |
フィオンは屋敷でのシャルルの怯えぶりを思い出し、くすくすと笑った。
■シャルル To:フィオン |
ええと……あれは……(真っ赤) うぅ、今後に期待して下さい。 |
■ミスティ To:フィオン |
フィオン、あんたもだろ?ちょっとは婆サマに付いて稽古しときなよ。 |
■フィオン To:ミスティ |
あちゃ、言われた。 はーい、2階から飛び降りたぐらいで怪我してちゃ駄目よね。 |
■ミスティ To:フィオン |
…… |
はえ抜きシーフ一家のフィオンがそこまでヒドイとは思っていなかったようだ。おもわず絶句するミスティ。
■フィオン |
(う、呆れられている) 私はソーサラーが本業だから、いーんだもーん。 |
ミスティが怖くて大きな声では言えない。
■ミスティ To:シャルル、フィオン |
ま、まぁ 2 人ともがんばんなよ。じゃあね。 |
フィオンとシャルルは銀の網亭へ戻った。
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