SW-PBM Scenario #82 | 目次 |
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ロゾニィ屋敷 2階 |
エアヘッドは、そそくさと 2 階のバルコニーに陣取った。こころなしか元気になってきたようだ。
■シャルル To:エアヘッド |
ええと……寒そうなんですけど、大丈夫ですか?(汗) |
森の方へ目を凝らしているエアヘッドは、微動だにしない。雨が彼女の顔に打ち付ける。
■シャルル To:エアヘッド |
……が、頑張って下さい(><) |
無言にいたたまれずにシャルルは逃げ出した。その瞳には涙が光っていたとかいなかったとか?フィオンは一人で 2 階の廊下に留まった。杖を手に、いつでも古代語魔法のライトを唱えられるように準備しつつ真っ暗な中で待機している。鼻の先も分らない暗闇の中で、雨が廊下の両端の窓を叩く音だけが時折聞こえる。時折ヒュウウと鳴るのは風の音だろうか?
■シャルル To:フィオン |
廊下にお独りで大丈夫ですか?よかったら僕も一緒にいましょうか?(見上げるような目線で) |
やはりフィオンの袖を握り締めているシャルル君。
■フィオン To:シャルル |
私は大丈夫だけど。そういうシャルルの方が怖いんじゃないの(笑)? |
言いながら、シャルルの手を裾から外そうとする。
■シャルル To:フィオン |
あぅ・・・・・・・フィオンさんのいぢめっこ〜 (((><) |
ここでもシャルルは逃げ出した。その瞳には涙が光っていたとかいなかったとか。
■シャルル To:フィオン |
(少し離れた所で)ど、どうせ僕は幽霊が怖いですよ〜〜〜だっ(><) |
同じく怖がりだったはずのユウルは、外見は落ち着いてみえる。リーダーとしての責任感からか?
レヴィックとユウルは、2 階に上がり一番大きな部屋に陣取った。ユウルはランタンに火を入れ、シャッターを閉じて明かりが外に漏れないようにして準備をした。こちらも部屋の中はほぼ暗闇である。シャノンとシャルルは同じ部屋の中で交代に備えて仮眠を取ることにした。
■ユウル To:ALL |
それじゃ、準備が整ったら見張り開始だね。シャルルとシャノンは、後に備えてゆっくり休んでて。 |
■シャルル To:ALL、シャノン |
(ちょと涙目)はい、では仮眠をとりましょうか。おやすみなさいです……(ぺこり) |
シャルルは何気にシャノンの真横で寝ようとした。一人寝は寂しいの?
■レヴィック To:シャルル |
寝言で大声出さないようにね(笑) |
シャルルを何だと思っているのだか。
■シャルル To:レヴィック |
あぅ〜、こんな状況では眠れませんよぅ・・・(ぶんぶん) |
しかしこの後シャルルは一瞬で夢の中へ。これも自己防衛機能の一つなのだろうか?
風はだんだんと強くなり、窓枠をガタガタと揺らすまでになった。目を覚ましている 4 人は、暗闇の中でどのくらい待っただろうか。
■ユウル |
こんな天気でも来るかな…いや、雨風の音にまぎれて忍び込みやすいか。 いったい何をしに来るんだろう。 |
■レヴィック To:ユウル |
さあねぇ…でもまともな用事とは思えないけれどね。 |
ロゾニィ屋敷 2階 バルコニー |
しばらくは静かにそのまま時間が経過した。既に日付が変わった深夜。
森の暗闇から溶け出すように 2 つの影が歩き出してきた。バルコニーで風雨に耐えているエアヘッドはすぐそれに気がついた。
エアヘッドがつぶやいた。
■エアヘッド |
来タヨ。 |
2 つの影は、庭の中央の四阿までやって来て、止まった。
エアヘッドの瞳が、獲物を見つけた猫の目のようにきゅーっと絞られていく。
現れた影のうち片方はその場に留まった。やや小さなもう片方は、そのまままっすぐバルコニーへと向かってくる。エアヘッドの目にはその相手の姿がはっきりと確認できた。
■エアヘッド |
一匹来ル。褐色ノ肌、妖精。見ラレテル。 |
■レヴィック To:ユウル>エアヘッド |
?……今の声ユウルちゃん…じゃないわよね(^^;もしかして…(バルコニーを指差して)…? どうしたの?誰か来てるの? |
■ユウル To:レヴィック |
今のはエアちゃん?何かあったのかな… |
エアヘッドは返事をせずに、戦斧の柄に手をかけた。バルコニーの方へ近づいて外を見る。レヴィックの目には、真っ暗な中を飛んでくる羽を持った小柄な影と、その向こうに四阿に留まる者の体温が感じられた。
■レヴィック To:ユウル |
…どうやらご来賓登場って感じ。それも飛んでるのも居て”見られてる”ってことは…もしかしなくてもバレてるかも。 ユウルちゃん、フィオンちゃんに声かけてくれる?あと、シャルル達も起こした方がいいわね。 |
以前、視線は外を警戒している。ユウルにはなにも見えないが、レヴィックの声から伝わる緊張感に表情を固くしてうなずいた。
■ユウル To:レヴィック |
了解。3人は私が起こして回るよ。 すぐに駆けつけるから! |
ユウルはまず廊下に出て、突き当りで見張っているフィオンに声をかけた。
■ユウル To:フィオン |
裏庭から何か飛んできてる!こっちのことも見えてて気づかれてるらしいの! |
■フィオン To:ユウル |
ええっ?見えてるの? ならこっちも灯りつける? |
フィオンは立ち上がると杖をぎゅっと握り締め、ユウルの後に続く。
ユウルは続いて部屋の中で眠る二人を揺り起こしにかかる。
■ユウル To:シャルル・シャノン |
二人とも起きて!裏庭から侵入者がきてるよ! |
■シャルル To:ユウル、シャノン |
はふぅ……おはようございます、ユウルさん。今日もマーファ様のお恵みがありますように…… って、侵入者? ……(状況把握中)…… はわわ、ここは幽霊屋敷でした〜〜(><) 起きて下さい、シャノンさん!侵入者ですってよ〜〜〜(ゆさゆさ) |
■シャノン To:シャルル |
あ、はい…………眠い……。 朝は強いんですが……。 |
フルフル頭を振っている。
■ユウル To:シャルル・シャノン |
侵入者は裏のバルコニーから!飛んできてて、こっちの事も見えてるっぽいよ。私はバルコニーに向かうから、援護よろしく! |
ユウルは二人に声をかけると、JJを抜いてバルコニーへ応戦に出た。
■シャルル |
飛んできた? |
■シャノン To:おおる |
それでは、私は表の見張りの方に注意に行ってまいります。 大丈夫だとは思いますが、この隙に別のところからということもあるかもしれませんから。 |
■シャルル To:シャノン |
あ、はい(こくこく) |
ユウルは愛剣 JJ を抜いてバルコニーに飛び出した。レヴィックは窓の影から姿を現して、飛んでくるインプを銀の矢で撃った。レヴィックの目は暗闇でも敵の体温を感じることができるのだ。放った矢は過たずインプの体を貫いて、かなりの重症を与えた。
■フィオン To:エアヘッド、レヴィック |
こう暗くちゃ何も見えないわね(^^; (と、この2人は見えているんだっけ) ね、敵はどこに何匹いるの?人間? |
フィオンはバルコニーに出ると、身をかがめ、エアヘッドとレヴィックの背中に声をかけた。シャルルはフィオンの背後に隠れ同様の質問をする。エアヘッドは、手にした斧を空に突き出す。
■レヴィック To:フィオン |
真正面にインプがいるわ。それから四阿に2…人?だと思うわ。 |
■エアヘッド To:レヴィック |
1人ダ。マント、着テル。 |
■シャルル To:レヴィック、ALL |
(エアヘッドさんが喋った?!) 暗黒神を崇拝する者がインプを使役するとも聞いた事があります。 ……戦いは望みませんが避けられそうにないですね、よしっ(何かを決心している) |
傷を負ったインプはバルコニーの手すりのすぐ外側まで飛んできた。射貫かれた痛みに怒りを表しているようだ。空中の敵に対しては、エアヘッドの斧も働き場がない。
四阿に留まった何者かは、マントを翻して出てきた森へ向かって走り出した。
■レヴィック To:ALL |
やばいわね、逃げるみたい。 |
■シャルル To:レヴィック、ALL |
事情を聞かないとっ! |
レヴィックは走り出そうとするシャルルの気配を感じて、ライトの魔法を唱えた。シャルルの頭に魔法の明かりが灯った。周囲が明るく照らし出される。
■レヴィック To:シャルル |
…プレゼント。気をつけていってらっしゃいな♪ |
■シャルル To:レヴィック |
あ、頭?! |
■フィオン To:ALL |
四阿に人って言ったよね? 逃げられたら困るわよね。 私、追いかけるねっ! |
と言い終わらないうちにフィオンはバルコニーから飛び降りた。魔法使いにしては意外と身軽に受け身を取った。多少怪我をしたようだが、大したことはないようだ。そのまま四阿にいた影を追って森のほうへ走り出す。
■シャルル To:ユウル、ALL |
これ返します。 僕も下にいる人を追いかけますね!(たたたっ) えいっ(ひょい) |
シャルルはシャッターを開けたランタンをユウルに返した。そのままバルコニーから身軽に飛び下りる。きれいにトンボを切って起きあがり、フィオンの後を追って走り出す。
インプは目の前にいるエアヘッドに暗黒魔法ウーンズを放った。エアヘッドの体は、魔法によって切り裂かれ、血が吹き出す。
■エアヘッド |
……。 |
エアヘッドはバルコニーから飛び下りた。受け身を取れずにそのまま体を打ちつけたが、すぐに起きあがって走り出した。
その頃、玄関前ではシャノンが門番に急を知らせていた。
ユウルは受け取ったランタンを掲げて叫んだ。「そこ、止まりなさい!」
しかし、四阿の影は止まらなかった。既にその姿は森の中に消えて見えない。バルコニーの目の前にいたインプも、四阿の影とは違う方向に逃げようとしている。
■レヴィック To:ユウル |
……止まれって言って止まったらそれはそれですごいんだけど(苦笑) ともかく、二手に分かれちゃったわね…。 って、ユウルちゃん?!どこいくの? |
ユウルは、ランタンを持ったままバルコニーから飛び下りた。打ち所が悪く、ランタンは砕けてその場に油が飛び散りそれに火がついた。地面の上でしばらく燃えていそうだ。ユウル自身も強く体を打ち、怪我を負った。
■レヴィック To:ユウル |
ああ(^^; そんな無茶して……大丈夫?! |
しかし、歯を食いしばって立ちあがり四阿へと向かった。
フィオンは目の端でインプの動きを捉えた。その場にとどまってようすを伺っている。
シャノンは玄関から外を回ってそのまま庭にやってこようとしている。手には門番から借りたたいまつを持っている。
■シャルル |
四阿に居たって人は?!(きょろきょろ) うぅ、わかんないです〜〜〜。しょうがない! |
シャルルは頭を光らせながら、インプの動きを予測して森へと突入した。
インプも森へと飛び込んだ。シャルルとは少し離れたところだ。
フィオンは、シャノンの松明でインプの位置を確認し、その後を追って森へと飛び込んだ。
一人庭の真ん中に留まったエアヘッドは、改めて自分の体についた傷を眺めている。そして、指をつっこんだ。まるで以前ロブの遺体にしたように。
ロゾニィ屋敷周辺 森 |
逃げたインプを追って森に突入したシャルルとフィオン。インプは、鬱蒼とした森の中をしばらくの間は飛んで逃げていた。しかし、レヴィックに射抜かれた傷が痛むらしい。やがて森の中の巨木の梢に降りて体を休めた。
フィオンとシャルルはインプのすぐ後を追って巨木に辿りついた。
■シャルル To:フィオン |
大きな樹……あっ、フィオンさん!フィオンさんもインプを追ってここに? |
頭を光らせながらシャルルが尋ねる。
■フィオン To:シャルル |
(うわ、明るい・・・) うん、この樹の上で休んでるみたいなんだけど・・・ |
シャルルとフィオンはインプが消えた梢を下から眺めている。この木の枝のどこかにインプが降りたことは確かだが、下からでは鬱蒼と茂った枝や葉が邪魔をしてどこにいるかよくわからない。
■シャルル To:フィオン |
う〜、どこにいるかわかりませんね・・・。登ってみます? |
言いつつ既に登り始めようとしているシャルル。
■フィオン To:シャルル |
うーん・・・私は登らないよ(笑)? さっきちょっと擦りむいちゃったしね。 インプを追うのって難しいねぇ・・・。私に使い魔でもいたら良かったんだけど(^^; |
■シャルル To:フィオン、インプ |
大丈夫ですか?(よじよじ) こら、インプ!そこで何をしているのですか!というかあの屋敷に何の用があるのですか?! |
登りながら叫んだのが災いしたのか、シャルルは手を滑らせて 6m の高さから落下した。しかし、落ちながら体を捻って、上手く足から着地することができた。しかし、6m の間にインプはいなかった。そして、問いかけにも答えはない。
■フィオン To:シャルル |
大丈夫? って、大丈夫そうだけど(^^;流石ね〜身軽で羨ましい。 で、インプはどうだった?見えたかしら?? |
■シャルル To:フィオン |
全然みえ・・・・・ひゃう(><)がばっ |
また雷鳴がとどろいた。それを追ってすぐ稲妻が閃く。この雷は森の中まで響いてきた。雷は近い。
■シャルル To:フィオン |
は〜ぅ〜(><)ぎゅうぅ |
……ってあれ、シャルル君、何抱き着いているのさ?
■フィオン To:シャルル |
キャアアッ! な、何抱きついてんのよっ! |
どかっ!。フィオンのエルボーが炸裂。
■フィオン To:シャルル |
さ、・・・戻ろっか。 雷を気にしながら追跡なんて出来ないでしょ(^^; |
■シャルル To:フィオン、インプ |
そうですね……。 (上を向いて)人に危害を加える人はいつかしっぺ返しを食らいますからね! 貴方もしっかりと心に刻み込んでおいた方がいいですよ!! |
エルボーを食らっても元気で、インプにまだ説教をしたそうなシャルルを促し屋敷へ戻る。
ロゾニィ屋敷周辺 庭 |
敵の消えた庭には静けさが戻っていた。心なしか雨が強くなってきた。いや、気のせいではないようだ。夜半から強くなってきた風がさらに力を増し、雨が叩きつけるように降ってきた。不意に空が鳴ったかと思うと、やや間を開けて稲妻が走った。
嵐になりそうだ。
■ユウル |
(手をかざして空を見上げて)うっわ…これは追跡するのは無理かな…手がかりがあったとしても吹き飛ばされてるなあ〜…身体もこれじゃ、屋敷に戻るべきかな。 |
体の痛みに耐えつつ、四阿の人がいたらしきあたりを探ってみる。特に何も落ちてない。
ユウルの捜索が終わった頃、エアヘッドがやってきた。流れ出る血をそのままに、眠そうにしている。
■シャノン To:おおる |
お二人とも、大丈夫ですか! |
雨のおかげで汚れる裾を気にしつつ、ようやく玄関を回ってシャノンが現れた。
ユウルとエアヘッドの怪我に気づくと、治癒の呪文を唱えた。
■シャノン To:おおる |
どうやら逃げられてしまったみたいですね。 |
■ユウル To:ALL |
直してくれてありがと。だいぶ楽になったよ。この雨と風じゃ痕跡を探すのは無理っぽいね。 インプを追っていった二人が気になるけど…大丈夫かな。 |
また雷鳴がとどろいた。それを追ってすぐ稲妻が閃く。地面が震える。雷は近いようだ。
■シャノン |
きゃぁっ! |
突然の雷に、思わず後ろからユウルにしがみつく。
■ユウル To:シャノン |
っと!かなり近いみたいだね。 大丈夫、人に落ちるなんてことはめったにないよ。 |
シャノンの方を振り返りながら、手をそっと握る。
■シャノン To:おおる |
それでは、一度屋敷へ戻ってみます。 レヴィックの様子も気になりますし。 |
■ユウル To:エアヘッド、シャノン |
私はもう少しここにいることにするよ。追っていった二人も気になるし、侵入者が戻ってくるかもしれないしね。<br>あ、それと降りるときランタン壊しちゃったんで、灯りをもってきてくれると嬉しいな。 |
■シャノン To:ユウル |
それでしたら、このたいまつをどうぞ。 しかし、危険ではありませんか? 嵐も酷くなっていくようですし、一度屋敷に戻った方が良いと思いますよ。 フィオンたちにも声をかけましょう。 |
エアヘッドは、シャノンについていくことにした。
シャノン達が森へ目を向けると、ちょうど森の方から灯りが近づいてくるのが見えた。上下左右にこきざみに動くそれは、やがてシャルルの頭であることがわかる。
■フィオン To:シャノン、ユウル、エアヘッド |
ごめーん。インプ取り逃がしちゃった。 |
シャルルの後ろから姿を現し、両手を合わせてゴメンのポーズ。
■ユウル To:フィオン・シャルル |
ううん、無事で何よりだよ。 この天気だし、こっちも庭にいた人影の方は見失っちゃった。とりあえず屋敷に戻ろうか。 |
外に出た全員が合流したその時、再び雷鳴が走った。すさまじい音と光で、一瞬視界と聴覚が奪われる。地面が震える。
■シャノン |
きゃっ! は、はやく屋敷に戻りましょう。 |
どうやら森の中の、今までフィオンとシャルルがいたあたりに雷が落ちたようだ。
■フィオン To:シャルル |
おー、こわっ。 あの巨木に落ちたかな? インプ、逃げ遅れて黒焦げになってるといいねぇ。 |
フィオン、ユウル、シャノン、シャルル、エアヘッドの 5 人は屋敷へと戻ることにした。
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