SW-PBM Scenario #82 | 目次 |
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銀の網亭 個室 |
喧騒が続く酒場「幸せの木」を後に、個室に引き上げた一行。きちんと掃除された室内には、人数分の椅子と円いテーブルだけがある。
■おやじ To:ALL |
んじゃ、後はいつものように好きに使ってくれ。俺は酒場にいるからな。何かあったら呼んでくれよ。 |
■シャノン To:おやじさん |
すみません、後ほど取りに伺いますので、簡単な料理とお飲み物をお願いいたします。 |
■レヴィック To:オヤジ |
アタシもワインと適当につまめるもの欲しいかも。食べるものは人数分お願いね。 |
おやじ退場。
個室の扉を閉めると、さすがに酒場の熱気と喧騒が少し遠ざかった。
エアヘッドは、扉から見て部屋の一番奥にある、窓を背にした椅子に陣取った。
<!−− 人はそれを上座といふ。−−>
■レヴィック To:ALL |
…と、食事の方はこれでよしとして。仕事は…何かいいのはありそうかしら? |
■ユウル To:ALL |
ん〜っとね、さっき依頼書張ってあるところ見て、内容ひかえてきたよ。…楽しそうなのとか怖そうなのとか、いろいろだね〜。 |
■シャルル To:ALL |
……怖そうなの、ですか?(びくびく) |
ユウルはテーブルに羊皮紙を取り出した。羊皮紙には、張り出されてある依頼の内容が箇条書きになっている。心なしか「お化け退治」の文字にだけ力がない。
エアヘッドは、みんなが覗き込んでいる羊皮紙にそれほど興味が沸かないようだ。むしろ、テーブルに誰かが残した傷を興味深そうに、なぞったり、目を細めたりしながら見ている。
■レヴィック |
(……何してるのかしら(^^;) |
■フィオン To:ユウル |
ねぇ、なんでこれだけ、”へなへな”してるの? |
「お化け退治」を指差して言う。
逆に目立ってしまったようだ。
■ユウル To:フィオン |
…え?(ドキッ)い、いやほら、私って怖がりだから〜(アセアセ) 「絶対お化けでます」ってところに赴く依頼なのか〜って思ったらつい手が…(^^ゞ |
■フィオン To:ユウル |
・・・この依頼で怖がりを克服するってのは(にまっ)? |
■レヴィック To:フィオン、ユウル |
(フィオンちゃんってば(^^;) でも、これからこういう仕事をしていくのにソレだと困ることもあるかもね。幸いそういうのは全然大丈夫そうなフィオンちゃんやシャノンちゃんもいる事だし?何事もチャレンジあるのみかもねぇ。 |
■フィオン To:レヴィック |
(ぴくっ) 全然大丈夫そう・・・とか言われると、なんか複雑なんだけど。 |
事実そのとおりなのだが、断言されるのは不服な乙女心。
■レヴィック |
……(ぷふ(笑))。 |
■ユウル To:レヴィック&ALL |
う〜ん、確かに絶対避けて通れるもんじゃないし、克服しといた方がいいのかもだけど…いやでもそう簡単には…(悩) で、でも、私の都合だけで依頼選ぶわけにもいかないし。みんなの意見も聞いてみないとね〜。結成したてのパーティでリーダーも決まってないんだし。 |
ユウルは救いを求めるような視線でシャノンやシャルル、エアヘッドに意見を求めている。
エアヘッドは、机の傷にご執心の様子。
■シャルル To:レヴィック、ALL |
お化け退治……?だ、だ、だってお化けなんですよっ?! きしゃーっ、ですよ?(おろおろ) |
シャルルも救いを求めるような視線を皆に投げかけている。
■シャノン To:おおる |
シャルルさん、こここそ、私たちの常日頃の修行の成果を発揮するときですね。 迷える魂を、ファリス様のもとへ導くことは、私たちの大切な仕事ですから。 がんばりましょう。(にっこり) |
悪意まったくなし。
■シャルル To:シャノン |
はいぃ?・・・そう言われるとそうなんですけど・・・ |
■レヴィック To:シャルル、シャノン、ALL |
そうそう、オトコのコなんだから女の子を守ってあげないとねぇ?(にやり) |
こっちはもちろんわざと。
■シャルル To:レヴィック、ALL |
……(ひーん) |
■シャノン To:おおる |
それに、そのアンデットが生者を襲っているとなると、ほうっておくわけには参りません。 それにしても、確か、この屋敷の事件については、先日神殿の方でも対応をしていたような気がするのですが。 後ほど確認に行ってまいりますね。 |
誰かアンデッドだって言ったか?でもファリス神殿が関わっているのは本当。 シャノンは昨日も神殿でお祈りをしてきたばかりだ。
■レヴィック To:シャノン |
そうね…さすがに人が死んだともなるとお化け屋敷だなんてうかれてる場合じゃないしね。 |
■ユウル |
…う〜ん、う〜ん、お化け関係のプロが2人もいるわけだし、克服しないと先々困るだろうし、せっかくJJも持ってるんだし… |
『JJ』とは、彼女が携えている銀のバスタードソード。大事な相棒だ。
シャノンとシャルルに「大丈夫かなあ」という視線を送りつつ、まだ決心がつかないようすのユウル。
シャルルは首を横に振って必死に「大丈夫じゃない」サインを送っている。ちょっと涙目。
■レヴィック To:ユウル |
…人間どっかで覚悟を決めなくちゃいけないものよ(笑) |
■フィオン To:エアヘッド |
エアちゃんは? なんかやりたい依頼ある? |
■シャルル To:エアヘッド |
あります?(うるうる) |
ちょっとドキドキしながら聞くシャルル。あると言って。お願い。ユウルも期待と不安が入り混じった視線でエアヘッドを見つめている。レヴィックは何気なく視線を外している。
突然話を振られたエアヘッドは、みんなの視線が集中していることに気が付くと「にへら〜」と微笑み返した。それからおもむろに、ナイフを取り出すと、メモの「お化け退治」の部分に突き立てた。
■シャルル To:エアヘッド |
ひゃうっ?!(びくびくっ) |
■フィオン To:エアヘッド |
あ、駄目だってば。 ・・・あーあ、机にまた新たな傷が・・・。 |
■レヴィック To:ユウル&ALL |
でもこれで踏ん切りがついたんじゃない? |
■ユウル To:レヴィック、シャルル&ALL |
うん、そだねえ(苦笑)みんな賛成みたいだし…シャルルも、覚悟決めた? |
■レヴィック To:シャルル |
もちろん大丈夫よねぇ?(ニヤリ)。 |
■シャルル To:ユウル、レヴィック、ALL |
あうあう…!(こくこく) |
必死に頷く。どうやらエアヘッドの突然の行動に脅えているようだ。
部屋の扉をコツコツと叩く者がいた。ノックに続いてすぐに部屋の扉が開いた。おかみだ。
■おかみ To:ユウル |
はいっ、とりあえずワインとカップとおつまみだけ持ってきたわよ。料理は運びきれなかったの。まだ下にあるから、あ、リーダー、手伝って頂戴。 |
前回(#82)と同じく、やはりユウルがリーダーだと誤認しているらしいおかみ。ワインは赤でおつまみはチーズとクラッカーだ。
■ユウル To:おかみ |
はいはい手伝います…ってちょっと待って(^^ゞ前の時も言い忘れたけど、私はいつもリーダーって決まってるわけじゃ… |
■フィオン |
(リーダーだけ手伝えば平気ね。んじゃ、座ってよ) |
前々回(#76)もユウルがリーダーだったため、当然今回もリーダーはユウルだと思っているフィオン。しかも手伝う気配はない。
エアヘッドの視界にワインが入るや否や、まるで獲物を見つけた野良猫のように俊敏な動作で、彼女はコップにワインを注ぎ、その香りを堪能しては、「ふぉふぁふぇ〜」とうっとりしている。
■フィオン To:エアヘッド |
あら、エアちゃん素早い動き。 私にも頂戴(笑)。 飲むのはユウルが戻ってくるまで、お預けよ。 |
フィオンに諭されてエアヘッドは、危うく口をつけようとしていたカップをあわてて遠ざけた。それから、何事もなかったかのように、他の仲間のカップを並べて、ワインを注ごうとしている。
■レヴィック To:ユウル |
あら、ユウルちゃんだけに運ばせるのも悪いわよね。アタシも行くわ。 |
レヴィックもすでにユウルがリーダーだと決めてかかっている。
■ユウル To:レヴィック、ALL |
レヴィックまで(^^ゞリーダーなんて、それこそみんなの意見を聞かないと〜 と、とにかく料理運んでくるから。ついでに依頼についてももうちょっと聞いてくるよ〜。 (なんだか前回と展開が似てるな。いや、今回はすでに決定事項っぽいような…) |
お化け退治の依頼を受けるパーティのリーダー…先行きの不安さにこっそりため息をつきつつ、ユウルはおかみさんを追って階下へ。
■シャノン To:レヴィック、ユウル |
あ、私も参ります。 大丈夫ですよユウル。 貴女になら、そして私たちになら、きっと出来ますよ。 がんばりましょうね。 |
■ユウル To:シャノン |
ありがと。うん、がんばろうね〜(ちょっと頼りないけど、笑顔で) |
■シャルル To:ユウル、ALL |
(ぶんぶん) あ、僕もお手伝いします♪ …って初めからユウルさんがリーダーかと思ってましたよ?(笑) |
■ユウル To:シャルル |
シャルル君…(はあ〜)…なんでもない。下いこっか。 |
頭を大きく振って「エアヘッド、ナイフ突き立て事件」から立ち直ったシャルルは、3 人の後に続く。
■フィオン To:エアヘッド |
ん・・・?残るの私達だけ? ・・・・・・・・・。 (でもまぁ、この子1人だけここに残すのもなんだし) 待ってますか。 うう、早く飲みたい・・・。 |
部屋に残ったエアヘッドは、ワインの給仕中。フィオンのカップに注いでは、自分のカップを飲み干して注ぎ、レヴィックのカップに注いでは、自分のカップを飲み干して注ぎ、ユウルのカップに注いでは……
■フィオン To:エアヘッド |
あ、あーーーーっ! まだお預けだって言ったでしょう?! 何聞いてんのよ、このエア・ヘッド!!! <!−−エア・ヘッド=うすら馬鹿 とお読み下さい−−> |
私も下に行くべきだった…… と後悔するフィオンなのであった。
銀の網亭 酒場 |
あれほどいた冒険者達もあらかたパーティを組んで個室に引き上げたか、酒場「幸せの木」の毎度の騒ぎもそろそろ沈静化に向かっている。みんなそれぞれの個室で親睦を深めていることだろう。
おやじは、静かになったカウンターでコップを磨いている。壁の依頼書はまだ全部残っている。
ユウルはやや思い足取りで依頼書が貼ってある壁の前に行き、一回深くため息。そして決心したようにうなづくと「お化け退治」の依頼書をはがした。
■ユウル To:おやじ |
おやじさん、ご苦労様〜。おかみさんにいわれて、料理運びにきたよ。 それとこの依頼、受けたいんだけど… |
依頼書をおやじに見せるユウル。笑顔にいつもの元気がないのは気のせいではない。
■おやじ To:ユウル |
なんだなんだ。珍しく歯切れが悪いな(笑) |
おやじは笑いながらコショウの効いたポテトサラダ、チキンとキノコのグラタン、スペアリブのグリル、パンなどをカウンターに並べていく。
■シャノン To:おやじさん |
このお化け屋敷、神殿でも話には聞いていたのですが、司祭様より別段害はないから放っておくようにと言われていたのですが。 やはり、もっと強く退治を申し出るべきだったのでしょうか。 |
■レヴィック To:シャノン、おやじ |
何か…人が死んだとかって聞いたけど……ホントなの? |
■おやじ To:ユウル、シャノン、レヴィック |
おう、ホントだ。今までは若い者が肝試しに使う位のなんてことない話だったんだが、先日死人が出てなぁ。それで屋敷の持ち主が冒険者に解決を依頼したいって言って来たんだよ。 |
この屋敷はオラン市街から近いこともあって、一種の観光名所と化していた。夜な夜な若者達が集まり屋敷を探検。そのうちの何人かは実際に怪奇現象に遭遇したこともあるらしい。このパーティのメンバーは誰も行ったことがなかった。唯一、彼女と一緒に行った友達の話をシャルルが聞いたことがあるくらいだ。
■シャノン To:レヴィック |
先日神殿に参った際、なにやら奥の方が騒がしかったのですが、どうやらこのお化け屋敷に関わることらしいのです。 そのときに、詳しく聞いておけばよかったですね。 |
■レヴィック To:シャノン、おやじ |
神殿でも話が出てたのね。 まぁ、どっちにしても引き受けるなら詳しい話と屋敷の見取り図とか欲しいところなんだけどその辺ってどうなのかしら? |
■シャルル To:おやじさん |
(ぴょこ)直接、コンネルさんを伺えばいいのですかね? |
シャノンの後ろから、両手に料理を持ってご質問。
■おやじ To:レヴィック、シャルル |
そうだ。仕事を受ける奴が現れたら事務所へよこしてくれと言っていた。詳しい話や見取り図はそんときにコンネルさんからもらえるだろう。 |
■ユウル To:おやじ |
なるほど。それじゃ、これ食べたらコンネルさんのところへいってみるよ。 被害にあった人の話も聞いてみたいし、まずは情報集めかな。どうもありがと。これ、もってくね〜。 |
両手に料理を持って 2 階の個室へ戻る。少しは笑顔に元気(とやる気)が戻ったようだ。
■シャルル To:ユウル |
あ、待ってくださ〜い(ひょいひょい) |
シャルルはユウルの後ろをひょいひょいついて行く。両手に料理があるのに思いのほかスイスイ歩いているのは、シーフ技能の訓練のおかげかな?
銀の網亭 個室再び |
手に手に料理を持って、酒場から 4 人が個室に戻ってきた。テーブルの上のワインのボトルは既に半分無い。
■ユウル To:ALL |
お待たせ〜って、すでに飲みはじめてる?(笑)料理運んできたよ。 あとさっきの「お化け退治」の依頼についてもちらっとおやじさんに話聞いてきたから、食べながら次どうするか決めよっか。 |
■シャルル To:ALL |
こっちも料理で〜す♪(とんとん) |
■フィオン To:ALL |
ごめん、これしか死守出来なかった・・・。エアちゃんが・・・。 |
皆のグラスにはワインが1cmづつ注がれている・・・と言うか、飲み残されている?
■シャルル To:フィオン、エアちゃん |
え、え、エアヘッドさんが…?(どきどき) |
ワイン消失事件の犯人であるエアヘッドは、椅子の背もたれをまたぐようにすわって、窓の外に広がる空をぼけーっと見ている。
■レヴィック To:フィオン&エアヘッド |
あらら、思ったより待たせちゃったのかしらね(笑) |
■フィオン |
(あなた達が出て行った”直後”の出来事よ・・・。) |
■レヴィック To:ユウル&ALL |
ところで、これからだけどどうしようかしらね。依頼人の人の所にももちろん話を聞きに行かなくちゃだけれど、シャノンちゃんの話だと神殿でもこの件について話が出てたらしいし。 |
■ユウル To:レヴィック、ALL |
ふむ〜。依頼人の方に行くメンバーと、神殿に話を聞きに行くメンバーと分ける?それとも全員で依頼人のとこ行ってから、情報集めに散らばるか。 どっちがいいかな? |
■フィオン To:ユウル |
後者で。 全員、依頼人には顔ぐらい見せといた方がいいんじゃない? |
■シャルル To:ALL |
同じく後者で。 後の行動のし易さもあるでしょうし、最初に概要をつかんでおきましょうよ。 ちなみに、マーファ神殿ではあまり積極的な対応はしていなかったはずです。 |
■シャノン To:おおる |
そうですか。 それでは、まず依頼人に会ってからにいたしますか。 |
■レヴィック To:ALL |
…神殿の方で依頼主…というかまぁ屋敷の持ち主にね、何か問い合わせてるならその内容を知ってからでもいいかとも思ったんだけど……。とりあえず依頼を受けることにしたんだし、契約とかちゃんとしてからの方がいいかしらね。じゃぁ、行きましょうか。 |
■ユウル To:エアヘッド、ALL |
依頼主さんに会ってからのほうがおおっぴらに聞き込みも出来るかな。うん、食べ終わったら直行ってことで。 エアヘッドも、それでよいかな? |
ちょうど彼女の手が料理に伸びているタイミングだった。不意をつかれたエアヘッドは、ビクリとしたものの、ユウルの顔を覗き込んで満面の笑みを浮かべた。
■ユウル To:エアヘッド |
OKなんだね♪(つられてにっこり)エアヘッドの笑顔って安心するな〜頼れる感じっていうか(笑 |
■フィオン To:ユウル |
(そうかな。私は不安にさせられるけど) |
フィオンはそんなユウルの評価に異議あり、らしい。
■レヴィック To:エアヘッド、ユウル、ALL |
問題ないみたいね(^^; 依頼人の家は多分ここからそうはないし完全に暗くなる前には着くんじゃないかしら。 |
依頼人の名はコンネル。レヴィックはなぜか依頼人のコンネルの事務所を知っている。
■ユウル To:レヴィック、ALL |
割と近いんだね。それじゃ食べてからでも十分かな。 それじゃ、がんばろう…って、一つ確認したいんだけど、このパーティのリーダーってやっぱり私なのかな(笑 |
フィオンはポンッとユウルの肩を叩いてにっこり微笑んだ。
<!−−エアヘッドを意識してみました(笑)−−>
■シャルル To:ユウル |
決定……ですね♪(にっこり) |
シャルルもフィオンの真似をしてユウルの肩を叩く。もちろんまったく悪意はない。
こうして受ける仕事もリーダーもつつがなく(?)決定。さぁ、次は依頼人に会いに行こう!
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