おやじが依頼人を後ろに連れて個室に入って来た。手には勿論、パオルの追加注文もある（笑）
料理を置き、依頼人と二、三言葉を交わすとおやじはすぐに部屋を出ていった。
依頼の斡旋はしても、詳細には立ち入らない。それがルールである。

依頼人は、『恰幅の良い紳士』という言葉が良く似合いそうな人物である。
……いや、ひょっとしたら、どちらかというと、『横幅の良い紳士』と表現した方がよりぴったりするかもしれない。
とにかく、まあそんな人物だった。

軽く会釈しながら、レンシオが切り出す。

まったく（をひ）

ガチャッっと扉が開き、パオルが部屋の中に入ってくる。
どうやらトイレで用を足して（インスピレーションを使って）来たようだ。
そして部屋の中に居る見知らぬ人（依頼人）を見て、

そそくさと扉を閉めて、部屋を出て行こうとする。
くす、パオルくんってば慌てん坊さんなんだから（ぉ）

適当に言い繕ってみる。
バーモントはあまり気にしていないようだ。

と言いつつも、バーモントの横幅と戸口の幅が気になってか、ついつい交互に目が行ってしまうパオル。
これ、もし気付かれてたらきっと依頼キャンセルだったな……（笑）

食事と寝床が別途支給ということを考えれば、パオルの報酬は実質1日当たり200ガメルを越えるかもしれない……(^^;)

そう思ってるなら教えてやれよぅ。

こら。話の内容がズレてるぞ。

と泣きつつも、しっかり皿に残った料理を口に運んでいる。さすがだ……。
それにおごり分は全額の1/4じゃん。大して変わらないんだから、男の子ならその位でぶーぶー言わないの。