SW-PBM #077
大事な届け物

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■ 
【スカイウィンド邸/応接間】
ここはオランの高級住宅街の一角を占めるスカイウィンド家の屋敷である。
依頼人の元を訪れた彼らだが、ここまで簡単に来れた訳ではない。
、もちろん途中で衛視や屋敷の警備兵に呼び止められ、厳しいチェックを受けるはずだった・・・本来は。
だがキャンドルが紹介状を見せると、簡単なボディチェックだけで、
すんなりと(一見すると怪しい)彼らを通してくれたのである。
まぁ女性にとってはその簡単なボディチェックですら、決して快いものではなかっただろう・・・。
■キャンドル To:(心の中)
(あの警備兵、べたべたと、いつか仕返ししてやるわ。)
(とりあえず、依頼人に会うまでの我慢我慢…(−−#)

そして屋敷を訪れた彼らは執事の案内で、応接間へと通された。
執事の話では直に主人、オルリック氏が来るとの事だ。
依頼人が来るまでにこの部屋を見回してみると。
なるほど、確かに立派なものである。どの調度品も随分と金が掛かってそうだ。
例えば今座ってるソファーを一つ見ても、これに使われている生地もクッションもなかなかの物のようである。
貴族の名に恥じない立派な応接間と言えるだろう。
■クラウディア To:ALL
ひや〜,豪華な部屋だね〜(@@)
聞くと見るとでは迫力が違うよ。

この刺繍,この彫刻!どれもたいしたもんだ。
たしかに金だけはありそうだね〜。

■キャンドル To:ALL
やっぱり、良い物は、何時見ても、良いわね。

■リシィア To:ALL
見るからに高価そうですよね……この壷一つを買うのに、
私達だったらどのくらい働く必要が有るのでしょうね(^^;

■キャンドル To:リシィア
今の私等じゃあ、いくら働いても、生活費と相殺で、ここまでの額は、貯められない、って感じかしらね(苦笑)

■アルフレッド To:ALL
何か有ったら恐いんで、あんまり触らないで下さいよ。(´▽`;)

暫く後、いきなり扉が開き、杖をついた初老の男が部屋に入ってきた。
尋ねるまでもなく、この人物が屋敷の主人オルリック氏であろう。
彼の髪の毛の大半は白く染まり、顔色の方もあまり良くないに見受けられる。
詳しく観察するまでもないが、かなり足腰が弱ってるらしい。

そしてこの御人は一行の顔ぶれを一通り見渡すと

■オルリック To:ALL
ふむ、君達が護衛を引き受けてくれる冒険者かね?
女ばかりとは思わなんだが、護衛が男ばかりではエミリアも可哀相じゃしな。
まぁ良かろう。

■キャンドル To:オルリック氏
ありがとうございます。
私くキャンドルと申します。

女性の方が多いので、一目して追い返されるんじゃないかと、内心、心配しておりましたの。
お話の分かる方で、よろしかったですわ。(微笑)
(当然、追い返されるかも、何て心配は、今、思いついた(笑))

■リシィア To:オルリック
お初にお目にかかります。
リシィア・グレイシードと申します。

■アルフレッド To:オルリック
はじめまして、アルフレッドと申します。
このパーティのリーダーを任されております。

■フィリス To:オルリックさん
初めまして、フィリスと申します。
依頼内容は旅の護衛と伺いしましたが、そのエミリアさんと
いう方を護衛すればよろしいのですか?
目的地と護衛期間はどのようなものでしょうか。

老人は自分がオルリックだと挨拶してから、椅子に腰をかけた。
■オルリック To:ALL
あぁ、ワシはオルリックじゃ。

そうじゃな・・・。娘を必ず期間内にチェイスのある人物の元へ届けてもらいたい
それで君達の依頼は終わりじゃよ。期間は17日後の夕刻までなので、よくよく注意して頂きたい。


ロドーリル王国の王都チェイスと言えば、オランから街道を徒歩で向かって約一月半はかかる北方の国である。
とてもじゃないが馬でも使わない限り、期間内にチェイスに向かう事は不可能だろう。
■フィリス To:オルリックさん
でも、チェイスまでは徒歩で一月以上かかるはずです。
17日後までに、というのはあまりに短すぎると思うのですが?

■オルリック To:ALL
心配には及ばん。もう既に馬車と馬に必要な物を揃えてある。
まぁ半月もあればチェイスまでたどり着けるじゃろ。
まさか、馬に乗れない者でもおるのかな?
紹介状には、腕利きの冒険者という触れ込じゃが・・・。

■フィリス To:オルリックさん
なるほど。あ、乗馬ももちろん大丈夫です。ご安心ください(^^
でもわざわざ腕利きの、と付けたのは…何者かに襲われる可能性
があるということですか?

■オルリック To:ALL
そうじゃな、可能性はゼロでは無いじゃろうな。
それに絶対に届けて貰わねばならん大事な物じゃからな。

■アルフレッド To:オルリック
なるほど、そちらに関しては我々の専門ですのでご心配なく。それよりも、大事な物ですか?大切なお嬢様なら大事な人と仰るのが適切かと思いますが・・・。

■オルリック To:ALL
うむ、確かにエミリアはワシの大事な一人娘じゃ。
だが今回は人の命が掛かってるのでな。娘よりも一緒に運ぶ品物の方が重要なのじゃよ。
これだけはどうしても期日内に届けて貰わねばならん!

できれば娘を行かせたくはないが、どうしても自分が行くと言い張ってな。
今からでも、考え直してくれぬものかのぅ・・・。


■フィリス To:オルリックさん
そういうことだったんですか。それで、大事な品物とは一体何ですか?

■オルリック To:ALL
それは娘が持っておる「宝剣」じゃよ。
装飾の施された儀礼用の短剣でな、ワシの恩人より娘に送られた物と聞いておる。

■リシィア To:オルリック
宝剣……ですか?
人の命が関わっているとおっしゃられましたが、それはやはり、何か特別な力の有る品物なのでしょうか?

■オルリック To:ALL
特別とは魔法的、霊的な事を指すのかね?
アレがそういう物かどうかは分からん。
じゃが、それ一つで人の命が救えるのは確かじゃ。証拠の品としてな・・。

■アルフレッド To:オルリック
証拠の品ですか、なにやら複雑な事情がおありの様ですね。
何らかのトラブルが有った時の為にも、今回の件に関する事は全てお話していただけませんか?
例えば、移動中に我々を襲って来る者の心当たりなど・・・。
勿論秘密は護らせて頂きます。

■オルリック To:ALL
うーむ、話してもよい・・・・。
がそれはつまり、この仕事を引き受ける という事じゃな?

■フィリス To:パーティALL
…私は受けてもいいと思います。
みなさんはどうでしょうか?

■クラウディア To:フィリス&ALL
あたしは賛成だよ。
人の命と聞いちゃ,後にはひけないしね。

■キャンドル To:ALL
私も、異存は無いわ。

■リグ To:ALL
そうそう、困ってる人は助けなくちゃ。

■リシィア To:ALL&アルフレッド
私も、引き受ける事に異論は有りません。

……リーダー、ご決断をお願いします。


■アルフレッド To:ALL
いいんじゃないのかな、報酬額やクライアントの支払い能力にも問題は無いし、何より人助けが俺達の仕事だからね。

■キャンドル To:心の中
(私は、人助けが仕事じゃねいのよね〜(苦笑))

■キャンドル To:オルリック氏
オルリック様、先程、お嬢様の宝剣は、『ワシの恩人より娘に送られた物と聞いておる。』と仰られましたが、どなたから、何時、どういった理由で送られたか?、といった事は、ご存知では、ありませんか?

■オルリック To:ALL
ロドーリルの騎士ゴルドール卿というお方じゃ。
もうかなりの年の上、肉親が一人もおらん故、エミリアを本当の娘のように可愛がって下さった。
丁度、三ヶ月前にエミリアがロドーリルの方へ旅行した折りに、ゴルドール卿の屋敷で世話になったそうじゃ。
その時に宝剣を頂いたと聞いておる。
本来ならば家宝たる品物を他人に送る事はないが、エミリアがその宝剣を褒め称えたところ、
惜しげも無く娘に与えて下さったらしい。

■キャンドル To:オルリック氏
それで、『聞いておる』と言う事なのですね。
納得いたしました。

■オルリック To:ALL
では全てを聞かせよう。
先程も言うたように、人の命がかかっておる。
現在は殺人の容疑で投獄されておってな。無論、これは冤罪じゃよ。
そして処刑される日が17日後の夜なのじゃ。
彼の無実を証明してくれる証拠の品を刑の執行日までに、どうしても届けてもらわねばならん。

またワシが警戒しておるのは、数日前に脅迫状が屋敷に投げ込まれてきたからじゃよ。
それがこれじゃ。


と言って、懐から取り出した羊皮紙にはこう書かれていた。

「貴殿とご家族の安全を第一そるならば、ロドーリルへの無用な手出しは控えていただきたい。」

■オルリック To:ALL
宝剣だけを届けるなら、使いの者に任せておきたいのじゃが・・・。
娘がどうしても自分で行くと言い出しおってのぅ。
故に急遽、護衛を募集したのじゃよ。

■キャンドル To:オルリック氏
エミリア嬢様がどうしも、自分で行く、と仰っておられる理由が何かあるのでしょうか?

■オルリック To:ALL
証拠の宝剣だけでなく、自分の言葉があればより確実だと申してな。
確かに譲渡された経緯が本人の口から説明した方が良いとは思うがな・・・。

■リグ To:オルリック
ふーん、そう言うことなんだ。
エミリアさんはゴルドールさんのことをとても心配してるんだね。

でも、誰だか分からないけど脅しなんて卑怯なことするな。
オルリックさんは、この脅迫状の相手に心当たりはあるの?


■オルリック To:ALL
いや、心当たりはない。多分、ゴルドール卿を陥れた輩じゃろうな。

ゴルドール卿には、娘も赤子の頃より世話になっていたのじゃ。
まるで自分の娘のように、本当に可愛がってくれておりました。


■キャンドル To:オルリック氏
その、ゴルドール卿が今、非常にまずい状況にあり、その方はオルリック様にとっても、エミリアお嬢様にとっても大変、大切な方である、という事は、わかりました。

しかし、そのお嬢様の宝剣がその、ゴルドール卿の冤罪を証明するものになると言う辺りが私にはよく分からないのですが、その辺り、教えて頂けないでしょうか?

■オルリック To:ALL
少しややこしい話じゃが・・・。

オルリックの順を追って、説明を始めた。

ゴルドール卿が罪を問われる事になった事件は三ヶ月前に起った。
なんでも深夜、衛視隊副隊長が何者かに殺害されたらしい。
公式発表では公費を横領していた騎士ゴルドールが発覚を恐れ、捜査を行っていた副隊長を殺害したとの事。
また凶器として、ゴルドールの家に代々伝わる宝剣が挙っている。

だが丁度、事件前日にゴルドールの屋敷でエミリアは世話になっていた。その折りに宝剣をお守り代わりにと、彼女に贈られたたしい。
一振りしか存在しないはずの宝剣が二本・・・。
本物がどちらかは言うまでもない。
つまりこれを証拠の品として、事件を担当している法務官ミロア氏に提出すれば、老騎士の無実を証明できるという事らしい。

■キャンドル To:オルリック氏
あと気になりますのは、手紙の一文にもありました、『ロドーリルに手を出すな。』、ロドーリル王国に対して、商売やゴルドー卿を含めた交友、あと、関係がありそうでなくとも、ロドーリルに関する事柄で何か思いつかれませんか?

■オルリック To:ALL
うーむ、ゴルドール卿以外にロドーリルで、交流のあるものはおらんな。
彼もそれなりの地位にある人物じゃ、国内には政敵もおろう。
残念じゃがワシには、それ以上は分からん。

■リシィア To:オルリック
ところで、ゴルドール卿とはどのようなお知り合いなのでしょう?
先程、恩人……とおっしゃられたと思いますが、具体的に教えて頂く事は出来ませんでしょうか?
過去になにか事件があったのなら、脅迫状の差出人がその関係者ということも有りますし……。

■オルリック To:ALL
う〜む、過去か・・・・・。
確かにワシが若い頃、ゴルドール卿には随分世話になった。
今、こうしていられるのも彼の御人のお陰だろう。
じゃが分からん・・・。思い当たる事が無いのじゃよ。

■クラウディア To:オルリック
あたしはクラウディア。
人間様の言葉で,敬語は苦手なんで失礼するよ(^^;
ひとつ聞かせてもらっていいかね。
その大事な仕事をなんであたしら冒険者に頼むのかい?
行く先が遺跡とか迷宮とかならともかく,ロドーリルだろう?
このお屋敷にも,適任の御家来衆はたくさんいるだろうに。

■オルリック To:ALL
確かにおる・・・多少は武芸に通ずる者はな。
じゃが旅の途中、不測の事態に対処できるか?となると話は別じゃよ。
しかし腕利きの冒険者ならば、臨機応変に対処してくれると聞いておる。
そういう訳で、よろしく頼みましたぞ。

■クラウディア To:オルリック
そりゃご丁寧に……どうも。
たしかに臨機応変は得意とするところだけど,ようはそれが要求されている任務なわけだね。
応変といえば,依頼状には報酬1000ガメル+能力給とあったけど,能力給とはどういうことかい?
依頼の達成条件がいろいろあるのかね?

■オルリック To:ALL
依頼が完遂されれば、君達が優秀である事の証明じゃろ。
その時はボーナスを出してもよい。じゃが、もしもの時は報酬を減らす事になるじゃろうな。

そして条件は2点。
必ず期日内に品物を届ける」これが最優先じゃ。
もう一つは「娘の安全」、これで全てじゃよ。


■クラウディア To:オルリック
なるほどね……ところでエミリアさんだけど,自分で届けると言うからには,自分の身を守るすべを,なにか持っているのかい?
脅迫状の件は承知しているんだろう?

■オルリック To:ALL
全く無い。じゃから君達が必要なのじゃよ。
脅迫状の事は娘も既に知っておる。それでもまだ行くと言ってな・・・。

■キャンドル To:オルリック氏
では、例えですが、今、お嬢様を説得する事が出来れば、依頼を一つ済ませた事になるのですね?

■オルリック To:ALL
うむ、そうなるな。ワシとしても大助かりじゃよ。

■キャンドル To:オルリック氏
念のためお伺いしたいのですが、品物の届け先、探すのがえらく困難な所にある、等と言う事は、ございませんよね?

■オルリック To:ALL
安心されよ、そのような事は決してない。
なにせ届け先は、ゴルドール卿が容疑をかけられている事件担当の法務官ミロア 氏じゃからな。

■キャンドル To:オルリック氏
その、法務官のミロア氏の事は、何かご存知ですか?

■オルリック To:ALL
公平無私な人物と聞いておる。
宝剣を届ければ、必ず今回の冤罪を再審査してくれるじゃろう。

■クラウディア To:オルリック
当然だと思うけれど,確認させておくれ。
冤罪事件の件と,法務官に渡せば解決されるという話は,信頼すべき情報筋から来ているんだよね?

■オルリック To:ALL
あぁ、その点は大丈夫じゃ。
宝剣を法務官に提出すれば、それで冤罪の件は収まる。

■オルリック To:ALL
そうそう、娘以外にも同行者が一人おってな。ディーンと言う傭兵じゃが、信頼できる人物じゃ。
足手まといにはならぬじゃろうから、彼と協力して無事に依頼を全うしてくれ。

最悪、娘の護衛はディーンに任せてでも、品物を必ず期日までに届けてもらいたい
後この事は娘に秘密という事でよろしいかな?


■キャンドル To:オルリック氏
お嬢様に秘密にしなければいけないのは、必ず期日までに届ける と言う事でしょうか?
それとも、出発まで、ディーン殿が同行されると言う事ですか?

■オルリック To:ALL
それも含めてじゃ。娘はゴルドール卿が処刑される事を知らん。
この事を知ったら、それこそ何をしでかすか分からんからのぅ。

■キャンドル To:オルリック氏
お嬢様には、今回の事を何とお伝えされているのですか?

■オルリック To:ALL
「冤罪の為にかれこれ三ヶ月近くも投獄されている」と伝えておる。

■クラウディア To:オルリック
わかったよ。
そのことを,ディーンさんは承知しているのかい?

■オルリック To:ALL
うむ、既に言い含めておる。

■リグ To:オルリック
ディーンさんは、どんな人なんです?

■オルリック To:ALL
真面目で信頼できる男じゃ。腕もなかなかのものじゃしな。
息子を持つなら、あぁいう男がよいのぅ。

依頼人の言葉から、余程信用されている人物のように思える。
■フィリス To:オルリックさん
そのディーンさんはいつ頃からこちらで傭兵をなさっているんですか?

■オルリック To:ALL
いや、雇ったのは今回が初めてじゃよ。
じゃが以前よりよく知っていた者故、雇う事にしたのじゃ。

■キャンドル To:オルリック氏
その、『以前よりよく知っていた、』と言うのは、どういう事かお伺いしてもよろしいかしら?

■オルリック To:ALL
ん・・・まぁ、君達が知る必要の無い事じゃろ。
そのことは忘れてくれんか。

何やら詮索されたくない事らしい。
■クラウディア To:オルリック
そのことが今回の件と関係ないっていうんならね……。

■オルリック To:ALL
・・・・・・・・・・・・・うむ。その点は大丈夫じゃよ。

■キャンドル To:オルリック氏
あと、宝剣のイミテーションの様な物は、ございませんか?

■オルリック To:ALL
残念ながら手元にその様な物はない。
逆に偽物がこれ以上出てもらっては困るのでな。

■クラウディア To:オルリック
それじゃあ,逆に持っていく短剣が本物だという証明は出来るのかね?
制作者の紋が入っているとか……

■オルリック To:ALL
詳しい事は言えんが、その宝剣を持って行けば問題はない。
ただし大事に扱ってもらいたい。
もし破損したりすれば、本物であると証明できなくなるかもしれんのでな。

■アルフレッド To:オルリック
承知しました、勤めて慎重に扱わせて頂きます。

■オルリック To:ALL
うむ、重ね重ねよろしく頼みましたぞ。

■アルフレッド To:オルリック
では、我々も仕度が御座いますので一旦失礼させて頂きます、夕刻までは戻るように致します。

■オルリック To:ALL
あぁ、その時にでも娘とディーンに引き合わせよう。


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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp