「銀の網」亭→エストン山脈 |
翌朝、一行は待ち合わせ場所の銀の網亭の前にて、ジェリーが来るのを待っていた。
程なくしてジェリーは背負うと頭一つ分高くなる、大きめな背負い袋と共に姿を現した。
外見と同じくらい中身も詰まっていそうであり、袋はしっかりふくれあがっている。
■ジェリー To:ALL |
んども。おはよぉごぜぇっす。 んじゃ、ぼちぼち行くっすか。保存食はちゃんと買ってあるっすか? 最初の三日は途中の村で宿が取れるっすけど、それから先は保存食がないと辛いっすよ。 最悪の事を考えて、3週間(63食)は保つようにした方がいいっす。 |
■バーン To:ジェリー |
分かりました。保存食はここで手に入るからちょっと待っててくれますか。 |
■アップル To:バーン&おーる |
わたしもつきあうね。みんなの分を買ってくればいいのかな? |
■ソフィティア To:バーン&アップル |
それじゃぁ、私のも頼もうかな。量は一緒で良いからお願いね。 |
と言うわけで、3週間分の保存食を購入しに入った二人だが………全部で購入する量は6人の3週間分で一人あたり63食。すなわち、一人441ガメルになるはずだったが、大量に購入したので交渉の末、おやじに一割まけてもらい、一人400ガメルにしてもらった。
さすがのおやじもこれには面食らっていたという(笑)
■ジェリー To:ALL |
随分時間かかったっすねぇ………。 保存食くらい先にかっといて欲しいっすよ。 もう、用意はいいっすか?これで買い忘れがあったら補充は利かねぇっすよ。 |
300を越える買い物には時間がかかるため、ジェリーは待ちくたびれていたとさ(笑)
■クロス To:ジェリー、買出組み |
おっしゃるとおりだね(苦笑) 最悪のことは予想しておかなきゃだった。 さて、準備はもうだいじょうぶかな。ありがと。 |
■アップル To:ジェリー&ALL |
お待たせ〜 おくれてごめんなさいね。 |
■バーン To:ALL |
(おやじの奮闘ぶりを思い出しながら) いやあ壮観だったなあ(苦笑) 随分手間取っちゃったね。それじゃあ早速行こうか。 |
■メルディス To:アップル、バーン |
ご苦労さまです。 保存食はトーイに括り付けておきましょう。 さすがにこれだけの量となると…圧巻ですね。 |
■ソフィティア To:トーイ |
ちょっと重たいけどがんばってね。 |
こうして一行はロバに大荷物を積み、悠々オランを出発した。それから三日後、街道をほぼ北上してきた一行にこれと言ったトラブルも生じず、無事山脈の麓にやってきた。正面の山々はけっして高くはないようだが、全体が鬱そうと森に覆われており、くぐり抜けることもまた大変そうである。
相変わらず大きな荷物を背負っているジェリーは一行に改めて確認を採る。
■ジェリー To:ALL |
んじゃ、ここから最低でも二週間は人里離れた場所になるっすけど、大丈夫っすね? もしかしたら、ドワーフの集落が見つかる可能性もあるっすけど、あっしは場所を知らないんでまぁ、期待しない方がいいっす。 |
■ソフィティア To:ジェリー&ALL |
もうここらへんからグリフィンの活動範囲になってるの? |
■ジェリー To:ソフィティア |
各個体の活動範囲はかなり広いらしいっす。だから、まれ〜にここら辺でも見つかるらしいっすよ。 と言っても数えられる程度しかないらしいっすけど。 |
■バーン To:ジェリー |
財宝を掴んで飛んでるならまだしも、こんなところで遭遇戦は行ないたくないですね。 匂いを運ばない様、出来るだけ風下を選びながら進んでいきましょう。 |
■メルディス To:ジェリー |
グリフォンって1体だけじゃなかったんですね。 俺はこの地域に生息しているのは1体だけかと思ってたんですが。 |
■ジェリー To:バーン |
なこといわれましてもねぇ。 ここから先はず〜っと森をくぐっていかにゃぁならねっすから、そもそも道を選んでいくことだって難しいんすよ。 まぁ、どっちにしたって崖までいけばグリフィンの方が空を飛べる分有利って事にはかわらねえっすけど。 |
■クロス To:バーン、メルディス |
まあ、グリフィンは光物をちらつかせなければそれほど過剰に反応しないんでしょ? きっと大丈夫だよ。ジェリーの言うように、目的地まで行った後が大変だろうねぇ。 |
■ソフィティア To:ALL |
どうせなら、ここら辺りでボコボコにしておいて、財宝を取ってくるときに楽したいんだけどね。 |
■アップル To:バーン&おーる |
まぁ、相手は空を飛んでくるんだから・・森のなかでおそわれることは少ないかもね。 それよりも、他の動物とかにも気をつけないと。。ね。 |
■クロス To:アップル |
あ、そうか。 |
■ジェリー To:アップル |
まぁ、そんじょそこらの怪物ならそんなに問題ないとおもうっすよ。 んじゃ、いくっすか。 |
■メルディス To:ALL |
その前に。 一応上空から接近されてもいち早くわかるように、スチアを飛ばしておきますよ。 じゃ、たのんだぞ。 |
■クロス To:メルディス、スチア |
たのむよ。 |
■ジェリー To:メルディス |
魔術師は便利なもんもてるっすよね〜。 |
一行は目的の崖に向かうため、鬱蒼とした森の中に入っていった。
森は上が木の葉で覆われているため、昼間でもうす明かりしか差してこないがそれでもそのおかげが、茂みはほとんどなく、進むのには苦労はしなかった。
ジェリーの先導の元、一行は歩き続けた。初日、二日目と歩き続けると最初の山を越え、比較的開けた場所に到着した。
そして三日目の出発直後のことである。先頭に立っていたジェリーが何かを発見した。
ほぼパーティーの通り道上にそれはあった。何者かが野営した後であろう。火を炊いた跡やテントが残っていた。そのテントはしばらくの間雨風にさらされていたため、あちこちにシミが出来ているが、多少開けた場所に設置されっぱなしであった。
しかし、それは鋭い爪によってところどころ引き裂かれたようなあとがあった。
■アフル To:ALL |
これって…、誰かが襲われた跡かな…? |
■クロス To:アフル、ALL |
だろうね。じゃなきゃ、テントを放っていくわけないよ。 |
とりあえずアフルは周囲に血など戦いの痕跡が残ってないか調べてみたが、予想以上に前のことだったらしく、もはや残っていないようであった。
クロスは潰れたテントを持ち上げて調べてみたが、中には何も残っておらず、何者がすでに全てを持ち去ったようである。
ソフィティアも辺りを調べてみたが、不審なものは見あたらなかった。
■アップル(ひとりごと) |
この爪のあと・・・・ グリフィンのっていうのは、ちょっと早計よね。。 |
■メルディス To:アップル、ALL |
しかし、その可能性も考えておかねばならないでしょうね。 俺達も野営の際には特に注意を払うようにしましょう。 |
■ソフィティア To:ALL |
結構前に廃棄されたみたいで、周りにも何にも無いわ。気にしないでこのまま進んじゃっても良いんじゃないかしら? |
アップルは不安そうに、空を見上げつつ言う。
■アップル To:ソフィ&おーる |
そうね・・。これがグリフィンにおそわれたあとだとしたら、ここにいるのも危ないってことよね・・・・。 |
■バーン To:ALL |
(テントに向かい黙礼した後) …よし、行こうか。 |
バーンのかけ声に最後までクロスと一緒にテントを観察していたジェリーは、のろのろ立ち上がり再び先導を始めた。
エストン山脈 |
バーンのかけ声の元、再びジェリーの先導の元、一行は崖に向かって森を進み始めた。
ソフィはふと、そのジェリーの横顔に、何か先ほどまでとは違う微妙な笑みが浮かんでいることに気づいた。他の仲間は気づいてないようだ。その笑みは、つい先ほどまでジェリーがクロスと一緒にくたびれたテントをひっくり返しているときも、一瞬浮かんだ。
ジェリーが先ほどからその表情を悟られまいとしてるのが、ソフィには伺えた。
■ソフィティア To:バーン |
バーン、そろそろお腹も減ってきたしお昼ご飯にしない? |
■バーン To:ソフィティア、ALL |
?………まあ、構わないか。 (微妙にいつもと違うソフィティアの雰囲気を感じながら) みんな、この辺で小休止しようか。 …そうそう、みんな光物に気を付けよう。出来れば反射しないように布で包んで隠してくれ。 |
■クロス To:バーン |
OK。 |
■メルディス To:ALL、スチア |
そうしましょう、そうしましょう。 いやいや疲れましたよ、俺は(笑) スチア、戻ってこい。 |
メルディスが合図すると、スチアは上空からその肩に舞い降りた。
■ジェリー |
飯っすかぁ? まだもうちょっと歩いても良いと思うんすけど、まぁいいすよ。 飯にしやしょう。 |
出発時より少し小さくなった背負い袋の中から保存食を取り出すと、一行の間に交じってジェリーも食事を始めた。
■アップル To:ALL |
さすがに・・・・保存食ばっかりだと、飽きてくるね^^ (辺りをきょろきょろしながら)別に狩りとかじゃなくてもいいから、キノコとか、とれないのかなぁ・・・・ |
■ソフィティア To:ALL |
折角だからなにか探してきて自炊する? |
■バーン To:ソフィティア、ALL |
そうだね。山菜でスープかサラダでも作って欲しいな。 荷物の見張り番と食材調達の組を決めて早速始めようか。 |
■ソフィティア To:バーン |
食材探しはやっぱり目ざとい人に行ってもらった方が良いだろうから、わたしは料理の用意か薪集めね。 |
■バーン To:ソフィティア、ALL |
じゃあ俺もこっちに残るよ。 料理は下手だけど荷物番と水汲みくらいはできるし。 |
■メルディス To:ALL |
俺も残ります。 調達組の方では役に立てそうにもないですしね(笑) |
■アップル To:ソフィ&おーる |
だったらわたし、何か探してくる・・・・あまり期待しないでね^^ えーと・・、だれか一緒にいこうよ、ね? |
■クロス To:アップル |
じゃあ姫のエスコートには不祥この僕が(笑) |
クロスは、背中の荷物を降ろしがてら、一応弓も準備。チャンスがあれば、食用になる動物を射止めるつもりらしい。
■アップル To:クロス |
ありがと^^ じゃぁ、お言葉に甘えてエスコートされちゃおうかな♪ |
”姫”なんて言われたことはじめてなので、なんだか嬉しいらしい(笑)
■クロス To:アップル |
それでは是非お任せください♪ |
■アフル To:クロス&アップル |
あ、俺も行くよ、そう言うのちょっとは心得あるし。 それとも…、お邪魔だったりする?(笑) |
■クロス To:アフル |
え? ……な、なな、なに言うんだよっ! |
クロス、一瞬ぽかんとした後、意味に気づいて真っ赤になる。…この歳でここまでうぶであると言うのも、どうかとは思うが…
■アップル To:アフル&クロス |
え、なにが? 別に・・邪魔でもなんでもないよ?? ・・クロス、どうかしたの? |
そういう意味で、クロスにさらに輪をかけたアップル(笑)
・・おねぇさんのはず・・なのですけど。。
■クロス To:居残り組み |
ほ、ほかに行ける人は? |
■ソフィティア To:ジェリー |
ジェリーはどうする? |
■ジェリー To:ソフィティア |
あっしも同じく行動してるわけっすから一緒に探すっすよ。 んじゃ、行きましょうか。 |
ジェリーは食べかけの保存食を一旦地面において、腰を上げた。
■アップル To:荷物番の方々 |
うん、それじゃぁいってくる・・ お留守番、よろしくね♪ |
■メルディス To:クロス |
あ、一応こいつを連れて行ってください。 大丈夫だと思いますが、万が一迷った場合はスチアがいれば俺の方から位置は分かりますので。 |
■クロス To:メルディス |
なるほどね、じゃあ、そうするよ。 そうだ、もしそっちでなんかあった時は、つっついて合図してもらえればすぐ帰るから。 |
■アップル To:メルディス&スチア |
ありがとう、メルディス^^ スチア、よろしくね♪(つんつん) |
メルディスは合図と同時にスチアをクロスの肩にとまらせた。
こうしてジェリーを含めた一行は食材を調達に森の中に入っていった。
後にはソフィティア、バーン、メルディスが残された。
■バーン To:ソフィティア |
…ねえ、ソフィー。一体どうしたの? 歩こうと思えばまだ進めただろうし、いつもと様子が違っていたし… |
■メルディス To:居残り組 |
ん? そういうわけだったんですか。 ・・・ジェリーですか? |
■ソフィティア To:バーン&メルディス |
メルディスも気がついてた?実はさ、ジェリーの行動がにちょっと不可解なことがあって話をしておきたかったの。 いまさっき破けたテントがあったじゃない?クロスとジェリーが見てた。彼、隠すように含み笑いしてたのよ。そのあとも歩きながらなにか訳知り気にヘンな笑い方するの、しかも悟られまいと。 シーフギルドでクロスが調べてくれた結果ジェリーが詐欺師をはたらいてるって言ってたから気になるのよ。もしかしたらだけど、罠に向かってまっしぐらって事もあるかもしれないわ。 いまさら引き返す気も無いけど、もし予想があたってたら必ず仲間がいるはずよ。ジェリー1人で私達全員を相手にはとても出来そうに無いもの。もしかしたら、あのテントも罠にかかったやつの名残かもしれない。って、歩きながら考えてたの。 |
■バーン To:ソフィティア、メルディス |
…罠か… でも一介の冒険者風情の俺達だ。金目的で罠にかけるって事は考えにくいよね… …とすると、俺達の生命そのものって事なのかな? |
■ソフィティア To:バーン |
装備品売り払ってもそれなりの値段にはなるわね。けど、財宝を持ち帰っている途中に襲うのかもしれないわ。 |
■バーン To:ソフィティア、メルディス |
…頃合を見計らって、他のメンバーに注意を促しておこうか。 グリフォンに会う前に罠にかけられたらやっていられないしね。 取り敢えずは注意をしながら様子見ということでどうかな? |
■ソフィティア To:バーン |
うん、不意打ち出なければ十分私達で返り討ちに出来ると思うの。だから、内密のうちに仲間内にだけこのことを伝えれば良いんじゃないかな? |
さて、留守番組がそんなシリアスな会話をしているころ………
■アップル |
(てってって、と歩いているウサギをみつけて)あっ、お昼ごはんよっ |
■クロス To:ウサギ |
っ!(ぴすぴすぴすっ。) |
あたらない。ウサギの方が一枚上手(笑)
■クロス |
あぅ… |
■アップル To:ウサギ&クロス&アフル(?) |
さすが、本場のウサギはひと味ちがうわね・・・・・ 今日はこれくらいで勘弁してあげるわ・・ ところで、ジェリーはどうしたのかな? |
■クロス To:アップル |
え? あ、ホントだ。さっきまでいたのに…? |
■アップル To:ウサギ&クロス&アフル(?) |
・・まぁ、いいや。そろそろもどりましょうか? |
各々の獲物を手に、調達組はバーン達の所へ戻っていった。