SW-PBM #072
汎用ヒト型演劇人形

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■ 
ラヴィはメイド服を脱ぎに、再び屋敷を訪れた。
門を潜り抜けると、庭の隅で火を焚く、ミリィとパティの姿が見える。
集めたゴミを燃やしているようだ。
■ラヴィ To:ミリィ&パティ
こんばんは。精が出るわね。
預けてた服を取りに来たんだけど乾いてるかしら?

■ミリィ&パティ To:ラヴィ
わ、わっ!!

声を掛けられて、何故か慌てる二人。
■パティ To:ラヴィ
……なんだ、お姉様。

■ミリィ To:ラヴィ
はぁ……。
びっくりしました。

■ラヴィ To:二人
……何か隠し事?

燃やしてるゴミを覗き込む。
枯れ枝と落ち葉が燃やされる煙の中、微かに甘く香ばしい匂いが漂っていた。
■ミリィ To:ラヴィ
いいえ、何も。
二人だけの秘密です。

■ラヴィ To:ミリィ
……何か良い匂いがするけど……。
ま、いいか。

■ミリィ To:ラヴィ
ええと。
お洋服なら洗って、干して、干して……、干したまま。

ばつの悪い顔で答える。
■ラヴィ To:ミリィ
あ、そうなんだ^^;
いいわよ、皺なんか気にしないから。
すぐ着替えたいんだけど、どこに干してるの?

周りを見渡す。
広い庭を挟んだ屋敷の軒下に、干された服が見えた。
■パティ To:ラヴィ
また、御着替え手伝いましょうか?

■ラヴィ To:パティ
う゛、ひ、一人で――。

言いかけて一人で着替えるのは難しそうな事に気付く。
■ラヴィ To:パティ
――やっぱり、お願いします(涙

■パティ To:ラヴィ
はい♪

とても嬉しそうだ。
先に服を取りに行くラヴィ。
吊るされた服に手を掛けていると、ミリィ達の声が聞こえた。
■パティ To:ミリィ
これ、一緒に燃やしていいよね。

■ミリィ To:パティ
何? その青い紐。
良くわからないけど、いいんじゃないかな。

何の事か気になり、視線だけをそちらに向ける。

二人は、束になった書類を、焚き火にくべていた。
パティの手に、他と違う丸めて紐で括られた物が見える。
■ラヴィ To:パティ
(――まさか!)
ちょ、ちょっと待ったー!

叫びつつパティの方へ駆け寄る。
■パティ To:ラヴィ
ほ?

止まらないパティの手。
ラヴィは、庭に設けられた薔薇の植え込みを突っ切り、小さな池を軽々と飛び越えた。

焚き火の元に掛け込み、手紙を間一髪回収する。
■ラヴィ
ぜー、ぜー……間に合った……。

■パティ To:ラヴィ
わ、一瞬で。

■ミリィ To:ラヴィ
そ、そんなに慌てなくても、お芋なら分けて……。

薔薇の刺で所々ほつれたメイド服が、痛々しい。
■ラヴィ To:ミリィ
いや…お芋じゃ…なくてね…^^;

回収した手紙?の内容を、紐解いて確認する。
■伝書
・砥石(灰褐色、細目) ボーリックさん
・絵の具(青、赤、黄) コリンさん
(中略。
 狩猟具や鞍の補修部品等、小物類が幾つか)
・贈り物(人形) イェーラちゃん

余った銀貨は、二人で自由に使ってくれ。
村長 ユード

スフィーが落としたという買い物リストに、間違い無さそうである。
■ラヴィ To:ミリィ&パティ
良かった……間違いなさそうだわ。

この手紙、探してたのよ^^;
……貰っていっていいわよね?

念の為、内容を見るミリィ。
■ミリィ To:ラヴィ
本当、この屋敷の手紙じゃない……。
お昼の時、落とされたんですね、多分。

■パティ To:ラヴィ
あ〜、落し物なら自分も時々(^^

ラヴィに親近感。
■ラヴィ To:パティ
あはは…。
(私じゃないんだけど……ま、いいか^^;)

思わぬ所でスフィーの依頼をこなし、服装も元に戻る。
焼き芋を手土産に貰って、ラヴィは仲間の所へ戻った。

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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp